ここは地の果て、流されて、俺 -発達障害と診断されまして②-

前回の記事の続きです! 

yajul.hatenablog.com

 

 

憧れのロールシャッハテスト

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臨床心理士さんのところで心理検査WAIS-IIIを終えた勢いに乗じてロールシャッハテストを受けることになった俺。

この時を待っていた…!

洋画脳の俺には「凶悪な犯罪者が受けて適当な答えを返すもの」みたいなイメージがあり、アメコミ脳の俺にはアメコミ不朽の名作「WATCHMEN」のロールシャッハさんのイメージである。

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Walter Kovacs (Watchmen) | DC Database | Fandom より

 

シャッハさーん!指折ってくれー!

 

ロールシャッハテストは近年その有効性に疑問が持たれているということもあり、なかなか実施されないらしいんだけど、せっかくここまで来たのだし受けさせていただくことにした。

何か象徴的なインクの染みの絵を、8枚ほど見てそのひとつずつに「これは何に見える」とやっていくわけだけど…

なかなかに体力を使う!

というのも、洋画に出てくるワルのように一言で「〇〇だ」と切って捨てるものではなく、「他には何が見える?」「もっと詳しく」「この部分は?」とどんどん訊かれていくというもの。ナメた態度で受けられるほどヤワなものではないぞ!

心理検査と同日に行われるのかと思ったんだけど、「体力を使うから」ということで二日にわたって検査を行った理由が分かった。

いやぁ、脳が疲れる!

 

「この絵は何に見えますか?」

「……道路に見えますね」

「どのような道路ですか?」

「………石畳で…両側に木が植えられていて…大きな街に続いているように思います」

「その町はどのような街ですか?」

「……産業革命的な…石炭と鉄とジンの香りがしますね…」

「ほう……では次のこの絵は?」

「槍を携えた大天使ミカエルに見えますね」

「これは手の施しようがない大変な中二病ですね…その一言だけであなたのようなヒゲ男がどのような人生を送ってきたのか手に取るようにわかります。逃れられない中二の病があなたの脳と精神を蝕んでいるのが認められます。もはやこれは救いがたい業病に侵された哀れな社会不適合者と言わざるを得ませんね…」

「まこと申し訳ありません…」

 

こういう感じのやり取りが1時間以上続くという、非常にハードなテストだ。

もちろん上記のやり取りはフィクションというか…大天使ミカエルのところまでは実際のやり取りなんだけども。

実際は臨床心理士さんは「個性的ですね」というコメントでした…!

で、大天使ミカエルあたりはまだ優しいというか、言いやすい範疇で…

中には、ブログ等では記せない物に見えたものもあってね。

でもそう見えたものを隠すと検査にならないから、「大変言いにくいのですが」と前置きをして素直に全部言いました。

そういった葛藤も含めて、ハードな検査だったよ!

「マジで俺はこれがあれに見えるのか!?」という自身の心との対決!

心理検査よりも疲れた…!

 

ロールシャッハテストの結果と……

「テストの結果はなるべくオブラートに包まず、厳しめにお願いします」

臨床心理士さんにお願いしたら…本当に容赦なくてちょっと笑ってしまった!

このロールシャッハテストは性格検査に分類されるようで、自分がどのような性格なのかだとか、感情がどのように発露するのかを分析する目的があるみたい。

洋画で主に悪党に対して行われるのもわかるね!

俺のロールシャッハテストの結果は…

 ・抑圧された怒りが見られる

 ・他者との意味のあるコミュニケーションを継続させることが困難である

などなど…

「これはつらい」な結果がドカンと並びました!

 

まぁ、その…このロールシャッハテストを受けたのが「彼女とお別れした直後」だったので…。

もしかするとそれが検査に反映されたのかもしれず…!

「あ、ちょうど今『他者との意味のあるコミュニケーション』が破綻したところです…」

という感想しかなかった!

ええと、具体的な流れとしては

 ・臨床心理さんのところに行き、お話と今後の検査の予定を立てる

 ・その帰り道、彼女から「今夜、話がしたいからうちに来てほしい」と連絡を受ける

 ・それならワインを買っていこう、地場ワインあったはずだし、とのんきに考える

 ・その夜、別れ話が出る

 ・その場でお別れする

というのが一日で起こって

 ・翌週、心理検査を行う

 ・その翌日、ロールシャッハテスト

 ・数日後、結果が出る

 ・「他者との意味のあるコミュニケーションが継続できない」

 ・おっしゃる通りでした!

という流れですね…。

 

俺としては、「心理検査受けるよ!」と彼女に楽しく報告するつもりでしたが…。

「いや、ちょっとお前、『彼氏』とか『夫』には向いてねぇわ」

というのがロールシャッハさんの見解だったということになりますね…!

 

発達障害の話をするつもりが、辛い思い出の解説になってしまっているのだけれども!

 

しかし「他者とコミュニケーションを継続させることができない」というのはキツい結果だけれど、それをきちんと自認するのは大事なことだと思うようになったかな。

心理検査、いわゆるIQテストでIQ120(最大IQ133)という結果が出ただけだと、浮かれて傲慢になってただけな気がするし。ロールシャッハテストと彼女とのお別れによりブレーキがかかったというか、落ち着いて自分を分析できたというか。

いい具合の天の配剤だったように思う。

 

心理検査ロールシャッハテストの結果から

知能検査、性格検査、そして彼女とのお別れという3つの要素からかなり自分のことが分かったように思う。

 

自分は言語理解能力は相対的に高いが、一方でワーキングメモリーが弱い。

また静かな環境では最大の能力を発揮できるが、騒音や外部からのストレス要因があると途端に能力が落ちる。

特に聴覚による影響が大きく、雑音が鳴っているところでは集中力が全く持たない。

実は物事の順序や因果関係をあまり理解していない。

 

という傾向がある。

そして「物事の順序があまりわからない」という特性が、他者との円滑なコミュニケーションを阻害していた、ということなのだろうと思う。

それが「相手の気持ちを理解する能力に欠ける」という形で表出するようになり、お別れに至ったのかなと。

思い返してみると、自分は突然変な理解の仕方をすることが多々あって、「今の会話の流れではそうはならんやろ」な瞬間があった。

でも表面的には言語能力が高いので「yajulくんは頭がいい」とみられることが多く(自認もしていた)、「おかしな勘違いが多発すること」が見過ごされてきたというか…覆い隠せてしまっていたのだろうと思う。

この「隠せてしまった」のが厄介なところで…。

普段は「yajul君は頭がいい」と思われているゆえに、「変なことはしないはず」というバイアスが自他ともにあるので、決定的な瞬間に「こいつはおかしな人間だぞ」とクリティカルな審判が下る、ということを繰り返してきたように思う。

友人関係もそう。

今思い返すと「俺はなぜあの場面であんなことを言ったんだ」という瞬間がいくつもあり…。空気を読まないとはちょっと違う種類のおかしな言動を決定的な場面でやってしまってきた。

もちろん、やってしまったときにちゃんと説明すれば理解を得られたのだろうけれども、落ち着きのなさゆえにその後のフォローをしなかったというのがある。

 

そういうわけだから、「あなたとの未来を想像できない」と言われるよね…!

 

 

……何かだんだん辛くなってきた!

助けてシャッハさん!

「世界は天を見上げてこう叫ぶだろう。“助けてくれ!”と」
「見下ろして俺はこう答える。“No”だ」

…だめか!

 

心理検査の後

そういうわけで臨床心理士さんのところへ通い、心理検査を実施してもらったのがおよそ二年前。

心理検査だけでは発達障害かどうか診断はできないので、臨床心理士さんに書いてもらった病院への紹介状を携えて心療内科などに行けばよかったのだが…。

心理検査の結果である程度満足していたことと、派手なダメージを心に負っていたので、しばらく何もする気が起こらず。

心理検査受けよう!お別れ!結果出た!俺結構ダメじゃない!?

というコンボが二週間くらいの間に起ったので…。

そこから本格的に「発達障害である」となるまでに二年の歳月がかかることになるわけですね!

 

心理検査をした2年前の時点では発達障害だと確定はしていなかったものの、今から振り返れば、突出した能力の部分で短所を補えてしまうことが災いして、自分が発達障害であると自覚できずに「なぜ俺はこんなにダメなんだろう?」「みんなが普通にできることが自分にはできない」「どうやったら私も普通になれるんだろう」と思い悩んでしまうのは発達障碍あるあるだそうで…。

コンプレックスというのは、コップのようなもの。

コップの一部分が欠けていれば、水はその欠けた部分までしか入らない。

他の部分がいくら高くとも、その欠けた部分に意識が行ってしまう。

 

発達障害の生きづらさというのはこういうことだと思う。

 

そんな自分と関係を継続してくれた友人たちには感謝しかないね!

ありがとう!

 

ちょっとだいぶ思い出話をしてしまったけれど、次からは発達障害と正式に診断され、薬物治療を開始することを書いていこうと思うよ!

 

 

街は時を操りながら 人の心を惑わせてゆく -発達障害と診断されまして①-

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「yajulさん、検査結果が出ましたが…。結論から申しますと…発達障害…ということになります」

発達障害…」

ADHDと、ASDが少々あるようです…」

 

そういうわけで、先月5月18日。

私yajulは…発達障害と診断されました。

 

……だよね!!

 お医者さんは大変沈痛な面持ちで、俺をおもんばかりながら言ってくれたのだと思うけれども…俺としては納得感しかなかった!

これまでの人生の重しが取れたような清々しい気持ちになったよ。

 

そうか…やはり!

発達障害だった!

正式に、そういう診断が下りましたよ。

 

ADHDなのはおそらく間違いないだろうと思っていたんだけど、ASDも少々というのは意外だった。

ADHDというのは注意欠如・多動症であり、ASDというのは自閉症スペクトラム、ちょっと前までアスペルガーって言われてたもの。

ADHD+ASDであること自体はそんなにショックはなくて、むしろ今まで感じていた疑問が氷解するような感覚だったかなぁ。

人生の中のあれも、あれも、あれも!あれも!!つまりは…そういうことだったのだ!

はははは。

いやぁ……ご迷惑をおかけしました。

せめて10年早くわかっていればなぁ、と思わなくもないけども!

 

 

自分は発達障害かも?と思ったきっかけ

なんとなく、「普通にみんなができていることができないなぁ」とは思ってはいたものの、自分が発達障害である、とはなかなか思わなかった。

そんな中、仲の良い友人の子供が発達障害と診断されて、その話をいろいろと聞いていたんだけど。

なんかその話の内容が妙に俺自身に当てはまる気がしたし、その友人も「多分yajulくんもそうだよ、そっくりだし!」と言ってたし、実際その子と俺は非常に話が合う。

親子ほど年が離れていると普通はどちらかが配慮しないと会話を続けるのが難しいものだけれども、俺とその子は全くストレスなく会話を続けることができた。

かつてない相互理解感…!

仲が良くなることに年齢は関係ないんだなぁと実感したね!

ファラデーとマクスウェルとか、藺相如と廉頗とか、年齢が離れていても親友足りえるというのは事実ですよ…!

 

「この子とそんなに話が合うのだから、yajul君も大体そういう感じだよ」

という友人の割と適当な熱い推薦を受け、これは俺も検査を受ける必要がありそうだな、と思ったのがきっかけ。

 

そういうわけで2年前、個人でやっている臨床心理士さんのところで心理検査WAIS-III(いわゆるIQを測る検査のこと)を受けたところから、俺の自分探しの長い旅が始まったというわけさ…。

 

心理検査WAIS-IIIを受ける

ウェイス・スリーとかウェイス・サードとか読む検査。

ウェクスラー式心理検査というもので、子供向けはWISC(ウィスク)という検査がある。どちらも用途は同じ。

2021年現在ではWAISもWISCもバージョンが進んでいて、WAIS-IVとWISC-IVが主流。

昔、知能検査と言われていたものだね。

…ここで試験の内容を詳しく書くのはよろしくない気がするので、あまり詳しく書けないけれども!(対策したら意味ないからね)

一つ言えるとすれば…結構長いテストなので、体力は必要ということかな。寝不足だったらキツいよ!

 

で、この検査をなぜ病院で受けなかったかというと…

洋画に出てくるようなカウンセリングに憧れたというのが第一だね…!

こう…広い部屋でさ。ゆったりしたソファがあって、観葉植物とか本棚とかあったりして…ラフな雰囲気でざっくばらんに会話して…という!あれだよ!

憧れない!?

俺は憧れたね!

人生に一度はああいう雰囲気の場所で自分について語りたい、と希求するのは俺だけではないはずだ!

 

ロバート・デ・ニーロの「アナライズミー」という映画みたいな。ああいう感じだよ!

個人的に「カウンセリングもの」の映画が大好きなこともあってね。

英国王のスピーチ」とか最高じゃない?

 

で!

そういう個人でやっている臨床心理さんを探して…見つかったのだけれども!

webサイトには

発達障害などの悩みを持つ女性と子供のためのカウンセリングルームです」

と書いてある…!

女性と…子供の!

しかし俺は、どう見ても男…!何をどう説明しても男。

詭弁家として有名な公孫竜でも俺を女性であると強弁はできないだろう…!

ダメなのか…。

このようなヒゲ男が…歓迎されるはずもないか…!

絶望に脳の中を塗りつぶされかけた俺だが、とりあえず勇気をもってメールをしてみることにした。

 

「弁解のしようもないほどの男なのですが、見ていただけることはできませんか…?」

「なるほど、全くこの恥知らずなヒゲは困ったものですね。あなたはホームページに書いてある文言を読めないのですか?まさに女性専用車両に乱入するがごとき所業。あなたのようなヒゲには極めて厳しい教育が必要ですね。覚悟しなさい」

 

などということは当然なく穏やかに話は進み、大人・男・ヒゲ・熊という4重苦を抱える俺も見てもらえることになった。いやぁ、すみません。

本当はあんまりよくないことなんだけど、何しろ個人でやっておられる臨床心理士さんは多くない、というかほぼ皆無な現状なので…大変なワガママを通していただいた感じだね。

 

そういうわけで片道1時間かけて臨床心理士さんのカウンセリングルームに通い、まずお話をして、どのような検査が妥当なのかを決め、検査をし、その結果をいただき、お医者さんへの紹介状をもらった、という流れ。

臨床心理士さんは「診断」は下せないので、紹介状をもってお医者さんにかかることで診断結果が出る。

 

広く清潔な室内、落ち着いた雰囲気の臨床心理士さん、座り心地のいいソファ、そこに座るむくつけきヒゲ男。

一点の異物を除けば完璧なシチュエーションといえる環境で、静かに検査は進んでいったわけであります。

 

WAIS-IIIの結果

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そういうわけで検査した結果がこちら!

いろいろと数字やグラフがあるけれども…

「このグラフめっちゃギザギザやんけ」というのがポイントだね!

発達障害というのはざっくり言えば「各分野の能力のバラツキが大きい」ということになるので…

「これは、まず間違いないよなぁ…」というのが最初の感想。

実際、臨床心理士さんも「ここまでアンバランスなのはなかなかないですね…」とおっしゃっていたレベル。

 

発達障害の検査というのは、高いとか低いとかではなくて、バランスの悪さに着目するらしい。

「発達の仕方がアンバランスである」のが発達障害ということ。

だから発達障害=天才というのは違う。

天才の多くは発達障害かもしれないけれど、発達障害だから何かの能力が「優れて」いるというわけではない、という感じだね。

発達障害の検査では、能力の高低を測るのでないから。

だから最近は「IQ」という言い方を避けて「指標」という言い方になっているみたい。言語理解指標とかね。

どうしてもIQというと「能力の高さ」で理解されてしまうので。

 

俺自身、この言語理解のIQ133というスコアをたたき出した点においては自信…というか自慢に思ったのは事実だけれど、「じゃあそれで幸せな人生を生きてこれたか?」というとそういうわけではないし、「俺はIQが高い」と自認して傲慢になったのではますます生きづらくなってしまう。

あくまでもこれらのIQは指標にすぎない、というのが現在の流れだね。

俺もその流れは非常に良いと思う!

 

ちょっと脱線したけれど、この検査での指標(IQ)の各分野の差が15以上であれば発達障害となるらしい。

俺は幅が22なので、これはまず間違いないレベルなのではないか…という、ね!

もちろん臨床心理士さんは「そうである」とは言わなかったんだけど、さすがに俺でも「そうである」というオーラは感じ取れたね!

 

 

でね!

心理検査を受けたときに、「どうせだしほかの検査もやってみたいのですが」と臨床心理士さんに言ってみたら、「それではロールシャッハテストなどやってみましょうか?」ということで!

ロールシャッハテストを!

やりましたよ!

夢の!

ロールシャッハテストを!!

不思議な模様を見て「何に見えますか?」のアレを!

俺はこの時を…待っていたのかもしれん…!

 

夢のロールシャッハテストについては、次の記事で!

 

yajul.hatenablog.com

 

 

人生の最終兵器としての「こんまり」

子貢は言った「先生、結局のところ、人生で一番大切な事を一言で言えば何になるのですか?」

孔子は答えた「それはときめきだな。ときめかないなぁ、と思うものは、感謝をもって手放した方が善く生きられるのだ」

 民明書房刊「春秋時代の生活と物流」より*1

 

かねてより準備していたのだが、来月に引っ越しをすることになった。

 

引っ越しをするとなれば、まず今住んでいる部屋を片付けなくてはならない。

そして新居にもっていく物、捨てる物を選別する作業が必要だ。

そこで必要になってくるのが…こんまりである。

 

そろそろ俺も…こんまりについて語らねばならないときが来たようだ。

何を隠そう、俺はこんまりの徒…ときめきに帰依する篤い信者だからな…。

 

まず、こんまりについて一般的な説明をしよう。

もはや彼女について説明は不要と思われるだろうが、やはり基本は大事だ。

こんまりは、いわゆる近藤麻理恵さんのことである。「片づけコンサルタント」という肩書で活動しているライフスタイルアーティストであるが、近年の彼女はもはや片づけにとどまらない「人生の導師」として活躍している。大学在学中に片づけコンサルタント業で起業し、リクルート勤務を経て2009年に独立。2010年に書いた「人生がときめく片付けの魔法」が魔術的なヒットを飛ばし、その伝説的な魔力で海外のテレビ番組にも出現。一躍時の人となり、TIME誌の「最も影響力のある100人」にも余裕で選出され、"KonMari"は絶大な影響力を持つ世界の偉人となった。

これが誰でも知っている一般的なこんまりの紹介である。

これだけ見ると、「わぁ、すごい人なんだなぁ」と思われるかもしれない。

それは間違っていない。

が!

そこには最も重要なモノが欠けている…!

こんまりの業績に目を奪われ、こんまりその人については語っていないのである。

そんな曖昧な状態では、片付けをする手も鈍ろうというものだ。

 

俺たちはここで勇気をもって、こんまりという人物が何かを明らかにしなくてはならない。

片づけようとするその手を止めて、まずは深く瞑想をし、無我の境地に至ることでこんまりの正体を掴むことができるだろう。

 

シャーリプトラよ

色はすなわち空であり

空はすなわち色である

どちらがときめくか、それが大事だ。

 

民明書房刊「60歳からの般若心経入門」より*2

 

こんまりというのは、要するにハイパーバトルサイボーグである。

彼女の纏うふわっとした優しい空気…それは穏やかに包み込んでくれる暖かいアトモスフィアだが…

忘れてはいけない。

こんまりはハイパーバトルサイボーグであることを。

  「ハイパーバトルサイボーグ…聞いたことがある…!」

  「知っているのか雷電!」

というような反応を示す40代の男性も多いと思われるが、ハイパーバトルサイボーグというのはK-1で一世を風靡したジェロム・レ・バンナ選手の異名だ。立木文彦のナレーションが聞こえてくるだろう。

 

では、こんまりはあのフランシスコ・フィリオ選手を一撃で沈めた驚異の打撃力を持っているというのだろうか?

その通り。

彼女はフィリオを倒せる。

当然、俺も、あなたも、一撃で粉砕することができる。全盛期のタイソンすら危うい。チャック・ノリスにも互するのがこんまりである。

俺などはYoutube越しにこんまりにひと睨みされただけでその場で崩れ落ちることができるほどだ。何度打ちのめされたか、もはや記憶はない。

 

こんまりがハイパーバトルサイボーグであるという意味はもう一つある。

先日大変話題になったこちらのnote記事を読めばよくわかると思う。

 

 

こちらの記事で「ハイパーバトルサイボーグ」は以下のような文脈で語られている。

勤勉で機会のためなら引越しも厭わないハイパーバトルサイボーグ

私も随分とハイパーバトルサイボーグ化しつつあるなと思います。国際機関の職員として、アメリカとアフリカの反復横跳び引越しをしている時点で相当なハイパーバトルサイボーグ

つまり言い換えるとゴリゴリのバリキャリ、国際的ビジネスエリートのこと。

それも日本国内にとどまらない、チャンスとあらば地球上のどこへでも行くという圧倒的なエネルギーを有する人のことである。

 

これでわかってくれたと思う。

こんまりが紛れもないハイパーバトルサイボーグであることを。

 

神は言われた。 ――光あれ

 

(神としては闇はあんまりときめかないので、感謝をもって闇を手放し、光を手元に残したということですね)

 

民明書房刊「もしゾンビが聖書を学んだら」より*3

 

さて、ここまでが準備運動だ。

いや…むしろ単に着替えただけくらいだ。

覚悟してほしい。

 

これからは「片づけしなきゃな~★」みたいなゆるふわな気持ちで片づけに対することはできない。

テスト前に「全然勉強してないわー」みたいなノリで話すことは決してできなくなる恐るべき世界だ。

「片付ける」というのは、「カタを付ける」ということに他ならない。

待ち受ける強大な敵と戦うため、この日のために鍛え上げた己の肉体を信じて大喝采の中リングインするのである。

敵を見る。汚れ切った、うずたかく積まれたゴミの山が見える。

――手ごわい。

一瞬、ひるむかもしれない。

それもそのはず。相手はあなたを幾度も叩きのめしてきた因縁の相手なのだから。

しかし大丈夫だ。

自らのリングサイドを見るがいい。

そこにはセコンドがいる。

誰が立っているのか? 

心に問うがいい。 

全幅の信頼を置くトレーナーにしてメンター、それは誰だ?

腕を組み仁王立ちしている、あのハイパーバトルサイボーグは?

こんまりである。

想像するがいい。

目の前の強敵。

かつて戦い、さんざんに打ち負かされた。

こんまりが戦ったらどうなる?

――こんまりなら1ラウンドKOだ。

確信をもって答えることができるはずだ。

疑念を挟む余地などない。

それでは、こんまりの教えを受けた自分なら?

――勝てる。

その通りだ。

こんまりのまなざしが雄弁に語っている。

もはや目の前の相手は敵ではない。

己をさらに高めてくれる、感謝すべき、仲間――

感謝と尊敬の念をもって、打ち崩していくのみだ。

ゴングが鳴り響く。

全身の緊張が去り、ときめきが心を支配する。

もはや、勝負は決している。

 

 

そんな感じになるはずだ。

そしてこの感覚、リングサイドにハイパーバトルサイボーグが控えているという安心感、これこそが、片付けに限らない人生の魔法になるものだ。

片付けと言うのは、「これはときめく」「これはときめかないから手放そう(感謝をもって)」という判断力と決断力を鍛えるメンタルトレーニングだ。

ここでこんまりメソッドを通じて判断力と決断力を鍛えれば、人生の他の場面でもそれが活きる。

 

例えば、お付き合い。

なんとなく付き合ってるけど、この関係はお互いを高めるものではないように思う…。

そんなとき、リングサイドを見てみよう。

そこにいるのは?

もちろんハイパーバトルサイボーグ、こんまりである。

こんまりの姿を見てどう思うだろうか?

今までのトレーニングから、何を思うだろうか?

もう、答えはでている。

そのまま付き合うにしても、すっぱり別れるにしても、きっちりと理由を自覚できている。

どの選択をするか、それはすでに決まっている。

あなたは、もう勇気をもって人生を進めることができる。

 

これがこんまりメソッドの強さである。

今まで「なぜこんまりが、ここまでもてはやされているのか?」と疑問を持っていた人は多いと思う。

なんとなく「よさげ」なことを言ってだまくらかしているんじゃないのか、と思っていた人もいるだろう。

「片づけの前に瞑想するとか頭おかしいだろw」と嘲笑していた人もいるかもしれない。

 

しかしもはや、全ての回答はなされた。

圧倒的強者との試合に臨む格闘家が瞑想する姿を、いったい誰が笑うだろうか?

ハイパーバトルサイボーグのパワーに疑問を持つ人が、いるだろうか?

いない。

当然のことだ。

 

ある日、預言者ムハンマドが片付け祭りをしていると、片付けるべき服の上で猫が寝ていた。

ムハンマドはその様子に大変ときめいたので、その服の片付けはしないでおいた。

 

民明書房刊「吸え!もふれ!世界のネコ祭り」より*4

 

戦うとき、人は迷う。

迷わずに戦える人はほとんどいない。

だからこそプロの格闘家にもセコンドが付いているのである。

だから俺にも、あなたにも、人生のセコンドが必要だ。

 

じゃあ、セコンドをどう選ぶ?

 

 

――答えはすでに出ているはずだ。

 

 

www.youtube.com

 

 

…なんかやり過ぎ感がいなめないな!

こんまりさんすみません…!

 

や、でもね、「片づけというのは判断力と決断力を挙げるトレーニング」っていう考え方は本当に凄いと思うのよ。

そういう理論的なバックボーンと、こんまりさんの圧倒的な行動力が合わさってるのが今日の彼女を作ったのだろうなという感じがするね!

 

 

 

*1:これはネタですが、元ネタの会話は、日本の道徳観の下敷きになっていると思われます。

*2:これもネタです。般若心経は「聖★おにいさん」で有名?なサーリプッタさんに話しかけているものなのです。

*3:当然だけどこれもネタです。ソドムとゴモラとか、カインの贈り物もときめかなかったのかなぁ。

*4:これまたネタですが、ムハンマドと猫のエピソードはちゃんとあります。ムハンマドは猫派。

奇妙なU字型電動歯ブラシに、夢を託して

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俺は、歯磨きが苦手である。

というか、「同じことを繰り返す小さなルーチン」全般が苦手なのだろうと思われる。

そのためか、毎週同じ時間に見なければならないテレビとかは苦手で、見たいドラマやアニメがあるときはレンタルで借りてきて、一気に全部見てしまう。例え深夜、早朝、朝になっても、一気に見てしまうのだ。

小説でも同じで、毎日寝る前に数ページ読む、というのができないので機を見て一気に読むという強引な読書を繰り返してきていた。

 

そんな自分にとって最大の敵は歯磨き。

日々のルーチンの中で歯磨きは重要度が最も高い。

例えば、掃除とか洗濯とか洗顔洗髪は毎日やらなくてもそんなにデメリットはない。

いやもちろんやるけど、1週間誰にも会わないということが確定しているときなんかは、ぶっちゃけ毎日やんなくてもいいものではある。

しかし歯磨きは異なる。

歯垢は24時間で歯石に変ずるという話があるので、少なくとも24時間の間には歯磨きをしないと、取り返しがつかないことになりかねないわけだ…。

 

この事実が、俺の生活を確実にむしばんでいるといっても過言ではない。

サメのように何度でも生え変わる歯を、なぜ人類は獲得できなかったのか…。

この一点だけで神への反逆すら考えそうになる俺に、ひとつの広告が目に入った。

 

咥えるだけですべてが完了する、U字型電動歯ブラシ…!

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マウスピースの内側に柔毛が取り付けられており、それを噛めばたちどころに口内の全ての歯が圧倒的に洗浄され、QOLは青天井になり、俺の幸福度は確実に上がり、ついにはあらゆる幸運が舞い降りるのが確定的に明らかな空前絶後のアイテムだ。

 

これは…やるしかないようだな!

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まずは計算をしよう…。

 

歯磨きにかかる時間は、朝は2分、夜は5分なので1日7分、420秒を洗面所の前で過ごしていることになる。

それに対し、この画期的な未来の歯ブラシは、1分咥えるだけですべてが完璧になるというもっぱらのうわさだ。1日1分を二回、120秒で終わる。

しかも、このU字型歯ブラシは、噛んでいる間両手が空くので…歯を磨きながら他の作業をもすることができるわけだ…!

一回の歯磨き60秒のうち、およそ20秒、両手が空くと仮定しよう。

となると…

実質一日80秒しかかからないということになるのだ…!

 

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さらに計算を進めよう。

 

このU字型歯ブラシを使うことにより、従来の生活に比べ一日340秒得をするというコトになるので…

1年間に換算すれば124,100秒の余剰が生まれる。

そして俺の今後の人生を50年と考えた場合…6,205,000秒もの時間を節約することができるということになる…!

 

これは圧倒的な時間だ。

今、俺の目の前でミヒャエル・エンデの「モモ」に登場する灰色の男が圧倒的に営業を仕掛けてきているのが見える…見えるぞ…!

時間銀行に…俺の時間を預けるときが来たのだ…!

6,205,000秒…およそ72日を元手にさらなる利益を追求するために…!

人生は有限だ。

ここで俺も「モモ」のベッポやジジのように覚醒し、時間という素晴らしい資産を増やさねばならないからな…。一刻も無駄にすることはできない。

圧倒的成長と圧倒的感謝のイノベーションを己にもたらすことにより、ポテンシャルを挙げさらなる高みへ、次のステージへ歩を進めるのが人生のミッションだからな!

 

よし!

 

いざ使わん…

6,205,000秒を手にするために!!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ダメでした。

あぁ。

これはダメだな…。

俺の6,205,000秒は…露と消えた…。

そもそも、そんなものは幻想だった…。

マウスピースが小さいから…奥歯まで入らないし…

ブーンとバイブレーションするだけだから…普通の電動歯ブラシのように上下左右に動いてくれるわけもないので…磨かれないし…。

歯垢を染色して確かめてみたけど…全然残ったままだし…

と言うか歯磨き粉も…泡立つことなくそのまま残っている。

さらに!

ブーーーンとずっと振動してるものを噛み続けるから、アゴとか口が変な感じになる。

歯医者さんで麻酔受けた後のような感覚になるな…。

 

これは…あぁ、これは、ダメさ。

俺も21世紀人として…優れたテクノロジーによるバラ色の未来を脳の中に想い描いていたが…現実は非情さ。

 

やっぱ1500円とかじゃ無理があったかもしれない。もっと高額のものならいけるかもしれない。

って、一瞬思ったけど、いや、これは構造的にこれ以上すごくはならないよ…。

仮にこの形のまま、上下左右に動いたとしたら…アゴがやられる!

 

フフ…フ…

もうこれ、二度と使うことはないな!?

すまない!

やっぱ、うん、やっぱりね!時間銀行とか、そういう野望を考えるより、

マイスター・ホラの出してくれるカリカリに焼いたパンに黄金色のはちみつをかけて食べるほうが人生は豊かになるんじゃないかな!

 

うん。

普通の電動歯ブラシを、使おうね!

それさえわかってくれれば…この、俺の元に届いた夢の残滓も、浮かばれるような気がするよ…!

 

 

 

 

 

 

 

 

ノールビンドニングの縦縄編みのチュートリアル動画を作ってみた。

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今年こそは二着目のセーターを編んでくれん!

と、8月後半からちまちまと編み始めているノールビンドニングのセーター。

 

今回はノールビンドニングの特徴的な技法「縦縄編み」で編んでいこうと決め、今現在両袖と身丈まで編めている。あとはこれを組み合わせるだけなんだけど…組み合わせるのに難航しているのでちょっと手が止まっている。

 

それで、まだ完成していないけど、上記の縦縄編みの写真を気軽にインスタグラムに上げてみたところ…結構な反響があった。

特に海外でノールビンドニングをやっている人に「それのやり方どこで見たの?」と何度か聞かれ。

それならまた動画撮ってYoutubeにのっけてみるかなと作ったのがこちら。

 

youtu.be

今回は外国の方に見てもらうことも念頭に、ジェスチャーで解説をしてみた!

伝わるかどうかはわからないが!

前の動画は声が小さすぎたって反省もあるしね…!

 

それで、この動画を作ったよーとこれまたインスタに貼るとこれまた結構な反響があって。

ノールビンドニング界では知られた存在であるKarinさんにも「グッジョブ!(意訳」と声かけてもらったりして、ウェッヘッヘとなっているわけなんだけども…。

 

でもこれ、ノールビンドニングの本に載ってるやり方を解説しただけなんだよね…!

 

はじめてのノールビンドニング 縫うように編む、北欧伝統の手仕事
 

 これよ!

まずは手に入れておこうぜ!

超おしゃれな縦縄編みミトンの作り方が載っているぞ…!

 

でも、この縦縄編みって、実はあんまり知られてない技法なんだろうか。英語のノールビンドニングの本でも縦縄編みは見たことないような気がする。

ネットではタールハルパ奏者のイケメンが超かっこいい縦縄編みのセーター着てたり、アーチェリーの矢筒にこの縦縄編みのカバーを付けてる人を見たことはあるのだけど…。

いかがでしょうか。パンダ師匠。

あと動画は問題はないでしょうか?

 

と、虚空につぶやきつつ…。

 

今月中にはセーター編み上げたいね!

記憶喪失の時に備えて、にんにくの皮のむき方を書き残しておく。

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先日…

親戚から大量のニンニクが送られてきた。

 

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ちょっとおしゃれに皿に盛ってみたけれど、実際はこんなものではない。

 

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こんなにある。

60個くらい…?

国産無農薬にんにくがこれほどあれば…もはやひと財産レベルなのだが!

問題は一人暮らしの俺がこの量のニンニクにどう立ち向かうかである。

すでに部屋がガーリックのいい匂いで充満し、自身のガーリックの匂いに気づけないレベルにまで生活に浸透している。

これは危険だ。

このままでは正常な社会生活に支障をきたすほどにガーリックなので、にんにくを一挙に消費する方法を考え…バーニャカウダを作ることにした!

作ってしまえば冷凍保存できるし、単純に炒め物だとかそのままパンに付けたり野菜に付けたりカレーに入れたり、用途は無限。

これは作らない手はなかろうというわけで、大量のにんにくに向き合う覚悟を決めたわけだけれども。

 

それにしてもにんにくが多すぎる…!

 

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にんにくを調理する際に必ず行わなければならないのが皮むきなのだが…。

これが殺人的に面倒だ。

しかも手に匂いが残る。

俺としてはいい匂いに感じるのだが。まぁでも、度が過ぎるというのはある。

 

で、まぁ、「ニンニクの皮のむき方」とかで調べれば有用な情報は唸るほど見つかるんだけど…

俺自身の備忘録として「大量のニンニクの皮のむき方」をここに書き残しておきたい。

 

いつか俺も…何かしらの事件がおこって記憶を失わないとも限らないからな…!

そんな時、「思い出すのよyajul、あなたはにんにくの皮を大量にむいたことのある男なのよ…!」と言われて記憶が脳の中で電撃的に復活するかもしれないのだ。

にんにくを侮るわけにはいかない。

 

 

して、その大量のにんにくの皮のむき方だけれども…。

 

何も考えず、電子レンジににんにくを房ごと(まるごと)入れ、1分温めるだけ!

 

いやぁ、本当に、それだけなんだよ…!

粒ごとに小分けしたり、ラップをかける必要もない。

皮とか茎とかも全部そのままに。というか変にむいちゃったり茎を取り除くと、むくのが面倒になる。

電子レンジの中に匂いが残るのでは、と心配する人はいると思うけど、大丈夫、匂いは残らない。

というのも、にんにくの強い匂いというのは包丁などで傷つけないと発生しない。

加えて、熱を加えれば匂いを発生させる酵素が失活する(壊れる)ので、匂いが出ない。

電子レンジなら内部から加熱するので、加熱漏れがないしね。

 

ただ注意として…温められた水蒸気はにんにくの茎の部分を煙突のように昇ってくるので、温まった直後に茎部分を触るのは危険。めっちゃ熱い。なので、横からとろう。

 

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そうして温まったにんにくは…面白いように剥けるッ!

薄皮もあっという間に剥ける!

にんにく自体がグミのようにぷにぷに柔らかくなっているので、皮を外すのがとっても楽なのだ。

 

さらに!

 

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にんにく剥きで最もストレスになる、にんにくの根本問題も一瞬で解決する!

通常、にんにくの皮をむいても、根本部分は残る。なので、にんにくを丸ごと使おうとしても、だいたいは根本は包丁で切り落とすだろう。そこで包丁の洗い物が増えてしまうという問題がある。

しかし!

この電子レンジのやり方なら…

根元が勝手に外れる!!!

上の写真のように…茎と根本がつながったまま外れてくれるので…

ただ皮をむくだけでOKとなる!

 

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そのため、温まったにんにくをむくときは、茎を中心に放射状にくるっとむいていくと楽。粒を外側に回転させるイメージで。

みかんを食べるときみたいに。

そうすると…劇的に楽ににんにくをむくことができるよ!

 

これでいつ記憶を失っても大丈夫だな!

 

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その安心感に包まれて…俺はバーニャカウダを作ることができたのである。

にんにくを3個まとめて2分レンジにかけて、12個を1時間かからず剥くことができた。

 

できあがったバーニャカウダは現在、あらゆる料理に活躍している。

 

 

 

 

 

最後に、超どうでもいい豆知識として…

にんにくとかニラとか、そういう匂いの強いものは仏前に供えてはならないのは知られている。

それがなぜかというと…

 

猪八戒が食べないから。

 

である。

突然何を言ってるんだこの男は…記憶喪失以前に脳の中がおかしくなってるんじゃないのか…?

と思うかもしれないが!

西遊記」において、孫悟空沙悟浄猪八戒の3人はそれぞれ仏になったり釈迦にお役目を与えられるのだが、そこで猪八戒が任命されたのが浄壇使者(じょうだんししゃ)というお役目で…

その役目は「仏様にお供えされた食物の管理」。

さらに、猪八戒自身が食べてもよいという破格の待遇を与えられるのである…!

で、その猪八戒、にんにくは食べない。

そもそも猪八戒の「八戒」という名前は「8つの戒めを守っている」という意味で、その8つとは、

五葷(ごくん)三厭(さんえん)を食べないという物。

五葷は諸説あるのだけど、

ラッキョウ、ニンニク、ニラ、アブラナパクチー

三厭は

獣、魚介、鳥などの肉のこと。

猪八戒はそのイメージに反してロハスな男なのである。

まぁ、もともとはイケメンだからね。仕方ないね。

 

というわけで、仏様ににんにくとかを備えた場合、猪八戒が「お前さー、これ、俺無理だしさー、やめろよー」とか言いながら捨てざるを得なくなってしまうので…

食べ物を無駄にしないよう、猪八戒が食べられるものをお供えしようね!!

ということになるな!

 

あ、ちなみに猪八戒はあだ名で、本名は猪悟能。3人とも名前に悟がついているという設定。

玉龍?あいつはそもそも竜だからいいんだよ!

 

世界公衆ノールビンドニングデイを最高に楽しんできた。一人で!

前回の記事のコメントで、ノールビンドニングのパンダ師匠から「9月1日は世界公衆ノールビンドニングの日(World Wide Naalbind In Public Day )である」と教えていただいた!

見事に去年はスルーしてしまっていたので、今年こそは何かをしなければなるまい…!と意気込んでいたのだけれども。

 

この 世界公衆ノールビンドニングの日(以下WWNIPDay)は今年で5回目の開催。

https://www.facebook.com/wwnipday

まぁ、全世界で参加者が数十人という、恐ろしくニッチなイベントなのだが…。少なくともインスタなどのノールビンドニング界隈では静かな盛り上がりを見せている。主に俺の観測範囲だけども。

いいんだよそれで!

 

イベントの要旨としては、

「ノールビンドニングは野外でこそ最高のパワーを発揮する古代の編み物なので、その太古のパワーを現代に取り戻しつつ、楽しく編んでいこうというイベントである。また、公衆の面前で編みまくることによってノールビンドニングを静かに普及させつつ、編み物全般が単なるインドアな趣味ではなくクールでアクティブな素晴らしい趣味であるとアピールすることにより、この多様化かつ流行り廃りの激しい世の中において編み物が単なるクラシックでクローズな趣味ではなく、誰でもウェルカムな最前線の趣味であると世に知らしめる活動である」

と、俺の脳の中で勝手に定義している

いやそこまで重たい話ではないと思うが!

 

もともとは、World Wide Knit in Public Dayという、編み物全般をみんなでやろうよ!というイベントが2005年に始まって、その流れでノールビンドニングにも同様の日を設けよう!ということになったみたい。

http://www.wwkipday.com/

本家は6月の第二土曜日がその日。

公衆というか…みんなであつまって編み物をしようよ、という感じの日で、上述した俺の勝手な定義とは全然違う緩くて楽しい日なので、あまり身構えないでもらいたい!

多分あれだね、Presseさんでやってるニットカフェみたいなものだよね。

www.momentsdepresse.com

で!

今年はなんと言ってもコロナコロナなので、いかんせん集まってワイワイ編みものをするというのは果たしがたい。

WWNIPDayでも「今年は外に出るのは難しいから、SNSに写真をたくさんアップしよう」という感じのコメントがでてた。

しかし!

ニットカフェのように人が集まるのでなければ、俺自身がゲリラ的に公衆ノールビンドニングを敢行することは可能なはずだ…!

それにこの日のために休みを取ったしな…。やるしかないな!

ソーシャルディスタンスに気を配りつつな!

 

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そういうわけで繰り出してきたのがここ、札幌の誇るおしゃれスポットであるところの赤レンガテラス。

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ここのオープンカフェでド派手な色の毛糸を編む!

ここで地味にセーターを編みまくるというのも手だけれども、見た目があまりにも地味になるので「あの男は、この最高のオシャレな空間でなぜ内職をしているんだ…?」と思われかねない。それは危険だ。

まぁ本来ノールビンドニングはその内職感が真骨頂ともいえるのだが。

ヴァイキングの勇壮な男たちが船の中でちまちまやってた編み物だからな…。

しかし今回は内職感はさて置いて、世に可能な限りアピールせねばならないので…

この野呂英作のシルクガーデンを使う!

これならば内職感、ヴァイキング感はなりを潜め、おしゃれスポットにふさわしい何かが醸し出される。

…ような気がする。

 

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カモミールティー一杯でひたすら編んでいてはお店に迷惑になるし、あまりにやり過ぎると「あの男…やはり内職!」と思われてしまう危険が高まるので、そのまま大通公園に向かう。

噴水とテレビ塔に臨みつつ、焼きトウキビ300円の誘惑に耐えながら編む。

焼きトウキビはタレがかかっているからな…。

手がべたついてしまうと、この作っているスヌードが美味しい香りを漂わせてしまう。焼きトウキビの匂いのするスヌード、それは危険だ。

俺自身のスヌードならそれもアリなのかもしれないが、このスヌードは母に頼まれたもの。母も焼きトウキビは好きだが、さすがにそういうわけにもいくまい。

 

隣のベンチのカップルが熱いことになってきたので、熱中症になる前に大通公園を後にする。

 

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自分に酔いつつ作業するのなら、やはりスタバは外すことはできない。

スタバではだいたいチャイを飲む。なかなか日常でチャイを飲む機会は少ないからね!

Macbook airに囲まれつつ編み進めていく。

 

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いやー、しかしいい色だよね!

ラピスラズリの蒼!

これでセーターを編みたくなるな!

 

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そして最終的にコメダに落ち着き、全部で9段編むことができた。ラピスラズリアメシストターコイズの色が美しいね。

どうでもいいんだけど、コメダのテーブルはウレタン塗装がきついのでテーブルの触り心地が良くないのが難点。コップが倒れにくくなる利点はあるんだけど、パンくずとかがなかなかきれいにはけないので、うーむという感じはぬぐえない。

もうちょっとウレタン抑えめにしてもいいんじゃないか…?と木材の男としては思うんだけど…まぁ仕方ないな!オイルフィニッシュにするわけにもいかないしな!

 

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試着。

…見苦しいヒゲで済まない…「どうせマスクするんだしヒゲは適当でいいか…」みたいになってしまっていてね…!


個人的に、ノールビンドニング永遠のテーマであるサイズ感問題。

実際に確かめながら編んでいくんだけど、今回は母のスヌードなので、俺基準で作っていては大きすぎる。水通ししたときの若干の縮みも計算して作らねばならない。

なので、気軽にサイズを確かめられない贈答品を作るのは非常に苦手なのだ。

とはいえ、スヌードのような単純な形状でそんなことも言ってられないので、ある程度の感覚で作ってしまう他ない。難しいな!

編み物に限らず、何かクラフトをしている人は「ちょっと私のも作って~」と言われることがあると思うんだけど、あれって結構…大変だよね!

むしろ、作ったものの中から選んで持って行ってくれた方が気が楽!

と、俺は思っているのだが!

まぁいいけどね!

 

そんなわけで、WWNIPDay2020。楽しく編めました。

来年は応ちょっと公・・コロナが落ち着いてるといいな、と希望している!

 

9月に入ってこれから秋冬物を編む人も多いと思うけど、楽しんでやっていきたいね!