驚異のスミグマスクヴィルクニング
先週、俺はこんなことをつぶやいていた。
かぎ針編みが必要になったので、かぎ針を作るところから始める…!
— yajul (@yajul) 2017年12月12日
このときは単純に、「鎖編みの長めの紐がほしいからカギ針が必要になるなぁ」という程度の話を若干盛ってみただけの話だったんだけれども。
たったそれだけの、何気ないただのつぶやきが、
毛糸ちぎり機の男がカギ針編みをやる気らしい!
と伝わり、
それならこれを!この北欧伝統のカギ針編みを!
という奇妙な方向へ飛んでいき…
さぁ、これをやるのだ…!
ということになっていた!
こ、これは…!
読めねぇ!
この本を貸してくれた北村先生によると、これは「スミグマスクヴィルクニング」。
何やら勇者王がゲムギルガンゴーグフォしそうな必殺技感が漂うが!
博物館などではノールビンドニングと並んで紹介される、北欧の伝統的かつ特徴的なカギ針編みということらしい。
表紙の中央に置かれているぽってりとしたカギ針を使って編む、とのこと。
スミグマスクヴィルクニング。
スミーグマスクヴィルクニングという表記もあるようだ。
…かっこいい!
「クーゲルシュライバー(ドイツ語でボールペン」並みのかっこよさだな!
これは俄然やる気が出てきたぜ…!
しかし、いかんせんこのテキストは見事に全部スウェーデン語である。
…歯が立たないな!さすがにスウェーデン語は…厳しい!
しかし写真と、先生が書きこんでくれている訳語がヒエログリフとなって俺を導いてくれる…!
と思ったけど無理だった!
このテキスト、やり方を説明する写真が4枚しかねぇ!
これは…大丈夫なのかっ!?
カギ針編みの経験者はこの4つの写真で理解できる物なのか…?
恐ろしい編み物界の洗礼に完全に出鼻をくじかれてしまった。
…しかし、今は21世紀。
方法は残されている。
動画。
これが俺たちの叡智を結集してくれる。
やるしかないな!
ノールビンドニングにも、お姉さんという女神がいてくれているのだから、スミグマスクヴィルクニングにもきっといるはずだぜ。
検索してみると…
まさに!
このテキストの著者の方が動画をあげてくれている!
なんという僥倖…!
21世紀人でよかった…!
Kerstin Jönsson smygmaskvirkar
…
……
………
速過ぎませんか?
シャスティンさん。速い。すごい。素敵。
しかし、俺の目には…何も映らぬほどに速い…!
シャスティンさんから見たら「戦闘力たったの5のゴミ」に等しい俺であるので動きが見えないのは当然なのだが…!
これはやはり、テキストを解読するしかないようだ。
今までは英語表記をしてくれていたお姉さんたちの好意に甘えていたが、俺もスウェーデン語に挑みかかるときが来たのかもしれないな。
…しかし、俺は21世紀を生きる男。
方法はまだある。
そう、ネットに君臨する神のパワーを…!
要するにGoogle翻訳アプリを使い、スウェーデン語を機械翻訳してしまおうというわけだよ。
21世紀人でよかった…!
まずは表紙。
スミグマスクヴィルクニンングの真の意味を知るのだ。
先生が意味を教えてくれたんだけど、「その場で理解したつもでも、家に帰ると忘却する例のアレ」が発動してあんまり覚えてないからな…!
頼むぜGoogle神!
お、おう…。
このエキサイト翻訳感はいったいどういうことよ!?
いや落ち着こう。
本文を翻訳してみなければわからない。
俺がもっとも求めるのは本文の解読。
それさえできれば、表紙がスニークマスクCROCHETでも俺は気にしない。
大丈夫大丈夫。
頼むぞ。
…!
ゆ…
友人の胃の中にフックを!?
なんてひどいことを。
いや待て!
そういうことじゃないだろう!
どうして編み物の話の中に「胃」なんて単語が出てくるんだ!?
これは…
ダメだ!
やはり、気合を入れて正面突破するしかないというのか。
21世紀だというのに。
でも、あれだ。
翻訳の時に拾えてない単語や、間違って拾っている単語があるみたいだから、そのあたりを正確にやれば結構な精度で訳してくれるのかもしれない。あるいは、自らの手で全部翻訳画面に打ち込んでいくかだな。
スニークマスクCROCHETのテキストを。
なんでクロシェットだけ英語なんだ。
しかし、この本に載っている作例は非常に特徴的かつ美しいものばかりなので、テキスト解読の暁にはぜひとも習得したいものだぜ。
…ワークショップとか、ないかなー…。