街は時を操りながら 人の心を惑わせてゆく -発達障害と診断されまして①-
「yajulさん、検査結果が出ましたが…。結論から申しますと…発達障害…ということになります」
「発達障害…」
そういうわけで、先月5月18日。
私yajulは…発達障害と診断されました。
……だよね!!
お医者さんは大変沈痛な面持ちで、俺をおもんばかりながら言ってくれたのだと思うけれども…俺としては納得感しかなかった!
これまでの人生の重しが取れたような清々しい気持ちになったよ。
そうか…やはり!
発達障害だった!
正式に、そういう診断が下りましたよ。
ADHDなのはおそらく間違いないだろうと思っていたんだけど、ASDも少々というのは意外だった。
ADHDというのは注意欠如・多動症であり、ASDというのは自閉症スペクトラム、ちょっと前までアスペルガーって言われてたもの。
ADHD+ASDであること自体はそんなにショックはなくて、むしろ今まで感じていた疑問が氷解するような感覚だったかなぁ。
人生の中のあれも、あれも、あれも!あれも!!つまりは…そういうことだったのだ!
はははは。
いやぁ……ご迷惑をおかけしました。
せめて10年早くわかっていればなぁ、と思わなくもないけども!
自分は発達障害かも?と思ったきっかけ
なんとなく、「普通にみんなができていることができないなぁ」とは思ってはいたものの、自分が発達障害である、とはなかなか思わなかった。
そんな中、仲の良い友人の子供が発達障害と診断されて、その話をいろいろと聞いていたんだけど。
なんかその話の内容が妙に俺自身に当てはまる気がしたし、その友人も「多分yajulくんもそうだよ、そっくりだし!」と言ってたし、実際その子と俺は非常に話が合う。
親子ほど年が離れていると普通はどちらかが配慮しないと会話を続けるのが難しいものだけれども、俺とその子は全くストレスなく会話を続けることができた。
かつてない相互理解感…!
仲が良くなることに年齢は関係ないんだなぁと実感したね!
ファラデーとマクスウェルとか、藺相如と廉頗とか、年齢が離れていても親友足りえるというのは事実ですよ…!
「この子とそんなに話が合うのだから、yajul君も大体そういう感じだよ」
という友人の割と適当な熱い推薦を受け、これは俺も検査を受ける必要がありそうだな、と思ったのがきっかけ。
そういうわけで2年前、個人でやっている臨床心理士さんのところで心理検査WAIS-III(いわゆるIQを測る検査のこと)を受けたところから、俺の自分探しの長い旅が始まったというわけさ…。
心理検査WAIS-IIIを受ける
ウェイス・スリーとかウェイス・サードとか読む検査。
ウェクスラー式心理検査というもので、子供向けはWISC(ウィスク)という検査がある。どちらも用途は同じ。
2021年現在ではWAISもWISCもバージョンが進んでいて、WAIS-IVとWISC-IVが主流。
昔、知能検査と言われていたものだね。
…ここで試験の内容を詳しく書くのはよろしくない気がするので、あまり詳しく書けないけれども!(対策したら意味ないからね)
一つ言えるとすれば…結構長いテストなので、体力は必要ということかな。寝不足だったらキツいよ!
で、この検査をなぜ病院で受けなかったかというと…
洋画に出てくるようなカウンセリングに憧れたというのが第一だね…!
こう…広い部屋でさ。ゆったりしたソファがあって、観葉植物とか本棚とかあったりして…ラフな雰囲気でざっくばらんに会話して…という!あれだよ!
憧れない!?
俺は憧れたね!
人生に一度はああいう雰囲気の場所で自分について語りたい、と希求するのは俺だけではないはずだ!
ロバート・デ・ニーロの「アナライズミー」という映画みたいな。ああいう感じだよ!
個人的に「カウンセリングもの」の映画が大好きなこともあってね。
「英国王のスピーチ」とか最高じゃない?
で!
そういう個人でやっている臨床心理さんを探して…見つかったのだけれども!
webサイトには
「発達障害などの悩みを持つ女性と子供のためのカウンセリングルームです」
と書いてある…!
女性と…子供の!
しかし俺は、どう見ても男…!何をどう説明しても男。
詭弁家として有名な公孫竜でも俺を女性であると強弁はできないだろう…!
ダメなのか…。
このようなヒゲ男が…歓迎されるはずもないか…!
絶望に脳の中を塗りつぶされかけた俺だが、とりあえず勇気をもってメールをしてみることにした。
「弁解のしようもないほどの男なのですが、見ていただけることはできませんか…?」
「なるほど、全くこの恥知らずなヒゲは困ったものですね。あなたはホームページに書いてある文言を読めないのですか?まさに女性専用車両に乱入するがごとき所業。あなたのようなヒゲには極めて厳しい教育が必要ですね。覚悟しなさい」
などということは当然なく穏やかに話は進み、大人・男・ヒゲ・熊という4重苦を抱える俺も見てもらえることになった。いやぁ、すみません。
本当はあんまりよくないことなんだけど、何しろ個人でやっておられる臨床心理士さんは多くない、というかほぼ皆無な現状なので…大変なワガママを通していただいた感じだね。
そういうわけで片道1時間かけて臨床心理士さんのカウンセリングルームに通い、まずお話をして、どのような検査が妥当なのかを決め、検査をし、その結果をいただき、お医者さんへの紹介状をもらった、という流れ。
臨床心理士さんは「診断」は下せないので、紹介状をもってお医者さんにかかることで診断結果が出る。
広く清潔な室内、落ち着いた雰囲気の臨床心理士さん、座り心地のいいソファ、そこに座るむくつけきヒゲ男。
一点の異物を除けば完璧なシチュエーションといえる環境で、静かに検査は進んでいったわけであります。
WAIS-IIIの結果
そういうわけで検査した結果がこちら!
いろいろと数字やグラフがあるけれども…
「このグラフめっちゃギザギザやんけ」というのがポイントだね!
発達障害というのはざっくり言えば「各分野の能力のバラツキが大きい」ということになるので…
「これは、まず間違いないよなぁ…」というのが最初の感想。
実際、臨床心理士さんも「ここまでアンバランスなのはなかなかないですね…」とおっしゃっていたレベル。
発達障害の検査というのは、高いとか低いとかではなくて、バランスの悪さに着目するらしい。
「発達の仕方がアンバランスである」のが発達障害ということ。
だから発達障害=天才というのは違う。
天才の多くは発達障害かもしれないけれど、発達障害だから何かの能力が「優れて」いるというわけではない、という感じだね。
発達障害の検査では、能力の高低を測るのでないから。
だから最近は「IQ」という言い方を避けて「指標」という言い方になっているみたい。言語理解指標とかね。
どうしてもIQというと「能力の高さ」で理解されてしまうので。
俺自身、この言語理解のIQ133というスコアをたたき出した点においては自信…というか自慢に思ったのは事実だけれど、「じゃあそれで幸せな人生を生きてこれたか?」というとそういうわけではないし、「俺はIQが高い」と自認して傲慢になったのではますます生きづらくなってしまう。
あくまでもこれらのIQは指標にすぎない、というのが現在の流れだね。
俺もその流れは非常に良いと思う!
ちょっと脱線したけれど、この検査での指標(IQ)の各分野の差が15以上であれば発達障害となるらしい。
俺は幅が22なので、これはまず間違いないレベルなのではないか…という、ね!
もちろん臨床心理士さんは「そうである」とは言わなかったんだけど、さすがに俺でも「そうである」というオーラは感じ取れたね!
でね!
心理検査を受けたときに、「どうせだしほかの検査もやってみたいのですが」と臨床心理士さんに言ってみたら、「それではロールシャッハテストなどやってみましょうか?」ということで!
ロールシャッハテストを!
やりましたよ!
夢の!
ロールシャッハテストを!!
不思議な模様を見て「何に見えますか?」のアレを!
俺はこの時を…待っていたのかもしれん…!
夢のロールシャッハテストについては、次の記事で!