木を削ってスプーンを作る - そして男は海岸をめざす -
三連休初日の7月14日、ついに念願の木工教室に行ってみた!
札幌の芸術の森で、月に2~3回開催されている木工自由製作教室。
これに参加することを待ち望んでいたというわけさ…!
芸術の森では、陶芸、織物、木工、ガラス工芸など一通りのクラフトができる設備がそろっていて、各施設は格安で借りることができる。
ただ、全くの初心者だとか、工芸設備を使い慣れていないうちはいきなり施設を借りても何をどうすればいいのかわからない状態になってしまうので、まずは何かしらのワークショップに参加して、設備の使い方を知ってから設備を借りたほうがいいように思った。
実際、俺も以前芸術の森の木工房を借りて作業をしたことがあるんだけど、
「な、何をしていいのかわからない…!」
という状態になったので、何事にも慣れとレクチャーは必要なものだと思う。
木工に比較的慣れている俺でも、
・これは使っていいの?許可が必要なの?
・グラインダーはどこで使えばいいの?
・ドアは閉めればいいの?開けとけばいいの?
みたいな、まるで新入社員のころを思い出すようなぎこちなさに襲われ、まるで何も作業が進展しなかったことがあった。
なんせ、板に穴開けただけで終わったからね…!
借りる意味ないな!
なので、まずは、ちゃんと教えてもらうことが必要!
道具の使い方をわかっていたとしても、ちゃんと一度教えてもらって確認をしてからやるべきだと思ったんだよね。
こう、俺は仕事もなんでもそうなんだけど、
「どこまで自分の判断でやっていいのか?」
「全体像はどうなのか?」
っていうのを自分の中で落とし込めないと、一気に無能になってしまう人間なのでね!
それこそ、ドアの開け閉めレベルのあたりから悩んでしまうんだよ。
だから初見で無能と判断されがちなのが悩み。
その辺ソツなくできる人にはあこがれるなぁ。
さて、今回、木工自由製作教室で教えてもらったのは…
冒頭の画像にもあるように、木のスプーン作り!
木材の男として…木のスプーンは避けて通れない道なんじゃないかと…思ったわけだよ。
それに、今まではなんだかんだで彫刻刀や切り出し小刀の使い方は習ったことがなかったし。
これを機会に、俺も彫れる男になるべきじゃないのか、ということで。
彫れる男に…!
他意はない!
すまない。
それで、目指したのは平たくて丸く大きいスープスプーン。
何となくオシャレに見えるあれ。
あれを作る。
まずは木工専門員の先生の教えに従い、俺の理想とするスープスプーンの姿を、厚紙に描き出す…!
これが…俺の求めるスプーンのイデア…!
とか暑苦しく描いてみても、あくまでもそれは型紙。
そんなにすごい姿になるわけもない。
ただ円に棒がくっついているだけの細長い前方後円墳である。
しかし前方後円墳には無限のロマンがあることを信じて、その型紙を木の板に写し取り、糸鋸盤で切り取る!
できた!
が!
俺は…
糸鋸盤が下手だ!
ここにきて己の糸鋸盤適正のなさに若干絶望する。
すごい。下手っぴだ…。
しかしまぁ、「それは削って矯正すればいいよ」ということで、さっそくメインであるスプーンの丸いところを彫刻刀で彫っていく。
yajul35歳。初めての彫刻刀。
いやさすがに小学生の時は使ったけど。
趣味として木工を始めてからは初めてなんだよね。
大体は機械のパワーと鋸という力業で何とかしてきたのが俺の木工だったからな…!
木工はパワー。
しかしそれももう過去のものにしなければならないのかもしれない。
糸鋸で切り取った後、さっそく彫刻刀で彫ろうと作業台の上に置いて、彫刻刀を構える俺に…
先生「yajulさん、ちょっと変なやり方で彫ってみましょうか?」
俺 「?」
先生「こう、彫ります」
俺 「こう?」
まさかの…
彫刻刀を逆手に持ち、彫るものを左手に持って空中で彫る!
(軍手だと滑るので、皮手袋がいいらしい。もちろん素手でもいいんだけど、ケガには本当に気を付けて。子供には絶対やらせちゃダメ)
俺 「机に置いて、固定して彫るんじゃないんですか!?」
先生「それでももちろんいいですよ。でも僕は、海岸とか、河原とかで自由に彫るのが好きなので…
俺 「それで。それでやりたいです。それがいいです。是非それで…!」
海岸や河原で木彫り
圧倒的な、あまりに圧倒的な破壊力…!
これよ。
これを求めて、俺はこの日にここへ来たのかもしれん…!
ノールビンドニングもそうだけど、自由な場所でやりたいようにやれるっていうのは魅力的だよね。
なにかこう、つながるものがあるね。
設備を使って見事に仕上げる、というのももちろん素晴らしいけど、粗があるのも素敵だと俺は思うわけだよ。
先生いわく、「yajulさん、木工はね、彫刻刀と切り出し小刀があればできるんですよ!」
まさにその通りだと思ったね!
ちなみにというか当然だけど、このやり方は危険が伴う。
でも一応、逆手で根元を握っているから、切っ先がズレたとしても、握り手が引っかかって深くは刺さることはないのだとか。
でも、何度も言うけど、このやり方は本当に気を付けてね!
推奨はしないよ!
中身をある程度くりぬけたら、次は切り出し小刀で形を取っていく。
すごい。
彫り物っぽくなってる。
っていうか、木工台を上から撮るだけでオシャレな絵になるのって素晴らしい。
スプーンの中の仕上げは最後に。
すごいボケてるけど。
木工台が主役だから仕方ないね…!
ちなみに今回使った彫刻刀は一種類だけ。
15mmの丸型。これ一本でスプーンなら自由自在に作れるらしい。
買う。
買うぞ。
そして彫刻刀や小刀の選び方、手入れの仕方も教えてもらった。
そんな木工教室が10時から16時で1500円…!
これは大変にお勧めするよ。
今回は俺はスプーンを作りたかったのだけど、他にも作りたいものがあれば自由に作ってOK。自由木工教室だからね。
材料と、「これを作りたい」という熱い情熱があれば他には何もいらない。
…と思う。
まぁさすがに大きすぎるものは無理だけど。あと、参加人数の多寡によっても異なるけど。
「木工やってみたいけど、何からやればいいのか、何ができるのかわからないしなー」
という人には最適かもしれないよ!
とりあえず、木のスプーンを作ってみるといいよ…!
ジャムスプーンでも、なんでも。
やってみさえすれば、出来上がるものはあるからね…!
それで、家に帰って胡桃オイルを塗り終えたのがこちら。
胡桃の木で作ったスプーンだし、胡桃オイルが一番合うよね。
胡桃オイルがなければ、無塩ミックスナッツとかに入ってる胡桃をガーゼでくるんで、トンカチとかでつぶしてオイルを出せばOK。
それもなければオリーブオイルで大丈夫だ!
ちなみに、一緒に写っているのは「江別やきもの市」の戦利品。
いやぁ、今年も素晴らしい焼き物が多くてね!
特にこの真ん中のおちょこがね!
一目ぼれだったね!
あんまりお酒は飲まないんだけど、中国茶はよく飲むから、小ぶりの茶碗を探していたんだよね。
こういう華やかな茶碗ってなかなかなくてね!