ラブライブのパネルの問題は記号的表現の認識の違いが原因だと思う

ラブライブ!サンシャイン!!」キャラクター・高海千歌が沼津のJAとコラボしたパネルが「性的である」として炎上した件について。

…と言うか、宇崎ちゃんのポスターとか、それ以前にもあった、いわゆる「公共の場に不適切」とされるアニメマンガ的な表現にかかるいろんな問題について、ちょっと考えを書いてみたいと思う。

思いついたときに書かないと忘れてしまうからね…!

 

「あの問題」には二つの視点がある

「あの問題」を一体なんと表現すればいいのか、ちょっとなかなかうまい表現が見つからないのだけれど…。

「不適切な公共掲示の問題」とか書いてもそれはそれで何か違う気がする。

ともあれ、まぁみんなご存じの「あの問題」(とそれにかかわる周辺の問題)には、実は視点が二つあるのがこじれる原因なのではないか、と思う。

「あの問題」にはフェミニズムがついて回ると思われるかもしれないが、おそらくフェミニズムはあんまり関係ないんじゃないかと思う。

「あの問題」はとかく「フェミだ」「お気持ちだ」「まなざしだ」とか、「性的搾取だ」「煽情的だ」「差別だ」と、攻撃力の高い言葉が飛び交う。それに釣られて、何となく「あの問題」を扱うには棘付き肩パットとかモヒカンとかスパイクアーマーとか装備して世紀末デスロードテンションで挑まねばならないような錯覚を起こしてしまう。

しかしそこまでせずとも、「あの問題」を解釈することは可能だと思う。そう信じさせてくれ。

 

で、ひとまず攻撃力の高いテンションからは少し遠ざかって、「アニメマンガ的なイラストを、人はどう見るのか」を考えてみたい。

最終的には、

「あの問題」を見る視点はおそらく二つある、その認識の違いが摩擦を起こしているのであって、どっちかを攻撃して撃退すれば解決と言う問題じゃない

という話をしようと思うのだ。

 

共通認識があるから、キャラクターたりえる

characterという英語は、「特徴」という意味のギリシャ語「kharakter」に由来する。また、kharakterから派生したkharasso(刻む)の意味も含むので、characterは「記号・特徴」のほかに「性質、その人の身分、刻印、形質、文字」など様々な意味をもつ。

原義を考えれば何となくニュアンスはわかると思う。「それそのものズバリではないけれど、それを表すもの」という言葉だ。イラストで描かれた人物や動物を「キャラクター」というのも、「いろんな特徴、要素を集めて形にしたもの」だからキャラクターなのだろう。

アニメやマンガに限らず、彫刻でも油彩でもなんでもそうだけど、「何かを創造しよう」と考えたとき、人間はまずはこの記号を想起するところから始める。

例えば、「かわいい女の子」「強いロボ」「世紀末の男」を描こうとしたら、現実にいる美人やグッとくるメカだとかヒューマンガス様をモデルにして、その要素を分解し、「俺はどの要素をかわいい/強い/世紀末と感じているのか」を整理する。

そしてその要素(記号)を再構成して、「キャラクター」を生み出すというわけだ。

トゲがあると強そうだ。ミニスカートはかわいい、青い色は男の子っぽい、バイクで荒野を疾走させよう、ロックンロールのアヤトラにしよう、など、自分の脳の中にある材料を使って描いていく。

そしてここで欠かせないのは、そのイメージは、その文化圏においてある程度みんなに共通している認識である必要があるということだろう。

さっきから「ヒューマンガス様」とか「ロックのアヤトラ」とか「世紀末デスロード」とか俺が書いているのが全く伝わらない人がいるように、みんなが共通して想起する要素でなければそれは記号として成立せず、自己満足の伝わらない何かになってしまう。

でも、マッドマックス界隈の人にはばっちり通じる。V8!V8!と突然言い出しても大丈夫なのだ。それが共通認識の面白さであり、危うさでもある。わからない人には通じない。白旗を挙げても逆に激しく攻撃される、そんなこともあるのだ。この宇宙のどこかの星系には。

 

小学校の頃、太陽を黄色く塗ったら「太陽は赤でしょ」と先生に言われた、みたいなのもこの記号の話になる。太陽は赤い、という共通の記号を使った方が、(まぁ一応)万人向けになるのだ。

「いや…そもそも太陽はシアンの光子を最も多く放出しているので、太陽は青く描くのが正しいはずだ…!」とか言ったって「いや、それは共通の認識じゃないから…」となる。

 

もちろん、この「共通の認識」は絶対に正しいものではない。共通認識は移ろうものだしね。昔は「青は女の子の色」「ピンクは男の子の色」だったって言っても今はあまり信じられないだろう。赤はキリストの色、青は聖母マリアの色で、赤系は男性の記号、青系は女性の記号だったのだ。不思議の国のアリスも青い色の服を着ているでしょ?ミッキーマウスは赤い服、ミニーマウスは青い服。昔のキャラクターの色を見ていくのも面白いかもしれない。

アーティストや芸術家は、この共通の認識を打破しようとしている人、と考えるとわかりやすいかもしれない。「みんなが想起するいつもの共通認識」を「いや、俺はこう表現する」と再定義する人。そう考えると、複雑な現代美術の鑑賞法もわかってくる。

偉人とは、万人の共通認識を変化せしめた人と言うことができるかもしれない。その人の登場以前以後で流れが完全に変わった人。どの分野においてもね。

 

色の話に戻るけど、イエス・キリストを描いた絵画があったら、とりあえずイエスさんの着ている服の色に注目するといい。だいたい赤い服を着ている。そして、逆にイエスさんが赤い服以外を着ているとなったら、おそらくそこには何らかの意図が潜んでいるとみて間違いない。それを調べるのも面白いと思う。

例えば、レオナルド・ダ・ヴィンチイエス・キリストを描いた「救世主(サルバトール・ムンディ)」という絵がある。

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幽玄たる双眸にいろいろと持っていかれそうになるすさまじい絵だな…!

吸い込まれそうな両眼から、勇気をもっていったん目線を外し、このイエスさんの着ている服を見てみよう。

青である。

つまり、青い服を着せる特別な意味をダヴィンチは持たせたことになる。

実際、このダヴィンチの絵を基にして描かれた絵はたくさん残っているのだが、それらはいつもの赤い服を着たものが多い。

完全に青一色の服を着ているイエス・キリストは、極めて珍しいのである。

そして、この絵のイエスさんの胸元をよく見てみると…どことなく女性的な感じがする。何となく、乳房があるような気がしてくる。

「いや、これは逞しい漢の大胸筋だぜ…」と思う人ももちろんいると思うけど、青は女性の色ということも考えると、女性的な体つきをしているように見えるというのにも理路がある、と言えるだろう。

ダヴィンチの弟子はこの絵を基に、さらに女性的に描いているので、「何となく女性に見える」というのは共通認識に近いのではないだろうか。

しかしこの絵は本当に好きなんだよ。どこに焦点を合わせていいか混乱してくるのがすごい。「イエス・キリストを、見ようとすればするほど見えなくなる」と俺は解釈している。髭が生えているようにも、女性にも見える。顔の左と右が別人に見える、持っている水晶が全くレンズになっていない(ダヴィンチなら絶対にレンズになっていることに気づいてるはず)…などなど。この絵を前にした時、次々と想起するものがある。本当に素晴らしいな。いつかは実物を見てみたいと思うのだけれども。

 

さて、長々と書いてしまった。

 

そういうわけで、「あの問題」のポイントは、これら共通認識=記号になると思う。

共通認識=記号を、どのように扱い、どのように受け取るのか。

それが「あの問題」の問題であるはずだ。

フェミニズムは付随するものに過ぎない。コアはこの記号論であると思っている。

 

 

目的に合わせて記号を選択できているか

さて、「あの問題」を考えるにあたり、大いに参考になるのが先ほど書いた「太陽を赤く塗らせようとする先生」の話。むしろこれで全部片付くかもしれない。

(学校の先生たちを揶揄する意図はないよ!)

黄色い太陽、是か非か。

これはなかなか深い。

まずは各論を整理しよう

 ・太陽は赤と相場が決まっているから、正しい表現で描くべき!

 ・実際黄色く見えるんだから黄色が正しい!子供の感性を奪うな!

 ・太陽は青なんだよ!青く塗れ!それが正しいからな!SUN IS BLUE!

だいぶ攻撃力高く書いてしまったので、もっと整理しよう。

 ・多くの人の共通認識に合わせて、伝わりやすいように描くべき

 ・共通認識が正しいとは限らない、現実に即した表現を模索すべきだ

 ・共通認識など知ったことか!俺は俺の道を行く!青く塗れッ!SUN IS BLUE!(共通認識に振り回されず、より厳密な表現、オリジナリティのある表現をすべき)

SUN IS BLUE的な過激派はどこにでもいるけれども…!

この3つの主張は、どれが正しいということはない。

どれか一つだけにしてしまうと困ったことになってしまうからだ。

具体的には、

  ・多くの人の共通認識に合わせて、伝わりやすいように描くべき

    →人種差別などの表現が是正されにくくなってしまう

  ・共通認識が正しいとは限らない、現実に即した表現を模索すべきだ 

    →看板や標識など、変わりにくい共通認識が必要とされる場合がある

  ・共通認識に振り回されず、より厳密な表現、オリジナリティのある表現をすべき

    →一つひとつ解釈していかねばならないので、見る側のコストが大きい

となる。まぁ当たり前のことではあるのだけれど。

だから、「太陽を赤く塗らせる先生」は、「とりあえず、万人に伝わる表現をすることを学びなさい」と教えているのかもしれない。だったらそう言ってくれ!と言うのは置いといて。

デザインは基本的には太陽を赤く塗るジャンルだと思っている。かつて話題になった、セブンイレブンのテプラだらけのコーヒーメーカーの例もある。格好悪くても、HotとかIceではなく「あったか~い」「つめた~い」のほうがいいこともある。太陽を赤く塗ったほうがいいことも、多いのだ。

出来ればかっこいいデザインのほうがいいけど、でも「まずは分かりやすく、そのうえでかっこいい、両者の合理的なラインを模索する」のが一番だと思うのだ。

 

標識、案内表示、説明書のように、万人に通じる記号を重視するか

芸術表現のように記号に囚われず独自の表現をするか

これはそれぞれ対立するものでは決してない。ただ用いるフィールドが違うだけだ

「あの問題」も、正しいか正しくないかではなく、用いる場所と用い方を間違ったと考えるべきと思う。

それに人間はだれしも、共通認識を無意識的に使い分けている。

赤い太陽、黄色い太陽、青い太陽を使い分けて俺たちは生活しているのだ。

イラストを記号としてみるオタクたち

オタク…と一言でまとめるのは良くないと思うのだが…ほかに適切な表現が思い浮かばなかった。

つまり、アニメ・マンガ的表現に慣れ親しんだ人たちのことだ。だから狭義のオタクよりももっと層が広い。

言うまでもなくアニメマンガ的なイラストは記号で出来上がっているので、「この記号はかわいさを示す」とか意識しなくても「あ、かわいいな」とか「こいつは悪そう」「裏切りそう」とか何となくわかる。アニメマンガ的な表現内の記号に詳しいのがオタクと言えるだろう。

このオタク的な人たち(悪い意味はないぞ!)は、「あの問題」に対してはどちらかと言うと「問題ないのになぜ排除するのか」という反応を示す人が多いように見受けられる。

オタク的な人は、無意識的に記号を認識するので、それら記号が現実存在に直接影響を及ぼすという意識は希薄だ。

変な言い回しになったけど、つまり、極端なミニスカートの女の子のイラストが好きでも、現実存在としてのスカートが極端に短い女の子を求めているわけではない。

もちろん下劣な例外はどこにでもいるけどね!それを言ったらキリがないから!

アニメマンガ的表現では、「めっちゃ肌が露出した格好をしているのに超恥ずかしがり屋」という首をかしげる存在もたまに登場する。あるいは、「すごい極端に短いスカート履いてるのに清純」とか。

でもそれは記号的に考えると、「かわいさを表す記号」と、「そのキャラクターの性格」はちょっと別なのだ。もちろん、両者の表現が一致するのはウェルカムだけど、「かわいさを表す記号→露出多め」それ自体にそんなに突っ込まない。

「まぁ、そういうもんだ」という共通認識が、オタク間ではあるからだ。

なので、「アニメと現実を一緒にするな」という主張がオタクの側から出てくるのは自然だし、その延長で「あの問題」も、

「記号表現として楽しんでいるのに、なぜそれを現実存在にあてはめるのか」

という反応になる。

「太陽を赤く塗ってるからと言って、本当に赤く見えてるわけじゃないことくらいわかれよな」

ということかもしれない。

 

オタクたちは、イラストで描かれたキャラクターを見たときに、実は「そのものを見ている」のではなく、「そういうものを見ている」のである。

赤く塗られた丸いものを「おぉ、太陽だな」と見ているわけで、実際に黄色だったりSUN IS BLUEだったりすることを重視していないのだ。

フィールドが違うのである。

この、記号的な表現をどう見るか、という話題で最近面白いものがあったので紹介しておくよ!

togetter.comこのまとめの中でも「現実にピンクだよ派」と「表現技法で、実際は茶髪くらいだよ派」がいるので、「オタク的な人たち」とひとまとめにしてはいけないんだけど、そこは斟酌していただくとして…!

 

ちなみに、マンガは誰だって読めるんだから万人に共通するものだ、と思われるかもしれないが、それは違う。マンガを読めない人もいる。分厚い難解な専門書をすさまじい速度で読んでいく人が、マンガ一冊を読破できなかったという話もあるし、最近の子供は漫画が読めない、なんていう記事も見たことがある。

マンガ・アニメ的な表現は、あくまでも子供のころから慣れ親しんでいるから通じるに過ぎない儚い表現であると認識してもいいくらいだろう。

 

 

そしてもう一方の、んーと、難しいな…オタク的な人に対する人たちもいる。

記号的表現と言っても、例えばピカソキュビズム的なところまで抽象化されていないから、どうしても現実存在との関連性が見えてしまう。

 

現実存在---------------------------------------------------------------------ピカソ的な抽象芸術

       ↑

   アニメマンガはこの辺?

 

こんな感じで。

キュビズムの手法でものすっごいえっちな絵を描いても、「けしからん!」とはならない(なれない)。抽象度が高すぎて現実存在とのつながりを感じないからだ。

また手塚治虫などの時代のマンガ表現を今読めば、そんなに現実との関連は見出されないと思う。現代のアニメマンガの表現は手塚時代よりもより現実存在に近づいているので、どうにも「記号的表現だ」と切り離しにくい。

「あの問題」で問題になったイラストはいずれも現実に存在するもの―女性の乳房とか制服のプリーツスカートだとか―なので、より関連性を感じられるというのもあるかもしれない。

これが例えばスーパー戦隊とかウルトラマンのような恰好をしていたら、批判は少ないんじゃないかな。

ウルトラの母とか完全に性的だと思うんだけど、それはまぁ現実存在とは相当遠いからね…!

 

結局、用いる場にふさわしい表現を選択すればいいという結論に

なるしかないと思うんだよね…!

 

オタク的表現が好きな人は、もうちょっとオタク的な人たち以外との共通認識も意識する。

好きじゃない人も、過度に現実とアニメマンガ表現をリンクさせ過ぎない。

 

双方の歩み寄りしか解決はないと思うのだ。

 

ただ個人的に思うのは、アニメ・マンガ的な表現が一般に浸透してきたからこそ、より表現に気を付けるのは重要だと思っている。

今までの表現方法を変化させ、より広い共通認識を得られるようにしていくといいと思う。

「かわいい」という記号を、より時代にマッチさせていく勇気を持った方がいいのかもしれない。

 

映画「山猫」の有名なセリフ

We must change to remain the same.

変わらずに生き残るためには、自ら変わらねばならない。

にあるように、時代が変化を要請するのなら、自ら変わったほうが絶対にいいと思うからだ。

戦争になってしまった結果変わっても、それは間違いなく遺恨を残す。それは歴史が証明している。

 

そして変化しなければなのはアニメマンガ的な表現が好きじゃない人もそう。

かつてロックンロールやパンクが一般化したように、変化を見届け、促し、歩み寄り、受け入れてほしいと思う。

攻撃的な言動では、いかに正しくとも共通認識にはならないと思うから。

 

 

 

 

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SUN IS BLUE!に反論するとしたら、

「宇宙空間の太陽はそうだとしても、人間の目に映る可視光線には限界があるし、地球の大気の影響で赤や緑にもなるよ。それも事実には違いないよ」という感じかな?

 

錫のゴブレットにルーン文字を刻む - ピカールで人生は6821倍豊かになる -

毎年…12月から1月の間は「今年(去年)、買ってよかったものリスト」があちこちのブログで紹介されている。

どれを見ても、「おぉ、俺の生活のレベルがアップしそうな逸品ばかりだぜ…!」

とおののくばかりだ。

その潮流に乗って、俺もこの1月の末に、そのようなものを書いてみようと思う。

 

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それはこれ…!

ルーン文字が刻まれたゴブレットを手にするまでの出来事の話だ…!

まさに中二病発症から20余年、このルーンゴブレットにより、俺の魂が救済される音が脳の中から聞こえてきたというわけさ…!

 

そういうわけで、これを手にした経緯から話そう!

 

誰だってルーン文字に魅せられる

そうだろう?

誰だって!ルーン文字とか!なんかそういう魔術的なかっこいいものに!心奪われたことが!あるはずだ…!

数年前に、北海道は当別にあるスウェーデンヒルズルーン文字を本格的に(と言っても趣味レベルだけどね)学んでから、とりあえず国内で手に入るだいたいのルーン文字関係の書籍を取り寄せたり買ったり借りたりして一通り読んでみた。

いやぁ、面白かったよ!

ネックになるのは、単に「ルーン文字」で検索するとゲームや占い関係が大量に、それはもう大量にヒットするので、体系的な知識はなかなか得られない。「どうせならルーン文字について根本的なところから知りたい」と思っていたので、学術的なルーン文字の本を探したわけだよ。

というわけで最終的な知見として、占いではないルーン文字を勉強したいなら、ルーン文字の世界―歴史・意味・解釈 か、ルーンの教科書―ルーン文字の世界 歴史・意味・解釈のうちどっちか一冊読めば十分だと思う。ちなみにこの2冊の著者は同じなので、よほどのマニアでなければ両方読む必要はなかろうと思う。

これを読めば…「ルーン文字」が出てくるドラマとかゲームとか漫画とかアニメとか小説とか見た瞬間に「ほほう…ルーン文字か…どれ、『いつの時代の』ルーン文字なのかな…!?」などと極めて面倒くさくなってしまうので、そこは自重を促しておきたいところだ。

知識を得て面倒くさい人間になるのは教養人とは言えないぞ!

じ、自戒を込めまくっての話だが!

ちなみに当然ながらルーン文字について知りたい人が日本にそれほどいるわけもなく、この2冊ともすでに絶版になっている。「ルーンの教科書」は2012年出版なのだが…。

どの通販サイトでも値段が1万超えという恐ろしいものになってしまっている。しかし図書館には普通に置いてあったりするので、覚悟を決めて高いお金を出す前にまずは地元の図書館で扱ってないか調べてみるといい。大学の図書館なら存在する確率も上がると思う!

どうしても見つからない、でもそんなにお金はない、という人(俺もだ!)は、北海道の札幌中央図書館に「ルーン文字の世界」は確実にあるので、最寄りの公立図書館に「ほかの図書館から取り寄せをお願いしたいんですが」とお願いするときちんと取り寄せてくれる。この制度は本当に素晴らしいので、是非活用してほしい。

知を求める国民に最大限の努力をもって応えるのが図書館の使命だからな…!

中央図書館からの取り寄せだと、俺が読んだ本がそのままそっちに行くと思う。全くうれしくない情報だろうけれども…!

本は綺麗だったよ!(そもそも読む人が少ないからなんだろうな…!)

誰だってルーン文字の入ったアイテムは欲しい

そうだろう?

誰だって!ルーン文字とか!なんかそういう魔術的なかっこいいものが!刻まれた何かを手にして!ウフフと笑ったことが!あるはずだ…!

そう、例えるなら、ルイ・ヴィトンのエンブレムよりもルーン文字を選ぶ。

そんな人は…実は結構多いはずだ…!

まぁ、見方を変えればブランドロゴも魔術的な刻印ともいえるわけだしな。

ブランドロゴは、その品質と出自が明らかになっているという効果のほかに、「実はその品物は真の意味で自分の物になっているわけではなく、あくまでもそのブランドのパワーを借りているに過ぎない」みたいなちょっと面倒くさい思考が走り始めたけれども、ここでそれをやるのはやめておこう…!

俺も…何かしらのブランドのパワーで今の生活が成り立っているわけだしな…!

藪蛇だな!

 

で、ルーン文字を学んだからには、そのルーン文字で何かをしたい。

そう思うのは人間のサガ。

そして俺も木工の徒として…隙あらばルーン文字を刻み込み、「何それ?」と言われるたびにちょっとダメージ受けてたりしたんだけど、やはりルーン文字を刻みたい欲は衰えを知らない。

食欲と睡眠欲に次ぐルーンを刻みたい欲が俺を駆動するのだ。

で、そんなときに。

メルカリで「錫のゴブレット」を何となく発見した!

そこで天啓が舞い降りるわけだよ…!

これだ!

錫のゴブレットを安く買い…そこに刻む!ルーンを!オーディン神の恩寵をな!いや俺に恩寵があるのかは定かではないが!

光の速さで即購入し、心頭滅却して到着を待ち、届いたのがこれだ…!

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アンティーク好きとしては、もうなんかこれだけで十分な感じがするほどにいい感じなんだが!

おそらくヘアライン加工されたその溝にサビ的なものが入ってしまったのだと思われる。

錫のゴブレットは結構たくさん売っているけれど、ここまで背の高いものはなかなかない。高さ17cmなので、500ml缶よりも2,3cm高いのだ。それに形がかっこいい!

こういうのも俺は求めていた…!

表面がサビサビしてしまっているけれど、しかしこれは全く問題ない。

 

サビている?

削ればいいじゃあないか…!

金属は削ることができるんだぜ…!?

 

そう、俺たちは…21世紀の人間だ。

あらゆる材料を加工することができる!…というくらいの気持ちでいても大丈夫だ!

ホームセンターはゾンビを迎え撃つための施設ではなく、あくまでも「お前の加工を支援する」施設であることを忘れてはいけない…!

ホームセンターが好きな人は映画「イコライザー」を見てくれ。俺たちのデンゼルがホームセンターの魅力を的確にプレゼンしてくれるぞ!

 

さて、「イコライザー」を見て創作欲を盛り上げたところで、ルーンの刻み方を紹介していこうと思う。

 

誰だってルーン文字を刻んでみたい

そうだろう?

誰だって!ルーン文字とか!なんかそういう魔術的なかっこいいものを!自分の手で!かっこよく刻み付けたいじゃないか…?

刻むにあたって用意する物は以下だ!

 ・ミニルーター

 ・ヤスリ

 ・ピカール

 ・情熱

 ・中二病というレッテルに負けない鋼の精神

たったこれだけと言うわけさ…!

ミニルーターはそこそこの値段がするけれども(7000円くらい)、ミニルーターがあればあらゆるものにルーン文字を刻めるのでルーンマスターたらんとするならば持っていて損はないぞ!

そう、そこら辺の木工製品から、何となく買ったけど使い道のない鉱石とかに、ひたすら刻みまくれるというわけだよ…!

そこら辺の木片が!ルーンの魔力を宿したお守りに変化する…!

あるいは、何となく20年くらい使ってるボールペンにルーン文字を刻めば、今後の47年を相棒として活躍してくれるはずだ。

ミニルーターがあれば、それができる…!

ワクワクしてきたでしょう。

俺もだ!

というわけで、ミニルーターで刻み付ける前に、サビサビのゴブレットの表面を頑張って削ってきれいにするところから始めよう!

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わーい!

細かく見れば無限に粗は見つかるけど、どの粗を無視するのかという決定権が自らにあるのがDIY。これでいいのだ。使うのは俺だし!

これは、まず400番の耐水紙やすりで水をかけながらごっしごっしして、そこから600番、800番、そして一気に飛んで3000番でやったらこうなった。2時間くらいかなぁ。

大変と言えば大変だけど、どんどんきれいになってくるから、楽しくできたよ!ここまでは自宅のキッチンでやりました。

…まぁ最初から電動サンダーとか使えば、30分かからずにここまで到達できるとは思うのだが…。

俺はサビサビのゴブレットだったからここまで頑張ったけど、元が結構きれいな場合はいきなりピカールを使うといいと思う。ピカールについては後述するよ!

 

仕上げはルーンを刻んだ後にするので、この状態でまずはルーンを刻む。

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ルーン文字を刻む枠線を入れたいので、クランプとその辺にあるゴミ的な材木でそれっぽい何かを組み立て、まっすぐに輪状に削る。

…画像だと上手く行ってる風だけど、まぁ、ずれたり、一か所やたら深く穴が開いたりと…全くスマートはいかなかったけれども!

でもそういうものさ。

俺が求めているのは…製品ではないからな!

「完璧なものには悪魔が宿る」

これを合言葉に、俺はてきとーに物を作っていくぜ…!

おかげで売れる物はあんま作れないけどね!

 

誰だって刻む文言は拘りたい

そうだr

…さすがにくどいね!

そう!

ルーンを刻むとして…じゃあ何を刻むか!?と言うのが問題になるんだよ!

いわゆる「ルーン占い」であれば、そこは別に悩まなくていい。

ルーン文字一つひとつに意味があって、そこから自分が求める意味のルーンを引き出せばいいのだが。

やはり、刻むからには…ちゃんとした文章を…というか、中二病的な文章を!!!

入れたい!!!

誰だって!古からの盟約とか!そういうなんかかっこいいものを!書きたい!そう思うはずだ…!

そうだろう…?

さて、そうとなれば勉強の時間だ!

まず、例の教科書で、実際のルーン碑文にはどういう風に刻まれていたのかを学ぶ。

とはいえ、ルーン文字を言語的に勉強するパワーと時間は足りないので、ルーン文字に無限のリスペクトをささげながら、「東の果ての民だから、多少は大目に見てくれ!」というエクスキューズのもと、刻む文言を整理する。

参考にしたのはこちら。

Old Norse to English Translator or the other way around ― LingoJam

https://www.yorku.ca/inpar/language/English-Old_Norse.pdf (PDFが直接開くよ!)

まず、刻みたい言葉を英語にして、英語を上記の2サイトを参考に古ノルド語にして、そこからルーン文字に変換する。

トランスレーターは不正確な場合が多いので辞書を参考にしながら、そして最後は思い切って適当にごまかして文章を決定する!

この過程で、ルーン文字がどのアルファベットに相当するか、結構勉強になる。

やっぱり文字ってのは、使ってこそだな!実感したよ。

多分俺が今やってるこれは、「痔」とタトゥーで入れちゃう外国人のような残念な感じなんだとは思うけれども、ね!

心意気は、オーディン神は理解してくださるだろうしな!

ルーン文字オーディン神が片目を代償に生み出したという神話があるのだ)

 

で、肝心の文章は何にしたのかと言うと…

古代中国の易経の「兌為沢(だいたく」の爻辞より、

「天に順じて人に応ず」

という文言を英語にして、何となくそれっぽく形にしたものを入れた!

易経とかわけわかんねぇ!と思われるかもしれないので、

ゲーム「魔剣爻」のあの感じのそういうやつだ、と理解してくれればわかりやすいかな!

…わかりやすくないな!

まぁとりあえず、古代中国のイケてる本に、水をくむカップについての詩があって、そこから文章をいただきましたよ、ということです。ええ。

 

その文章に加えて、せっかくだから「この俺、yajulが刻んだぜ…?」というかっこいい文章も入れようと決めた!

この文章に関しては、ルーン碑文にまんま例文があるので正しい文章だと思う。昔のヴァイキングの職人さんの名前を俺に変えればそれでいいからね!

ありがとう、古のヴァイキングたち…!

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こういう文章を、ゴブレットの上側と、下側にそれぞれ入れたよ!

なんとなく、アルファベットとルーン文字が似ていることはわかると思う!

 

誰だって磨きたい

そう…俺も…自分の人生を磨きたい人生だった…!

しかし、現実は非情である。人生の磨き方は、一朝一夕で見につくものではないのだ…。

 

というわけで、人生はともかくとして、まずは目の前のカップを磨こうぜ!

 

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ピカールのパワーを借りてな…!

しかし磨く前に、せっかくだし、カップに刻んだルーン文字に墨入れをしたい。

そうすればいい感じにかっこよくなるはずだ。

金属に定着する塗料として、ラッカー系の塗料を塗りこむ。

で、乾いたら、ピカール神でひたすら磨く!

そうすれば余分な塗料ははがれて、刻んだ部分にのみ残るという寸法だ。

 

ここで俺たちの救済神・ピカールの紹介をしてみたい!

 

冒頭で…「迷える子羊の人生を一変させるすさまじい神通力を備える神器」の話をしたけれど、俺にとってはまさにそれがこのピカール神。あらゆる金属を「光あれ」の一言で光らせしめる神、いわゆるゴッドである。

長年、「人生に必要なのはドリル」と信じてやまなかった俺に、文字通り後光を放って降臨したのがこのピカール神だ。

いや本当に。

もさーっとしたキッチンのシンクも、ピカール神にかかれば瞬時に光を取り戻す。

また、金属以外でも、例えば車のヘッドライト部分のプラスチックもこれで磨けば眩いばかりの光が備わるという寸法さ。

値段も安いし、これがあると無性に何かを磨きたくなるし、磨けば気分は晴れるので、大変にオススメだ!

今使わなくとも、とりあえず持っておけば、思いついたときに金属が光るので、とてもいいぞ!

ただし!

 ・鏡などのガラス製品には使わないほうがいい(ガラス用のピカール神を召喚せよ)

 ・メッキ製品には使っちゃいけない

 ・派手に手が汚れるので、ぴったりしたシリコン手袋とかあるといい

特にメッキ製品な!

ピカール神はあくまでも「微細粒子で削りまくっていく」ものなので、実は結構荒っぽいことをやっているのだ。

歯をこれで磨いたらエナメル質が死んでぼろぼろになるぞ!

注意するんだ!

 

「たぶん、メッキじゃないと思う…」

と彼女からもらったアクセサリーをピカール神にささげたら、実はそれメッキで、彼女との関係すらも削られてしまった…みたいなことになりかねない。

これは危険だ。

なによりも、「彼女の愛は本物なのか…?」と疑心暗鬼になるそのこと自体が危険だ。

もしもそのようなシチュエーションになってしまったとしたら、

「いや…俺の彼女への想いはこんなものでは剥げたりしない。俺の愛をもって再びメッキとするのさ…!」

みたいな、俺の刻んだルーン文字並みに心胆寒からしめるような覚悟をもってやってほしい。

がんばれ!

 

というわけで、墨入れと磨きをピカール神の助力で成し遂げたのだが…。

問題は、カップの中身だ!

実はこのカップ、かっこいいフォルムゆえに、内側の底に指が届かない。

もっと小さめのカップなら指が届いたのだが。

やはり食器として使うのであれば、最初にきれいにしておきたい。

ではどうするか。

 

それはもう…ドリルしかないな!

 

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人生に必要なのは、愛とドリルとピカール神。

ここでドリルが満を持して登場する。

人生の3分の1を構成するドリルが登場しないはずがないのだ。

作戦はこうだ。

 ・布にピカール神を塗り、カップに詰め込む。

 ・ドリルにドリル(穴あけビット)を装着し、底に打ち付けないようにそっと布を巻き込んでいく

 ・巻き込んだ布が、凄まじい勢いで回り、カップの中を削りまくってゆく!

ほんの数分で、カップの中がきれいになるのだ…!

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「手ぬるい!」と思う人は後10分くらい回してもらうとして!

あ、なんか点々があるけど、これは俺がミニルーターで傷つけちゃった物なので…!

これはビフォー画像がないから伝わらないけど、最初より相当きれいになったんだよ!

 

さて!

これによって、俺の人生の目標の一つがかなったというわけだよ!

ルーンゴブレットを手にする…!それがかなったわけだ!

ドリルと、ピカール神の助けを借りてな…!

さすれば人生の要素の最後の一つ、愛が手に…入…れば…いいよなぁ…。

人生は…ドリルを回すほど簡単にはいかないよな…。

 

誰だって完成すれば嬉しい!

まぁ、人生の問題はともかくとして!

まずは出来上がった喜びを表したい!

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できたーーー!

鏡面処理になちゃったので刻んだルーン文字がよく見えないけど!!

その辺は冒頭の画像で確認してもらうとして!

やったよ…!できたよ!

ルーン文字を刻んだ…ルーンゴブレットが!!

今年の夏は…これで冷たい水を飲んで厚さに対抗するとしよう!

そしてまずはワインでも飲もうかな!

 

いやー、うれしいね!

 

そして、もしこれを読んで、「俺も…刻んでみるか…!」とか、「磨いてみるか…!」と思ってくれる人がいたら、さらに嬉しいね!

 

人生を磨き、その足跡を刻み付けていこうぜ…!

たとえそれが、傍から見たら恥ずかしいことであったとしても…。

少なくともここに一人、応援者にして同志が…いるからな…!

自作のノートを作る - 木工ボンドの神 -

人は何かを求めた瞬間、ゴールのない終わらぬ旅路を歩くことになる生き物である。

アダムとイブが楽園を去ってから、常に人は「The one(理想の何か)」を探しながらも、決してそこに到達しえない苦しみを抱える存在なのだ…。

 

…かっこよくいってみたけれども、要するに、「自分にぴったりの〇〇が欲しいなぁ」と思うから、市販のものでは微妙に満足できなくなっちゃうよね!と言う話だよ!

ファッションにしても、ブランド品にしても、家電も男女関係も家も仕事もみんなそう。

どこかで折り合いをつけないと、際限なく「もっといいもの」を求めてしまうのが楽園を追放された俺たちの宿痾といえるのかもしれない。

 

俺の場合は、メモ帳やノートにこの問題があった。

万年筆でノートに書くのが好きなんだけど、万年筆のインクがにじまない、裏抜けしないノートと言うと結構限られており(そして高価)、さらにその中で自分の好みに合うデザイン、大きさのものを…となるとはっきり言って選択肢が非常に狭い。

かといって、じゃあ俺にベストマッチするノートを出してくれ、とも言えないわけだし。

 

そういうわけであれば…

これはもう作るしかないな…!

そう決意したわけだよ。

 

優先順位は…

  • 俺っぽい
  • 万年筆で裏抜け、にじみがないこと
  • 使っててテンション上がる
  • めっちゃ分厚い

そんなノートを目指して、作ってみることにした!

 

1.ひたすら折る

まず、ノートの神を選ぶ。

すまん、紙ね。

これはコピー用紙でも画用紙でもなんでもいいんだけど、今回は「万年筆がにじまない裏抜けしない」が大事なので、その条件に合う紙を用意した。

「エトランジェ・ディ・コスタリカ」のアイボリー色の中厚口、A5サイズ。

大体300円くらい。

これを、半分に折る!

全部を…ひたすらにな…!

とはいえそんなに難しいことじゃないので、そこそこの時間で終わる。

ブックバインダーの皆さんは、半分に折る治具や紙をなでつけるヘラのようなものを利用しているけれども、今回俺は羊の角で行った。未加工の。羊の角そのまんまの。割とよかったよ…!

それで、全て折ったら、6枚をひとセットにして重ねていく。

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重ねたら、C型クランプに適当な板を当てて、ぎゅっと圧力をかけて1日放置!

C型クランプも適当な板も、100均に売ってるから大丈夫。クランプにはそんなにパワーはいらないから、強く締めすぎなくてOK。

 

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こんな感じ。

そろってて美しい。

もうすでに達成感があるな…!

 

小冊子を連結して1冊にする

糸を通す穴をあける

 

しっかりと折り目が付いたら、各小冊子を糸綴じしていこう。

 

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まず、クランプをちょっとずらす。ここまでずらさないほうがいいと思う。

この時、横にずれると困るので、慎重に。

全工程の中で、ここが一番精度が求められる。

普段はテキトーなノールビンドニング精神の俺も、ここだけは集中したほどだからね…!

 

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次に、糸を通す場所を決める。ここは適当に決めちゃってOK。

まぁでも、ちゃんと定規では測っているよ!

 

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そして、印をつけたところを…

やすりの角でゴリゴリと削る!!

今回は俺はやすりでやったのだが…結局削りが足りず、後で苦労したので、次やるときはヤスリなどという甘い気持ちは捨てて、最初からノコギリである程度深く切れ込みを入れようと思う!

結構深くした方がいい。

これは何をやっているのかと言うと、紙の折り目に穴をあけているんだよね。

だから削りが浅いと、重なった一番内側の紙に穴が開かないということになるのだ。

どうせ背中だから、思い切って深く切れ目を入れていこう。

 

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こんな感じ。

でもこれだと、6枚重ねでは浅かった!3枚重ね、4枚重ねならこのくらいで十分かと思うけどね!

 

コプティックステッチで綴じる

ここで、各小冊子を連結していくんだけど…。

連結方法の説明が文字では難しいので、こちらの動画を見てほしい!

 

youtu.be5:40くらいから、糸綴じの説明をしてくれている。

コプティックステッチで!

 

…あれ、このお姉さんの動画見ればこの記事は必要ないんじゃないのか…?

 

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若干のむなしさを覚えつつ、えー、こんな感じに!

このタイミングで中表紙も付けた。

世の中のあらゆるものに名前がついているように、紙にも種類と、個別の名前がついているのだよ!

今回使ったのは、「ミューズコットン」の赤。1959年に発売された横縞が美しい厚紙。

紙に詳しくなると…市販の本の中表紙とか「あ、これ〇〇だ」ってわかるようになって楽しい(?)ぞ!

 

失態

ここで恒例の。

「もっとこうすれば美しくなるんじゃあないのか…?」が発動!

ノートの小口がちょっとがたがた(にみえた)ので、小口をカッターで切りそろえてみようとしたんだけど…。

 

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そりゃこの厚さだし!

へにょへにょにもなるよな!



…大失態である。

もうだめだ…。

 

さながらメシマズさんのように、「素人目線の無駄なアレンジを施した結果、大変なことになる」を地で行く大変な失敗を。

もうこれは…

俺には生きている価値がないんじゃないのか…?

 

…よし、死のう!

 

そう決意してカレーを食べつつ、Twitterとかで愚痴をこぼしていたという経緯になりますね…。皆さんの暖かい言葉に感謝。

その中で一番「なるほど」と思ったのは、「完璧なものには魔が宿る」という言葉で、昔の職人さんは完璧なものができてしまったらあえてどこかに傷や不出来なものを入れ込むことで、その作品に魔が宿ることを防いだという話。

「なるほど…つまり俺は意図せずに魔除けを施していた可能性が…?」

という謎の自己肯定感に満ち溢れてきたので、今後作品の失敗に悩んでいる人がいたら積極的に使っていきたい!

この考え方って易経にも通ずるよね。完成してしまったものは落ちるだけなので、それは完璧ではない、っていうね。と言うか、たぶん昔の職人さんたちは易経儒教)的なマインドが浸透していたんだとは思う。

日光東照宮もそのマインドで作られているらしいしね。

 

ちなみにこの時食べていたカレーもそんなにおいしくはなかった。

ガラムマサラとトマトで煮ただけのカレーだからな…!

しかしまさに今日、そのがっかりカレーに油を投入すると非常においしいことが判明してしまった…。

カレーが美味しいのは…やはり油の味だったということなのか…!

 

小口を削る

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とはいえ、ちょっと魔除けにしても度が過ぎて汚く、貧乏神的なモノが寄ってきそうながっかり加減だったので、ある程度は整えることに。

小口を木でがっつり挟んで、ベルトサンダーで木もろとも削りまくる!

ノート作りに木工用のパワーツールが平然と登場してくるのが俺っぽいといえるかもしれん!

 

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貧乏神がある程度スルーしてくれそうなくらいには整ったので、とりあえずこの辺で良しとする!

 

表紙と本の背の処理

魔除けに時間はかかったが、ここで表紙を取り付ける準備をする!

 

革の表紙に穴をあけ、糸を通す

ちょうどいただいたレザークラフトセットの習熟も兼ねて、表紙は本革で作ることに!

レザークラフト用の菱目打ちで穴をあけ、そこに針で糸を通していく。

 

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糸をきつく締めてはいけないので、麻糸を通して締まり過ぎないように。

 

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ノールビンドニングっぽい。

 

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最後までとおしたら、麻糸を抜いておしまい!

 

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表紙をつけるための穴もあけたんだけど、ちょっとこれは失敗だった…かもしれない。

ま、魔除けだから…!

 

並行して本の背中の接着

表紙の処理と並行して、せっかくだし本の背中を接着してみた!

糸綴じ製本なら接着は損にいらないんだけど、ちょっとぐらつく感触があったので、接着してみることに。

なにせこれが初めての製本だし、後学のためにとりあえずやってみよう!とね!

 

まず、背中を普通の木工ボンドをぬって接着する。

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木工ボンドは乾くと透明になるので、結構きれいな仕上がり。

あ、この段階で表紙をつける糸を通しているよ。

 

このままでもいいっちゃいいんだけど…どうせだからもっと接着剤モリモリでいこうぜ!

という俺の心の中も悪魔がささやき始めたので…ここでホットボンドを投入する!

 

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ダイソーとかで売ってるアレ。

本体200円、接着剤100円の計300円で買える!性能は必要十分だぜ。

これは熱を加えると溶けてくっつくタイプで、冷えるとゴムのようなムニムニ感のあるボンド。熱が加わる部分には使えないけど、ノートなら問題なし!

使い始める前に余熱時間が必要なので、すぐには使えないけどね。

 

そんなホットボンドを、大量に盛っていく…!

 

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…これは…

……汚い……

 

貧乏神が相当フィーバーするレベルの汚さじゃないかなこれ!

お、俺のテクニックはここが限界だというのか…!

アイロンであっため直すにしても、アイロンにくっつくしな…。

 

しかし大丈夫だ。

俺には大宇宙の法則が味方に付いている。

 

それは…

 

表面張力…!

 

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魔すら恐れるホットボンドのがっかり表面を、木工ボンドでコーティングする…!

木工ボンドの美しい表面張力によって、(比較的)自然な曲面になろうというものだよ!

やはり最後は木工ボンドか…!

俺には木工ボンドの神がついているようだな…!

 

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神、いわゆるゴッドである木工ボンドの加護を得て、(比較的)きれいに処理することができた。

その分ボンド層がめっちゃ厚いけどな!

多少ノートが開きにくくはなったけれども!

それはそれで俺っぽい感じでいんじゃないか。

 

背表紙をつける

ノールビンドニングで!

そう!

これがやりたかったんだよ!

クラフトの中でワンポイントでノールビンドニングを使いたい。

それが今回の隠れたミッション。

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表表紙と裏表紙を、ノールビンドニングで編みつけていくよ!

やるぞー!

 

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が…失敗!!!

このポジションって上手く編めないよね!表紙が邪魔で!

しかも針ほっそいし!

無理!

も、もうちょっと頭を使おうぜ!

 

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というわけで、別で編んだノールビンドニングを用意して、それを針と糸で縫い付けていくことに。

うむ、これが知性ある人間の行いと言うものだな…!

今回のクラフトは…全体的に俺の知性不足のような気がするぜ…!

 

 

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このくらいの知性が必要だな…!

まずはプロテインか…!

(個人的に、スーパーフェニックスにはちゃんと勝利してほしかった)

 

 

…知性は磨き続けるとして、背表紙を縫い付けるとこういう感じに!

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ダーラナステッチ!

二色で編んだ時の感じが本当に最高なんだよ!素晴らしいね…!

 

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後は、ここを

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ホットボンドでくっつけて、

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背表紙の中に通して、テキトーに結んで、

 

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 完 成 !

 

心の中の魔と、貧乏神と、溢れる知性(のなさ)が俺を苦しめたが…

最終的にはそれなりの形になってよかったー!

ノートは作れる!

ということが分かったのが何よりの収穫だね!

 

これで「自分の最適なノート」を求めてゾンビのごとく文具屋さんを徘徊することもなくなったってわけだ!

そのうちにハードカバーとか、作ってみたいよね。

 

今回のノートもどんどんカスタマイズしていこうと思っているよ!

魔には気を付けつつね…!

 

ということで!

ノート、みんなも作ってみてはいかがでしょう!

俺の説明よりも、動画のお姉さんを参考にするといいと思うよ…!

 

 

 

万年筆 Penbbs 308/266 Autumn を手にした

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ペン字を始めて約2か月、ひどい子供文字からそれなりのモノになってきたなと感慨深く自身の成長を振り返るとそこに沸き起こるのは物欲である。

やっぱり、いい道具が…ほしくなってくるよね!

プログラムを志すならキーボードにこだわりたくなるし、

筋肉に己の夢を賭けるならプロテインだし、

ウォーキングが習慣になったらそれなりの靴が欲しくなったりするだろう。

あぁ、俺もだ!

 

そういうわけで、万年筆を買ったのですよ。

 

初めての万年筆と言うわけではなく、これで6本目かな。(安いやつとかを除けば)

子供のころからずっと万年筆が欲しくて、親に「大学入学が決まったら、万年筆を買ってくれるものじゃないか…?」と謎の要求をして以来、人生の半分を万年筆とともに過ごしている。

 

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俺が今持っている万年筆はこの6本。今回届いたやつも含めて!

右から、

CROSS ATX F(細字)

Lamy Safari EF(極細字)とM(中字)

Pilot μ90 F(細字)

Pilot CustomHeritage912 FA(フォルカンという特殊ペン先)

PENBBS 308 Autumn F(細字)

 

で、今回見事手にしたのが最後の、PENBBSの万年筆ですよ!

軸が美しくてね…!

それまでの万年筆を見るとわかる通り、そんなに派手なペンは持ってなかったんだけど、

「やっぱり軸が美しい万年筆も欲しいよね…」

と日夜ネットをめぐりつつ、イタリーの「レオナルド」というブランドの万年筆を見たりして「ホゥ…」ってなってたわけなのだけれども。

しかし!

やっぱ派手な万年筆は高いのよ!

2万、4万は平気でしてしまう。

正直なところ、ペンに1万以上出すのはちょっとどうかと思う。

…いや、俺も2万円のペン持ってるけれども!その書き味に心底惚れているけれどもさ!

でも一般的に言って…ペンに1万以上は…ちょっとアレだろう!?

5千円ならいけるが!

…この俺の感覚もだいぶ侵されている気がするけれども。

 

で、やっぱり2万とかは出せないよね。

いかに美しくて、それが熱烈に欲しいと思っていても。

というところで発見したのが、このPEBBSと言うブランド。

ここは中国・上海を拠点にしているメーカーで、2005年に始まった非常に若いメーカーだ。

この辺の話は疎いんだけど…もともとは、PENBBSという名前の通り、中華圏の万年筆愛好家が集うネット掲示板があって(http://penbbs.com/forum.php)、そこが万年筆を作り始めた…みたいな経緯なのだろうか。正直わからないけれども!

でも、いろいろと調べる限り、軸が美しいし、値段の割にしっかりした作りらしいし(だいたい5千円で買える)、海外SNSなどを見てもなかなか評判がいいということで、これは買ってしまおう!となったわけだよ。

 

日本で手に入れるなら、たぶんEtsyの公式ショップを利用するのが手っ取り早いと思う。amazonで出してる業者は1万超えの値段に設定していたりするので。

Etsyのショップはここ。

www.etsy.com

見てるだけでテンションが上がってくるだろう…?

中華圏や韓国ではメジャーな存在になりつつあるらしく、インスタとか見てみるといっぱい写真が上がっているね!

instagram.comPennPENBBSの万年筆で「風の谷のナウシカ」の中国語のセリフを書いている人もいるぞ…!

かっこいいな!

そして上手すぎるな…。

 

 

というわけで、今回俺が手にしたPENBBSの万年筆、308Autumnをレビューしてみようと思う!

万年筆のレビューとか初めてだし、俺は金ペンはフォルカンしか持ってないので、他と比較してどうなのか、とかはあてにならないので注意してくれ!

 

箱、パッケージ

 

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箱。

蓋がマグネットで留められている。

赤と黒が素敵だ。

中にはペン袋に入った万年筆が入っている。

あ、俺はこれ中古で手に入れたから、新品はこうじゃないかもしれない。

 

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ペン袋の留め紐の先端には、螺鈿的な光沢をもつチャームがついている。

多分これプラスチックじゃないと思うんだよね。重みがプラスチックのそれじゃない。

もしかすると貝だったりするのだろうか?

その辺は詳しくはないけれど、安っぽい感じじゃない。

布の内側もベルベットのような素材が使われていて、ペンに優しそう。

 

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で、これ!

マーブル模様のアクリルで作られた万年筆!

素晴らしいね…!Autumnの名の通り秋の色をしている。

黄色、オレンジ、茶色、緑のグラデーションがとても美しい。

それに持った感じもとっても軽い。インクをフルに入れても21g。

中国の万年筆は重いイメージあったけど、これは逆に軽くてびっくり。

 

ペン先、ペン軸

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ペン先はスチール。今回は細字。

キャップについているクリップは剣のような形でかっこいい。

中華圏の万年筆は露骨に他のメーカーのコピー仕様なものがあって敬遠していたけど、これは独自のデザイン…だと思う!自信はないが!少なくとも、万年筆のメジャーメーカーの物とは違う。はず。

この辺も結構、信頼感生まれてくるよね。

もともと万年筆愛好家のBBSだったからなのか、露骨なパクリはないのかもしれないね。

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特徴的なのがペンポイントかな。

ちょっと上向きについている。

美工筆とかパイロットのウェーバリーとまでは行かないけど、ちょっとだけそれっぽい感じに。

ただ、ペンの傾きで線の太さが変わるわけではない。なのでウェーバリー寄り。

あ、ペン先のフィンが曲がってるのは俺がニブを引き抜いたときにやっちゃったものなので、不良品ではないので…!

 

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コンバーターは付属してる。なんの変哲もないコンバーターだけど、軸にOリングがはまっていて、これのおかげで軸を元に戻すときにしっかり締まる感がある。万一コンバーターからインクが漏れても大丈夫なように、かな。これがあるメーカーはほとんどないと思うので、これは新しいメーカーならではかもしれない。

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Autumn(秋)ということで、インクはパイロット色彩雫シリーズの「秋桜」を!

まさにこのための万年筆と言っても過言ではないはず…!

秋の色のインクにぴったりだね。

一応注意点として、インクを吸うと首軸にうっすらインクが透けるので、青系のインクだと雰囲気がちょっと変わるかも。

気になる人は、軸の色に合わせたインクを使うといいと思う。

とりあえず、俺はこの万年筆で青や黒系は使わないと決めた!

 

 

総合すると、非常に俺の好みのドストライクと言うか、単純にすげー!美しい!ヒャホー!な万年筆なので、もはや何も言うことはないのだけれども…。

キャップを軸の後ろにはめるとき、かなりしっかり押し込まないと筆記中にずれるので、そこが気になるかな。気合い入れて押し込むか、キャップを外したまま筆記するかしないと、なかなかのストレスかもしれない。

まぁ、俺は筆記中にペンを強く握りすぎる癖があるから、それをやめれば快適になるんだろうけどね。

癖を矯正するいい機会ということにしよう!

フォルカン使うようになって筆圧が劇的に改善したしね。これを使ってさらにソフトに万年筆を持つようにしよう。

あと、これは微妙なところだけど、キャップを締めるときのねじの回転音がちょっと大きい。

ええと、回すときの「さしさし…」という音が。

…伝わるかわからないが!回転式キャップの万年筆使ったことある人なら伝わると思う。

パイロットのカスタムシリーズは回転音がほぼないけど、これはする。

ただ、そのうちこなれてきて音はしなくなるような気もしなくもない。それに、そんなところは気にならないので俺は問題ない。でも気になる人はいるかもね。

 

でもまぁ、それら気になる点を圧倒する軸の美しさがすべてを持っていくので、何も心配はないな…!

 

書いてみた

 

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書いてみた!

普通のコクヨのノートに。

字がひどいな…。

俺は本数を持っていないので、そんなに比べることはできないのだが…。

手持ちのパイロットのFニブの万年筆よりも気持ち太いかな?

とはいえ、これは俺がインクフロー改善のために隙間ゲージでちょっと広げた結果なので、あんまりあてにならないと思う。すまない。

でもさすが漢字圏の万年筆だけあって、細いよね。

欧米のブランドの万年筆はアルファベット仕様だからかなり太いし。

これぞ漢字の国の万年筆だな!

 

で、書き味なんだけど…

これがびっくりするくらい良いんだよ…!

サリサリ感、なし!

引っ掛かり、インク途切れ、なし!

筆記音、ほとんどなし!

 

いやー、すごい。

同じ鉄ペンのCROSSのATXパイロットのμ90と比較すると、圧倒的に上と言えてしまうね。

10年間使い続けて育ったはずのμ90よりもすごかったのは驚いたよ!

鉄ペンだからガッチガチなので、ふわっとした感覚がないけど、なんのストレスもなく字が書けるので必要十分!

あ、でも鉄ペンだから、ノート表面の凹凸はそのままダイレクトに指に伝わる感じはするね。そこは鉄ペンだから仕方ないね!

 

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インクの濃淡もはっきり出るし、フォルカンのように紙を選ぶ感じじゃないし、これは俺の中で相当なヒットだぜ!

 

出先でのメモ書き用のμ90

気合い入れてペン字や手紙、熱い言葉を書くためのフォルカン

日記などの長文を書く時の308

  

と分担できるようになってテンションが極めて上がったよね!

本当に綺麗だし!

 

とりあえず、ファーストインプレッションはこんな感じかな。

長く使ってみてどうなるか、楽しみになってきたよ!

久しぶりに買った万年筆、大切に使いたいね!

 

 

ラスボスとしての般若心経

例えば、普段の生活や本、雑誌、ネットの記事などで「すべからく」という単語が登場したとき。

んんっ…と身構える人は結構いるはずだ。

「だ、大丈夫だよな?ちゃんと…やってくれるな…?」と、ドキドキしながら文末を待つときのあの感覚。

 もちろん、揚げ足をとろうというわけじゃない。むしろ身構える俺自身が嫌だ。でもやっぱり、どうしても、んんっ…と身構える俺が脳の中に存在している。

そういったものはほかにいくつかある。

的を得るとか、性悪説とか。(的を得る、は俺は正しいと思うけど)

般若心経もその一つだ。

やや強引な導入だけれども、般若心経について語ってみたいと思う。

とても長い話になるが、気が向いたら俺の話を聞いていってほしい。

 

  •  そもそも、「お経」ってなんだ?
    • ナンマイダーとしてのお経
    • 書物という意味でのお経
    • 悪霊をねじ伏せるホーリーパワーとしてのお経
    • 猿と河童と豚と馬を引き連れて西域を練り歩く偉大な男のお経
    • 翻訳物としてのお経
  • それで、般若心経ってなんだ?
    • 最も短いお経・般若心経
    • オイラーの等式としての般若心経 ~ 短い ≠ わかりやすい ~
    • 大乗仏教の経典としての般若心経
    • 達人のための般若心経
    • 危険な般若心経
    • 破から離に至る般若心経
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そして象形文字に行きつく

易経ルーン文字、そして先日ついに梵字悉曇文字)にまで手を出してしまい、趣味に忙しくて仕事をしている時間がない男になりつつある。

あ、こないだのモノヴィレッジは楽しかったね!

いろいろと勉強にもなったし、これからどんどん出していこうと思っているよ…!

ああいう場では、むしろノールビンドニングの針を無償配布してひたすら布教に努めたほうがいいのかもしれないな…!あとワークショップのスペースもあったから、知名度が大きくなったらワークショップとかもやってみたいなーとか。そういうね。希望をさ…!

 

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さて、今日は、友人の娘さんに「接続詞について教えてほしい…!」と頼られたので…小中高の現国を無勉強で制圧してきた理系の男である俺の沽券にかけて間違った回答はできないと、図書館へ赴いて巨大な辞書でもって接続詞について調べてきた…!

「つまり」は辞書では副詞だけど、授業だとだいたい接続詞として扱われるよね。

すなわち(これは接続詞)、「つまり」の品詞は公的な試験では問われないということだな…!

まぁまぁ、それはそれとして、せっかく巨大な辞書のある図書館に来たのだからと、かねてより調べておきたかった「易経六十四卦」のそれぞれの漢字について、厚い厚い辞書でその語源と詳細な意味を明らかにしようと思い立った!

易経(えききょう)というのは、古代中国で書かれた、人類最古の書の一角をなす経典。細い棒をじゃらじゃらやる「易占」も、この経典を基に占っている。儒教四書五経の中で最上位に位置づけられている重要なもので、俺たちの孔丘先生(孔子)も「これはすごいぜ…」と言ってたし、ライプニッツも「こいつぁすごいぜ…」と言っていたし、現在もハーバードあたりの東洋哲学の授業で「こりゃあすごいぜ…」と言われていると聞く。

まぁとりあえず、「古代中国のすごい意味深な書物」と考えてくれればいいと思う。

こないだの元号改定の時にも少し話題になったよね。明治と大正は易経からってことで。

易経は最古に近い書物だから、易経を出展にしてしまえば今回の令和のように「いや、それには元ネタがるぞ!」とは言われないし、権威もあるので安パイなのである。「易経からとりました」と言えば「おう、なるほど」と無条件で納得してもらえる感じ。

易経というと馴染みがないけど、「八卦」と言えば何となく聞いたことがあるかもしれないね。八卦易経の概念で、その八卦をさらに組み合わせた六十四卦で事物を象る。八卦の「天」と「火」を組み合わせて「天火同人」としてその意味を考える、とかね。

そう、同人誌の「同人」は易経が元なのである。

六十四卦にはそれぞれ漢字が設定されていて、卦と漢字の意味を考えて占いをしたり、人生に役立てたりするというのが易経なんである。

なかなか面白いものだよ。

 

六十四卦の漢字とその順番を覚えやすくした詩がはこちら。作者は朱子学朱熹先生。

乾坤屯蒙需訟師 比小畜兮履泰否
同人大有謙豫隨 蠱臨觀兮噬嗑賁
剝復無妄大畜頤 大過坎離三十備
咸恆遯兮及大壯 晉與明夷家人睽
蹇解損益夬姤萃 升困井革鼎震繼
艮漸歸妹豐旅巽 兌渙節兮中孚至
小過既濟兼未濟 是為下經三十四

な、なんだかよくわからないとはおもうが!

こういう漢字がありますよ、ということで…。

 

六十四個はさすがに時間的に無理だったけど、六十四卦を構成する八卦の漢字をまず調べることにした。

特に、八卦の中で一番よくわからない漢字が「離」だったからね!上の詩だと3行目後半にあるよ。

この「離」は、「火」を表す漢字なんだけど…

普通に考えると「はなれる」という意味なんだけど、易経ではこれを「はなれる」と「くっつく」の両方の意味で解釈している。

「火は何かにくっつくことで存在できるからだ」と説明されているけれど、何か、こう、しっくりこない。

そういうわけで、漢字の語源を解説してくれている圧倒的厚さを誇る漢字辞典「字通」で調べてみると…。

 

な、なるほど!

ページを開いた瞬間、俺の脳の中で「Eureka!」という声がスパークし全裸のアルキメデス先生が疾走。

俺の脳内で躍動するアルキメデス先生がエンドルフィンとドーパミンの波を乗りこなしてイイ笑顔を見せる中、俺は理解した。

なるほどねー!

「離」という漢字は、「トリモチを使って鳥を捕獲する」が語源なんだって!

「离」は鳥のことで(猛禽類の禽もこれが元だ)、それをトリモチでハンティングする様子を表したので…

トリモチで、鳥を「くっつける」

そしてそのあと、収穫のために

トリモチを、鳥から「外す、はなす」

という二つの動作が一体になった漢字なんだよ!

これは凄いでしょう!?

相反する意味だけど、「トリモチで鳥をとる」という語源から考えると、何もおかしくはなかった!

だからこの易経の「離」は、「付」ではないので「くっついたり、はなれたり自在に起こる」という意味があるのだな!ずっとくっついているわけではないし、離れているわけでもない。そして、くっつくのも離れるのもお前の意思と技量次第なんだぜということも暗に示しているということだな…!?

 

いやー、これは感動したよ!

久しぶりに脳内アルキメデス先生が!

この瞬間こそが人生の神秘だよな…!

 

そして、今回本当の意味で「象形文字はすごい」と思い知ったよ。

象形文字って、要するにあれは非常口のマークだとか、トイレの男女のマークだとか、そういうデザイン記号だったんだよな。

いや、知識としてはもちろん知っていたけど、実感として深いところで理解できた気がする。

 

古代のある時代のある場所で、とあるハンターが、

「ここにトリモチの棒置いておくからね!槍とかに使ったらべたべたになるから注意してね!」

と注意喚起するために、棒の置いてある場所に「トリモチを使って鳥をとるイラスト」を描いておいたのかもしれないな…!

そしてそれを見たほかの人たちが、「何となくトリモチっぽく見えるな…これは鳥捕獲用の棒だろう…」みたいに理解してくれたり、したのかもしれないぜ…!

そう考えると…何やら熱い気持ちが生まれてくるじゃないか…!?

彼らの日常が、そして工夫が、現代の俺たちに欠かすべからざるモノとなって生きているわけだよ…!

これこそロマンじゃないか…?

 

太古の昔にも存在した、優れたデザイナーたちに深い敬意を表しながら、今日もあらゆる文字という文字を便利に使っていこうぜ!

縫うように編む北欧のプリミティブな編み物・ノールビンドニング

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ノールビンドニング、聞きなれない発音の言葉ですが、これは「Nål=針」「bindning=結びつける」という北欧の言葉です。

棒針編みや鉤針編みや織りが発達する以前に世界中の地域で行われていた、プリミティブな編み物で、古いものではなんと紀元前6500年の遺跡や、エジプトやペルーの遺跡からも見つかっています。

棒針編みなどの普及で、針を使う編み物は衰退し製法が失われてきましたが、フィンランドスウェーデンでは伝統的な編み物として伝えられてきました。そして1960年代に、北欧の各地・各家庭に伝わるノールビンドニングの技法が研究者によってまとめられ、世に知られるようになりました。

 

ノールビンドニングは古くて新しい編み物といえるかもしれませんね。

ここでは、初心者の方に向けてノールビンドニングとは何か、どう始めるかを書いていこうと思います。

 

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