ノールビンドニングの針を自作しよう!100均で手に入る材料で!

夏!

極めて暑いこの日本列島で…思うことは一つ!

そろそろ…編み物に取り掛かろうということでしょう…!

 

そこで俺としては「せっかくだし、今年はノールビンドニングに手を出してみないか」と強力にお勧めしたいところだけれど、いかんせんノールビンドニングはいきなり手を出すにはハードルが高い。

 

なにしろ針がない。

 

そう!針問題!

ノールビンドニングは大きな針を使って縫うように編んでいくものなので、この針がなければ始まらない。ノールビンドニング、やってみるかな?と思ってくれた人がいたとしても、「でも針がないし…」でつまずいてしまう可能性が大いにある!

これは大変な問題だよ…!

入り口を広く開けておかねば、そのジャンルに未来はない。

いや、まぁノールビンドニングは未来というか古代というか…まぁ一回終わったともいえる感じではあるんだけど…そういうリクツっぽいことは抜きにして!

太古の編み物だろうが何だろうが、広い間口は必要。

他の編み物は、試してみようと思い立ったときに100均に行って針と糸を買って来れば始めることができる。

ならばノールビンドニングの針も100均であつらえることができれば…!

いつか、どこかの誰かの役に立つかもしれない…!

 

そういうわけで、100均で帰る材料を使って、自分オリジナルの針を作る!

その方法を!作業内容を!ここに書いていきたい。

とんでもなく長くなると思うけど!

 

1. 材料を用意する

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用意する物はこちら!

 

木製スティック(ダイソー

紙やすり(120番と400番があれば十分)

どこにでもあるカッター

(こだわる人は細めの棒やすり)

 

木製スティック!

アイスの棒やコーヒーマドラーとして使うもの。

長さが11cmで幅は8mm、厚み2mm。ノールビンドニングの針としてはちょうどいいサイズ。

60本入りだからいくら失敗しても大丈夫!

 

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ハンドメイドの友、セリアでも同じようなスティックは売っているんだけど、ダイソーのものよりも少し薄い。左がダイソーで、右がセリア。

あまり薄いと折れそうで不安になるので、今回はダイソーのを使うよ!

 

2. 穴を開ける

針を作るとき、まずは最初に穴を開けるところから始めよう。

先に針の全体の形を作ってから穴を開けようとすると割れたり怪我をする可能性が高まるので、まず最初に穴を開けていく。

 

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ざっくり、このくらいの間隔で穴を二つ開けるイメージ。

穴あけが結構大変なので、穴は一つでも全然OK。

二つ穴を開けるときは、だいたいこのくらいの位置に開けるとよいかな、という感じ。

セーターとかの大物を編むときは、穴が二つの針じゃないとやってられないと思うようになるはず…。

スヌードやマフラー、手袋なら針穴は一つでもストレスにならないから大丈夫!

 

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そこで、穴の位置を決めたらカッターで切っていくんだけど…

カッターを引こうとすると怪我するから注意!

カッターの刃はなるべく小さく出して、ぎゅっと押さえるように、押しつぶすようにやること。

カッターを引いてしまうと、反動が付いて怪我をしてしまうので。

根気よく、何度もぎゅっぎゅと繰り返して溝を作っていく。

ドリルやミニルーターがあればとても楽。ミニルーターダイソーで売っているから、そちらを使ってもいいと思う。いろいろなことに仕えて便利。

 

でも今回は、カッターで仕上げていこう。500円以下でノールビンドニングを始めたいからね…!

 

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表をある程度削ったら、裏側にひっくり返す。

先に縦方向を削るのがおすすめ。木の繊維に沿っているから、簡単に削れる。

くれぐれも怪我には注意してね。カッターはものすごい切れるから。

 

縦が終わったら、次は横。横は縦よりもつらいので、ゆっくりと焦らずに。

 

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ある程度できたら、箸の先などで押せばぽこっと外れる。

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めちゃくちゃ不格好だけど…穴は開いた!

このくらいの仕上がりで大丈夫。あとからいくらでも修正できるので、カッター作業という危ない工程はこのくらいのざっくり感で終わらせるのが吉。

 

3. 形を作る

穴があけられたら、次は針全体のフォルムを決める。

今回は下の写真のようなオーソドックスなスタイルの針に。

 

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コツとしては、自分が思い浮かべる最終的な針の形のふた回り位大きく切り出すこと。

この後で紙やすりで削るんだけど、そこで意外なほど小さくなるので、この段階ではかなり大きく切り出すといい。

カッターは切れなくなると怪我の元になるので、なんか切れ味悪いなと思ったら刃を取り換えて使おう!

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一回で切ろうとせずに、カッターで何度も撫でて、下書きの線が見えるくらいに切り出す。

曲がっていようが全然OK。

 

とにかく、怪我無くここまで来れれば完璧!

 

4.穴の処理をする

ここで、不格好な穴の処理に入る。

 

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120番の紙やすりを用意して…

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細く切ってから、このように丸める。

こうすると、紙やすりが棒のようになって安定するので、削りやすい。

二つ上の写真にはさみが写ってるけど、紙やすりをはさみで切ると刃がボロボロになりかねないので、カッターで切るといいと思う!

俺ははさみでやっちゃうけど…推奨はしない!

 

この棒状の紙やすりで、針穴を自分が納得するまで削る!

これに関しては本人の納得次第なので…どこまでが正解というのはないかな。

もしもっときれいにしたいなら、細い棒やすりを買ってきてもいいかもしれない。

別に穴が長方形だからって困ることはないので、滑らかに削られていれば大丈夫、というくらいの緩さで作っていって大丈夫。

 

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というわけで、今回はこんな感じの緩い仕上がりで穴の処理は終わり。

できる人はもっとやっても大丈夫!

 

5. 針の形を整える

穴の次は、待望の最終処理。

使う紙やすりは、先ほどと同じ120番。

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紙やすりを机に置いて、写真のように針をこすりつけるようにして削っていく。

勢いあまって自分の爪まで削らないよう注意してほしい。

ひと撫でで結構削れるので。

この工程で、自分が頭に思い描く針の形を実現させていく。

 

ポイントとして、針先はとがらせすぎないこと。

 

ノールビンドニングは、親指に作ったループを拾って編んでいくので、必然的に針は親指に当たる。というかむしろ親指に当てていくので、針先が鋭いととてもしんどいことになる。

 

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これだとちょっと鋭すぎるかもしれないくらい。

とはいえ、今自分で針を作っているのだから、後から調整は簡単。

もししっくりこないようであれば、また針先を削って調整していくといい。

自分専用の道具を作れることがDIYの魅力だね!

 

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120番の紙やすりである程度形を取ったら、次は400番くらいの紙やすりに替えて、同じように削っていく。

120番のままだと粗すぎて毛糸が引っ掛かるので、400番までは必要。

人によっては600、800、1000、2000とかまでやるかな。

ネイルケアで使う爪やすりは、荒い方が150で細かい方が240くらい、と書くとイメージはつきやすいかもしれない。

 

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角ばっているところが気に入らないときは、紙やすりを折って削る。

 

ここで穴も400番の紙やすりで処理しておこう。やり方は120番の時と同じ。

 

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自分の納得のいくところまで削り、仕上げたら、出来上がり!

写真のように木くずが結構でるので、寝室とかではやらないほうがいいかもしれない…!

 

6. 仕上げ塗装

この時点で針は針として使えるんだけど、やはり木工作品を作ったからには仕上げ塗装までしておきたい!

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 仕上げ塗装と言っても、難しいことは何もないので大丈夫。

針にオイルを塗る!それだけ!

写真では木工用の亜麻仁油を使っているけれど、ノールビンドニングの針くらいのものならご家庭にある食用のオリーブオイルで全然OK。

オリーブオイルがなければサラダ油でもたぶん大丈夫。

一応、油の種類によって乾性オイル(亜麻仁油はこれ)とか不乾性オイル(オリーブオイルとかはこれ)とか種類があるんだけど、正直気にしてなくて大丈夫なレベル。

もちろん、椅子やテーブルだとかの大物になると違ってくるけど。

今回はどの油を使っても大丈夫。

「料理を全くしないから、油などという物はない!」というツワモノの場合は、食塩不使用の胡桃を買ってきて、それをキッチンペーパーにくるんで、叩いて胡桃の油分をキッチンペーパーにしみこませればOK。大変かもしれないけど、胡桃のオイルは質が良いので、全然アリな方法。

 

塗り方は単純で、ティッシュペーパーやキッチンペーパーを何枚かとって、そこにオイルを垂らして、針にゴシゴシ塗るだけ!

木は油を吸収するので、「ちょっと多すぎじゃない…?」と思うくらい塗りつけて大丈夫。

そのあと、新しいティッシュペーパーなどで油をふき取るのを繰り返して、1日くらい乾燥させたら、完成!

オリーブオイルのような不乾性オイルだからってべたつくことはないので安心してほしい!

 

 

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というわけで、完成した針がこちら!素の状態のスティックよりちょっと落ち着いた色になっているのがわかると思う!

 

ちなみにこの木製スティックは、白樺の木でできている。

白樺と言えば北欧の木なので、まさにノールビンドニングに最適!

アイスの棒やヘラは、昔からこの白樺の木で作られている。実はみんななじみのある木でもあるね。

そんなアイスのへらとかに使われるやっすい木材なんじゃ…と思われるかもしれないけど、白樺の木は決して安っぽい木材じゃないので安心してほしい。

上の写真に写っている木は、全て白樺の木。

テーブルも、針も、右に写ってる木簡も、全て白樺の木で作ったもの。

決して安っぽい木材ではないことは力説しておきたい…!

 

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自分がよく使う針との比較。

穴の仕上げがヴァイキング的なこともあって、微妙に見えるかもしれないけれど…

 

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手に取ってみれば、全く問題なくスイスイと編めてしまうのですよ…!

もちろん、この状態からさらにもっと削ってもOKなので、毛糸を編みつつ、針も進化させていくのが楽しいと思う!

例えば、この木製スティックを二枚張り合わせて厚くしたり、針先をちょっと曲げてみたり…まさかの3穴に挑戦したり!

針を一回作ってしまえば勝手がわかるし、自分の好みもわかってくる。

作るということは、自己理解の過程ともいえるかもしれないね!

作り続けていくことで、今まで思いもしなかった新たな自分を見出すかもしれないし!

 

あとは、木だろうとプラスチックだろうと牛の角だろうと金属だろうと…やることは同じなので、様々な素材にチャレンジしていくのもいいと思う!面白い針ができたら教えてくれると嬉しい!

 

では、ノールビンドニングとのよき出会いを願いつつ!

これにて!

 

 

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ノールビンドニングの作り目の作り方