WAIS-IIIの結果から、自分にどういう特性があるのを見てみる
前回まで、「自分は発達障害ではないか?」と自覚するところから、心理検査WAIS-IIIを臨床心理士さんのところに受けに行くまでを書いてきたんだけど。
とりあえず、備忘録というか…自分の頭の整理のために、検査の結果を改めて整理したいと思う。
まずは二枚目の画像の右上の表から。
ここには「いわゆるIQ」が書かれているんだけど、それを細かく見ていきたい。
あ、もちろん俺は専門家では全くないので、本当の詳細はしかるべきところで読んでね!
あくまでも俺はこう感じているよ、という話だし!
WIS-IIIも「各解釈には慎重を要する」とあるので、「こうだから絶対にこうなのだ!!!!」とはもちろん言えないので。
全検査 FIQ
まず全検査IQね!
いわゆるこれが「私の戦闘力」になるのだろうけれども…。
この「IQ」というのはなかなかに曲者でさ。
IQ!高い!すげぇ!天才! とか、
IQ!低い!ダッサ!無能! みたいには言えないわけよね。
このWAIS-IIIが年々改良されてバージョンアップしているのを見てもわかるように、IQの算出方法は年々変わる。
だから何かの資格のようなものではないし、固定化されたものではない。
IQというのは、あくまでも「その試験でのスコア」に過ぎないので、それが人間の価値になるわけじゃない。
このWAIS-IIIなどの知能検査が、ホイホイと簡単に受けられない理由はここにあると思う。
「ちょっとお試しで」とか、「自分の実力を示すため」とかでは受けられないと思うのだ。
これはあくまでも「生きづらさの原因を探るために、自分の特性を細かく診断する」ためのもので、優劣や資格として用いられるべきものではないのだろう。
この辺の、IQにまつわる様々なことは下記の本に詳しい。
社会的ダーウィニズムの話もあったように思う。IQが優性思想に結びついてしまった、とかね。
そもそもIQ測定の歴史は浅く、まだまだ未発展なのだそうだよ。
測定方法も日進月歩だから、「俺は昔IQ130と判定されたことがある」というのはあんまりあてにならないことのようだ。
俺が受けた知能検査はWAIS-IIIだけど、現在の主流のWAIS-IVだとまた違う数字は出てくるはず。
だからIQの数字に惑わされず、「各項目の差」に着目していくのがいいと思う。
しかも!
昔アメリカでは「握力が強いと知能が高い」という大変アレな検査があったらしく!
現在もアメリカ人が握手の時にめちゃくちゃ力を入れるのはこの辺が端緒なんじゃないかなーと思っている…!
ともあれ、全検査IQはIQではあるけれどもそんなに大事じゃないIQ、のように俺は思う。
言語性IQ VIQ
ある意味でここからが本番だね!
WAIS-IIIでは14項目のテストをして、各分野の指標を出して、「言語性IQ」と「動作性IQ」を算出する。
この14項目のテストがね…大変なんだよ!
一つのテストが終わったと思ったらすぐに次の項目のテストが始まるので、前のテストを振り返って「あれはこうすればよかった…」とか反省する時間は与えられない…!
過去を振り返る間もなく怒涛の勢いで現れる問題たち。
もしかするとそのスピード感すらもテストの項目の一つなのかと思われるくらいだね!
言語性IQを構成するのは、言語理解と作動記憶。
言語理解は語彙力や理解力、言葉を説明する力や推理力を示すIQだね。
これは後天的な影響が大きいようで、教育や環境で変化するらしいね。
俺はこの数字が非常に高いといえる。
半面、もう一つの構成要素である作動記憶が低い。
作動記憶というのはワーキングメモリのことで、主に聴覚的な情報記憶能力、他者とのコミュニケーションでの聞く力だとか、集中力の持続や計画性、我慢する力というのもこれの範疇みたい。
俺はこれが低いので…電話が超苦手。
受話器を切った瞬間に会話の内容を忘れるとかがしょっちゅうで、かなり苦労をしたなぁ。今はメールやテキストメッセージがあるからだいぶ楽だけど、それがない時代だとめっちゃきついかもしれない。
それと集中力の持続のしなさとか、計画することができないっていうのもこれ。
言語性IQは高いんだけど、言語性IQを構成する2要素の高低差が一番大きい、というアンバランスな特性を持っているのが俺なのかもしれない…。
動作性IQ PIQ
動作性IQは、作業を処理する能力のこと。
言語性IQが聴覚系のインプット、アウトプットとすると、こちらは視覚系のインプット、アウトプットと考えることができるかな。
物を見たときに細かい差異に気が付くとか、視覚的なワーキングメモリーの力が強いとか、そういったものだね。
知覚統合は、目で見たときのワーキングメモリーや理解、推理、空間認識。
処理速度は得た視覚情報を正確に素早く処理できるかどうか、というもの。
おそらく、この動作性IQが高いと事務処理やスポーツなどが得意になるのではないだろうか。
あとはまぁ、その、えー、あれですね!
相手の些細な変化に気が付くとか、気が利くとか、すぐに動くとか、今まで得たパターン記憶から最適なものを選ぶとか、そういうのは動作性IQの範疇なわけですよ…!
ということは!
「スポーツマンがモテる」というのは割と理にかなっているのでは…?
視覚から瞬時に情報を得て、正しい行動を正確に行うのがこの動作性IQに含まれるのなら!
そういうことに…なるのでは?
まぁモテとかそういう俗な話は置いとくとしても、視覚的な変化に敏感であるというのはコミュニケーション能力に大いに寄与するものだろうと思う。
逆に俺はこの動作性IQが低いので…
「他者との意味のあるコミュニケーションを維持できない」とか「あなたとの未来を想像できない」となるのかもしれないね!
あっははは。
そう、俺は…視覚的な変化に気が付かないのですよ!
それなら聴覚は鋭敏なのでは、と思うけど、逆に聴覚は聞く必要のない音まで無造作に拾ってくる始末。
「必要な情報を必要なだけ集中的に取り入れる」ということができず、「音の洪水が押し寄せてくる一方で目はそんなに見えないし集中もできない」という…こ、これは…ポンコツでは!?みたいなね。
よく超能力者のテレパスの描写で、「周囲の思考が一斉に流れ込んでしまって精神崩壊する」みたいな描写があるけど、割とアレに近い状態なのかもしれない。
とはいえ、それだけでは判断できない
言語性IQと動作性IQを眺めてみるだけでもなんとなく見えてくるものは大きいのだけれども。
ちょっと冒頭の画像のグラフを見てみると…
言語理解とか作動記憶のカテゴリの中でさえ、グラフが大幅に上下しているのが分かる。
特に知覚統合などは半端ではない上下具合だ。
このあたりの長所短所のバラツキの大きさが、「俺は何ができるんだろう?何が得意なんだろう?」と混乱する原因だったのかもしれない。
しかも俺の得点が低かった項目の一つに「符号」というのがあるんだけど、これは「指示に従う力、正確な事務処理」をあらわすものらしく…
確かに、振り返ってみると俺は指示に従うのが苦手(嫌い)だし、正確な事務処理とかめちゃくちゃ苦手だよなぁと自覚するところが大きかった。
以下、得点が低かった項目を並べてみる。
絵画完成:視覚的長期記憶
配列:結果を予測する力、時間の順序、時間の概念
符号:指示に従う力、事務処理、正確さ、視覚的短期記憶
行列推移:類似点を探して推測する力
ということで…
時間の概念、因果関係の推移を認識すること、視覚的な情報を処理することが苦手なのだということになるね!
……けっこう、社会に生きるにはキツい感じかもしれないが!
こうして考えると、コナン君はおそらくすべての項目で高得点をたたき出す本物の天才と言えることできるかもしれない。
言語能力が高く、論理的な思考ができ、視覚的・聴覚的ワーキングメモリーに優れ、些細な変化に敏感で、因果関係を正確に見抜き、なおかつ運動も非常に得意である。言語理解、作動記憶、知覚統合、処理速度すべてが高レベルで結実しており、マジモンの天才というほかない。
しかもコナン君は17歳から7歳になっているので、さらにIQは高まるはず。もはやチートである。
IQというのは「その年齢に応じた知能かどうか」なので、コナン君は子供になった時点で10歳分の知能の下駄をはいているということになる。
ちらっと調べたらコナン君のIQは400くらい、と解説されていたんだけど、それもあり得るのかもしれない。
とはいえ、WAISで測れるIQは160が上限だったような気がする。
仮に工藤新一がIQ160をたたき出したとして、それが7歳になればIQ400に迫るはずなので…そういう計算なのかもしれない。
となると別に子供になっていない怪盗キッドのIQ400はこれはもう完全に異常ということになるけれども…。
やはりフィクションの中ではIQ=戦闘力くらいに考えておいたほうがいいのかもしれない!
あ、金田一少年はIQ190だけど、彼はコナン君ほど高レベルにまとまっていない気がするので、発達障害寄りの高IQ者ということになるのかも。
金田一君は集中力にムラがあるタイプなので、そのあたりも発達障害みがあるような…。学校や職場では評価されにくいってのもなんとなく親近感が…。
自分にかかわる重大な決断ができずにグダグダと美雪ちゃんとの関係を引き延ばすというのも…あぁ、そうだよなぁ、という感じが…。
金田一少年は処理速度がちょっと低いのかもしれないね!事務作業とか、正確で細かい作業が苦手で、指示に従うのがちょっと苦手なタイプ。
その代わりじっくり考えて独創的な答えを出すのが得意な感じかな。
そのあたりが、金田一少年で犠牲者が多い理由なのかもしれない…!