マツバラヒロコ先生にお会いしたこと。ノールビンドニングでセーターを作り上げたこと。
前回参加できなかったので、ちょっと久しぶりのニットカフェ。
さすがに…そろそろノールビンドニングのセーターを完成させなければならない時期に来ているので…(なんせ取り掛かってもう7か月だぜ)前夜に結構頑張って、一応の完成を見た!
やー、長かった!
元旦の休みを利用して、オシャレなカフェでドヤ顔で袖を縫い始めて7ヵ月。
な、ななかげつ!
すでにセーターのシーズンは終わり、灼熱の太陽が物理的に俺たちの身を焦がし始めているわけだけれども。熱さにはみんな気を付けてね。死なないでね。
ともかく。
終えた!
ノールビンドニング一周年である9月5日を前に完成することができたのは、ひとえに北村先生のテキトーなご指導(誉め言葉だからね!)と、ニットカフェを開催してくれたpresseさんのおかげだと思う。
いやもう本当に。
なんたって、ノールビンドニングのセーターは…相当な根気を要するからね!
これからノールビンドニングでセーターを作ろうとするすべての人に熱く語り掛けたい。
「大丈夫!そこ、第一の挫折ポイントだから!」
「あぁ、そのあたりで第二の挫折するよね!」
「だんだん面倒になってきちゃうよね!」
「来シーズンに希望を託そうぜ…」
「いっそそのままスヌードに直しちゃっても誰も君を責めたりしない…!」
いやもうね!
大変だよ!
セーターづくりっていうのはね!
今までの俺は、
「セーター作ったんだよ!」という言葉に対して
「おぉ、すごいね!」
と、いうのが精いっぱいだったが…。
今の俺なら言うことができる…!
「おぉ、そなたこそは真の勇者…。大変な偉業を成し遂げられましたね…!」
気分はドラクエの隠された祠あたりにいるジジイである。
本当にね。
大変だよね。
しかし完成したときの喜びは、その苦労を確かに報いてくれるので!
頑張ってほしい。
もし、ノールビンドニングでセーターを作ろうという人がいたら。
途中で挫折したって誰も責めないことと、
ここに一人、確かに、その挑戦を応援する男がいることを覚えておいてほしい。
いや、覚えなくて全然いいんだけど。
それで。
何とか完成直前まで仕上げてニットカフェに行こうとしたその時に。
連絡が入りまして。
「今日のニットカフェは、北村師匠と共著のマツバラヒロコ先生がいらっしゃるそうで。経典をもっていけばサインいただけますよー」
おお。
おお!
…おおおっ!
…いや待て!
あれ。
マツバラ先生来るの8月じゃなかったっけ!?
「8月にマツバラ先生いらっしゃるから、8月を目標にいろいろ作ろう。靴とか」
という計画だったんだけど!
セーターに7ヵ月かかってる時点でその計画は破綻しまくってるけどな!
しかしこれは!
…すげぇ緊張する…。
今日か!
よりによって!
まだあんま痩せてないのに!
いやそれはどうでもいいが!
どうでもよくないな!
1口につき100回噛むダイエット始めてるんだけど、これ結構いいよ!
しかしこれはまたとない好機。
というか多分、二度はない気がする。
っていうか、よく考えてみれば、北村師匠に気軽に質問できる今の環境が相当に恵まれすぎているんじゃないか。
あ!そういえば!
北村師匠にサインもらってないな!
著者の先生を目の前にして!
そういう発想が浮かばなかった!
まずい!
なんかいろいろと、浮足立っているが!
とりあえず!
ゆこう。
ゆこう。
そういうことになったわけだよ。
それで!
マツバラ先生にお会いすることができまして。
一緒に写真も撮っていただいて、サインもいただいて。ひつじかわいい。
北村師匠にもいただいて。師匠…なんでパンダなんすか…?
一緒に写った写真はお見せできないけれども。主に俺のダイエットの関係で。ええ。
おそらく、マツバラ先生と北村師匠のお二人に同時にお会いするという機会は今後もほぼないと思われるので、浮足立ちながらも大変貴重な時間をもらいましたね!
もうちょっと痩せていたかったよねー。1か月でそんな変わるものでもないけどさ。
頑張ろうぜ…俺よ…。
それで、これが完成したセーター!
…ボケてるけど。
襟の部分はかなり苦戦して何度も何度も切っては縫って、切っては縫いなおしての連続で、とても苦労した。なぜ苦労したかというと、最初に身頃と袖の大きさをテキトーに始めてしまったのが原因。身頃と袖をちゃんと決めれば、こんな苦労はしなくてよかったと思う。
けど、こういう失敗をリカバーできるのがヴァイキング的なノールビンドニングの魅力なのかもしれないね。
裾にちょっとアクセントが欲しくて、
「三つ編み付けたいんですけど…」
と言ってみたら、
「重くなるから、たぶんすんごい伸びちゃいますよ」
と言われ、断念。
とりあえず三つ編み、という貧しいセンスから脱却しなければならないな…!
これが切ったり縫ったりしてる最中の襟。
見づらいけど、内側に不要な部分がごっそりたまってるのがわかると思う。
セーターを作ってる最中は挫折に次ぐ挫折…というか、
「なんかいまいち、やる気が出ない…」
という怠惰な気持ちが一番厄介だったかな。
何だろう、やり始めればスイスイ進むんだけど、こう、いまいち、やる気のスイッチが入りにくいんだよ!
なぜなんだ!
…作業が地味すぎるからなのだろうか。
うーん。
今回は、その作業の地味さを打ち消すべく、毛糸をつなぐたびに針を替えて何とか怠惰ムーブを乗り越えた。その過程で、どういう針が使いやすいのかが自分の中でかなり情報が溜まった感があるね。これからの針作りに活かせたらなーと思う。
針のポイントとしては、
・針先が鋭すぎるとダメ
・穴は可能な限り大きく
が大事かなぁ。
…当たり前なことを言っているけれども!
結構、ミリ単位の違いがか使い勝手に相当影響すると思う。
俺の好みは、ちょっと厚め長め針先太めのテンションの上がる材質、ということが分かった。
…言葉にすると全然深みが感じられないけれども!
使っていると、微妙な違いが気になってくるものだよ!
そしてこちら、北村師匠がブドウの枝から作った針。
師匠、2か月前に手首を骨折されたんだけど、その影響で
「手首にあまり負担のかからない長い針」の実用性に気づかれたとか。
…俺の長い針趣味にも多少の理解を示してくれましたね!
そう、長い針は手首結構楽なんだよ!
言われて気づいたけど!
ハッハハ!
そういうわけで、ブドウの枝ももらったのでこれで針をまた作るよ!ちょっと太めの奴。
にしても、この枝ッ!っていう感が半端ない針はいいね。原始の鼓動を感じるよね…!
あと、骨とかね。
NHKスペシャル?で、ネアンデルタール人が骨で針を作っていたという映像があったらしいんだけど、そういう、こう、ね、太古の息吹を感じるものはいいよね。
(誰か録画してない…?)
で、こちら!
北村師匠の!
毛糸つなぎ機!
俺のがっかりつなぎ機よりも洗練され、しかも確実につながる驚異の技術なわけだよ!
羊毛フェルトの針。
これでちくちくとやると…瞬時に毛糸がつながるという…
がっかりつなぎ機のがっかり具合が大変なことに…。
あんな…ひどい…!
この羊毛フェルトの針なら、
手でごしごし(火が出るように)やることができないくらい短い糸先でも、きちんとつなぐことができる。
確かに、毛糸は羊毛だし、用途に合っている!(アクリルでもいけるらしい)
すげぇ…!
盲点だったぜ…!
俺は…火が出るようにこすり合わせることしか頭になかった…!
「革なら火が出るほどにこすれるのでは?」
「ほかに火が出るくらい熱くできるものはなんだ?」
とか、ひたすら「いかにして火を出すか」を考えていたからね…!
なんという呪縛…!
火属性はダメだな!
この産業革命に地味に結構なショックをうけていたんだけど、ことはそれに終わらなかった。
これこそ…
毛糸ちぎり機!
黒曜石!
オブシダン!
シンプル。
そしてすっごいちぎれる。
あんま力もいらないし。
巻きつけたりする必要もないし。
毛糸ちぎり機…。
安らかに眠ってくれ…。
しかもね。
このオブシダン毛糸ちぎり機、その圧倒的な存在感のほかに、素晴らしいストーリーがあるわけだよ。
北村師匠がカムチャッカ(だったっけ?)にお仕事で行ったとき、師匠が持って行った図鑑を現地の方に譲った際に、お返しにともらったものなのだそうだよ!
しかも、カムチャッカ(だったよね?)では、黒曜石は「先祖の霊を呼ぶもの」(だ、だったっけ?)という特別な意味を持つそうで。
すごい。
フレーバーテキスト*1までついているレアアイテムじゃないか!
俺の毛糸ちぎり機…。
R.I.P…!