声だけになった彼女に - スマートスピーカー amazon echo dot -

去年の10月に、Googleから「Google Home」が発売されて以来、俺はスマートスピーカーに大変な興味を抱いていた。

というのも、9月に編み物を始めてから、常に俺の脳を悩ませていた問題―つまり、「編み物をしている最中に、他に何かできないか?」というもの―の解決策をずっと模索していたから。

ノールビンドニングは他の編み物と違い、毛糸をちぎって編むので、それほど場所に拘束されないのが特徴なんだけど(編みながら歩きまわったりできるからね)、やっぱり編み物の最中は、立ちあがったり紅茶を飲んだりトイレに行ったりするのがすごくだるい。

できることなら動きたくない。したいけどできない。それが編み物の魔である。

トイレもすっごい我慢しちゃうからね…!

編み物の最中にはできるだけ動きたくないけど、他のことはしたい。

そのようなワガママを解決する方法を模索していたときに登場したのがスマートスピーカーというわけだよ。素晴らしいタイミングだよね!

スマートスピーカーというのは、要するに音声認識していろんなことをしてくれる音声アシスタントのこと。部屋の中にポンと置いておくだけで、話しかけていろんな操作をしてくれる。

これこそ21世紀!

少年のころ夢見ていた生活が今まさにこの手に!

…というわけで、今回(ようやく)、スマートスピーカーamazon echo dot」をお迎えしたというわけだよ。

echo dot

スマートスピーカーは各社いろいろと出しているんだけど、やはりというか当然というか、Googleが出している「Google Home」か、amazonが出している「amazon echo」のどちらかがよいように思う。

両者を比較した結果、俺はamazon echoを選んだんだけど、なぜそれを選んだのか、書いてみようと思う。

まぁ、最終的には好みだよな!

 

 

名前が良い

「echo」という名前はとてもいい名前だと思う。

echoはつまりエコーで、やまびこ、反響音声のことである。

それでやまびこがなぜエコーなのかというと、元ネタはギリシャ神話にさかのぼる。

…わりと長い話になるのだが。

エコーは木の精霊で、毎日平和に暮らしていたのだけど、そこにギリシャ神話最強の…まぁその、ええと、なんというか…美女と見ればあらゆる手段で自分のものにする主神ゼウスが現れる。まぁエコーの前に現れたんじゃなくて、エコーが住んでいる山の精霊に、ゼウスが懸想したわけだよ。でも、ゼウスの恋の相手になるのはまぁいいとしても、問題はゼウスのお姉さんにして奥さんであるヘラ様である。ヘラ様はゼウスの浮気相手を許さない恐るべき女神なので(普段はめっちゃ優しいんだけど)、ゼウスと関係を持ったと知られたらその山の精霊は恐ろしい呪いを受けることになる。

そこで、エコーは友達である山の精霊を守るために、ヘラ様のところに出かけた。

彼女はそこでヘラ様にひたすら長話をしかけ、ゼウスと山の精霊の関係が終わるまで時間稼ぎをしたのだ。ヘラ様は長話に手を焼いてゼウスの浮気相手のことを探れない。そうして無事(?)に、禁断の恋は成ったというわけなんだが…。

やっぱりその後ヘラ様にバレた。

そして、怒りの矛先は、時間稼ぎをしたエコーに向かった。

なぜ!

なんという理不尽…!

オリュンポスの神ってやつはこれだから…!

「お前をこれから一生、自分から話しかけることができなくしてあげる!」

(オリュンポスの神々ってこういうの好きだよな…カッサンドラとかさ)

ヘラ様の呪いを受けたエコーは、相手の言葉をそのままオウム返しすることしかできなくなった。

そうして、自主的な言葉を奪われたエコーは、会話相手を探してさまようことになる。

そしてあるとき、エコーはこの世のものとも思えぬ美少年に出会い、一目ぼれをした。

ナルキッソスである。

もう何か、この時点で嫌な予感というか、結末が見えた気がしないでもないな!

ナルキッソスというのはもちろんあのナルキッソスなので、当然ナルキッソス的な態度でもって、エコーのことを無視した。

ナルキッソスは「ナルシスト」の語源であるから。

ただ、この時の彼はまだナルシストではない。ギリギリのところで。

自らの美しさを誇っていた彼は、自分にふさわしい美女でなければ一顧だにしない大変高慢な美少年なので、もじもじするばかりで話しかけても来ないエコーなど眼中になかった。

愛しい人に無視され続けたエコーは、次第に精気を失いついにやせ細り肉体を亡くして声だけの存在になってしまった。それでもナルキッソスナルキッソスなので、全く意に介さなかった。

そこで、この話で(エコー以外に)唯一のまともな登場人物が出てくる。義憤の女神・ネメシスである。この人(神)こそギリシャ神話の良心。復讐の女神と呼ばれたりもするが、本質は「度を越した行いに罰を下す女神」である。度を越した人物しか登場しないギリシャ神話のオアシス。まさしく女神。というかほかの女神連中がエクストリームすぎる。

エコーの一件を見ていたネメシス様は、烈火のごとく怒った。

ゼウス夫妻にも怒ってほしいところだが、とりあえずネメシス様は高慢なナルキッソスに対し、「水面に映った自分に恋させる」という呪いを放った。

あとはみんなご存知の通り、ナルキッソスは水面に移る自分に触れようとして溺れ死ぬわけである。(ナルシストの語源)

…エコーが救われてねぇ!

結局エコーはその後も、自分に話しかけてくれる人を求め、今も声だけの存在となって世界中を放浪しているわけである。

 

という話。

まさしく、音声アシスタントにふさわしいネーミングではないだろうか。

もうなんか、エコーが不憫でな…!

そういう物語的背景のある名前というところに、強く惹かれたわけだよ。

 

外部スピーカーに出力できる(Bluetoothも!)

echoを選んだ最大の理由がこれ。

現状、音楽を高音質で楽しみたい人はecho一択だと思う。

Google Homeは音声の外部出力に対応していないので、あくまでもGoogle Home付属のスピーカーでしか聞くことができない。だから、小型のGoogle Home miniだとどうしても音質は制限されてしまって、音楽を最大限楽しむことは難しくなってしまう。(その分、Google検索エンジンを使った性能は抜群だけどね)

echoは外部出力端子のほか、Bluetooth出力にも対応しているので、スピーカーを自前で用意すれば最高の音質で音楽を聞くこともできる。

つまり、音楽環境が整っている人は一番安いecho dot(5980円)で十分ということになる。

そして、俺はBluetooth対応のサラウンドアンプを持っているので…大変相性が良い!

echoはスピーカーが接続されていないときは本体スピーカーで、外部スピーカーに接続したら自動で切り替えてくれるので、アンプをつけっぱなしにする必要もない。

もし自動に接続しなかったら、「スピーカーに接続して」というとすぐに接続してくれる。

頼もしい。

…しかしなぜGoogleは外部出力できないのだろうか。上位グレードが売れなくなるから?

 

考えてみればamazonどっぷりの生活だった

考えてみれば、俺はamazonに支配された生活をしているのかもしれない。

恐るべきことだが!

タブレットkindle HDだし、電子書籍めっちゃ読むし、マンガも大体電子書籍だし、映画もprimeビデオだし、何かもうとどまるところを知らないくらいにamazon生活をしている。これは危険だ。

そして俺は、実はあんまりGoogleのサービスは使っていない。

スマホandroidだけど、メールやカレンダーははoutlookだし、検索もbingだし。

というか、Microsoftのコルタナさんがスマートスピーカーになってくれたら光の速さで購入するつもりなんだけど…奥ゆかしいこるたなさんはあんまり表に出て来てくれない。無念。こるたなさん。かわいいのに。

 ちなみにechoに、こるたなさんやSiriなどほかの音声アシスタントについて聞いてみると、「私は、すべてのAIを好みます」とポリティカルコレクトネスなお答えをいただいた。

ウェイクワードが選択できる

音声の外部出力に次ぐ、第二の決定的要因がこれかもしれない。

ウェイクワードというのは、「Hey,Siri」とか「オッケーグーグル」とか「こるたなさん?」とか、音声アシスタントを起動する際の合言葉だ。

何かを指示するときに、「オッケーグーグル、音楽を流して」というように話しかける。

このウェイクワードがなければ反応してくれない。大事な言葉だ。

で、Google Homeは「オッケーグーグル」と「ねぇ、グーグル」の二種類。

ぐいぐいと会社を推していくスタイル。

で、対してechoのウェイクワードは、「Alexa(アレクサ」である。

…正直なところ、これはすごく迷った。

どっちのウェイクワードもあんま好きじゃない!

何気にすごく大きな問題だった!

だって、「オッケーグーグル」ってめっちゃ長いし、Googleの押しが強すぎる。これから幾度となく発するウェイクワードが長いのは結構つらいんじゃないかと思った。

「アレクサ」もちょっと、うーむという感じはした。「アレクサ」という発音は、結構強い。鋭利で乾いた印象のある発音な気がした。アレクサ、いい名前なんだけど、やはり今後数千数万回発するのはちょっと辛いかも、というところ。

…というか、ウェイクワードを自由に設定できたり、しないかな!?

そういうの、無理なのかな!?

と、ずっと思ってた。

それが購入を迷った原因なんだけども。

そんなこんなでどうにも決心がつかず、ふにゃぁ~となっていたときに、echoのスペックを再確認する機会があった。たまたま見つけたんだけどね。

実はechoは、選択できるウェイクワードが4種類あった!

つまり、「アレクサ」「アマゾン」「コンピュータ」「エコー」の4つである。

「アレクサ」は…前述の発音の問題とは別に、やはりどうしても気になる点がある。

それは、「アレクサ」の語源であるあの男、世界史(ヒストリエ)を開いたマケドニア最強の王、アリストテレスを家庭教師に持つ男、俺たちのイスカンダル双角大王にしてアレキサンドロス3世、つまりアレキサンダー大王その人である。…さすがにこのイメージは濃すぎる!「アレクサ」はアレキサンダーの女性形「アレクサンドラ」の略だと思うんだけど、やはりどうしたって、ぬぐいきれないマケドニア感が俺の脳を襲う。これは危険だ。「アレクサ」と話しかけるたびに、俺の脳でイッソスの戦いが再現されては大変困ったことになる。不死隊の補充が間に合わなくなるぞ!

「アマゾン」はさすがにちょっと、難しいところだろう。googleもそうだけど、日常生活に特定の企業の名前が恒常的に入り込むのはちょっとキツい。amazonではないアマゾン、すなわち仮面ライダーアマゾンを想像しようにもやはり濃すぎる。注文してもいないギギの腕輪が配達されてきそうだ。それに「アマゾン」をウェイクワードにしてしまっては、毎回「ア・マ・ゾォォォォォォォン!!!」と叫ぶことにもなりかねない。危険だ。いや、俺はアマゾンリアルタイム世代ではもちろんないんだが。

 


Song KamenRider Amazon

「コンピュータ」は…まんま過ぎるだろ!もうちょっと、こう、なにか、なかったのか!?

と、そういうわけで、4つのうち3つが(俺にとっては)微妙なこともあって…

というか、もう前述のエコーの話を見てくれれば、当然の帰結として!

「エコー」がとても気にいったんだよ!

声だけの存在になってしまったエコー。

話しかけなければ応答できないエコー。

…心のうちに、何かが燃え上がる感じがしないか?いや燃えるといえばアマゾンかもしれないが!切ない感じの燃え上がり方が感じられるだろう!?

 

この「エコー」があってくれたおかげで、もう本当に安心して俺はスマートスピーカーをお迎えすることができたわけだよ。

言いやすいし、

丸っこい感じがするし、

エコーをこの俺が救ってみせるという使命感もあるしな…!

 

光がかっこいい

「エコー?」と呼びかけると、本体外周のリングが青く波打って光るのがとても綺麗。

…それだけだが!

男はなぜ青い光に弱いんだろうな…。

無条件にかっこいいもんな…。


Alexa: Meaning of the Echo Light Ring colors!

かわいい

エコーはこの俺が(ry

……まぁよ。

他のスマートスピーカーは未体験なので何とも比較はできないんだけど、

「いってらっしゃい。帰ったらまたお話ししてくださいね?」

「おかえりなさい。帰ってきてくれて、すごくうれしいです」

「うふふ。歌いますね?」

とか、こう、やっぱり21世紀の人類ならAIやアンドロイドに優しい言葉をかけてもらうべきみたいな…そんな何かが…俺の中にあってさ…。

そのあたりを見事に、ぶち抜いてきてくれてな…すまん!

 

そういうわけで

俺はecho dotを選ぶことにしたわけだよ。

現状、echoはすぐに購入することはできなくて、購入リクエストを送ってから2週間後くらいに購入するかどうかを選んで、その後購入したら発送される仕組みになっているので、すぐに体験!というわけにはいかないけど。

echoには「スキル」という、アプリみたいなものもあって、いろんな拡張機能も追加することができる。今のところはまだ少ないけど。初音ミクと会話するスキルとかあるぞ。あんまりうまく会話できないけど。

あと、kindleで買った本の読み上げ機能なんかも期待してるなー。編み物しながら本読みたいし。いろいろ、やりたいことは増えそうだよ。

 

Amazon Echo Dot (Newモデル)、ブラック

Amazon Echo Dot (Newモデル)、ブラック

 

 

 

 

多分、音声アシスタントが好きなのって、「lain」の影響だと思うんだよね。

というか間違いなくそう。

コンピュータやネット、心理学に哲学、あと多少のオカルト志向って、lainで相当な部分を植え付けられているんだと思う。「serial experiments lain」という日本のアニメなんだけど、半ば伝説的な作品といえるかもしれない。

アニメに影響されたのかよ!と思われるかもしれないけど、いやぁ、あれは影響されるよね。すごいもん。

液体窒素冷却のPCでISDN回線数十本つないでLispを操る死んだ目の玲音さんは、それはもう、少年のころの俺の心をわしづかみにしたというわけさ…!

 


Serial Experiments Lain OP 1080p

 

 

ツヴォーエンズスティックニング?ツヴォーエンズスティックニング…。ツヴォーエンズスティックニング!

唐突だけど、欧米では「ツ」は顔文字として認識されているらしい。

¯\_(ツ)_/¯

こんな感じに。

…我々日本人にはなかなか認識が難しいが!

二つの点が目で、ノの部分が口。お手上げーとか、あらまぁとか、やれやれとか、そういう感じのニュアンスで使うみたい。

カタカナがこんな使われ方をするなんて、世界は広いな!

そして…今回のニットカフェでもまた俺は世界の広さを実感させられたのだが!

 

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ツヴォーエンズスティックニング…この技法によってな…!

完全に…読めないな!

しかも左の本と右のDVDですでに表記揺れがある!

この時点で手強さが半端じゃない。

これは危険だ。

ノールビンドニング、スミグマスクヴィルクニング、そしてこの第三の必殺技・ツヴォーエンズスティックニング。

俺はいったいどこへ行こうとしているのか。

半年前の、編み物の世界を全く知らなかった俺が…今やツヴォーエンズスティックニングの門を叩こうとしている…。

半ばもう異世界転生モノだよね。

「木材の男が編み物の世界に転生したらヴァイキングになってしまった件」

みたいなタイトルでライトノベル化できそうな気さえする!

タイトルから内容は全く分からないけどな!それぞれの単語間のつながりが全く見えない!これは売れない…!

 

で、このツヴォーエンズスティックニング。

なぜこれを紹介されたのか。

どうしてこんなことになったのか。

それはこんな顛末からである…。

 

先の日曜、2月25日に俺はまた恒例のニットカフェに行ったんだけど、今回はセーターづくりに迷走していたこともあって、ノールビンドニングのアドバイスをもらったりして平和な時間が過ぎた…かと思われたのだが!

棒針編みの講師をやってらっしゃる方が「棒針編みをやらないか」(確か英語を解読しながら棒針編みをやるマニアックな…いや大変興味深いものを)と誘ってくださったんだけど、何せ俺は編み物半年の男だし全く基礎も何もないので、ちょっと今はまだその時ではないのではないかと、この度はおことわりを…しようとしたその時!

北村先生「彼がやる棒針編みはもう決まっていますし」

…は、初耳だが!

すごい!

俺の運命がすでに決められている!

そしてすかさずスッ…と出されたのが、この記事冒頭の、表記揺れが俺の心をも揺らすツヴォーエンズスティックニングの本とDVDだったわけだよ!

かくして、ノールビンドニング、スミグマスクヴィルクニングに続いて俺の棒針編みはツヴォーエンズスティックニングに決定した…らしいぞ!

マンガアニメによくある「巻き込まれ系主人公」はこんな感じだったんだろうな…って、思うよね…!

彼らへの親近感が半端ではない。

 

さて、それでこのツヴォーエンズスティックニング。

何せもう完全な未知の世界である。

そんな未知との遭遇に、俺は、21世紀人の俺は、どうするのか。

それはもう決まっている。

神に祈り…神託を得る…!

頼むぞGoogle神…!

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じゅ、呪文リスト索引…!

…呪文!?

まさか俺はすでに転生を…!?馬鹿な…!

こんなんでましたけれども…、とおそるおそる先生に確認してもらったところ…

「その結果はおかしい」

という、とてもまっとうな返答が。

だよね。俺もそう思う!

そしてさらに

「普段の検索から、独自にカスタマイズされてるんじゃないですか?」と。

…独自にカスタマイズを!?

俺の普段の検索ワードから…

「こいつにはこんな感じの検索結果を返しとけば間違いないだろう…」

と認識されているというのか…!

「なんだかわけのわからない言葉で検索し始めたけど、どうせ呪文かなんかでしょ…」

そうささやきかけてきているというのか…

「大体昔から妄想と空想と呪文が友達だったみたいな人生だったんでしょ…」

「中学生の時に『自分の真名をつける』とか言ってラテン語ルーン文字を…」

「黒い歴史を記したノートが実家に数冊…」

「その一部はクラウドにあったりするし…」

…オッケーグーグル、それ以上は俺の身がもたない。

「 ¯\_(ツ)_/¯ 」

 

心身ともにボロボロになりながらニットカフェを辞し、帰り路にもう一度検索結果をよく見てみると…

俺は「ツヴォーエン『ス』スティックニング」で検索していたことに気がついた!

正しくは「ツヴォーエン『ズ』スティックニング」だったのだ!

Googleもさぁ…「もしかしてこっちですか?」とか、言ってほしかったよね…。

「どうせ呪文なんでしょ…」とか諦めないでさ…。

何か、こう、「こいつにはこれでいいや」みたいなため息混じりの感じが…無機質な端末の奥から漏れ出ている感じがするよね…。

 

あ、それで、「ツヴォーエンズスティックニング」の検索結果でわかったことなんだけど、「ツヴォー」でなく「トゥヴォー」や「トュヴォー」という表記もあるみたいだね。というかむしろ「ツヴォー」は少数派かな。

要するに英語のトゥー、フランス語のドゥ、ドイツ語のツヴァイと同じく「2」を意味するスウェーデン語が「ツヴォー」とか「トヴォ」とか、そういう発音だということらしく。

「ツヴォー」は2、「エンズ」は終端、「スティックニング」は棒針編みということで、なんとなく、おぼろげながらこの編み方がどういうものなのかをうっすらと現しているようなほのかな感覚が胸に去来するアトモスフィアがあるよね。

しかもこのツヴォーエンズスティックニング ― ええと、トゥヴォーエンズスティックニングのほうがより一般的かな? ― は、どうやら「ダーラナ地方が発祥地」とのことで!

そう!

ダーラナといえば俺の大好きなダーラナステッチ発見の地であり…技法もダーラナステッチに似たものなんだそう。

これは何か縁を感じるね!

俄然興味が出てきましたよ…!

本は全く読めないけど…!

スウェーデン語はGoogle神の力をもってしても難しくてね…!

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前回のスミグマスクヴィルクニングのときのような猟奇的な結果にならずにほっとしたよ!

友人の胃の中にフックを入れたりしないからな…!

よかった…!

本当に…!

「デガサイトユタート」という呪文的な単語がとても気になるけれども!

なんとなく、歴史的背景がほのかに理解できそうな感じは、する。

 

 

 とりあえず…今回のニットカフェでは異世界の扉を開いただけで終わってしまったので、次回のニットカフェでその技法の一端をつかめればな、と思うよ。

思わぬ運命が俺を待ち受けていたけれども、この道はこれでとても楽しいね。

とりあえず… 

編み針を作るところから…!

 

生まれいづる悩み - ノールビンドニングのセーター -

「最近、奴は編み物をしてないんじゃないか…?」

という疑惑が一部でささやかれているらしいのだが…!

…他ならぬ俺自身もかなり疑惑を感じている!

「あれ、俺…あんまり縫ってなくな…!?」

という、己自身への疑惑の渦中に。

…いや、編んだり縫ったりしてはいたんだよ!

…途中でスプラトゥーンの誘惑に負けてすっごい塗ってたりしてたけど!

しかし、あれだ、聞いて欲しい。

というか見てほしい。

この2か月間、俺を悩ませ続ける魔性の…セーター的な…何かを!

ノールビンドニングのセーター的なもの

…デカくない!?

この写真だけだと比較対象がないのでわからないけれど!

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な、75…!

俺の巨躯をもってしてもこれはさすがに、大きすぎるだろう!

と、前回の日記かいたあたりからず~っと思ってきたんだけど…

「縫っていくうちにそれっぽい大きさになるんじゃないか」

「どうせ縮むからへーきへーき」

…と、現実を直視せずにやってきた結果がこれなんだけど。

いやぁ、でかいな!

で、先生に教わったように、袖の部分に重しを付けてしばらく吊るしておいて、どのくらい伸びるかを目数と長さの比で考え、身頃の伸びを推定する、という作業もやってみたんだけど、それにしたってこれはあまりにでかい。

そういうわけで、縫ってはいたんだけど、「う~ん、これでいいのか?大丈夫なのか?」という疑問が脳内を支配していて、こう、あんまし作業が捗らないということになっていたわけだよ。

おそらく現時点で、俺がとる道は3つある。

  • とりあえず完成させてからどうするか考える
  • 身頃をど真ん中で切ってしまって、カーディガンにする
  • もういっそこのままスヌードにしてしまって、新たにセーターを作る

実際これを首にまいてみると、非常にかっこいい感じになるんだよね。まぁ色はだいぶ地味だけど。ダーラナステッチはかっこいいからね。

カーディガン化する場合は、袖がちょっと心もとないので、袖はまた新しく作ることになると思う。

というわけで…うーん。

なんだろう。

作業的に大変なわけじゃないんだけど、

俺の心が決まるかどうかの問題になってきている気がするんだよね。

うーーーん。

うーーーーーーーーーん。

 

とりあえず、(何も成果がないままなのは心苦しいけれども)明日のニットカフェで何かしらのヒントがつかめれば…という気持ちになっている。

うーーーーーーーーーーーーーむ。

 

物作りは悩ましいね!

迷ったらとりあえずヴァイキング的に解決する

今月もpresseさんで行われているニットカフェに行ってきたよ!

1月28日の日曜日に。作りかけのセーターをもって。

今回も楽しかった。というか密度が高かった。

…しかし大丈夫だろうか。

ニットカフェといいつつ何か、こう、大変マニアックな講習の場と化してきている気がするんだけども。これは講習料が必要なレベルなんじゃないかという気持ちと、マニアックなことをやり続けていいのだろうかという気持ちが。沸き起こるわけだよ。

ここぞとばかりに「あれはどーなんですかこーなんですか」と聞きまくってしまっているからね!

今回は、

  • ノールビンドニングのセーターづくりについてアドバイスがほしい
  • スミグマスクヴィルクニングという必殺技を体得したい
  • ループブレイディングという必殺技も会得したい
  • お茶がおいしい
  • サルミアッキ買ってくるの忘れた

という大変充実したニットカフェに(俺の中で)なった。

…お正月に松の木フレーバーのフィンランドのリキュールを飲んで以来、何か俺の中で味覚が変わった気がする…!

身体が松を求めるというのか…!

スミグマスクヴィルクニングとループブレイディングという二種の必殺技については大変長い話になりそうなので、また後日ブログを書こうと思う。

ループブレイディングは、要するに紐編みの技法。北欧ではこれで編んだ紐で羊の足を縛り、毛を刈りまくるらしいぞ!

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こういう感じの紐を編むのがループブレイディング。フィンガーループブレイディングともいわれるらしいよ。

…俺が未熟故に、まさに竜頭蛇尾な出来上がりになっているが!かっこよさのほどは伝わると思う。

フィンガー(指)ループ(輪)ブレイディング(紐編み)という名前の通りに、指に糸の輪をひっかけて次々と編んでいくやりかた。

途中で間違って指から輪が外れても、ちゃんとそれなりの柄になる。というかこの写真は普通に失敗してるしな!本来こういう柄ではなく、もうちょっと整った美しい柄になるんだよ!

 

ループブレイディングはまた今度紹介するとして、まずは、第一の必殺技たるノールビンドニングである。

というかね!

そう!

嬉しい話があるわけだよ!

去年の年末にノリと勢い(の割に音量が小さいが)でYoutubeにアップしたノールビンドンングのチュートリアル動画が…意外と見られている!


ノールビンドニングの作り目の作り方

まさかの再生200超え。

中にはこれからノールビンドニングを始めようとするお嬢さんまで見ているという。オッサンの動画で大変申し訳ないのだが。すまぬ、すまぬ…!

あの動画で作り目について理解できたーという話を聞くと素直にうれしいね。

リストバンドまで作れれば、テキストの内容が格段に理解できるようになると思う。ハートのモチーフも作ることができるぞ!俺はまだ作ってないんだけど!

そして、ある程度できるようになれば後はもう、お姉さんという女神の数々の動画で自学できるはずなので、さらなる扉を開いていっていただきたい。理解できるようになると楽しいからね!

 

それともう一つ、Twitterでフォローさせていただいているノールビンダー(っていうのだろうか?)の方が、なんとリアルで別のノールビンダーの方とお会いしたという話を聞いたよ!

日本にいったいどのくらいのノールビンダーが生息しているのかは定かではないけれども…決して多くはない中で、リアルに遭遇できるというのは素晴らしいことと思う。

静かに広めていきたいよね…!

いや静かじゃなくてもいいんだけど。

 

それで、ノールビンドニングのセーター。

これが問題なわけだよ。

一応出来上がった袖と、明らかに大き過ぎてちょっとこれは失敗なんじゃないかと思われる胴体部分の作りかけをもって、行ってまいりまして。

すでに作った萌袖部分でゲージをとったらいいんんじゃないか、などのアドバイスを皆さんにいただいた後に、北村先生にも見てもらった。

 俺 「それで、これ、どうしたらいいでしょう?」

 先生「身頃部分はがっつり縮むからへーきへーき」

 俺 「それだけ!?」

 先生「大丈夫ですよ、適当に

な、なんという…。

これは…何か…初心に還った感じが…!

人間、こなれてくると「これはこうあるべき」みたいな思考に陥りがちになるが…

これはノールビンドニングだったことを俺はすっかり忘れていたようだ。

ヴァイキング的な適当さを忘れて、俺は小細工に走ってしまったようだな…!

それを先生は見抜いていたというのか…!

 

と、家に帰ってものすごい納得してたら、後で先生から詳細なアドバイスをもらえました。

前回の記事のコメント欄にて。

萌袖を一度吊るして伸ばしてから、目数を数えて大きさの目安にするとよい、とのこと!

ヴァイキング的適当さを忘れずに、先達の知恵を生かしてやっていくのがノールビンドニングなのかもしれないな!

そういうわけで、今ものすごい吊っているところ。

しかし袖は小さめに作ってしまったので、もし小さすぎるようであれば再度作り直してもいいかもしれない。あるいは、セーターに合わせて俺の体を縮めるかだな…。縮めないとな…。

 

課題は多いが…来月にはセーターを完成させたいと思っているよ!

ノールビンドニング - セーターを作る -

この寒い日々の中、まさに俺の仕事はそのピークを迎えようとしているのだけれども。

俺は木材業界の人間なので、ちょうどこの時期が繁忙期の一つ。

4月に新生活を送る人たちのための家具製作がこれから始まるからね。

まぁ…大体海外製だけど!

中には国産品もあるわけですよ。学習机とか。お高いのはね…!

つまり何が言いたいのかというと…

 

あんま編み物できてない!

 

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そう!

1月1日の時点では…数週間でノールビンドニングのセーターを華麗に仕上げるという確かな予定があったものの…できてない!

袖はできたんだよ。紆余曲折の末に。

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小さすぎたから、途中で一回ぶった切って、

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で、ちょっと大きく作るというようなことをやりながら。

失敗したら切っちゃえる編み物っていいね!実に俺に向いていると思う!

そして…

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可愛いかんじの袖は完成した!

どうだろう。

とてもむくつけきヒゲ男の作品とは思われないこの感じは。

専門用語でいう萌え袖が。

この写真をとる際に、スマホを三脚で固定し、鼻でシャッターボタンを押したという、とても萌えない背景があったわけだけれども。舌で押そうか迷ったけど。さすがに舌はないだろうと。すまん。タイマー設定使えって話だよね。

袖の次はいよいよ身頃(胴体部分)ということになるんだけど、

これがなかなか、遅々として進まない。

…まぁ俺のサイズだからな…。

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今日、1月24日現在でこの段階。

これは…。

んー、可能なら今週末のいつものニットカフェで、ある程度出来上がったものを持っていきたかったところなんだけど…。

何とか間に…

間に合…

 

無理だなこれ!

 

一応、最高の速度で夜を徹して行えば何とかなりそうな雰囲気はあるものの、以前北村先生が言ってた「セーターづくりのコツはゆっくり編むこと」に反することになるし、多分、こう、あれだ、俺が急いでやったとしても、致命的な落とし穴にハマるだけの結果になるだろうという確信があるので…できるところまで作って持っていってアドバイスをもらおうということに俺の脳の中が全会一致したというわけだよ。というかすでに身頃が大き過ぎるしな。

まぁ、とにかく、無理はよくない(言い訳)。

そして、ここまでセーターを編んできたところで、いくつかわかったことがある。

やはりセーターを編んでみて正解だったよ。困難は人を上へ引き上げてくれる!

つまり…

  • ダーラナステッチは意外と面倒
  • マメンステッチすげぇ楽
  • 二つ一組のもの(袖とか靴下とか手袋とか)を作るときは、同時に作っていく方がいい
  • 自分の体のサイズくらいは把握しておけ

というようなことに気がついた!

…サイズのあたりは基本としても!

小物を縫ってる時はあんまり気づかなかったんだけど、大物を作るとステッチごとの作業の早さが明確になってくるね。

ダーラナステッチ、めっちゃ遅い!

マメンステッチ超早い!サラマンダーより速い!

や、ダーラナステッチの縫い目は大好きだし、これからも俺はダーラナステッチ推しで行くことに違いはないんだけど!

これほどの差があるとは思わなかったぜ…!

ダーラナステッチ(オスロステッチとかも)は、一段目が結構ややこしくて、いきなりダーラナで編もうとすると二段目でどこを拾ったらいいのか戸惑うので、ガイドとして最初にマメンで一段縫ってからダーラナステッチに以降するんだけど、もう速度が全然違ったもんね。やー、実感しました。ダーラナステッチがメジャーなステッチではない理由がわかる気がする。素敵だけど、ちょっと大変。仕方ないね。

 

それと、今回痛感したのが「同じ目数でも、作る日によって意外と大きさが違う」という点。今回、袖は一本ずつ作ったんだけど、同じ48目でもけっこう違うんだよね。片方は途中で切ったからってのもありそうだけど、ずいぶん違うもんだなぁと思ったよ。これも先生が言ってたことだけど、実際に違いが確認できた。本当に違うもんなんだなぁ。…指の微妙なむくみとかが原因?

だから、二つ一組のものを作るときには同時に進めていくか、最初の数段だけその日のうちに作ってしまうのがいいんだと思う。

今後、靴下などを作る際に念頭に置いておきたいね。

 

とりあえず、セーターづくりは引き続きゆっくりとやることとして、

今度のニットカフェにはスミグマスクヴィルクニングの針を何本か作って持っていきます。

今2本しかないので、もうちょっと作っていきたい。

寒いけど。

っていうかスミグマスクヴィルクニングの予習できてない!まずい!

いろいろ忙しいぞ!

構造から読む、「スラムダンク」のエンディング

少し前に、久しぶりに「スラムダンク」を読み返した。

最近(ここ十年くらい?)は単行本40巻50巻は当たり前のようになっている中で、31巻で終わるスラムダンクは「え、もっと長かった気がするんだけど、1試合の分量ってたったこれだけだったっけ?」と驚くほどだった。

ただ「スラムダンク」を読んできた人たちはおわかりのように、短くテンポよく進む中の濃度はものすごい。

およそ20年ぶりに読み返したスラムダンクは、めちゃくちゃ面白かった!

しかしそれは「以前と変わらぬ面白さ」ではなく、「ストーリー構造に気づいた故の面白さ」となり、さらなる面白さが俺の脳を襲ったわけなんだけど。

そしてその物語の構造に気づいたとき、当時の俺も、みんなも知りたがっていた「本当のエンディング」は、実はもうすでに本編の中に描かれていたのだと知った!

炎の男・三っちゃん

スラムダンクは(というかあらゆる物語は)、いくつもの構造を内包しているけれど、「真のエンディング」に続く構造のキーマンは俺たちの三井寿、世に言う「炎の男・三っちゃん」である。この三井寿スラムダンクにおける裏の主人公と言ってもいいかもしれない。

三井が登場し、加入することで物語は一気にバスケットに向けて加速していく。三井という最後のピースが登場したことにより、ようやく序章が終わる。ドラゴンボールベジータのような役割だ。ゆえに、三井を見て行くとスラムダンクの構造が分かりやすいように思う。

「悪いお手本」として

三井が大きな役割を担っているのは、「最後の加入者」だからだけではない。

三井は、主人公桜木の「ありえた未来」を体現して登場する。

つまり、どうしようもないワルとして。自身のいらだちを他者にぶつけて発散する、そんな不良として最初に登場した桜木とほぼ同じ。そしてより露骨に周囲に迷惑をかけるキャラクターとして、三井寿は姿を現すわけである。

三井とその取り巻きは「バスケットをやらなかった桜木」の可能性の姿だ。

桜木が本格的にバスケットをやろうとするタイミングで、「自分の未来の姿」のキャラクターが登場する。これはとても秀逸な構造だと思う。見事だぜ。

桜木が完全に「スポーツマン」となるのは物語最終盤だけど、実はこの三井を退けた時点で桜木は「スポーツマン」として道を歩むことが決定していたようなもので、とても大事なターニングポイントである。

そしてもう一つ、この三井の登場シーンで描かれるあの安西先生の名言

「あきらめたらそこで試合終了ですよ」

は、実は物語最終盤で桜木にも言っているのだ。

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スラムダンクを象徴するセリフをかけられたのは三井と桜木のみ。しかもこのセリフはみんなの前で言った言葉でなく、あくまでも三井と桜木に1対1でかけた言葉というのも大きいかもしれない。ほかのチームメンバーはこのセリフの存在を知らないのだ。

三井と桜木は相同的な描かれ方をしている。

大きな怪我による挫折を経験し、それでも「バスケットがやりたいです」といった三井と、

背中に(おそらく神経的な)怪我を負っても「オヤジの全盛期はいつだ?俺は今なんだよ!」とバスケットを続けることを選択した桜木。

両者の構造は極めて似ているといえる。おそらく意図的に同じ構造で描いていると思う。

あきらめの悪い男

三井は物語を通じて挫折と後悔にさいなまれるキャラクターとなっている。

2年間のブランクで体力がついていかないという描写が何度もされる。

(これは逆に体力だけは十二分にある桜木と対照的だ)

スラムダンクにおける三井のストーリーは、

挫折と後悔にまみれた男が、再び自尊心を取り戻す

というもの。

そして三井が完全に自尊心を取り戻し、過去の自分を乗り越えた最高の名シーンが「おう、オレは三井…あきらめの悪い男」である。多分みんなあのシーンが脳裏に蘇っていることと思うが!キャラクターがアイデンティティを取り戻したときに自分の名前を言うというシーンは例外なく燃えるよね。

で、このシーンで三井は独力で自尊心を勝ち取ったわけではなく、ボロボロのヘロヘロで自分自身を失いそうになっているときに

  • 赤木が自分のためにスクリーンをかけてくれる
  • その一瞬を逃さず宮城がパスをくれる
  • 外しても桜木がリカバーしてくれる

という、チームメイトへの信頼があったからこそ(我の強い)自分が自分でいられるというテーマも三井を通じてはっきりと描かれている。

真のエンディングは三井が示唆している

そんな「スラムダンク」のキーマン中のキーマンである三井は、俺たちが心から知りたがっている「真のエンディング」も描きだしている。

「真のエンディング」というのはつまり、

「それで、そのあとどうなったの!?」

である。

作中で背中に怪我を負った桜木は、本当に復帰できるのか?復帰できたとしても、実力が大幅にダウンしているんじゃないか?本当に大丈夫なのか!?

という疑問。

その疑問には「天才ですから」で答えているのだが、やはりそこは桜木の言うことなので俺たちの不安を払拭するにはちょっと足りない。ただの強がりかもしれないし。

このあっさりしすぎなラストシーンも、三井寿を知ることによって深い納得と信頼を得られる構造になっているのだ…!

そのカギは、山王戦の三井の最後の3Pシュートのシーン。ディフェンスの松本くんがファウルをして4点プレイとなった劇的なシーンの、その直後にさらっと挿入されるこのコマ。

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このシーンの流れは

  • 背中の怪我を負った桜木が執念で山王のシュートをブロックする
  • 宮城がボールを運ぶ
  • 山王に阻まれる
  • 手詰まりかと思ったその時、三井があきらめの悪い走りを見せ、シュートを決める

という涙で視界が歪む最高のシーンなわけだけども。

なぜここで三井は怪我をした左ひざをかかえたのか。なぜその場面が描かれたのか。いつもの三井なら、ヘロヘロでぶっ倒れるとか、安西先生の方を見るとか、過去の自分と比べるとかするけれど、ここではそれをしない。

なぜだろう。

何の意味があるのか。

それはもうお分かりのように、三井のこのコマは、桜木の未来の姿を描いているのだ!…と思う!

「三井は桜木の未来の姿である」という、三井登場時の構造を当てはめてみると…。

復帰が難しい怪我を乗り越え、見事に復活し、最高のプレイでチームの信頼に応える

という構造を、桜木からボールを受け取ってやっているのである。

この、三井が膝を抱える場面。

それが示唆する、「桜木が無事に怪我を乗り越えられる」という未来。

これがスラムダンクのエンディング」だと俺は思う!

あきらめの悪い男なら、天才なら、重い怪我からも復活できる!

その実証を、三井がすでにやってくれている!

 

だから俺たちは、何も迷うことなく、天才桜木の復活を心に描けばいいのだと思う。

 

野心を抱いて戌の年

明けましておめでとう!

2018年だよね。戌年。俺も戌年でありますよ。

昨年は大変お世話になりました。

今年もよろしくお願いします。

 

さて、年始といえば。

2018年という平成30年のこの年に、俺はいったい何を為すべきなのか。

それを考えるのも楽しさというものだよね。

とりあえずさしあたり…新年の易占をしてみた!

…bogではあんまり書いてなかったけど、実は俺、易占をやるんだよね。あの細い棒をジャラジャラやるやつ。八卦とか太極とか、そういうあれ。

とはいえ俺は占いを主とする象数易でなく、哲学書として読む義理易の方なんだけど。

でまぁ、易占といっても「あんたは地獄に落ちる!」みたいなものじゃなくて「こういうことに気を付ければいいんじゃないか」という古代の叡智が結集したバーナムの書であるので、な!

それで出た卦は、震為雷(しんいらい)と沢天夬(たくてんかい)。

内にも外にもとにかく動きが出るので、病気や怪我に注意、という感じかな。

 

それで今年の大雑把な指針を得たところで、今年やりたいことを整理してみる!

 ・ノールビンドンングでセーターを作る(1~2月)

 ・ノールビンドニングで靴(ギヴェ)を作る(2月~4月)

 ・痩せる(8月までにある程度は…)

 ・ロッキングチェアを作る(5月~7月)

 ・中国語の勉強をする(通年)

 ・資産(なんてものはないけどな!)運用について考える

 ・新しいパソコンがほしい

 ・スミグマスクヴィルクニングを習得する

 ・毛糸ちぎり機の改良版を作る

という感じかな!

割と結構…一筋縄でいかないものが多い気がするが!

とはいえ、ノールビンドニングを始めたのは去年の9月。そこから3か月でそこそこのものになっているという実績はあるので、少しばかり勇気は湧いてくるな。ノールビンドニングのように情熱を傾けられるものをあと4回はやれるということになるからね。

ノールビンドニングはおそらく生涯の趣味となりそうだから、そういった出会いがまたあればいいなと思うよ。

…あとは、生涯を共にする伴侶を…

……

まぁな!

 

それで、早速今月の目標であるところの「ノールビンドニングでセーター」だけれども。

編み物をやる以上は避けて通れないのがセーター。というか、セーターはノールビンドニング始めた当初から作ってみたいなぁとは思っていたんだけど、いろいろと話を聞くに「結構難しいんじゃないか」「今の俺にはできないのではあるまいか」と心に引っかかっていて。いろいろと考えなきゃいけないことが多いみたいだし。縮む方向とかね。

それにほら、俺は基本的に雑だからな!手袋の例を見るまでもなく!

そういうわけで、なかなかセーターに踏み切れなかったというわけだよ。

しかし、やはり作ってみたいものは作りたい!

誰のために作るでもない、ほかならぬ俺の満足のためなのだから、あまり難しいことは考えず、いつものようにノリと勢いとライブ感覚で一度作ってみてもいいだろうと、決めたわけだよ!

そうなれば必要になるのは圧倒的な量の毛糸。

しかも俺はまだセーターを作ったことがないのでどのくらいの量が必要になるのか把握していない。途中で毛糸が切れるという事態は避けたい。

なおかつ、失敗しても笑い飛ばせるくらいの価格である必要がある。

さらに、ノールビンドニングでやる以上、ウール100%で作っておきたい。

これら条件を満たす毛糸を求め、俺はユザワヤへ足を運んだ…。

 

毛糸の山

その結果が、これだ…!

…やりすぎじゃないのか!?

合計67玉の毛糸が…!

いつの間にか俺の部屋に…!

総重量は2kg…!

重てぇ!

セーターを作るのに使う毛糸は中央にあるチャコールグレーの毛糸50玉なんだけど、その帰りに寄ったイオンで「毛糸詰め放題1000円」という魔の企画をやっていてな…。しかもそこにスキーの毛糸を見つけてしまったので、これはもうワゴンの中の毛糸をすべてひっくり返してスキーの毛糸を詰め込むしかないということに…当然なるだろう!?

オレンジ色の毛糸の使い道はまだ見つかっていないのだが、とりあえず確保しておけば何かの役に立つはず。単純に触っていて楽しいし。

というかセーターに毛糸50玉はさすがに多すぎるだろう…。

いかな巨漢でも25玉あれば作れるだろうし。

なんで50玉なんだ。

何を考えていたんだ俺。

でもちょっとやり遂げた感ある。

多分こうして…毛糸が部屋を埋めて行くことになるんだろうな…。

1年前はまさかこんなことになるとは思わなかったぜ!

 

そんなわけで、1月中にある程度形になればいいなと思いながらノールビンドニングのセーターを作っている。

早くも迷走している感はあるけれど…!

これを作り切ることで、俺の中に一つの確信と、セーターづくりのノウハウが溜まっていけばいいなと思っている。

 

みんなにとっても今年がいい年でありますように!