脳の中のマリー

アントワネット的なことを脳の中で

「同居人の大事なものを捨てる人」の気持ち

電車の模型、収集品、思い出の品などなど、こういった大事なものを同居人に買って捨てられてしまった、という話はどこかで見聞きしたことがあろうと思う。おそらく最も有名なのは、「鉄道模型を捨ててから、夫の様子がおかしい」かな。旦那さんの大事にしていた鉄道模型を奥さんがすべて処分したら、旦那さんの魂が抜けたようになって自分の持ち物を次々に処分し始め、ついには私服も処分し、消耗品以外は絶対に買わなくなってしまった、という非常に胸が痛い話だ。

俺もおおよそみんなと同じく「なんてことをするんだ、理解できない。なぜ話しあおうとしなかったのか」と思っていた。というかコレは本当に酷い話だし、大切なものを失った旦那さんの虚脱感はよく理解できる。や、理解はすべくもないが、その辛さが想像以上のものだろうという予想はつく。

しかし先日、捨てる側の気持ち、思考の動きがわかった。と思う。仕事中に閃いたことなんだけど、おそらくこれが捨てる側の論理なんだろうなということを理解できたので、書いて見ようと思う。実際に捨てるかどうかは全くの別問題として、気持ちは理解できる人は多いのではないかなと思う。

 

気づいたきっかけ

うちの会社の倉庫には、販売済みではあるが買主がまだ引き取りに来ていない、預かり荷物が結構ある。…結構あるというか、相当ある。倉庫全体の15%くらいを預かり荷物が占めている。取りに来たり発送したりと出て行くことはあるんだが、そのたびにまた預かり荷物が増えていき、結局比率はあまり変わっていない。倉庫の15%というのはかなりの規模だ。会社の倉庫はそれほど大きくないので、倉庫整理や出荷をする際、在庫が少ないほうが当然簡単に出せる。15%空けば在庫出荷にかかる時間は半減するほどだ。しかも、俺が入社してから一度も動いた形跡がないものまである。この預かり荷物を見て、「これがなけりゃ、仕事はもっとスムーズに行くんだけどなぁ」と思ったのがきっかけだ。こういう経験をした人は、男女関係なく多いんじゃなかろうか。

何故捨てるのか

では、「これさえなけりゃ、上手く行くのになぁ」という気持ちが直接関係しているのかというと、そうではない。流石にそれだけが理由ではないだろう。誰だって「他人の物を勝手に捨てるのは良くないこと」と知っているはずだ。それがわからないほどに破綻している人はそうそういない。よな?そこは信じておきたいところだが!「勝手に捨てるのは良くない」という共通のモラルを破綻させる、何か特別なひと押しがあるはず。おそらくそれは、「その品物をさほど大切にしているように見えない」ということだと思う。俺の会社の倉庫を例にすると

  • 預かりが発生した直後の気持ち:「そちらも倉庫事情が厳しいでしょうから、こちらでしばらく預かれます。大丈夫ですよ」
  • 預かり発生後しばらくして:「そろそろ引き取ってくれないかなぁ。でもあまり言うのもあれだし。まぁいいかな、もうしばらくは」
  • かなり時間が経ってから:「いい加減持って行け。保管料取るぞコノヤロウ。確かに預かるとは言ったがそれにしても限度があるだろう」
  • 年単位で時間が経って:「これ、もう相手忘れてるんじゃないのか。これだけ長く置いとくってことは、もういらないんじゃないのか?」

こういう気持ちの変化が起こるのだと思う。俺はそうなったしな!流石に商品だから捨てたりがさつに扱ったりはしないが。会社の場合、自分の一存で「先方に連絡して引き取ってもらいましょう」と判断できない場合がある。社長と懇意にしてる人の荷物とかな…!で、そういうもののバアは、ひたすらにストレスが溜まっていってしまう。おそらくこれが、「ある日突然勝手に処分する」人の思考過程なんだろうと思う。「勝手に捨てられた」系の話を見ると共通してることがある。「その物品は、頻繁に使わない(観賞用含む)もの」ということだ。電車の模型にしても、フィギュアのコレクションにしても、基本的に、それを扱っている姿を見られていないものが多いのではないか。例えば、本を沢山買う人がいるとする。毎日すごい量の本を読んでいる。しかし、それでも買う量が読む量に追いついてなくて、大量の積読が発生している。また、新刊を読むのに忙しくて、一度読んだ本は本棚にしまったまま二度と取り出していない。…ように見える。この人の同居人は、増え続ける本を長年見つめ続けてるというストレスの果てに、「この人、一度読んだ本は全然見返さない。大切にしているとは思えないし、今後も読み返さないだろう。ならいっそ捨てちゃおう。どうせあの人はこれを大事にしていないんだろうから」という考えに取り憑かれ、実行に移してしまうのではないだろうか。男性にとっては「一度しか(あるいは一度も)着ていない女性の服」だとわかりやすくなるだろうか。大量に服を持っている女性に対しての気持ち。「そんなに服を持ってどうするんだろう」「一度も着ていない服は処分しちゃえばいいのに」「そうすれば場所が空いて部屋も綺麗になるし、新しい服も買えるだろうに」という思考は、納得は出来ないかもしれないが少なくとも理解はできるはずだ。

解決方法としては

会話に尽きる。ものすっごい普通の結論だけど。まぁ、みんなわかりきってることだよな…!でも、「これがどれだけ大事か話しあう」ことよりも、それを実際に大事にしているところを見せたり、どういう風に鑑賞するものなのか話したりと、実際のアクションを交えながら話し合うことが大切かなと思う。実際に使っている所を見せることは、相手に「あぁ、本当に大切にしているんだな」と思ってもらうためにも必要な歩み寄りのプロセスであるはずだ。