自分の世界が一気に広がる時の、怖ろしさ

こちらの匿名ブログを読んだ。

anond.hatelabo.jp

内容は…すごく普通だ!いや、決して悪い意味ではなく。

これを読んだとき、いくつもの感想が頭に浮かんだ。

  • 金と権力と経験を持ったオッサンが初心者狩りを始めたようだな…!
  • 不倫の毒牙にかからぬように気をつけるんだぞ…!
  • 男女逆にすると、「仕事ばかりで家庭を顧みない夫」の図式に近い物があるのかなぁ。
  • いずれにしても、こういう形で関係性が終わることは普遍的だよね。
  • 彼氏はこれを乗り越えていい男になって欲しい。

というようなものだったんだけど。

いやまぁ、これ自体は悲劇でこそあれ、責められたり過剰に卑下することではなく、ただ「フフ…これが若さか…!」と感慨深げなポーズを取ることしか出来ないわけだけど、ちょうどタイミング的に、考える物があったわけだよ。

 

この話の構造って、

「新しい世界に踏み入れ、そこで認められ承認され受け入れられ始めたとき、自分の寄る辺が不安定となり、思い悩む。あるいは、何か決定的なミスをする」

ということだよね。

幸い、彼女はまだ決定的なミスは犯していないからまだまだ大丈夫だけど。

それでも、何かこの後に大きな落とし穴が待っているかもしれない。

そういう状況。

……

……あ、これ俺のことだわ!

と気づいたわけだよ!

何を偉そうに「フフ…若いな…」とか言ってるんだ俺!

だめじゃねーか!

「今まで全くやったことがないことを始めよう」としていて、「実際にやってみて」、「結構上手くいって」、「新しいつながりも出来て」、「そこそこ承認されてきて」

という!

状況!

まさに!

俺!

笑っていられるものではないな!

 

しかも俺の場合、彼女と違って一つすでにミスを犯している。

ノールビンドニングは何しろまだ国内ではマイナーな編み物なので、自然、情報は北欧などの海外から取り入れるわけなんだけど…。

SNS全盛の現在、そういった情報はホームページという形ではなく、SNSページに書かれていることが多い。素晴らしい作品は、例えばfacebookでしか公開されていなかったりする。

そういうわけで、Pinterestで情報を集めていたんだけど、このあいだ海外の方から「あなたがシェアしたその画像に、作者の名前やサイトの場所など正確なキャプションを入れないとだめだよ」と指摘された。

Pinterestの仕様上、元の作者さんへのリンクも自動で付くからと、特に何も考えずにその画像についての説明を書かなかったのだ。大いなるミスである。Pinterestが軽い気持ちでどんどんシェアしても大丈夫という姿勢だからと言って、何も考えずリスペクトを欠かしてはならなかった。作品には作者さんがいるのだから。

これはいかんなと思い、指摘してくれた人には配慮の足りなさを伝えてとりあえずボードを全部引っ込めた。おそらく他にもやらかしているに違いないから。

 

自分が新しいことを始めて、いくらか認められ始めたときに陥る落とし穴。

人生で何度も何度も経験しているはずなのに、状況に惑わされて本質を学べていなかったということだった。

ただでさえ、俺の欠点は「浮き足立ちやすい」ということだというのに!

危ないところだった。いや割とアウトだったが。

正直ちょっと今でも動揺している。

 

これからこのブログやなんかで情報を発信して行くにしても、よりいっそう気をつけて、驕らぬようにしていきたいと思う。

それでもやらかすのが俺という男なのだから!

これは、怖いな!

自分の世界が広がり、今までと全く異なった光景を見たからといって、自分が大きくなったわけでは、ないのだ…!

 

ノールビンドニングでスリッポンを作る

アイディアというのは、

  • 脳の中で十分に情報が整理されていて
  • そのことについて特に何も考えていなくて
  • ちょっとした散歩などの軽い運動をしているときに
  • 全然別のものを考えたり見たときに突如降りてくる

ものだと思っている!

実際、人間の脳というのは何かを頑張ってインプットしたり考えたりしてる時にはひらめきは生まれづらく、インプットした情報を脳に根付かせてから、全然別のつながりを発見した時に圧倒的なパワーを発揮するものらしい。アルキメデス先生もそんな感じだった。

すごくどうでもいいんだけど、この「ハッとした閃き」の最上位バージョンが仏教でいうところの「悟り」で、有名な般若心経はその「究極のアハ体験」に至る最後のひと押しをするための経典だったりする。だから、いわば究極まで情報をインプットした人向けの、超上級者用テキストなので、素人たる俺たちがいきなり「般若心経を写経しましょう」とかやっても正しい結論には到達しないので、注意が必要だ!第一、どんな分野もそうだけど、「短いテキストの中に真理が」系の上級者向けテキストというのは、前提知識が膨大にあるからこそ短いわけで、素人が安易に短いテキストを求めてはいけないのだろう。老荘思想老子より荘子読んでからのほうがいいし。物理や数学でも、美しく簡潔な公式は決して簡単じゃない。

般若心経は限りなく無に近づき、あと一歩で悟れる…!という人向けに、「ソワカ!(グッドラック!)」とイイ笑顔で修行者の背中を叩いて崖の先に一歩足を踏み入れさせる(インディジョーンズのアレみたいな)という経典。

で、座禅を組んでる修行の最中にいきなり棒でブッ叩かれるアレも、「雑念があるから」叩かれるんじゃなくて、瞑想が深まってもう少しで無の境地に至りそうなとき、突如として背中を叩かれることにより脳がスパークし、生まれたての赤ん坊のごとき真っ白な状態にさせる、というのが目的(それが般若心経で言う「ソワカ!」みたいなもの)だから、あれも上級者向けだ。真に瞑想ができている修行者になら、ドタドタと足音を立てて近づいても別にいいはず。「やべぇ、後ろに来た!」とか思ってる時点でそれはまだ未熟なんである。多分、重い病気やけがによって人生観が一変した、みたいなのもそうだと思う。目からウロコのようなものが剥がれ落ちたとか(新約聖書使徒行伝9章18節)。あれはちょっと違うか。

と、隙あらば面倒な話を仕掛けて行くスタイルでノールビンドニングをやっていくわけなんだけど。

 

昨日、ちょっとした買い物にホームセンターへいったところ…多いなるひらめきを得たぞ!というだけの話にここまで長々と前書きをしてしまったが!

 

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これ!

冬用のフェルトのインソール。あったかい。89円。やすい。

これを見て、「このインソールの周りをぐるぐる縫っていったら、普通にスリッポンになっていくんじゃないのか…!?」と思ったわけだよ!

なんといってもフェルトだし。毛糸もフェルト化できるし。

20分ほどインソール売り場でいろいろとシミュレートしてみた結果、いけそうだと考え、89円でスリッポンの元を手に入れてきた!

俺の足は28.5cmで、このインソールは28cmまで対応だからちょっと小さいけど。どうせ室内履きだし、毛糸で周りを縫うわけだから多少の大きさの差異はなんとでもなろうということで。

そしてこれを…

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目打ち針で穴を開けて行く。大体目分量で。俺のステッチの幅はだいたいこんなもんだったはずという。

レザークラフトと基本的には同じだよね、この辺は。

多少間隔が開いてしまっても針を打ちなおせばいいし、あるいは増し目減らし目で調整すればいいからあんまり神経質にならなくてもOK。

でもこれ、二つまとめて穴開ければよかったなぁ。結構時間かかったよ。地味な作業だし。

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開け終わったら、とじ針を使ってこのように縫っていく。

多分一段目が一番大変!

この段階で、インソールから足がはみでそうな部分や余る部分は増し目減らし目をしていくと、最終的な見た目がよくなると思う。土踏まずは減らし目、小指側は増し目、みたいにね。まぁ毛糸だし、スリッポンだからすぐに自分の足の形になるんだけど。

ひたすら縫ったよ。

今回は初心に戻ってブロディエンステッチ。

ノールビンドニングのスリッポン2段目

二段目は特に何も考えずにそのまま縫う。増し目減らし目無し。

だいたい、二段目のあたりで足の指の高さになるから、3段目から減らし目をしていくと、靴らしくなってくるよ。

ノールビンドニングのスリッポン

そして、4段編んだあたりでこんな感じに!

…スリッポンというか、カンフーシューズっぽい!

これは…最近サボりがちな太極拳の練習を思い起こさせる何かが…!

このままでも十分に足にフィットするし、履きやすいからこれで完成!といきたいところだったけど、やはり、もう少し何とかしたいと。このままでは地味すぎるぞと。

そういうことで、写真は撮ってなかったんだけど、上靴のような足の甲を抑える、ええと、なんていうんだ、渡し?みたいなものと、ベロを別に作って、毛糸でとじ合わせた。

 

ノールビンドニングのスリッポン

そして、最終的な完成を見たというわけさ!

…何か、とても可愛いが!

まさか俺がこのような可愛いモノをつくるとは…!

しかし、可愛くてもこれは28cmあるからね!大きいぞ!写真に騙されてはいけない…!

本当は何かしらボタンがあるとよかったんだけどね。

でもとりあえず、右足分は完成!

しばらく履いてみると予想以上に暖かいというか、まだこの時期では暑いほどだったので、冬本番まで今後作る左足とともに出番待ちかな。

 

片足分で,35mの毛糸を一個半(ベロ分も含む)使ったから、ざっくり55mあれば足りる感じかな?

28cmだからこんなことになったわけで、通常の場合は1玉でギリギリ行けるかもしれない。

 

ちなみに、「インソール使うってアイディアはそうそうないんじゃないか…?」と思った直後に「いやそれはないわ。絶対試してる人いるわ。間違いなく」と、先達の存在を確信しつついろいろ検索したら、ばっちりみんな作ってました。

insole crochet」で画像検索したら、みんな作ってるな!中には外用のサンダルを加工している強者も。麻糸や亜麻糸で作れば、夏用にもなるかもしれないね。

ノールビンドンング - 驕りと慢心 ダラーナステッチを習得できていなかったこと -

ベレー帽をダラーナステッチで作っていて、どうも、ずっとしっくりこない何かを感じていた。

何か、違う気がする。

これで本当にいいのか?

自分はできているのか?

確かに、サムループとワーキングループは正しい。針の動きも正しい。

しかし、いつものお姉さんのサイトのダラーナステッチの例を見ると、何かが決定的に違う。

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http://www.en.neulakintaat.fi/75

こちらがお姉さんのダラーナステッチ。

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対する俺のはこれ。

…違うだろう!?

何かが!

ずっと「多分俺が未熟だからだろう」とか「俺の指が太いからこうなるのでは?」と自分を納得させてきたのだが、ついに違和感が頂点に達した!

これ、多分、違う!間違ってる!

ノールビンドニングは「多少違ってても全然OKだよ。そのままやっちゃいなよ」というヴァイキング的な懐の深さをもつ技術なだけに、俺はすっかり、間違った覚え方をしていたらしい。

しかし、何が違うのだろう?

針の動きは間違ってないし、サムループもワーキングループもそうそう間違うものではない。

でも、お姉さんのはカチっとしてかっこいい。俺が憧れたダラーナステッチそのものだ。

俺のはなんだか眠たい感じがする。

しばらく悩んでいると、お姉さんのステッチ画像の右下に、「F1」と書いてあるのが見えた。

ずっとスルーしてたけど、もしかして、これに何かしらの意味があるのでは?

お姉さんのところのステッチ一覧のページでも、F1とかF2、M2とかB2というものが見える。

これはどういう意味なんだろう?

俺はお姉さんの(大変ありがたい)サイトを、自分に都合の良い部分だけしか読んでなかったことを恥じて、じっくり読むことにした。

…読めない部分もあるけど!来たれ英語力!

そうすると…さすがはお姉さん、もはや女神!ちゃんと、丁寧に、画像付きで、教えてくれていたのでした。

Second Row | Neulakintaat

「二段目を編む」というページに、ちゃんと…

  • F1は表からコードループをひとつ拾う。
  • F2は表から二つ拾う。一度使ったコードループと、新しいの。
  • Bは裏側からコードループを。1と2はF1,2と同じ意味。
  • Mはコードループとコードステッチの間のループ、つまり真ん中の。

…本当に申し訳ない…!

俺はずっと、ブロディエンステッチと同じ、「F2」でコードループを拾っていた。

オースレーステッチのときもそう。だから縫い目がなんだか微妙な感じになっていたのだ。

というかそもそも、Dalarna Stitchはダラーナステッチで読みは合っているのか!?もうすべてが疑わしくなってきたぞ!

何か、俺自身への信頼が崩れてきている感がある!

これますいと、あわてて正しいステッチのやり方で縫ってみると…。

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まるで別物!

や、ちょっと雑なのはアレだけども!

以前の眠たいステッチじゃなく、はっきりと、糸が二本ずつ寄り添うような編み目ができている。これこそは俺の求めていたダラーナステッチ!(で読みはあっているのか!?)

満足感と脱力感にへなへなになりながらテキストを見返すと、こちらにもきちんとそのことが書いてあった。さすがだぜ!というか読み飛ばすなよ俺。

マメン・コルゲンステッチのところに、「コードループを2目拾うとマメン、1目だとコルゲンになります」って、先生方がちゃんと書いてくれている。

俺は…「もうわかったからへーきへーき」と、基本をおざなりにしていたわけだな…!

なんという慢心。

今まで「縫い目がぱっとしないのは、俺が未熟だからかなー」とか思ってたんだけど、どうやら未熟の方向性が違った!割と根本的なところが未熟だった!技術とかそういうものでなく!

…やー、これは、ショックだよ…。

結構慣れてきて、新しいこともさくさく覚えられるし、と、これは調子に乗っていたということだな…!?

考えてみれば、たかが1か月の男が調子に乗れるわけもなかった!

本当に、反省をしているよ!

初心に還るというか、今まさに初心であることを忘れて驕っていたな!

これは相当な、学びとなりましたよ…!

これは毛糸ちぎり機と同じだ。

最初のうちは、「もっとこうすればいいはずだ」だとか、「もっと便利な方法がないか?」とか「俺が新たなやり方を発見してやるぜ…!」みたいなことを思ったりする。で、実際にやってみるんだけど、それは結局先人たちがすでに試して、採用していなかったもので。まぁ毛糸ちぎり機は試したかはわからないけど、現状がこうなっている理由をまず知らないと、逸脱も改善もできないのだ。守破離だな!

今回の俺はそこに慢心が加わったので、なかなか性質が悪いといえる。

これはやられたね。俺自身に!

これはまた改めて、テキストや先生やお姉さんのところに学びに行かねばならないな!

脱力しつつも、ちょっとテンションが上がってきている。

お姉さんのサイトを全部最初から読んでいかないと…!

 

ちょっと衝撃的な出来事だった!

ノールビンドニングの作り目のための練習

ノールビンドニングで一番難しいのは、編み始め縫い始めの「作り目」。

この最初のステップがとにかくわかりにくいのが大きなハードルになっている。

俺もそうだったし、先生たちもそうだったらしいし、今まさに躓いている人がいるし、きっとこれは全世界的にそうなのだと思う。

でも、この作り目さえ乗り越えればもう脱初心者。

とにかくこのハードルを何とかして越えていこう。

そこで、作り目を作る方法を解説する…その前に!

「ノールビンドニングの理屈」を説明してみようと思う。

きっと、この理屈がわかれば作り目も、縫い方も、よくわかってくると思うから。

もし作り目で苦労していたり、ノールビンドニングは何がどうなっているのかよくわからないという人が居たら、針と糸を用意して一緒にやってみて欲しい。

これをやっておくと作り目がスムーズに理解できると思うので、ちょっとした遊びと思ってやってみてね。

ノールビンドニング用の針がない人は、大きめのとじ針で代用可能。100均の手芸コーナーにも売っているよ。

1.針に糸を通し、親指を通すループを作る

ノールビンドニング作り目

すべてはここから。

まず、毛糸を大体腕の長さくらいに切って(今回は理屈の説明だから無理にちぎらなくても大丈夫)、針に糸を通してみよう。

次に、針と逆の方の毛糸の端を、写真のように緩く結ぶ。

結ぶ時、どっちの糸を上にするかは気にしなくて大丈夫。とにかく、くるっと結んでみる。

 写真に妙なフィルターがかかっているのは、俺の指が非常に見苦しいから。

鹿の角を加工するときにドリルで怪我をしてしまってね…!

なのでそのあたりはご容赦を。手袋すればよかった。

2.結んだ毛糸を、親指にはめる

ノールビンドニング作り目

(見苦しい指で失礼…)

さっき作った輪の中に、左手の親指を入れる。

結び目は親指の腹に、糸の先端を向こう側に、針に続く糸を手前側に。

ノールビンドニングの基本形がこれで出来たと言っても過言じゃない。

  • 右手に針を持つ
  • 左親指にループをはめる
  • 左親指から針にかけて手前側に糸が通っている
  • 左親指の腹に結び目が出来ている

ノールビンドニングは、常にこの状態を維持して縫っていく。

何か、できそうな気がしてこないかな?

3.何も考えずに、針を輪の中に入れる

ノールビンドニング作り目

右手に針を持って、左手の親指の腹にある結び目の下に糸を通す。

とりあえず今回は、何もせずにただ糸を通すだけ。

人差し指(見苦しい人差し指で失礼…)で結び目を抑えて、ゆっくりと糸を引き抜こう。

左親指の付け根の方向に糸を抜いていくといいよ。ゆっくりと、糸が絡まないように。

 

4.親指に二本のループを巻き付ける

ノールビンドニング作り目

 そのまま糸を引き抜いていくと、親指に

  • 最初から巻き付いていたループ
  • 糸を通したことで新たにできたループ

の二つのループが生まれたはず。

ここがノールビンドニングで重要なんだけど、針を通し糸を引き抜くと、親指に新しいループができる。

これがとっても大事。

ノールビンドニングというのは、このように常に親指にループを作り続けて行く縫い物(編み物)。

そして大雑把に言えば、「たとえ何がどうなろうと、親指にあたらしいループが生まれていれば、それで成功している」ということ。縫い目がぐちゃぐちゃになったって、別にいい(極論すると)。

だから、今後もしも「なんだかよくわからなくなっちゃった」という事態に陥ったとしても、親指にループが生まれている限り、大丈夫。そのうちちゃんと元に戻る。その部分の縫い目がちょっとおかしくなるだけ。おかしな部分は裏にするとか、見えない部分にしちゃうとか、上に何かアクセントつけてごまかすとか、いくらでもやりようがある。だから失敗じゃない。

親指のループが大事。

5.このままだと親指にまきついていくだけなので

ノールビンドニング作り目

そのまま親指のループ(サムループ)を作り続けて行くと、左親指が肥大してゆくばかりで縫い物にはならない。

だから、今二本まきついている左親指のループのうち、古いほう(一番最初に結んだやつ)を、すっと外してあげる。

外す作業は右手を使って。

左手は結び目を抑えたまま。

上の写真のようになるはず。

ノールビンドニングは、「親指にできて行くループを、一回ごとに外して、新しいループを作っていく」作業。これはすごく重要。

どっちが古いループかわからなかったら、針についてる毛糸をちょっと引っ張るといい。きつく締まる感じがする方が、新しいループ

どれが外すべきループなのか、残すべきループなのか迷ったら、とりあえず親指にはめて毛糸を引っ張ってみる。これは多分、今後ずっとやるしぐさになるはず。

ちなみにこの状態が、「サムループとワーキングループがそろった状態」ということになる。今あなたは、ノールビンドニングをやっている!

 

6.出来上がったループはとりあえず無視して

ノールビンドニング作り目

親指の腹にできた新しいループはとりあえずそのままにしておいて、もう一度、何も小細工なしに針を結び目の下をくぐらせてみよう。やることはさっきと全く一緒。

親指の腹と、結び目の間に、針を通す。

親指の付け根の方向に糸を引いて、親指に新しいループを作る。

親指にループが二つできるから、もともとあった方のループを、外す。

 

7.ループが二つになることを確認する

ノールビンドニング作り目

きちんと古いほうのループを親指から外せたら、この写真のような状態になるはず。

(なってなくても大丈夫。最初は誰でもそう。一度毛糸を切って、またやり直せばいいよ)

この親指にまきついてるループを「サムループ」、サムループを外してできる、親指の腹にできてるループを「ワーキングループ」っていう。

ノールビンドニングは、サムループを外してワーキングループにしていく縫い物。

次ももう一度、同じことをやろう。

 

8.親指の腹にループが3つできた

ノールビンドニング作り目

3回針を通して、3回親指からループを外したので、親指の腹にできるループは3つ。

ノールビンドニングが全く初めての人は、まずこの一連の流れで遊んでみるといいと思う。

親指の腹にループが3つたまったら、毛糸を切ってもう一度。

一連の流れを手早くこなせるようになったら、もう作り目なんかこわくない。

これが苦もなくできるようになったら、改めてテキストの44ページ、「伝統的な作り目」に挑んでみてほしい。ここでやったこととの違いは、針を通すときに針をねじって入れる、ただそれだけ!

作り目ができれば初心者は終わり!あとは出来上がったものを輪につなぐ方法を覚えたら中級者。リストバンドが作れたら一人前、だと思う!

ここから先は上達はすっごく早くなるから、楽しみにしているといいよ!

9.作り目がぐちゃぐちゃになってしまっても

大丈夫!

サムループと、ワーキングループさえ作れていれば、作り目なんて気にしない!

そのままどんどん縫おう!

拾うワーキングループを間違えても、気にしない!

どんどん縫おう!

縫っていくうちに、「これは違う」「こっちが正解のワーキングループ」とわかるようになってくるから。

そして、作品が完成するとき、どうしても作り目がぐちゃぐちゃになっているのが気になったなら…

「作り目が気にいらないなら、切ってしまえばいいじゃない」

脳内のマリーのささやきに耳を傾け、潔く切っても大丈夫!ノールビンドニングはほつれないので、作り目なんてバッサリ切り捨てて、綺麗な縫い目から残せば大丈夫。あとは適当に切った部分の毛糸を処理すれば、見た目に美しい。

とにかく、ノールビンドニングのコツは、縫っていくこと。

途中で「あれ、これ間違ってるんじゃ…」と思っても、大丈夫!間違ってない!ちょっと見た目が悪くなるだけで!そこを気にするより、縫い続けて体にリズムとステッチを覚えさせる方が上達は早いと思うよ。

まぁ、始めて60時間くらいのお前がいうなという話ではあるけれど。

とにかく、最初は大変だったり迷ったり不安になったりするけど、どんどん続けて行けばそれが解決方法だったりするよ。

頑張ろう!

 

 

 

 

はじめてのノールビンドニング 縫うように編む、北欧伝統の手仕事

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X.実はもう、作り目はほとんどできている

この記事かいてて発見したんだけど、これ、実はもうほぼ作り目ができてるんだよね。

ノールビンドニング作り目

さっきのこの状態。

何もせずに3回針を通しただけの状態から、実はあと一歩でブロディエンステッチの作り目ができる。

ノールビンドニング作り目

こうやって、3つのループに針を入れて。

ノールビンドニング作り目

針のお尻を向こう側に動かして、きゅっとねじる。3本のループが外れないように。

テキスト44ページの04と05を参照。

ノールビンドニング作り目

そして、結び目の下に針を通す。今までと同じに。

人差し指で結び目を抑えて、ゆっくり引き抜いて、もともとあった親指のループを外す。

新しいループを親指に作るときに、毛糸が外れてしまわないように注意して。

ノールビンドニング作り目

じゃん。

ブロディエンステッチの作り目、完成!

おめでとう!

上に連なってる3つのループが、今糸を通した3つのループ。

その下の横になってる大きなループが、親指から外したループ。

そして新しく親指にループが巻き付いた。

ブロディエンステッチは、この構成がひたすら続く。

もっと言えば、これができたということは、マメンステッチも、オスロステッチも、習得したのと同じ!

でもブロディエンステッチはとても美しいステッチなので、下手にほかのステッチに手を出さなくてもいいと思う。ブロディエンステッチに十分慣れたら、ほかのステッチもすぐに理解できるようになるよ!

ノールビンドニング作り目

作り目を裏からみた写真。

ノールビンドニング作り目

次は、この3本のループを拾う。

親指の腹に4本あるループのうち、新しいほうから3本選び、針を通す。

そうして1目ずつ進んでいくのがノールビンドニング。

そうして、同じく、ねじって通して、ねじって通して…と繰り返すのはテキストにある通り。

拾うワーキングループを間違っても大丈夫。とにかく、どんどん縫っていくといいよ。

ノールビンドニング作り目

そしてこんな感じのものができていく。ブロディエンステッチはもうキミのものだ!

 

ちなみに今回、この記事でできた作り目は、テキストにある作り目と違ってちょっと脆い。

毛糸の端を引っ張ると縫い目が崩壊するので、あまり見た目はよくならない。

だからこの作り目のやり方に慣れたら、改めてテキストの「伝統的な作り目」に挑戦してみてほしい。きっとすぐにできると思う。違いは最初からねじるかどうかだから。

作り目ができたら、あとは作品を作るだけ!

(もっとも、「脆くたっていいじゃない。切ればいいのだから」というマリー様的ノールビンドニングをやるというなら、この記事の作り目でも問題はないんだけど!)

 

あ、テキストにある「ハートのモチーフ」は実は結構難しいから、最初はリストバンドから作るといいと思う!

これからの時期実用的だし。

何よりも、実際に作品を仕上げることができた悦びほど、上達を促進するものはないからね!

ノールビンドニング - 最古のステッチと、毛糸ちぎり機デビューのこと -

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俺は一つの野心を胸に、今週という10月の第三週を迎えていた。

それは、「ベレー帽を作りたい!」という野望である。大したことない野望だが!

これからの北海道は日ごとに寒くなり、またそれに呼応するように、俺の…あれだ、その、頭髪が!はらりと儚く秋露に消えてゆくのを感じていたからだ。

…いやまぁ、もう仕方ないんだよ。その日がいつ来るかどうかだけの話で、あとは俺の勇気の問題となるだけさ。現実を、いつかは直視せねばならぬ、その時を座して待つのか、むしろこっちから迎え撃つのか。

そんなきたるべき「その日」に備えるべく、自分に似合う帽子を何かしら探さねばならぬ。そういうわけで、最近は帽子に殊の外興味を抱いているというわけで。

動機は後ろ向きだが!

俺にも…覚悟の刻が近づいているのはわかるからな…!

お風呂の排水溝とかで。物理的に。目に見える形で。

で、ベレー帽を作るにあたり、それはもう当然世界のナイスガイたちがどのようなベレー帽をかぶっているのかを検索したわけで、彼ら最高の男たちの画像を8割くらいダウングレードして自身に当てはめて考えると、わりといけるんじゃないかと仄かな希望を抱いたので、ベレー帽を作ることにした。

幸い、ノールビンドニングのテキストに見事ベレー帽の作り方が載っている。

はじめてのノールビンドニング 縫うように編む、北欧伝統の手仕事

素晴らしいね!

要するに、円形にちょうどいい大きさまで広げて行って、適当なところで減らし目をして、ひたすら減らしていって頭の大きさにする。という非常にヴァイキング的おおらかさを持った作り方なのだが、おそらく古来ベレー帽をかぶってきたバスク人たちも大体そんな感じで作ってきたのだろうから、俺でも十分に作る資格はあるはずだ。

ヴァイキングは俺に勇気を与えてくれる。

しかし、そのまんま作るというのも、何か芸がない気がした。

そういうわけで、ここ数日、いろんなステッチを開拓していたわけなんだけど。

そこにもう一つ、追加しようと思った。

「縦縄編みを組み合わせてみよう!」

縦縄編みはまだ俺はやったことがない。

ノールビンドニング特有のナイスな模様。

ワークショップに参加しそこね、実際にやってみる機会を失ったままだった。

ならば今ここでやってみるしかないんじゃないのか。

一本縦縄模様を入れることで、ベレー帽はなかなかいい感じになるんじゃないか。

しかしいきなり本番でやってみるには怖い。

なので、一度別のもので実験してみることにした。

それがトップの画像の筒状のモノ。易占用の筮竹入れである。

地味に俺は易占をやるのでね!あの、長い棒をジャラジャラするやつ。本当はジャラジャラする意味なんてないんだけど。でもあれを持つとジャラジャラしたくなる気持ちはわかる。パン屋さんでトングを無意味にカチカチやるようなもので。

で、ま、易占は置いておくとして(易は実は占いとはちょっと違ったりする。決して怪しげなものではないぞ!)、その筒の周りを、縦縄模様で覆ってみよう!と考えたわけさ!

ちょうどいいかんじの2色撚りの毛糸も1玉あるし。

そして、今回はノールビンドニング最古のステッチ、「オースレーステッチ」を使うことにした!

以前習得したダラーナステッチの亜種(どっちが亜種なのかわからないけど)なので、比較的簡単に習得できた。


Åsle Stitch, original - Neulakinnas, Nalbinding

はい、いつものお姉さん。

…もうお姉さんには感謝しかない!

お姉さんの作り目の作り方はテキストとは違うけど、要するに、「サムループが一本まきついた状態で糸をそのまま引き抜き、サムループを二本にする」という動きができればオースレーステッチの型になる。あとはワーキングループを適切に拾えばそれでOK。作り目は多少ぐちゃぐちゃになっても大丈夫だから、いろいろやってみるといつの間にかうまくいっているはずだ。

ノールビンドニングは、サムループをどうするか、そしてワーキングループをどう拾うかという話に集約されると思う。この二点きっちりやれば、どんなステッチも怖くない。と思う。今のところは。

わからなくなったらまずサムループ。次にワーキングループの拾い方を確認していくといい。

さて、これで準備OK。

あとは、作り目を作り、実践していくだけ…!

…なのだが…

毛糸が…

ちぎれない…

太くて強度があるので…

すごく手が痛い…

「あー、いてぇ…」

とか、つぶやく俺は…当然…笑っているわけでな!?

そう、ここでついに、奴の…彼の…毛糸ちぎり機の出番が!

yajul.hatenablog.com

ついにこの時が来たか!

毛糸ちぎり機!

頼む!

お前しかいない!

毛糸をきつく巻き付け、ドキドキしながら毛糸ちぎり機を握る!

 

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……もそっ。

 

毛糸は…ちぎれなかった…。

毛糸ちぎり機は…その力を発揮できなかった…。

もう少し、おおきく作れば、ちぎれたのかなぁ…。

一応半分くらいはちぎれたから、そのあと手でちぎったけど…。

言いようのない喪失感。

しかもそのあと、「手のひらに毛糸を巻き付けてちぎれば痛くないし、簡単にちぎれる」って発見してしまって…なんだか…こう…。

……。

しかし一応!きっちりときつーく毛糸ちぎり機に巻き付ければ、ちぎれるよ!

でも、その手間と、手のひらでちぎる手間だと、どう考えても、後者なんだよ!

すまん…本当に、すまない…!

 

胸の中を通り抜けて行く風に耐えながら、ぐるぐると縦縄編みをする。

割と行ける。これは表裏をひっくり返しながら縫っていく手法なので、もしかするとオースレーステッチのような表裏の模様が違うステッチは相性が悪いかもしれない。でもそこそこ、うまくいっている。

いっている。

途中でコーヒーをこぼしながら。

で、4時間くらいで編めた!

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どうだろう!?

…いや、わかる!

いいたいことはわかる!

なんだろう!?この、絶妙なコレジャナイ感!

しかも途中で縦縄模様をあきらめている!

そしてあきらめた先も、何か、あんまり、しっくりこない感じがする!

…多分、2色撚りの毛糸って、似合うステッチとそうじゃないステッチがあると思うんだよね。で、オースレーにはあわなかった。

そして、2色撚りの毛糸の圧倒的な自己主張に加えて、さらに縦縄模様という自己主張が追加され、そこにオースレーステッチというダメ押しの追加要素が来るという、全部のせ、足し算の暴力のマイケル・ベイ状態になっている!

圧倒的ベイ感!

ベイ感が分からない人は実写トランスフォーマーあたりを見よう!

画面はすごいんだけどすごすぎていったい何が起こっているのかわからないぞ!

結果、心に残るのは「マイケル・ベイを見た」という胸やけ気味のカロリー高めの感想だけだ!

そんなベイ状態が!今!俺の目の前に!

すごい。

ノールビンドニング+易+ベイ

北欧、中華、そしてベイ国のエッセンスが全部合わさった結果、ベイ感だけが生き残ってる。

俺はいったい何をやっているんだ…。

ベレー帽…これ大丈夫か!?

すごく不安になってきたよ…!

ノールビンドニング- まだ見ぬステッチを求めて、ステッチ情報サイトを探す -

先日、ダラーナステッチを曲がりなりにも習得することができたんだけど(ダラーナステッチって名前であってるのかな?)、それでもまだ俺の使えるステッチは5種類なわけで。

今のところ1000種類以上見つかっているといわれるノールビンドニングのステッチの、たった0.5%ということになる。…せめて1%には到達したいところ!小数点以下というのはちょっと心もとないからな…!やはり、武器は幅広く持っておくに限る。スペシャリストになれない俺には、ジェネラリストの道しかないのだ…!

というか単純に、新しいステッチを身に付けるのが楽しくなってきたしね。

しかしPinterestなどで画像から新しいステッチを探すのは非常にツラい。そこで、今のところ知っている5種類のステッチの英名で検索して、ノールビンドニングのステッチをまとめたサイトがないか探してみることにした。

ネットは広大だからな!

必ずどこかに情報をまとめていてくれる人がいるはず。

それにノールビンドニングは古く新しい技術。エジプトで1000年前に作られたミトンが見つかるも、その製法がまとめられたのは1957年、マスターピースたる本が出版されたのが1960年ということなので(この辺はまだ調べ切れてないので、あいまいだけどね)、このロマンあふれる編み物を広めたいと情熱を燃やしている人は必ずいるはずだ。

…そんな大仰な前置きしなくても、割とあっさり見つかったんだけどね…!

http://www.en.neulakintaat.fi/

それがここだ!

webサイトのタイトルが、ないけれど!

英語版も用意してくれているので、サーミやスオミの言葉が分からなくても読むことができる。ありがたいね!

ここの左のメニューにある「Stitch Samples」を見ると、画像でステッチが見られるので、どんなステッチをやってみたいか探すのも簡単だ。やってみたいステッチが見つかったら、同じく左メニューから「Finnish Stich Family」などをクリックすると該当ステッチのリンクへ飛べる。

本当にいい時代だね!

しかも、簡単な説明とともに、動画へのリンクも示してくれている!

素晴らしいな!

この時代に感謝だぜ!

UUOO/UUOOOとかのハンセン表記はまだ全然わからないしね。

そこで、今回は今までまったく触れていなかった、ワーキングループをねじってから拾う「ターニングステッチ」を一つやってみようと思い、動画を見てみることにした。


Nalbinding, Turning Stitch Var. 2b, 2+tr+2, Joutseno

…貴女でしたか!

やはりというか、前回ダラーナステッチのときも関連動画でこのお姉さんが無双していたのでうっすらと予想していたけれど、まさかあのサイトを、このお姉さんが!

このお姉さんのブログとかを見ると、多分この人は相当な権威なんじゃないかという気がしてくる。俺のような男が気軽に「お姉さん」とか言えない感じのアトモスフィアが漂う。論文へのリンクとかあるし、フィールドワークしてるっぽいし、ノールビンドニングを知っているお年寄りに取材に出かけたりしているし。

…お名前はまだ存じ上げないのだが!

おそらく今後、このお姉さんには幾度となくお世話になるだろう。

ちょっと手慣れすぎてて動きが早いけど、何回も一時停止して確認すれば間違いなくできるようになるはず。実際俺もなったし。今回もな!

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こんな感じで!

「フィニッシュステッチ2+tr+2」という、何かオトコノコの心にグッとくる名前がつけられている。いやあるいは「Joutseno」なのかもしれない。…ヨーツェノ?わからん!読めない!

このステッチはサムループを3本かけて、そのうちの1本を外してねじって拾ってワーキングループの3本に通してねじって引き抜くという、慣れればリズムよく行けるけど初見にはやっぱり大変なステッチ。ただ、新しいサムループが親指の根本側にできるから、サムループがすっぽ抜けるということはないし、思い切りきつく縫っていけば縫い目も乱れないから、とても安定したステッチといえるかもしれない。

それにこれ、かなり分厚く出来上がる。並太の毛糸で8mmの厚さ。すごい。

襟や袖口など、強度がほしい部分にこのステッチを使うといいのかもしれない。

 

とりあえず一周編んでみたところで…やはりむくむくと…新たな針を作りたい欲求が生まれてきた!

これは親指の向こう側から拾って、反時計回りにねじるというステッチなので、まっすぐに長い針だとめちゃめちゃつらい!

…要するに、俺のお気に入りの針が使えない!

そういうわけで、今まで作った中で最も短い針を出して、それをさらに短く持って縫うと…やりやすかった!

やはり、道具は適した物を使わないといけないね。

こういうターニングステッチの時に、曲がった針が輝くんだと思う。

ノールビンドニングの針の画像を検索すると、絶妙に曲がった針を多くみるのは、こう言うことだったんだな。曲がった針なら、複雑にねじって拾っても針から毛糸が逃げて行かない。またひとつ勉強になったよ。

…ちょうど曲がった鹿の角があるし、また作ってみようか!

 

 

 

はじめてのノールビンドニング 縫うように編む、北欧伝統の手仕事

はじめてのノールビンドニング 縫うように編む、北欧伝統の手仕事

  • 作者: 北村系子,マツバラヒロコ
  • 出版社/メーカー: グラフィック社
  • 発売日: 2017/09/08
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)
  • この商品を含むブログを見る
 

 

 

 

ノールビンドニング - 1か月、50時間の成果 -

ノールビンドニングのスヌード、ネックウォーマー

突如、ノールビンドニングを始めることを決意して約1か月。

手元の手帳によると、50時間くらいはやり続けているらしい。学習だとかそういうことではなく、純粋にハマってしまっている!

ノールビンドニングの効用として、作業中は完全に手がふさがるのでお菓子を食べている暇はないということがある。お茶すらも飲む時間があんまりない。いや、あるんだけど、縫った!毛糸なくなった!毛糸つないだ!はい次!のリズムが止まらなくて、お茶をいれても「飲むためにリズムを止める努力をしなければならない」という巨大なハードルが立ちふさがる。そんなことにかまけている暇はない。俺は縫うぜ…!みたいな感じになっちゃってるので、「編み物はむしろ太るんじゃないのか…?」という当初漠然と感じた危惧は完全に杞憂と化した。

で、時には普通に夕食食べないでやっていたので、体重は3kg落ちているね!…元がアレではあるが!

 

今までこのブログで書いてきたけど、今回のノールビンドニングは本当にいろいろと噛み合った、見事なシナジーを俺の中に見出したものだった。ちょうど初めて20時間の時にワークショップに参加できて北村先生のお話しを聞き、「適当でOK!」という言葉に多いなる勇気をもらって「それならとにかくやってみればいいわけだな!?」と学習の迷いや停滞が吹き飛んだことがとても大きいと思う。ワークショップに行ってよかった。

世の中の、個人レベルの問題は大体は勇気の問題なので、勇気を出してワークショップにs南下して本当に良かった。。タロットカードの最初のカードも「旅人(愚者」だしな!とりあえず最初は、愚直に一歩踏み出すほかはないのだろうと思う。一歩間違えれば意識高い系になる可能性は秘めているけれども…!

初めて一か月目にしてトップの画像にあるスヌードを完成させられたというのは本当にうれしいね!いやー、これ、いいよね。なんかもう、我ながら、こう、いいよね!縫い目もすごく安定しているし。ははは、いやぁ、本当に嬉しくてね!

そんなわけで、一か月目だし、誕生日だし、じゃあ次は何を作ろうかなと、もはや日課となったPinterestなどで「nalbinding」を検索していたところで…Dalarna Stitchというものに出会った。

vakerrysta.blogspot.jp

これ!

縫い目がすごく綺麗で、これはぜひとも体得したい!

しかし、やり方が分からない!

そういう時はyoutubeに限る。何気にノールビンドニングのステッチの動画はたくさんあるのだ。たくさんというか、相当信頼できる感じのお姉さま方が動画を投稿してくれている。いい時代だな!

早速検索してみると、あったよ!動画が!


Dalarna Stitch, Taalainmaa - Neulakinnas, Nalbinding

でかした!

というかこの動画は、多分さっきのブログの人の動画だよね。いや本当にありがたい。

ノールビンドニングを始めた当初の俺には、どのステッチの動画を見てもさっぱりわからなかったのだが…今の俺にはわかる…気がしてくる!

実際この動画を一通り見ると、どんなことをやっているのかは経験者はすぐわかると思う。あー、ここがサムループになるのね、とかワーキングループはそこなのね、とか。

で、このステッチ、は複雑そうに見えるけど、割とワーキングループがわかりやすいという点で、ブロディエンステッチよりもむしろわかりやすいんじゃないか。

これはいけるぜ。

俺にもやれる時が来たというのか。

動画を見て理解し、実行に移せる程度の実力が…備わったと!

慢心ギリギリの自信をみなぎらせ、俺は針をとった。

お姉さんと同じ速度で縫ってくれるぜ…!

 

…という自信はやはり過信にすぎなかったわけだが!

慢心だった!普通に!ちょ、お姉さんが手慣れすぎてい手やっていることはわかるのに頭に入ってこねぇ!早くない!?

Youtubeにコマ送りモードの実装を心から望みつつ、スマホでなくPCでシフトキー連打で動きを確認する。

50時kなんお経験はやはりバカにならないもので、10分ほどシフトキー連打してようやく理解することができた。相変わらず1段目はよれよれで何がどうなっているのかわからないけど、2段目になるとダラーナステッチの美しさが徐々に顔を出してくる。…何か俺の指が太いのか、お姉さんのようにはいかないのだが…それでもなんとか、小袋を編むことができた!

ダラーナステッチの小袋

多分、このダラーナステッチは裏地のほうが綺麗だと思う。

(10/15追記:裏表間違ってて、上記の画像が裏で、下の画像が表でした!どおりで縫いにくいと思った…。)

…もちろん、俺が圧倒的に未熟故というのはあるのだが!

ダーラナステッチ

裏はそれっぽいでしょ?(追記:こっちが表です!)

でもなんか、微妙に違う気もする(裏表が間違ってる!)。しかし縫えてはいる。そして小袋とはいえ、完成するとめっちゃうれしい。この小袋には3時間くらいかかった。

慣れないステッチだと本当に苦戦するね!

でも、また新たに新しいことを始められてワクワクしている。

やはり学習は楽しい。