ノールビンドニング - 五本指手袋を何とかして作る -
メリークリスマス!
クリスマスを越えればもうすぐそこに2018年が待ち構えているわけだけれども。
みんなは今日という聖夜に、誰と手をつないで過ごすのでしょう。
いいクリスマスであることを祈るぜ!
俺は…
俺は、今年のクリスマスに俺と手をつなぐのは…
こいつだ!
ノールビンドニングで挑んだ…夢の五本指手袋と…俺はクリスマスを過ごすことになりそうだぜ…!
ノールビンドニングはぐるぐると筒状に編んでいくのが得意な編み物なので、自然ノールビンドンングで作るのはミトンや、帽子が多くなる。
「nalbinding」で画像検索すると、多分ミトンと帽子がたくさんヒットすると思う。あと靴下。
それはもちろん大変素敵なのだけど、やはり俺には一つ懸念があった。
…男がミトン手袋ってちょっと可愛すぎないか…?
ただでさえ俺は
「意外と作るものがかわいいですよね」
と言われた男。いや可愛いの好きだけど。
やはり、こう、マスラオとしてそれはいかがなものかという一抹の懸念はあった。
ゆえに。
五本指手袋を…!
求めたというわけだよ…!
そんな同志がきっと世界のどこかにいるということを確信しつつ、画像検索に精を出す日々を送っていたのだけれど(やはりヒントはほしいからね!)、先月ついに発見したというわけだよ。編み物SNS・ravelryで。
ヒントと勇気をもらった俺は…早速手を付けることにした!
こういう感じで、縦に縫っていき、指いっぽんずつ作っていく。
割とこの辺りまでは、成功の予感をうすうすと感じていた。
色合いもかっこいいし!
ガーリィから脱却できる予感が…確かにあった!
このときはな…!
しかし…
結果はご覧の有様だよ!
俺は…画竜点睛を…欠いたというのか…!
最も大事な親指を見事失敗した!
これ…手袋っていうか…ワーキンググローブじゃないか!?
ものすごいブカブカだし、いかにも現場って感じの仕上がりだし!何か…全体的に雑!
俺はそんなところにマスラオ感を求めているわけじゃなかったのだが…。
まず、俺は手袋の大前提を見落としていたらしい。
そう、手袋というのは…
結構キツイ仕上がりになっている!
手袋というのは手にぴしっと密着するものだから、ちょっと小さめに作らねばならなかったのだ!
俺はそれを忘れ、「手にちょうどいい大きさ」で作ってしまったために…
このまま機械をいじりに行く感じになってしまったというわけだよ。
多くの課題を残し、というか課題しか残らずにノールビンドニング五本指手袋の第一弾を終えた俺は、この反省を生かして第二弾に進出することにした。
それが今週。
まさに聖夜の出来事なわけだよ。
以前よりも一段きつく作り…
無事に完成させることができた!
まぁ正直なところ、まだちょっと不出来なところが多いんだけど。
手首周りはやっぱりまだブカブカだしね。
でも手首はこれから筒状に編んで締めればいいわけだし、とりあえず五本指手袋はこれで、今年はいいかなと思い始めている!もう片方も作らないといけないし!
ちなみに、使った毛糸はDARUMAのGEEK。
1玉の2/3くらいで片方が出来上がるから、2玉もあれば十分作ることができると思う。
この毛糸は、中心をポリエステルの鮮やかな糸が走っていて、そのまわりをウールとアルパカが覆っているという面白い毛糸。
撚り合わせている毛糸ではないので、針先で糸を割ることもなく、またウールがフェルトっぽくなっているので糸を繋ぐのもとても楽。ついでにちぎるのもすごい楽。ぷちっとちぎれるよ。
ポリエステル部分が気になるといえば気になるけど、案外これはノールビンドニングに向いている毛糸かもしれない。
フェルティングはできないかもしれないけれども。
サンタクロースが靴下と間違えてこれらの手袋に何かしらを詰め込んでくれることを期待しつつ…
俺はこのクリスマスという夜を過ごすとするよ。
メリークリスマス!
驚異のスミグマスクヴィルクニング
先週、俺はこんなことをつぶやいていた。
かぎ針編みが必要になったので、かぎ針を作るところから始める…!
— yajul (@yajul) 2017年12月12日
このときは単純に、「鎖編みの長めの紐がほしいからカギ針が必要になるなぁ」という程度の話を若干盛ってみただけの話だったんだけれども。
たったそれだけの、何気ないただのつぶやきが、
毛糸ちぎり機の男がカギ針編みをやる気らしい!
と伝わり、
それならこれを!この北欧伝統のカギ針編みを!
という奇妙な方向へ飛んでいき…
さぁ、これをやるのだ…!
ということになっていた!
こ、これは…!
読めねぇ!
この本を貸してくれた北村先生によると、これは「スミグマスクヴィルクニング」。
何やら勇者王がゲムギルガンゴーグフォしそうな必殺技感が漂うが!
博物館などではノールビンドニングと並んで紹介される、北欧の伝統的かつ特徴的なカギ針編みということらしい。
表紙の中央に置かれているぽってりとしたカギ針を使って編む、とのこと。
スミグマスクヴィルクニング。
スミーグマスクヴィルクニングという表記もあるようだ。
…かっこいい!
「クーゲルシュライバー(ドイツ語でボールペン」並みのかっこよさだな!
これは俄然やる気が出てきたぜ…!
しかし、いかんせんこのテキストは見事に全部スウェーデン語である。
…歯が立たないな!さすがにスウェーデン語は…厳しい!
しかし写真と、先生が書きこんでくれている訳語がヒエログリフとなって俺を導いてくれる…!
と思ったけど無理だった!
このテキスト、やり方を説明する写真が4枚しかねぇ!
これは…大丈夫なのかっ!?
カギ針編みの経験者はこの4つの写真で理解できる物なのか…?
恐ろしい編み物界の洗礼に完全に出鼻をくじかれてしまった。
…しかし、今は21世紀。
方法は残されている。
動画。
これが俺たちの叡智を結集してくれる。
やるしかないな!
ノールビンドニングにも、お姉さんという女神がいてくれているのだから、スミグマスクヴィルクニングにもきっといるはずだぜ。
検索してみると…
まさに!
このテキストの著者の方が動画をあげてくれている!
なんという僥倖…!
21世紀人でよかった…!
Kerstin Jönsson smygmaskvirkar
…
……
………
速過ぎませんか?
シャスティンさん。速い。すごい。素敵。
しかし、俺の目には…何も映らぬほどに速い…!
シャスティンさんから見たら「戦闘力たったの5のゴミ」に等しい俺であるので動きが見えないのは当然なのだが…!
これはやはり、テキストを解読するしかないようだ。
今までは英語表記をしてくれていたお姉さんたちの好意に甘えていたが、俺もスウェーデン語に挑みかかるときが来たのかもしれないな。
…しかし、俺は21世紀を生きる男。
方法はまだある。
そう、ネットに君臨する神のパワーを…!
要するにGoogle翻訳アプリを使い、スウェーデン語を機械翻訳してしまおうというわけだよ。
21世紀人でよかった…!
まずは表紙。
スミグマスクヴィルクニンングの真の意味を知るのだ。
先生が意味を教えてくれたんだけど、「その場で理解したつもでも、家に帰ると忘却する例のアレ」が発動してあんまり覚えてないからな…!
頼むぜGoogle神!
お、おう…。
このエキサイト翻訳感はいったいどういうことよ!?
いや落ち着こう。
本文を翻訳してみなければわからない。
俺がもっとも求めるのは本文の解読。
それさえできれば、表紙がスニークマスクCROCHETでも俺は気にしない。
大丈夫大丈夫。
頼むぞ。
…!
ゆ…
友人の胃の中にフックを!?
なんてひどいことを。
いや待て!
そういうことじゃないだろう!
どうして編み物の話の中に「胃」なんて単語が出てくるんだ!?
これは…
ダメだ!
やはり、気合を入れて正面突破するしかないというのか。
21世紀だというのに。
でも、あれだ。
翻訳の時に拾えてない単語や、間違って拾っている単語があるみたいだから、そのあたりを正確にやれば結構な精度で訳してくれるのかもしれない。あるいは、自らの手で全部翻訳画面に打ち込んでいくかだな。
スニークマスクCROCHETのテキストを。
なんでクロシェットだけ英語なんだ。
しかし、この本に載っている作例は非常に特徴的かつ美しいものばかりなので、テキスト解読の暁にはぜひとも習得したいものだぜ。
…ワークショップとか、ないかなー…。
ノールビンドニング - コードループとコードステッチの両方を拾う縫い方 -
先月のニットカフェで、北村先生にぜひ教えていただきたかった縫い方があった。
それは表題の通り、コードループとコードステッチの両方を縫い合わせ、口を閉じる縫い方。
…文章で書くと何が何だかわからないのだけれども!
つまりはこういう風に縫うやり方のこと。
…出来上がりについては察してほしいところ。
いろんな人の作例を見ていくと、結構な割合でこの、「袋の口を閉じる縫い方」が使われているように見受けられた。
そういうわけでこの積年の疑問を、俺は始めてまだ数か月だが…、解決すべく質問をした!
先生「こう糸を通して、こっちから縫うんです」
俺「なるほど完全に理解しました」
この間わずか5分
この理解力…!2か月前の俺とは別人…!
己の才覚が怖くなってくるな…!
これはいける!
帰宅後、さっそくやってみようとすると…
全然理解してねぇ!
なんという…ニセモノの理解力…!
たぶんこれは誰にでもある、「その場では理解していたつもりでも、実際はめちゃくちゃ抜けていて全然できてない」というアレだ。これは別に知ったかぶっているわけでなく、その時は本心からそう信じているから厄介なんだよな。
己の錯覚が怖くなってくるな…!
とはいえ、説明を一度聞いて、理解した気分になったことは事実。
とすれば、微妙にボタンの掛け違いが起きているだけで、あと一歩のところまでは来ているはず。
後はいろいろ試して正解を見つけるだけのはずだ。
…と、思っているうちにあっという間に一か月が過ぎたんだけどな!
いやぁはっは!光陰は弾丸のごとしだぜ。これが30代の恐ろしさなのか…!?
時間という大宇宙の畏るべき法則の前に膝を屈しつつ、つい3日前にようやく、(たぶん)正しいやり方に到達したので、ここに書いてみようと思う。
果たしてこれが本当に正しいのかはいまだわからないが!
糸が通る順番を理解する
「テキトーでOK」とヴァイキング的にやってきた俺のノールビンドニングにも、ついに理屈を考える時が来たようだ。
「目数を数えましょう」というだけでも相当なハードルを感じていた俺にはかなりの試練。このそびえたつ試練の断崖に俺は挑まねばならない。いやそこまでではないんだけど。
こちらがおなじみのノールビンドニングの…なんていうんだろう、ええと、ループの塊?がある。これに名前付いてるのかな。
まずはこのループの中で糸がどういう風に進んでいるかを理解してみよう!
普段何気なく縫っているけれども、縫い終わった後を見て糸がどう進んだか逆算するのは案外ややこしい。
ややこしいけれど、理解してしまえばとっても簡単。
そして一度理解してしまえばノールビンドニングが格段にやさしくなる、と思う。どこかがたわんだり緩くなったりしても、どこを引っ張ればもとに戻るかすぐわかるからね。
それで、今回大事なのは①と②。
①は普段は意識せずにいきなり②から針を進めているんだけど、今回大事なのは①のところで向こう側の、閉じたい部分のループを拾うこと。
最初にコードステッチ側(親指の上側)のループを拾って、次にいつものようにコードループを拾って、ワーキングループを拾うという順番になる。
言葉で説明するのは難しいな!
先に上側を通して、次に下側
というわけで、この緑の糸で作った袋を、白い糸で閉じてみようと思う!
白い糸で作り目を作ってこの袋の口の上下を縫っていくよ。
ブロディエンステッチで!
まず上側を通す。
この時、下から通すか上から通すかはどっちでもいいと思うんだけど、下側からのほうがいいのかなぁと思う。ここは悩むところだよね。
でもフェルティングすればあんまわかんなくなるからへーきへーき(ヴァイキング的おおらかさ)。
上でも書いたように、この上部分が一番大事になるね。
針で糸を完全に通してしまったほうが分かりやすく、またきちんと閉じられるので、糸を通しきってしまおう。
上に通した糸を、写真のように親指にかける。
これをやっておかないと、意外と混乱するので、ゆっくりと正確にやった方がいいな!
俺は以前、ここをテキトーにやっていたから混乱してしまったんだと思う。
以前、北村先生が言っていた「ゆっくりやるといいですよ」という助言の意味が分かった気がする。ゆっくりやらないとダメなやつだこれ。
次に、下側。
下側から先はいつもと同じだから、あまり迷うことはないと思う。ゆっくりね。
なかなか縫いづらいけど、ゆっくりやれば大丈夫。曲がった針を使ってるとここが結構楽。曲がり針はいいぞ。
やりにくい場合は、上側と同じく下側も糸を完全に通しきってからやるといいと思う!
…でもこれロシアンステッチとかターニングステッチだと結構苦労するよね。
フィニッシュステッチはそのあたりユーザーフレンドリー。
無事に糸を通したら、出来上がりを確認する。
…汚いな!
すまない!
後はこのまま縫っていって、最後まで来たら少し多めに縫って、余分な部分を裏側に押し込んだり、あるいはひっくり返して隠したりすればOK。この辺はヴァイキング的に。
以上が袋の口を縫い付ける方法の説明でした。
…正直なところ、あんまり自信はないんだけどね!
でも見た目それっぽくなってるから、まずはこれでいいかなと。
何かの参考になれば、と!
ノールビンドニングのチュートリアルとして、こんな記事も以前に書きました。
依って立つモノ
ゼノブレイド2に引き続きハマっている俺ですけれども。
やー、やはり、こう、王道のボーイミーツガールなRPGはいいよね。ちょっとホムラちゃんとヒカリちゃんの格好が心配になってくる感はあるけど。すごい露出。未だに慣れないが!
ゲームとしては非常に、もう最高によくできているんだけどね。
ちょうど今は中盤に入ったところだけど、まさにこのゼノブレイド2は、かつて俺たちが愛したRPGの典型的な道程をなぞっている。
つまり、
- 主人公の生活が描かれる
- 大変な事件が起こり、主人公は旅立つ動機を得る
- 旅の途中で出会う仲間が割と国家の重要人物だったりする
- 主人公の旅の目的が世界的な問題の解決につながることが示唆される
- 幾たびの挫折を経て、大きく成長する主人公
- このあたりで熱い男が雄々しく戦死する
- 己の精神との戦いに勝利した主人公は最終的な問題の解決に乗り出す
- 怒涛の如く伏線が回収され、ラストバトルへ挑む
- 大団円
こういったフォーマットで進んでいくことの安心感と、王道をやりきらんとするその姿勢に俺は完全にやられてしまっているのだが。
ただ、かつてのごとく無邪気に楽しめるかというと、やはりそうではなくなっている。
なんといっても俺は大人になっているからな!
例えば、今回のゼノブレイド2では難民問題がさらっと描かれる。
二国間で戦争が起こり、敗北した側の国民が難民となって周辺国に流入しているというわけなんだけど、その難民キャンプを見た際のキャラクターの言動に、少しばかりの違和感を覚えた。
話の流れとしては、
- 難民が発生している
- 難民に対する支援は手厚く、広場をキャンプとして開放し、食料も無償で配給している
- しかし難民は仕事をしたりその国に根付いたりはできない
- そこで難民の中から、この戦争の遠因となる強力な武器への反対運動が起きる
- その様子を見て、あるキャラクターは「生活の保障をしてもらっておいて見当違いの文句を言っている」「ほかにやることはないのか」というようなことをいう
確かにこれはその通りかもしれない。住居と食料と安全を保障してもらっているのに、その上さらに何か要求するのは、弱者の立場に甘え利用しているように映るかもしれない。
「お前はゲームに何をそんなに熱くなっているんだ」と思われるかもしれないが、割とこれは日常そこら中にある問題なので、ふとそこでゲームを止めて考え込んでしまった。
このことでそのキャラクターに対する好感度が変化したりはしないのだが(好きなキャラだしね)、これはなかなか答えを出すのは難しい。
俺は、人間は状況によって大きく変わるものだと思っている。
「弱い人間」「強い人間」がいるわけでなく、「弱い状態」「強い状態」があるだけだと思う。強さは環境に与えられたものだ。多くは。だから今自分が強い状態だからといって、「自分が強い」と思ってしまっては見誤る。
特にこういう難民問題は(ゲームの内外かかわらず)状況の力が凄まじい。
人間は「ここが俺の生きる場所だ」と確信しないとポジティブには動けない。
仕事もそう。「自分はこういう風にお金を稼いでいこう」と心に決めなければ、パフォーマンスは上がらない。これはまさに2500年前に俺たちの孔丘先生が「四十にして惑わず」といったのと同じだ。あの孔丘先生ですら「俺はこの道でいいんだ」と心を決めるのに相当な時間を要している。逆に勇気が出てくるな!
難民の場合は「ただ一時的にそこにいるだけ」なので、例えば住環境をもっとよくしようとか、仕事を生み出そうとか、クリエイティブなことをしようといったパワーは削がれ続ける。ここが難民問題の一番難しいところだと思う。
何かを生み出そう、始めよう、今は不便だとしても改善していこうというエネルギーを生み出す場を作るというのは実は相当に難しく、また得られた人はラッキーな状況であるのだと思う。
そういうわけで
ここのところ…俺の内にはパワーが…圧倒的なエネルギーが不足していたのかもしれない。
具体的に言えば…ノールビンドニングの新たなネタが浮かばない!
作りたいものはたくさんあるんだけど…「ではやるか!」という情熱が少しばかり失われていたのかもしれない…!
作り始めても、何かの拍子に「いやこれは違う気がする」と思い始めてしまうという恐ろしい状況。
これは…何か良くないな!
そういう時はあえて無理をせずに、己の中の情熱が元に戻るまで適当にブラブラしておくに限る!というわけで、ここ2週間ほどひたすらブラブラしてたんだけど。ネットの中でね。
そうしたら!
見つけたぜ!
俺の生きる道が…!
いや生きる道とかそういう大げさなものではないんだけど。
今の自分にできることで、なおかつテンションが上がるものが!
それは、Haithabu Bag !
ハイサブバッグじゃなくて、ヘーゼビューバッグと読む。
デンマークヴァイキングが居住したヘーゼビューに残された、ヴァイキングたちの日用品。装飾的に削られた二枚の木の板に穴を空け、そこに片方から紐を通して自動的に閉まるようになっているバッグ。
…これだ!
木工とノールビンドニングが融合し、俺のテンションも上がるこのバッグ。
これで…財布とノートを入れるミニショルダーバッグを…作ってみようじゃないか…!
どうにも「作るべきもの」に囚われていた最近の俺にとって、この「はやく作りたいもの」の出現はまさに僥倖、渡りに船となった!ヴァイキングだけに。
早速今日、木の板を割って手ごろな大きさにカットし、どういう形のバッグにするか楽しく悩んでいるところ。
己が依って立つ物が存在することに感謝をしつつ、ゼノブレイド2の合間を縫って、やっていきたいと思う。
…今週末はニットカフェだからな…!
ゼノブレイド2のトラとハナ
俺はロボットが好きだ。
いや現実の、技術的経済的な意味でのロボットではなく、物語としてのロボットが俺は好きだ。それはもう、大変に。
きっと同志は多くいると思う。
古くはギリシャ神話のピグマリオンや、オランピアに恋したホフマン、理想の人間を創造せんとしたフランケンシュタイン博士がいるように、古今を問わず、「創造主としての人間、被造物としてのロボットのストーリー」は俺たちの心をつかんでいる。と俺は思う。
そういうわけで、12月1日に発売されたNintendo Switchのゼノブレイド2について語ろう!
…何でそうなるんだよ、と思われるだろうが!
少しばかり、俺の話を聞いていってほしい。
そもそも、ゼノブレイド2とは何か?
と、そのあたりから順を追って説明していこうと思ったんだけど…そうすると記事の長さが途方もないことになってしまう。俺としては望むところだが!
しかしさすがにそういうわけにもいかないので、
他の全てを圧倒して俺を魅了した要素について書いていきたいと思う!
だからたぶんこの記事ではゼノブレイド2のことはあんまりわからないと思うが!
すまん!
一言でいえば最高のゲームなので、「面白いRPGがやりたいな」と思ったときにはお勧め。すごくいいゲームだよ。王道ストーリーはいいものだな!
しかし俺がここに書きたいのはそういうことではない。今はな!
俺が声を大にして言いたいことは…
トラとハナが最高に愛しいということ
この二人な!
…もっといいスクリーンショットがあればよかったんだが!
(画質はSwitch側でSNS投稿用にかなり圧縮されるので、実際のゲーム画面はもっと綺麗だぜ)
手前の…もふもふした耳なのか手なのか羽なのかよくわからないのが生えてるのがトラ。ノポン族というゼノブレイドシリーズのマスコットみたいな種族。
奥にいるロボ娘がハナ。
もうなにから説明すべきかわからないくらいなんだけれども!
まず、このゼノブレイド2は、
「ブレイドに選ばれた存在はドライバーと呼ばれ、ブレイドから武器と力を受け取って尋常ならざる力を発揮する」
というのが根幹をなしている世界だ。ちなみに前作とは特に繋がりはないので、前作とは設定が異なる(どこかでつながるかもしれないが)。
…これだけじゃ絶対わからないな!
要するに、ジョジョのスタンドと似たようなものということだ。
つまり、ブレイドというスタンドみたいなものと偶然同調できた者がドライバー(スタンド使い)になれる、ということ。
だからこの作品では、ドライバーとブレイドの二人一組が基本となる。敵も味方も。お互いが欠けてはならぬパートナーとして戦っていくわけだな。
なので、ゼノブレイド2はパーティ人数は3人だけど、ブレイドを入れると総勢は6人という大変な大所帯で移動、戦闘することになる。めっちゃ賑やかだぜ。
それでこのトラとハナは
トラがドライバー、ハナがブレイドということなんだけれども…。
トラには生まれもってのドライバー資質がない!
そしてハナは、トラが作った人工ブレイド、つまり単なるロボット!
ドライバーとブレイドっぽく戦ってるけど、実はトラは普通の一般人(?)で、ハナもブレイドの真似をしているだけ!
もうこの時点で、熱くこみ上げてくるものがあると思う。
少なくとも俺には大変にストライクだが!
天性の資質に恵まれない者が、努力と執念で乗り越えて行くというストーリーと、
自分の理想の存在を自らの手で作りだすというピグマリオン的なストーリー。
この二つを併せ持ったこの二人がもう最高でね!
また二人の性格もとてもいい塩梅というか、なんだろう、見てて「あぁ、この二人は信頼しあってるんだなぁ」というのがありありと見えて、涙腺に来るというか…。
ゼノブレイドシリーズは戦闘が非常に賑やかなのが特徴で、戦闘中に味方が何をするのか、どういう状況なのかを声で聴いて判断するというのがある。もちろん画面表示にも出るんだけど、セリフを聞いた方が早く的確に状況を把握できる。それが今回はドライバー3人+ブレイド3人の6人分なので、そこらの雑魚戦(といっても結構歯ごたえある)でもなかなか忙しい。
その乱戦の中でもこの二人は何か、こう、特別に愛らしいというか、トラを守ろうとするハナと、ハナに感謝するトラの声が常に聞こえてくるので、好感度が半端ではないことになっているわけだよ。
説明が難しいが!
トラの役割は基本は盾役なので、敵から一番ダメージを食らう。
つまりその分だけハナが頑張る。
ハナの頑張りにトラが感謝する。
その二人のおかげで勝つことができる。
という最高の流れになっていくわけで。
また個人的に、ハナの性能をカスタマイズする画面の雰囲気が「ワンダープロジェクトJ」シリーズのようなのがポイント高かった。こういう画面、好きなんだよね。画面というか絵が。
「ワンダープロジェクトJ」シリーズ(といっても二作だけだけど…)はまさに「ロボットの成長を見守っていく」ものだったし、もう続編は望めないワンダープロジェクト要素をほんの少しでも垣間見られたのはとても良かった。
ハナは自分と一緒に戦うのでなく、自律戦闘したほうがいいんじゃないかと悩んだり、何かあるとハナの体を心配したり、自分の創造物ではあるけれど一個の独立した存在として会話した理心配したり感謝したりするトラがとても魅力的。
普段はノポン族らしくお調子者だけれど。
前作ゼノブレイド1のノポン、リキは序盤と終盤で「リキ(笑)→リキさん」と評価が激変したけれども、今回のトラはもうなんか最初からトラさんというか、いやもうトラさんを超えて一周まわってトラだなみたいなそういう状態だな!
何か、わけがわからない話ですまない。
従兄弟作ともいえる「ゼノブレイドクロス」では、キャラクター描写がちょっとなぁ…という感じだったから、今回の丁寧に描写されていくキャラクターたちはとても好ましい。
まぁちょっとホムラちゃん露出しすぎじゃないかとか、ビジュアル的なアレはあったけれども、早くも慣れてきたから問題はなくなってきたな!
というか、服装やビジュアルよりも表情がよく動くのでむしろそっちが魅力的かもしれない。全員、表情がよく出てる。
ハナはロボットだから表情は動かないんだけど、周りがよく動くから「ハナは動かないんだな」とはっきりわかるようになっているという演出も上手いなと。
表情が動かない分、ぎこちない歩き方や、全くセンスがないダンスなど動きが面白いので見飽きることがないし。
この二人はパーティから外さんぞ…!
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ヴァイキングのように角を
金属の針を作っていたちょうどそのタイミングで、友人から
「水牛の角のかんざしをなくしてしまったので、かんざしを作ってほしい!」
と頼まれた。
…角!
ちょうど「かんざしにも使えるかも」と針を作りながら思っていたところだし、何より今、俺の中で角は一大ブームとなっている。
これは…何か運命のささやきが…聞こえてきた感があるな!
しかし鹿羊ではなく、ついに水牛が登場した。
さすがに水牛は日本にはいない。なので、なかなか入手には苦労しそう。これはやりがいがあるな…!またしても、RPGのごとくドロップアイテムを探す日々が来るというのか…!
友人に「水牛の角を入手するまで少しの時間をくれ!」と返信。「いや別に水牛じゃなくても…」というかぼそい声は俺に届かなかったことにして、俺は、俺のために水牛の角を欲したわけだよ。
しかし水牛の角はどうすればいいのだろう。
こればっかりは「水牛の角が道端に落ちてたらとっておいてくれ」と頼めるものではない。さしものバイク野郎(鹿の角を拾ってきてくれた男)でも、水牛の角が落ちてるところに遠征にはいかないはずだ。
そういう時はオークションやメルカリを見てみる。きっとだれかが売りに出しているはず。
…長い前置きのわりにあっさりと見つかったんだけど、いかんせんお高い。いや、水牛さんを思えば高い安い言えないわけだけども、俺もひとつの生物として、自身の生存を脅かすほどの額は出せないからな…!
まぁ3000円くらいだったんだけどね。
しかしオークション等では取引と発送に時間がかかる。しかも実物を見れないので、どうにもなかなか、しっくりこない。ここがオンラインの痛し痒しな部分だぜ。
どうしようかなーと思いながら、リサイクルショップに立ち寄ると…
…あった!
俺の求めるものが…!
あっさりと!
もはや俺に見えるのはオブジェでなく素材。
頼むから研磨しすぎていないでくれと祈りつつ、後ろのちょっと(というかだいぶ)加工の甘い部分から角の中を覗き、ある程度の厚みが残されていることを確認する。
これならいける!
というか、リサイクルショップは素材結構あるな…!
この角の下においてある囲碁板も、削れば木材として使えそうだし。
古い囲碁板は桂の木の一枚板で作られているので、今や普通に貴重な木材だぜ。リサイクルショップでたたき売られてたらとりあえず確保しておきたいくらい。柔らかいから彫り物にも使えるよ。どうしてもちょっと古いイメージはあるけどね。
何か…1000万パワー的なものを感じる威容だが!
さてこれを加工するためにはいろいろと道具が必要なので、手持ちの、いかにも日曜大工ですー的な道具たちではやや荷が重い。
そこで、今週末あたりにお世話になっている工房を訪ねてアドバイスをもらい…あわよくばちょっと加工させてもらおうかな…などと野心を燃やしつつ…!
しかし、角である。
角といえばヴァイキングだよな。ノールビンドニングでおなじみの。やや強引だが、気にしてはいけない!
ヴァイキングのイメージとしては角のついたとんがり兜の荒くれものというイメージだし、俺も大体そのイメージでノールビンドニングをやっている。荒くれものならこのくらい大丈夫だろ!?という精神で行う編み物はギャップが楽しい。
でも実際のところ、ヴァイキングは角の着いた兜を被っていたわけではない。
「ヴァイキングは角のついた兜を被っている」
というのは、
「NINJAは分身したり、カエルに乗ったり、赤いマスクをつけてたり、睨み付けただけで相手を倒せる」
みたいな、後世によるイメージづけの結果だったりする。およそ19世紀の絵画からヴァイキングに角がつけたされ、20世紀初頭でそのイメージが定着し、日本においては「小さなバイキング ビッケ」が果たした役割が大きいらしい。俺は見たことないんだけどね。
それにヴァイキングは実用を重んずる民(だと思っている)ので、彼らがそんな無意味なものを付けるのか?という感じもするし。
ヴァイキングを描いたマンガ「ヴィンランド・サガ」の登場人物も、角兜は被ってなかったように思う。うろ覚えだけど。トルケル様のファンです。
で、実際にヴァイキングたちがどういう装備をしていたのかという話だけど、これはお墓の遺跡の中から見つかった副葬品から明らかになっている。
有名なのはヴェンデル船葬墓群。
こちらは英語版のWikipediaだけれども(日本語版にはそもそも項目がない)、兜の写真が載ってるのでイメージはつくと思う。もっとも、この遺跡はヴァイキング時代の2世紀くらい前の「ヴェンデル時代」のものなので、ヴァイキング時代となるともう少し変化はしたかもしれない。
ヴェンデル船葬墓群については、こんな論文があって勉強になった!
NAGOYA Repository: ヴェンデルとヴァルスイェーデ―スウェーデン・ウップランド地方の二大船葬墓群
そういうわけで、「角を使うこと」、そして「ヴァイキング的なクラフトをするということ」に仄かな関係性を見出し、またちょっとテンションが上がったというわけさ。
…で、ね。
調べているうちに、どうも何か…既視感を感じていたのだけれども!
その正体がわかった!
お姉さんだ!
俺の愛する…いや変な意味ではなくな。
ノールビンドニングのお姉さんに、俺はすでに「ヴェンデル」について教わっていたわけだよ!
https://www.youtube.com/watch?v=Z75fzywSNs8
Vendel Stitch - Neulakinnas, Nalbinding
ヴェンデルステッチという形で!
すごく納得した!
それはそうだ!
だって、「日用品も含めた副葬品がたくさんあった」ということは、当然のこととして!ノールビンドニングで作った服なんかもあったはずなわけだよ!
そしてそこで見つかったステッチには、その場所の名前がつけられる!
だから、ヴェンデルステッチはヴェンデル船葬墓群から見つかったステッチというわけだな!?
毛糸のど真ん中を通すという角を生やしたヴァイキング的イメージそのままのステッチ!
それでも出来上がった編み目はとても綺麗。
おそらく…ヴァイキングの歴史を勉強していくと、あちこちでノールビンドニングのステッチ名が登場することになるのだと思う。
ノールビンドニングのステッチ名は地名から取られる慣習。ステッチが見つかるということは、そこに文化の残滓があったということだから。
楽しくなってくるね!
トルケル様の雄姿について夜を徹して語りあいたい。
ついに金属に手を出してしまった
ノールビンドニングをやっているのか、ノールビンドニング用の針を作っているのかわからないくらい両者を並行してやっている気がする。
そしてこの度、ついに、金属に手を出してしまったよ…!
このままあらゆる材質に手を出してしまいそうな勢いでは、あるな…!
次は石材…鉱石を使って針を作りたいとか思い始めている!
もともと、金属で作るつもりはなかった…というか、木材石材はともかく、金属はさすがに俺の手には余るだろうと完全な及び腰を見せつけていたのだけども、最初のニットカフェで北村先生に針を見せた時に先生が何気なく言った一言
「金属では作らないんですか?」
という言葉が、俺の心に、抜けない針となって残ったというわけだよ!
呪縛…!
まさに…!
おそるべき制約が…!
しかし呪縛の有無にかかわらず、いつかはここにたどり着くような気はしていた。研磨の魅力に目覚めたその時からな…!
そういうわけで、今回は加工しやすい真鍮の丸棒を削り、ノールビンドニングの針に仕立て上げていこうと思う。
どうでもいいけど、真鍮って英語で「brass」っていうんだね。
ブラスバンドはつまり金管楽器のバンドだということだったんだな。
まずは穴を空けるわけだけど、真鍮の丸棒にいきなりドリルで穴を空けるわけにはいかない。ドリルの先端が滑ってしまうからな!
なので、まずは大雑把に削って面を出してから、ドリルで穴を空ける。この時まっすぐにドリルを入れないと、ドリルを折る羽目になる。俺は一本降りました。
削る際には当然、ディスクグラインダーを。
…まぁいつものごとく、穴の位置がずれてしまったが…!
こればかりはどうしようもないな!
そしてある程度まで削れたら、糸鋸で切る。
真鍮は切れる!
ただ、これは削る際もそうなんだけど、あんまり激しくやると摩擦熱が伝わって削ってる部分からかなり離れた持ち手もめちゃくちゃ熱くなることがあるので、そこは注意が必要。特に銅なんかはすごいよ。ドリルで穴を空けてただけなのに、いきなり熱くなったからね!
このままでもういいかな、という気がしないでもない。 pic.twitter.com/7qrHfmKByu
— yajul (@yajul) 2017年11月23日
グラインダーでざっくりと形を大きめにとって、やすりの番手を上げていく。
36番のグラインダーで削り、100番で形を取り、400番で凹凸をならして…という感じ。
しかしこれ、鉄粉が相当出るので、気づかぬうちに来ている服が真っ黒ということになるので、注意が必要。
特に眼鏡をかけている俺は、うっかりすると眼鏡に鉄粉がくっついて、拭くときにめちゃくちゃ傷がついてしまうので、作業中はゴーグルと皮手袋は必須だね。
金属加工は楽しいけど、やっぱり怖いよねー。
破片が飛び散ると、デニムパンツ越しでもめちゃくちゃ痛いし。
あまり…やりたいものではないな!
ヘアライン加工風 pic.twitter.com/pjfA2P6K4f
— yajul (@yajul) 2017年11月23日
ある程度仕上がってきたら、あとは前回と同じく…ミニルーターとコンパウンドで鏡面仕上げをする!
金属の場合、削れた鉄粉でば府が真っ黒になる。びっくりするかもしれないけど、黒くなるということは削れている証。研磨のためなら、俺は喜んで黒くなる覚悟さ…!
しかし研磨は楽しい。
やればやるだけ確実に成果になる。
そんなものがこの世の中にどれほどあるだろうか…?
俺も…報われぬ努力に身を沈めてきた男。
やればやるだけ光っていく真鍮に涙しつつ、ひたすら研磨していく。
ちなみにミニルーターのバフは、意外にもダイソーの100円バフがコストパフォーマンスが高い。おすすめ!
そして、真鍮のノールビンドニング針が完成!
写真ではわかりにくいけれど、すごく光っているよ!
…まぁ、若干、こう、細かな傷は消せていないのだけれども!
長さはおよそ15cm、幅は6mm、一番厚い部分で3mm。俺としては標準的な形になったと思う。
…ただこれ、重いな結構!当たり前だが!
金属だしな!
だからたぶん、あまり長時間使うと意外と疲れるかもしれない。特に女性の場合。
金属針の場合はもっと薄くしていくのがいいのかなぁ。
まぁ、使わなかったら、これはかんざしとしても使えそうだし。いや俺はかんざしt使わないけど。誰かに。
とりあえずこれで何か作ってみようと思うよ!
さ、最近全然縫ってないからな!