脳の中のマリー

アントワネット的なことを脳の中で

泳ぎながら瞑想を

ここ2週間、毎日水泳に行っている。

以前から水泳には行っていたんだけど、思うところがあって平日は毎日やってみようと思い立ったというわけさ。…まぁ、その、健康のためにな!具体的にはダイエットな!あぁ!俺はダイエットをしている!今まさにな!

職場から市民プールが近いこともあり、そんな本気にはやらずとも、毎日十数分でも泳ごうと思った。どうせ1ヶ月パスを持っているわけだし、ライトな気分のほうが物事は長く続く。それに、水泳は用意するものが少ない、気軽に始められるスポーツだ(水着とタオルさえあればいい!)。それにランニングなどと違って、洗い物もとても少ない(水着とタオルだけだ!)。その分施設利用料はかかるけれどね。

幸いにして2週間毎日水泳に行けている(休日は除くけど)。

しかし、水泳には最も大きな問題がある。

多分、長く続けるための最大の問題だ。

それは、泳いでいる最中には、泳ぐ以外のことが何も出来ないということだ。

ランニングやサイクリングなら、音楽を聞ける。風景を見れる。しかし水泳は…!泳ぎながら音楽を聴くわけにもいかんし、泳げども泳げどもそこは全く同じ箱の中だ。俺は…俺は一体何のために何をしているんだ…!?俺の脳の中で疑問が沸き起こるというわけさ。

最初のうちは、例えばDIYのアイディアを考えたり、小学生の頃から連綿と続いている俺の脳の中の大長編の新たなるエピソードを創造したり、様々に考えるべきことを考えたりもした。

しかしどうも上手くいかない。どうしても10分そこらでネタが切れる。大長編はループに入り、小学5年の頃に大団円を迎えたエピソードが蘇ったりする。想像と思考のネタ切れとともに体力の消耗だけが大きくなり、「まぁ、今日はもうやめようかなぁ」ととなんとなく終えるのがいつもの感じだった。これはこれでいいと思うけど、なにか、こう、ダメな気がする。コレでは前に進むことは出来ないんじゃないか…!

そこで考えた。

こうなれば…ヴィパッサナー瞑想でもするか!?

 

ヴィパッサナー瞑想

これこそはまさに古代インドのウパニシャッド哲学が生み出した最強の瞑想法であって、かのゴータマ・シッダールタ先生もこの瞑想で悟りの境地に入ったという古今無双の瞑想法だぜ!

…非常なうさんくささが見え隠れするが!

まぁ、わりとスピリチュアル方面と相性が良いよな、こういうのは。

スピリチュアルかどうかは置くとして、この瞑想法は面白い。

瞑想といえば、静かに座って心の中を無にする、というイメージはあると思うけど、これは歩きながらでもできる瞑想法だ。…なんか、瞑想瞑想とやたら書くと妖しげな雰囲気になるね。

このヴィパッサナー瞑想では、自分の動き、感情、見たもの聞いたもの、触れたものすべてにラベルをつけたり、実況していくことで「自分のことをよく観る」のを主眼とする瞑想法だ(と、俺は理解している)。つまりはアートマンたる己とブラフマンが一体であることに気付くための深淵な智慧であり、ウパニシャッド哲学の聖仙・ヤージュニャヴァルキヤもこの境地に…云々…

なので、例えばゆっくりと歩きながら「右足が地面から離れた…進んでいる…地面についた…鳥の声を聞いた…左足を前に出した…腹が減ったと思った…進んで…右手をポケットに…」という風に。自分の動き、感情をすべて書き出して行くような感覚。ブッダ先生がマーラを退けたのも、心に浮かぶ雑念と、「雑念にとらわれてはいけない」と思う感情をも観測していたということなんだろうね。

 

で、まぁ、随分と前置きが長くなったけど。

水泳中にヴィパッサナー瞑想をやった結果として。

50分間ひたすら泳ぎ続けることが出来た…!

放っておいたらきっともっとやってたと思う。

水泳とこの瞑想は、多分めちゃくちゃ相性が良い。

なぜなら、水泳というのは呼吸が最重要なスポーツだからだ。

もちろん、他のスポーツもそうだけど、水泳は特に大事だ。むしろ水泳とは、息継ぎの間に何をするかがすべてなスポーツと思う。

瞑想では呼吸に意識を集中する。どうしようもない妄想が生まれてきた時、「考えるな!」と思うよりも、呼吸にだけ集中したほうが妄想は消えやすい。とにかく呼吸を観ることが瞑想で大事なことだから、水泳とは抜群に相性が良い。

更に、水泳中は呼吸に意識を向けなくとも、呼吸は観れる。

水泳は基本的に、水の中に顔を入れているときはずっとブクブクと息を吐いている。だから意識を集中しようとしなくたって、ブクブクに注目すればそれで事足りるのだ。ブクブクブク…息継ぎ、ブクブクブク…という行為をひたすら観察し続けると、あっという間に30分50分は泳ぎ続けられてしまう。

水泳を始める際に「1kmは泳げるようになりたいなー」と漠然と思っていた目標が、「うおお、もう少しでいける!」という期待感とか「どうすればもっと泳げるんだ!?」とか悩む間もなく静かに達成されてしまった。1週間前までは100mで息切れしていたのに。

しかし若干の…こう…物足りなさはあるものの、これはこれで良いな…!と思ってる。

この静かな感じのまま体重が落ちていってくれりゃあ、言うことは無いんだがな…!

 

…これも妄想だな!