万年筆 Penbbs 308/266 Autumn を手にした
ペン字を始めて約2か月、ひどい子供文字からそれなりのモノになってきたなと感慨深く自身の成長を振り返るとそこに沸き起こるのは物欲である。
やっぱり、いい道具が…ほしくなってくるよね!
プログラムを志すならキーボードにこだわりたくなるし、
筋肉に己の夢を賭けるならプロテインだし、
ウォーキングが習慣になったらそれなりの靴が欲しくなったりするだろう。
あぁ、俺もだ!
そういうわけで、万年筆を買ったのですよ。
初めての万年筆と言うわけではなく、これで6本目かな。(安いやつとかを除けば)
子供のころからずっと万年筆が欲しくて、親に「大学入学が決まったら、万年筆を買ってくれるものじゃないか…?」と謎の要求をして以来、人生の半分を万年筆とともに過ごしている。
俺が今持っている万年筆はこの6本。今回届いたやつも含めて!
右から、
CROSS ATX F(細字)
Lamy Safari EF(極細字)とM(中字)
Pilot μ90 F(細字)
Pilot CustomHeritage912 FA(フォルカンという特殊ペン先)
PENBBS 308 Autumn F(細字)
で、今回見事手にしたのが最後の、PENBBSの万年筆ですよ!
軸が美しくてね…!
それまでの万年筆を見るとわかる通り、そんなに派手なペンは持ってなかったんだけど、
「やっぱり軸が美しい万年筆も欲しいよね…」
と日夜ネットをめぐりつつ、イタリーの「レオナルド」というブランドの万年筆を見たりして「ホゥ…」ってなってたわけなのだけれども。
しかし!
やっぱ派手な万年筆は高いのよ!
2万、4万は平気でしてしまう。
正直なところ、ペンに1万以上出すのはちょっとどうかと思う。
…いや、俺も2万円のペン持ってるけれども!その書き味に心底惚れているけれどもさ!
でも一般的に言って…ペンに1万以上は…ちょっとアレだろう!?
5千円ならいけるが!
…この俺の感覚もだいぶ侵されている気がするけれども。
で、やっぱり2万とかは出せないよね。
いかに美しくて、それが熱烈に欲しいと思っていても。
というところで発見したのが、このPEBBSと言うブランド。
ここは中国・上海を拠点にしているメーカーで、2005年に始まった非常に若いメーカーだ。
この辺の話は疎いんだけど…もともとは、PENBBSという名前の通り、中華圏の万年筆愛好家が集うネット掲示板があって(http://penbbs.com/forum.php)、そこが万年筆を作り始めた…みたいな経緯なのだろうか。正直わからないけれども!
でも、いろいろと調べる限り、軸が美しいし、値段の割にしっかりした作りらしいし(だいたい5千円で買える)、海外SNSなどを見てもなかなか評判がいいということで、これは買ってしまおう!となったわけだよ。
日本で手に入れるなら、たぶんEtsyの公式ショップを利用するのが手っ取り早いと思う。amazonで出してる業者は1万超えの値段に設定していたりするので。
Etsyのショップはここ。
見てるだけでテンションが上がってくるだろう…?
中華圏や韓国ではメジャーな存在になりつつあるらしく、インスタとか見てみるといっぱい写真が上がっているね!
instagram.comPennPENBBSの万年筆で「風の谷のナウシカ」の中国語のセリフを書いている人もいるぞ…!
かっこいいな!
そして上手すぎるな…。
というわけで、今回俺が手にしたPENBBSの万年筆、308Autumnをレビューしてみようと思う!
万年筆のレビューとか初めてだし、俺は金ペンはフォルカンしか持ってないので、他と比較してどうなのか、とかはあてにならないので注意してくれ!
箱、パッケージ
箱。
蓋がマグネットで留められている。
赤と黒が素敵だ。
中にはペン袋に入った万年筆が入っている。
あ、俺はこれ中古で手に入れたから、新品はこうじゃないかもしれない。
ペン袋の留め紐の先端には、螺鈿的な光沢をもつチャームがついている。
多分これプラスチックじゃないと思うんだよね。重みがプラスチックのそれじゃない。
もしかすると貝だったりするのだろうか?
その辺は詳しくはないけれど、安っぽい感じじゃない。
布の内側もベルベットのような素材が使われていて、ペンに優しそう。
で、これ!
マーブル模様のアクリルで作られた万年筆!
素晴らしいね…!Autumnの名の通り秋の色をしている。
黄色、オレンジ、茶色、緑のグラデーションがとても美しい。
それに持った感じもとっても軽い。インクをフルに入れても21g。
中国の万年筆は重いイメージあったけど、これは逆に軽くてびっくり。
ペン先、ペン軸
ペン先はスチール。今回は細字。
キャップについているクリップは剣のような形でかっこいい。
中華圏の万年筆は露骨に他のメーカーのコピー仕様なものがあって敬遠していたけど、これは独自のデザイン…だと思う!自信はないが!少なくとも、万年筆のメジャーメーカーの物とは違う。はず。
この辺も結構、信頼感生まれてくるよね。
もともと万年筆愛好家のBBSだったからなのか、露骨なパクリはないのかもしれないね。
特徴的なのがペンポイントかな。
ちょっと上向きについている。
美工筆とかパイロットのウェーバリーとまでは行かないけど、ちょっとだけそれっぽい感じに。
ただ、ペンの傾きで線の太さが変わるわけではない。なのでウェーバリー寄り。
あ、ペン先のフィンが曲がってるのは俺がニブを引き抜いたときにやっちゃったものなので、不良品ではないので…!
コンバーターは付属してる。なんの変哲もないコンバーターだけど、軸にOリングがはまっていて、これのおかげで軸を元に戻すときにしっかり締まる感がある。万一コンバーターからインクが漏れても大丈夫なように、かな。これがあるメーカーはほとんどないと思うので、これは新しいメーカーならではかもしれない。
Autumn(秋)ということで、インクはパイロット色彩雫シリーズの「秋桜」を!
まさにこのための万年筆と言っても過言ではないはず…!
秋の色のインクにぴったりだね。
一応注意点として、インクを吸うと首軸にうっすらインクが透けるので、青系のインクだと雰囲気がちょっと変わるかも。
気になる人は、軸の色に合わせたインクを使うといいと思う。
とりあえず、俺はこの万年筆で青や黒系は使わないと決めた!
総合すると、非常に俺の好みのドストライクと言うか、単純にすげー!美しい!ヒャホー!な万年筆なので、もはや何も言うことはないのだけれども…。
キャップを軸の後ろにはめるとき、かなりしっかり押し込まないと筆記中にずれるので、そこが気になるかな。気合い入れて押し込むか、キャップを外したまま筆記するかしないと、なかなかのストレスかもしれない。
まぁ、俺は筆記中にペンを強く握りすぎる癖があるから、それをやめれば快適になるんだろうけどね。
癖を矯正するいい機会ということにしよう!
フォルカン使うようになって筆圧が劇的に改善したしね。これを使ってさらにソフトに万年筆を持つようにしよう。
あと、これは微妙なところだけど、キャップを締めるときのねじの回転音がちょっと大きい。
ええと、回すときの「さしさし…」という音が。
…伝わるかわからないが!回転式キャップの万年筆使ったことある人なら伝わると思う。
パイロットのカスタムシリーズは回転音がほぼないけど、これはする。
ただ、そのうちこなれてきて音はしなくなるような気もしなくもない。それに、そんなところは気にならないので俺は問題ない。でも気になる人はいるかもね。
でもまぁ、それら気になる点を圧倒する軸の美しさがすべてを持っていくので、何も心配はないな…!
書いてみた
書いてみた!
普通のコクヨのノートに。
字がひどいな…。
俺は本数を持っていないので、そんなに比べることはできないのだが…。
手持ちのパイロットのFニブの万年筆よりも気持ち太いかな?
とはいえ、これは俺がインクフロー改善のために隙間ゲージでちょっと広げた結果なので、あんまりあてにならないと思う。すまない。
でもさすが漢字圏の万年筆だけあって、細いよね。
欧米のブランドの万年筆はアルファベット仕様だからかなり太いし。
これぞ漢字の国の万年筆だな!
で、書き味なんだけど…
これがびっくりするくらい良いんだよ…!
サリサリ感、なし!
引っ掛かり、インク途切れ、なし!
筆記音、ほとんどなし!
いやー、すごい。
同じ鉄ペンのCROSSのATX、パイロットのμ90と比較すると、圧倒的に上と言えてしまうね。
10年間使い続けて育ったはずのμ90よりもすごかったのは驚いたよ!
鉄ペンだからガッチガチなので、ふわっとした感覚がないけど、なんのストレスもなく字が書けるので必要十分!
あ、でも鉄ペンだから、ノート表面の凹凸はそのままダイレクトに指に伝わる感じはするね。そこは鉄ペンだから仕方ないね!
インクの濃淡もはっきり出るし、フォルカンのように紙を選ぶ感じじゃないし、これは俺の中で相当なヒットだぜ!
出先でのメモ書き用のμ90
気合い入れてペン字や手紙、熱い言葉を書くためのフォルカン
日記などの長文を書く時の308
と分担できるようになってテンションが極めて上がったよね!
本当に綺麗だし!
とりあえず、ファーストインプレッションはこんな感じかな。
長く使ってみてどうなるか、楽しみになってきたよ!
久しぶりに買った万年筆、大切に使いたいね!