依って立つモノ
ゼノブレイド2に引き続きハマっている俺ですけれども。
やー、やはり、こう、王道のボーイミーツガールなRPGはいいよね。ちょっとホムラちゃんとヒカリちゃんの格好が心配になってくる感はあるけど。すごい露出。未だに慣れないが!
ゲームとしては非常に、もう最高によくできているんだけどね。
ちょうど今は中盤に入ったところだけど、まさにこのゼノブレイド2は、かつて俺たちが愛したRPGの典型的な道程をなぞっている。
つまり、
- 主人公の生活が描かれる
- 大変な事件が起こり、主人公は旅立つ動機を得る
- 旅の途中で出会う仲間が割と国家の重要人物だったりする
- 主人公の旅の目的が世界的な問題の解決につながることが示唆される
- 幾たびの挫折を経て、大きく成長する主人公
- このあたりで熱い男が雄々しく戦死する
- 己の精神との戦いに勝利した主人公は最終的な問題の解決に乗り出す
- 怒涛の如く伏線が回収され、ラストバトルへ挑む
- 大団円
こういったフォーマットで進んでいくことの安心感と、王道をやりきらんとするその姿勢に俺は完全にやられてしまっているのだが。
ただ、かつてのごとく無邪気に楽しめるかというと、やはりそうではなくなっている。
なんといっても俺は大人になっているからな!
例えば、今回のゼノブレイド2では難民問題がさらっと描かれる。
二国間で戦争が起こり、敗北した側の国民が難民となって周辺国に流入しているというわけなんだけど、その難民キャンプを見た際のキャラクターの言動に、少しばかりの違和感を覚えた。
話の流れとしては、
- 難民が発生している
- 難民に対する支援は手厚く、広場をキャンプとして開放し、食料も無償で配給している
- しかし難民は仕事をしたりその国に根付いたりはできない
- そこで難民の中から、この戦争の遠因となる強力な武器への反対運動が起きる
- その様子を見て、あるキャラクターは「生活の保障をしてもらっておいて見当違いの文句を言っている」「ほかにやることはないのか」というようなことをいう
確かにこれはその通りかもしれない。住居と食料と安全を保障してもらっているのに、その上さらに何か要求するのは、弱者の立場に甘え利用しているように映るかもしれない。
「お前はゲームに何をそんなに熱くなっているんだ」と思われるかもしれないが、割とこれは日常そこら中にある問題なので、ふとそこでゲームを止めて考え込んでしまった。
このことでそのキャラクターに対する好感度が変化したりはしないのだが(好きなキャラだしね)、これはなかなか答えを出すのは難しい。
俺は、人間は状況によって大きく変わるものだと思っている。
「弱い人間」「強い人間」がいるわけでなく、「弱い状態」「強い状態」があるだけだと思う。強さは環境に与えられたものだ。多くは。だから今自分が強い状態だからといって、「自分が強い」と思ってしまっては見誤る。
特にこういう難民問題は(ゲームの内外かかわらず)状況の力が凄まじい。
人間は「ここが俺の生きる場所だ」と確信しないとポジティブには動けない。
仕事もそう。「自分はこういう風にお金を稼いでいこう」と心に決めなければ、パフォーマンスは上がらない。これはまさに2500年前に俺たちの孔丘先生が「四十にして惑わず」といったのと同じだ。あの孔丘先生ですら「俺はこの道でいいんだ」と心を決めるのに相当な時間を要している。逆に勇気が出てくるな!
難民の場合は「ただ一時的にそこにいるだけ」なので、例えば住環境をもっとよくしようとか、仕事を生み出そうとか、クリエイティブなことをしようといったパワーは削がれ続ける。ここが難民問題の一番難しいところだと思う。
何かを生み出そう、始めよう、今は不便だとしても改善していこうというエネルギーを生み出す場を作るというのは実は相当に難しく、また得られた人はラッキーな状況であるのだと思う。
そういうわけで
ここのところ…俺の内にはパワーが…圧倒的なエネルギーが不足していたのかもしれない。
具体的に言えば…ノールビンドニングの新たなネタが浮かばない!
作りたいものはたくさんあるんだけど…「ではやるか!」という情熱が少しばかり失われていたのかもしれない…!
作り始めても、何かの拍子に「いやこれは違う気がする」と思い始めてしまうという恐ろしい状況。
これは…何か良くないな!
そういう時はあえて無理をせずに、己の中の情熱が元に戻るまで適当にブラブラしておくに限る!というわけで、ここ2週間ほどひたすらブラブラしてたんだけど。ネットの中でね。
そうしたら!
見つけたぜ!
俺の生きる道が…!
いや生きる道とかそういう大げさなものではないんだけど。
今の自分にできることで、なおかつテンションが上がるものが!
それは、Haithabu Bag !
ハイサブバッグじゃなくて、ヘーゼビューバッグと読む。
デンマークヴァイキングが居住したヘーゼビューに残された、ヴァイキングたちの日用品。装飾的に削られた二枚の木の板に穴を空け、そこに片方から紐を通して自動的に閉まるようになっているバッグ。
…これだ!
木工とノールビンドニングが融合し、俺のテンションも上がるこのバッグ。
これで…財布とノートを入れるミニショルダーバッグを…作ってみようじゃないか…!
どうにも「作るべきもの」に囚われていた最近の俺にとって、この「はやく作りたいもの」の出現はまさに僥倖、渡りに船となった!ヴァイキングだけに。
早速今日、木の板を割って手ごろな大きさにカットし、どういう形のバッグにするか楽しく悩んでいるところ。
己が依って立つ物が存在することに感謝をしつつ、ゼノブレイド2の合間を縫って、やっていきたいと思う。
…今週末はニットカフェだからな…!