ニットカフェに参加してきたこと 毛糸ちぎり機との別れ
先週、ぎっくり腰に倒れた俺は、ベッドから抜け出すまで実に10分間を要して立ちあがり、リハビリを受けるべく地元で評判の整形外科へ向かった。
(どうでもいいけど、タクシーの運転手さんはラーメン屋に詳しいというまことしやかな噂があるけど、実は腰痛の病院にも詳しい。なぜなら、腰痛に倒れた人はタクシーを呼ぶから。もちろん全員が詳しいわけじゃないだろうけど)
評判のいい病院というのはそれに比例して待ち時間もものすごいことになる。腰痛にむしばまれた俺は自宅を出るところから出遅れるわけで、
「yajulさん、申し訳ありませんが1時間半待ちです…」
という宣告を受け、(予約は意味をなさないのか!?)と心の中で疑問に思いつつも着席する。まぁ、腰が痛いのはみんな同じだ。少しばかり治りかけている俺はそこは我慢すべきな気もする。
そして何より…俺は今、時間をつぶす手段を手にしている!
この余裕。これが病院の待合室という過酷な状況に光を与えてくれる。
もうすでにこのブログが染まり切っているように、つまりノールビンドニングを始めたわけだよ。待合室で。
紙袋の中に毛糸を入れて膝の上に載せれば、割と狭いスペースでも作れる。糸をあまり長くすると周りに迷惑になってしまうけれども。あと、糸をつなぐときちょっともぞもぞしてしまうけれども。
以前ならばスマホを見るか本を読むかゲームを持ち込むかトランプの順番を覚えるかといったところだったけど、今は40gの毛糸と20gくらいの針さえあればそれで3時間をつぶすことができるので、長距離移動の際にはとても便利なはず。
自分が1時間でどのくらい編めるかを把握しておくといいかもしれない。俺は1時間程度ではまだ全然編めないけどね!
それで、病院の待ち時間と、家に帰ってからちょっとやって、約3時間でこれが完成した!
ペットボトルカバー!
ダーラナステッチを二本どりすると美しい縫い目が現れると知り、また思い切ってカラフルにしてみるとよいのではと思ってこの配色に。(ダラーナじゃなくてダーラナだった!)
まず底の部分を2色つなぎの円形で初めてペットボトルの底の大きさになったらそこから増し目も減らし目もせずにひたすら縫っていく。これだけで筒状になっていくので、ひたすらに縫う。
首の部分は減らし目をしてからピボットで折り返して、ボタンか紐を通せるように(ちょうど針が通ってるところ)した。あとはボタンを自作するか、何かナイスなものを見つけてくるかすれば、本当の完成を見るはず。
…何か、想像以上にかわいいものができてしまって困惑している!
そして、今までそんなに毛糸の色彩に拘ってなかったけど、やはりきちんと色彩は抑えておくべきだなぁと深く実感した。
一応、カラーコーディネーター2級は持ってるんだけど…知識があることと、その知識から適切に引っ張ってこれることはまた別の能力だしね。それに、すでにカラーコーディネーター試験の知識は失われているし。
この辺りの、色彩についての話はまたそのうち書こうと思う。
それでこの日は日曜日、つまり10/29で、この日はpresseさんで編み物カフェが開催されている。俺がノールビンドニングをやることに自信をもてるようになったところ。
ワークショップの時に今回の編み物カフェ(ニットカフェ)に誘われていたので、ペットボトルカバーやほかの作品を鞄に詰めて、家を出たのが12時。
ニットカフェは13時からだから、書店によってお昼を食べてそぞろに行けばなかなかいい時間につくんじゃないかという計算で札幌駅へ。
ちょうどイカ甲子園もやっていたらかちょっと覗いてみたりね…!
本を買い、赤レンガテラスで昼食をとる。
(お一人様感が俺を襲う!)
買った本をめくりながら配膳を待っていると、ふと、あることに気づいた。
…
……
あれ、俺、毛糸ちぎり機持ってきてない!
忘れてる!
前の日の夜に、机から毛糸ちぎり機を落としてしまったときも、
「あぁこれ、明日持っていかないとね」
と思いもしてなかった!
なんという!
そこまで軽い存在になっていたというのか…!
今日の主役なのに!
むしろ俺なんかじゃなくて、彼をみんな待ってるんじゃないのか!?
ちょっといま、少女マンガの意地悪な先輩の気持ちわかったかも…。
いやそれはいい!
時間は、13時10分。
まだ配膳はされてない。
光の速さで食べても多分13時45分くらいになりそう。
そこから駅に戻って14時?
それでは無理だ!
俺は決断し、レジへ向かう。急ぎの用事が入ってしまったので食事をとることができぬのだ…!すまぬ…すまぬ…!
現状を説明し、駅へ急ぐ。心もち光の速さで。
15時くらいに伺います!
— yajul (@yajul) 2017年10月29日
いかにも「ちょっと用事があるから仕方ないね」感を醸し出そうと努力しつつ。
そして、家に帰り、ひっそりと毛糸まみれになっていた毛糸ちぎり機を手に取り、また光の速さの心づもりでpresseさんに向かう。
で、着いたのが、14時45分くらい!
疲れた!
というか、腰が!
リハビリしていなければ即死だった…。
そしてそこで、皆さんに(主に毛糸ちぎり機が)暖かく迎えられ、なんとか、なりました。
相当脱力したので、ニットカフェの写真は撮ってないんだけれども!
そこで再び北村先生にお会いし(↓こちらの本の著者のお一人ですよ)、
はじめてのノールビンドニング 縫うように編む、北欧伝統の手仕事
溜まっていた疑問や質問に答えていただき、また皆さんの素晴らしい作品を拝見し、腰がいてぇとかあんまり思わずに楽しむことができました。コプティックステッチ難しい。
そして何よりも大きな収穫は!
収穫じゃないけど!
毛糸ちぎり機を、北村先生のもとへ送り出すことができた…!
何せ、俺のもとにあってはただ毛糸にまみれその辺に転がっているだけなので、ここはぜひ北村先生のところで、こう、なんというか、ネタにされつつ、記憶に残る人生(?)を送ってほしいからね…!
あらゆる存在は、いつか創造主の手を離れて行かないといけないのだろう。
図らずも俺の手を離れることで、毛糸ちぎり機は忘れえぬ存在になったようにも思う。
…何か、非常に感慨深いね!
彼の、毛糸ちぎり機の今後に幸あらんことを!
俺は、祈っているよ…!
(ニットカフェで北村先生に教わったことは、また今度まとめたいと思う。やー、可能性が広がったよ!)