脳の中のマリー

アントワネット的なことを脳の中で

心は几帳面だけど行動は大雑把な自分に最適な「全肯定ノート」・トラベラーズノートを手にして

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散らかった部屋や不安定なモノを見るときちんと整理したくなる几帳面マインドがある一方で、気がつくと部屋には本やメモ、買ってから一度も開封していない袋、オシャレなはずなのに完全に場所を間違えている小物が散乱する。そんな人はきっと俺だけではないはず。

心を決めて整理を始めると完全にバチッと決まるんだけど、どうにもこうにも維持ができない。まるで創造するだけして役目を終えるブラフマー神みたいな。

さすがにこれではまずいと様々な方法を考えるのだが、やはり行きつくところはブラフマーである。現状維持の神ヴィシュヌと破壊と再生の神シヴァに人気で完全に負けているのもうなずける。こんなに維持ができないなら破壊してしまえばいいのだ!とか思っても結局再生する気力がない。だから俺は創造しっぱなしでいつも終わる。ブラフマーといえば、アトラスの「アバタールチューナー」は最高だったな!めっちゃマイナーだけど。

それで、そんなおれがついに手にしたのがこのトラベラーズノート

構造は超シンプルで、厚手の一枚革を折ってゴムを通してリフィルを挿めるようにしただけ。表面処理も特にされていない。爪を立てればあっさりと跡が残るでもしばらく使ってればそのあともあっさり消えて行く。まさに革。これこそ革。作れる人は普通に革買ってきて穴開けてゴムを通すだけでいける気がする。そんな大雑把の極みみたいなノートだ。中のリフィルも余裕で自作できるしね。

心だけは無駄に几帳面な俺は、今まで「手帳はシステマチックであるべき」という信念をもっていた。例えるなら、神社の巫女さんである。巫女さんの魅力はあの服装や巫女さん個人の可愛らしさでなく、統一されたシステムの一部として行動するその整然さにあると、友人の結婚式で俺は思い知った。あれはショックだった。ヤック。それ以来、俺が手帳に求めるのは巫女さんとなった。手帳こそ俺の巫女になってくれる存在じゃねーのか!?あの整然と楚々とした佇まいが!システムの一部となって完璧な調和を見せるあの行動が!俺の中の何かを突き動かしたというわけさ…。

…割と意味が分からなくなったが!

俺の手帳に求める手帳像というのは、要するにきちっと情報が整理されていて、きちっと管理できて、きちっと美しく調和しているべきものだ。そしてそれが現実には即さず、ひたすら挫折を続けてきたのが俺の手帳人生である。ついに巫女さんには俺は手が届かなかったのだ。俺が、俺のようなクズが巫女さんに手を伸ばそうなどと思い上がりも甚だしい感じだったのだ。たとえ彼女たちがバイトだったとしても、巫女システム駆動の彼女たちはまさに巫女さんなのである。

それで、トラベラーズノートである。

ずっと以前から、気にはなっていた。書店で、文具店で、雑貨屋さんで見かけるたびに、「こいつを使いこなしたら大変なことになるんじゃねーか…」というドキドキを感じていたものだ。しかし、買わなかった。俺はまだシステムの魔に憑りつかれていたからだ。このトラベラーズノートを完璧に美しく調和した使い方をするには、俺のレベルは未達である、という思いこみが、レジへ持っていく勇気を与えなかったのだ。

しかし今回は違った。

もともとは、「家計簿とアイディアノートと日記帳を買って来よう」と出かけて、3時間悩んで3冊決めたのだが、そこで疑念が巻き起こった。

「俺はまた、完璧を求めるがゆえに途中で使えなくなってしまうのではないか…?」

そこで俺は3冊をいったん戻し、喫茶コーナーに腰を落ち着け、考えることにした。俺は考えるときにアイディアノートにだらだら書いていくんだが、今回はそれを買って来ようとしていたわけで、久しぶりに完全に脳内で悩むことになった。

「こいつは金の無駄なんじゃないか…?」

「もう帰ろうぜ…」

「牛丼食べたい」

「火災保険のお金払わないとな…」

「牛丼だな…」

そして俺の心は決まり、未知の領域へ足を踏み入れることになった。

まぁ、8月27日まで、大丸藤井で全品20%オフのセールをやっていたというのも後押ししたんだけど。

家計簿も日記帳もアイディアノートも、一つにまとめられるのがトラベラーズノートだし、持っていて楽しいノートであるのは間違いないし、机の上に置いておくべきものでもない。考えれば考えるほど、俺のライフスタイルに合っていたと思った。

そして何より、トラベラーズノートのコンセプトが、俺の「心は几帳面、行動は大雑把」を補完してくれるということに気づいた。

トラベラーズノートは不完全であるゆえに、ユーザーの完全性を求める心を埋めてくれるともいえる。

つまり、俺が(結果的に)大雑把に使ってよれよれのぐだぐだになってしまったとしても、トラベラーズノートは「うん、それでいいよ。これが一番だよ」と言ってくれる頼もしいノートなのだ。今まだ俺はこのノートがナイスガイなのか麗しき女性なのか図りかねているが、いずれにしても、いかなる使い方にもグッとサムズアップをしてくれる存在であることは間違いない。

もちろん、機能や書き心地は良くない。なんせ大雑把な作りだ。

しかし、それ故に、俺自身に問題を持っていかなくて済むのだ。

「この手帳を使いこなせないのは俺のパワーが足りなかったからなのだ…」

「こういう手帳を使いこなしている人と俺との差はそんなに大きいのか…?」

みたいな自己嫌悪に陥ることはない。

「まぁ、そういうノートだからなこれは!」と開き直って汚い文字をドカドカ投入していく、そしてそれが「一番いい使い方」であると保証してくれる。そんな救済の女神なノートなのだろう。

買ってきてよかった。

これからよろしく頼むぜ。