自作のノートを作る - 木工ボンドの神 -

人は何かを求めた瞬間、ゴールのない終わらぬ旅路を歩くことになる生き物である。

アダムとイブが楽園を去ってから、常に人は「The one(理想の何か)」を探しながらも、決してそこに到達しえない苦しみを抱える存在なのだ…。

 

…かっこよくいってみたけれども、要するに、「自分にぴったりの〇〇が欲しいなぁ」と思うから、市販のものでは微妙に満足できなくなっちゃうよね!と言う話だよ!

ファッションにしても、ブランド品にしても、家電も男女関係も家も仕事もみんなそう。

どこかで折り合いをつけないと、際限なく「もっといいもの」を求めてしまうのが楽園を追放された俺たちの宿痾といえるのかもしれない。

 

俺の場合は、メモ帳やノートにこの問題があった。

万年筆でノートに書くのが好きなんだけど、万年筆のインクがにじまない、裏抜けしないノートと言うと結構限られており(そして高価)、さらにその中で自分の好みに合うデザイン、大きさのものを…となるとはっきり言って選択肢が非常に狭い。

かといって、じゃあ俺にベストマッチするノートを出してくれ、とも言えないわけだし。

 

そういうわけであれば…

これはもう作るしかないな…!

そう決意したわけだよ。

 

優先順位は…

  • 俺っぽい
  • 万年筆で裏抜け、にじみがないこと
  • 使っててテンション上がる
  • めっちゃ分厚い

そんなノートを目指して、作ってみることにした!

 

1.ひたすら折る

まず、ノートの神を選ぶ。

すまん、紙ね。

これはコピー用紙でも画用紙でもなんでもいいんだけど、今回は「万年筆がにじまない裏抜けしない」が大事なので、その条件に合う紙を用意した。

「エトランジェ・ディ・コスタリカ」のアイボリー色の中厚口、A5サイズ。

大体300円くらい。

これを、半分に折る!

全部を…ひたすらにな…!

とはいえそんなに難しいことじゃないので、そこそこの時間で終わる。

ブックバインダーの皆さんは、半分に折る治具や紙をなでつけるヘラのようなものを利用しているけれども、今回俺は羊の角で行った。未加工の。羊の角そのまんまの。割とよかったよ…!

それで、全て折ったら、6枚をひとセットにして重ねていく。

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重ねたら、C型クランプに適当な板を当てて、ぎゅっと圧力をかけて1日放置!

C型クランプも適当な板も、100均に売ってるから大丈夫。クランプにはそんなにパワーはいらないから、強く締めすぎなくてOK。

 

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こんな感じ。

そろってて美しい。

もうすでに達成感があるな…!

 

小冊子を連結して1冊にする

糸を通す穴をあける

 

しっかりと折り目が付いたら、各小冊子を糸綴じしていこう。

 

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まず、クランプをちょっとずらす。ここまでずらさないほうがいいと思う。

この時、横にずれると困るので、慎重に。

全工程の中で、ここが一番精度が求められる。

普段はテキトーなノールビンドニング精神の俺も、ここだけは集中したほどだからね…!

 

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次に、糸を通す場所を決める。ここは適当に決めちゃってOK。

まぁでも、ちゃんと定規では測っているよ!

 

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そして、印をつけたところを…

やすりの角でゴリゴリと削る!!

今回は俺はやすりでやったのだが…結局削りが足りず、後で苦労したので、次やるときはヤスリなどという甘い気持ちは捨てて、最初からノコギリである程度深く切れ込みを入れようと思う!

結構深くした方がいい。

これは何をやっているのかと言うと、紙の折り目に穴をあけているんだよね。

だから削りが浅いと、重なった一番内側の紙に穴が開かないということになるのだ。

どうせ背中だから、思い切って深く切れ目を入れていこう。

 

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こんな感じ。

でもこれだと、6枚重ねでは浅かった!3枚重ね、4枚重ねならこのくらいで十分かと思うけどね!

 

コプティックステッチで綴じる

ここで、各小冊子を連結していくんだけど…。

連結方法の説明が文字では難しいので、こちらの動画を見てほしい!

 

youtu.be5:40くらいから、糸綴じの説明をしてくれている。

コプティックステッチで!

 

…あれ、このお姉さんの動画見ればこの記事は必要ないんじゃないのか…?

 

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若干のむなしさを覚えつつ、えー、こんな感じに!

このタイミングで中表紙も付けた。

世の中のあらゆるものに名前がついているように、紙にも種類と、個別の名前がついているのだよ!

今回使ったのは、「ミューズコットン」の赤。1959年に発売された横縞が美しい厚紙。

紙に詳しくなると…市販の本の中表紙とか「あ、これ〇〇だ」ってわかるようになって楽しい(?)ぞ!

 

失態

ここで恒例の。

「もっとこうすれば美しくなるんじゃあないのか…?」が発動!

ノートの小口がちょっとがたがた(にみえた)ので、小口をカッターで切りそろえてみようとしたんだけど…。

 

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そりゃこの厚さだし!

へにょへにょにもなるよな!



…大失態である。

もうだめだ…。

 

さながらメシマズさんのように、「素人目線の無駄なアレンジを施した結果、大変なことになる」を地で行く大変な失敗を。

もうこれは…

俺には生きている価値がないんじゃないのか…?

 

…よし、死のう!

 

そう決意してカレーを食べつつ、Twitterとかで愚痴をこぼしていたという経緯になりますね…。皆さんの暖かい言葉に感謝。

その中で一番「なるほど」と思ったのは、「完璧なものには魔が宿る」という言葉で、昔の職人さんは完璧なものができてしまったらあえてどこかに傷や不出来なものを入れ込むことで、その作品に魔が宿ることを防いだという話。

「なるほど…つまり俺は意図せずに魔除けを施していた可能性が…?」

という謎の自己肯定感に満ち溢れてきたので、今後作品の失敗に悩んでいる人がいたら積極的に使っていきたい!

この考え方って易経にも通ずるよね。完成してしまったものは落ちるだけなので、それは完璧ではない、っていうね。と言うか、たぶん昔の職人さんたちは易経儒教)的なマインドが浸透していたんだとは思う。

日光東照宮もそのマインドで作られているらしいしね。

 

ちなみにこの時食べていたカレーもそんなにおいしくはなかった。

ガラムマサラとトマトで煮ただけのカレーだからな…!

しかしまさに今日、そのがっかりカレーに油を投入すると非常においしいことが判明してしまった…。

カレーが美味しいのは…やはり油の味だったということなのか…!

 

小口を削る

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とはいえ、ちょっと魔除けにしても度が過ぎて汚く、貧乏神的なモノが寄ってきそうながっかり加減だったので、ある程度は整えることに。

小口を木でがっつり挟んで、ベルトサンダーで木もろとも削りまくる!

ノート作りに木工用のパワーツールが平然と登場してくるのが俺っぽいといえるかもしれん!

 

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貧乏神がある程度スルーしてくれそうなくらいには整ったので、とりあえずこの辺で良しとする!

 

表紙と本の背の処理

魔除けに時間はかかったが、ここで表紙を取り付ける準備をする!

 

革の表紙に穴をあけ、糸を通す

ちょうどいただいたレザークラフトセットの習熟も兼ねて、表紙は本革で作ることに!

レザークラフト用の菱目打ちで穴をあけ、そこに針で糸を通していく。

 

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糸をきつく締めてはいけないので、麻糸を通して締まり過ぎないように。

 

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ノールビンドニングっぽい。

 

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最後までとおしたら、麻糸を抜いておしまい!

 

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表紙をつけるための穴もあけたんだけど、ちょっとこれは失敗だった…かもしれない。

ま、魔除けだから…!

 

並行して本の背中の接着

表紙の処理と並行して、せっかくだし本の背中を接着してみた!

糸綴じ製本なら接着は損にいらないんだけど、ちょっとぐらつく感触があったので、接着してみることに。

なにせこれが初めての製本だし、後学のためにとりあえずやってみよう!とね!

 

まず、背中を普通の木工ボンドをぬって接着する。

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木工ボンドは乾くと透明になるので、結構きれいな仕上がり。

あ、この段階で表紙をつける糸を通しているよ。

 

このままでもいいっちゃいいんだけど…どうせだからもっと接着剤モリモリでいこうぜ!

という俺の心の中も悪魔がささやき始めたので…ここでホットボンドを投入する!

 

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ダイソーとかで売ってるアレ。

本体200円、接着剤100円の計300円で買える!性能は必要十分だぜ。

これは熱を加えると溶けてくっつくタイプで、冷えるとゴムのようなムニムニ感のあるボンド。熱が加わる部分には使えないけど、ノートなら問題なし!

使い始める前に余熱時間が必要なので、すぐには使えないけどね。

 

そんなホットボンドを、大量に盛っていく…!

 

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…これは…

……汚い……

 

貧乏神が相当フィーバーするレベルの汚さじゃないかなこれ!

お、俺のテクニックはここが限界だというのか…!

アイロンであっため直すにしても、アイロンにくっつくしな…。

 

しかし大丈夫だ。

俺には大宇宙の法則が味方に付いている。

 

それは…

 

表面張力…!

 

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魔すら恐れるホットボンドのがっかり表面を、木工ボンドでコーティングする…!

木工ボンドの美しい表面張力によって、(比較的)自然な曲面になろうというものだよ!

やはり最後は木工ボンドか…!

俺には木工ボンドの神がついているようだな…!

 

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神、いわゆるゴッドである木工ボンドの加護を得て、(比較的)きれいに処理することができた。

その分ボンド層がめっちゃ厚いけどな!

多少ノートが開きにくくはなったけれども!

それはそれで俺っぽい感じでいんじゃないか。

 

背表紙をつける

ノールビンドニングで!

そう!

これがやりたかったんだよ!

クラフトの中でワンポイントでノールビンドニングを使いたい。

それが今回の隠れたミッション。

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表表紙と裏表紙を、ノールビンドニングで編みつけていくよ!

やるぞー!

 

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が…失敗!!!

このポジションって上手く編めないよね!表紙が邪魔で!

しかも針ほっそいし!

無理!

も、もうちょっと頭を使おうぜ!

 

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というわけで、別で編んだノールビンドニングを用意して、それを針と糸で縫い付けていくことに。

うむ、これが知性ある人間の行いと言うものだな…!

今回のクラフトは…全体的に俺の知性不足のような気がするぜ…!

 

 

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このくらいの知性が必要だな…!

まずはプロテインか…!

(個人的に、スーパーフェニックスにはちゃんと勝利してほしかった)

 

 

…知性は磨き続けるとして、背表紙を縫い付けるとこういう感じに!

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ダーラナステッチ!

二色で編んだ時の感じが本当に最高なんだよ!素晴らしいね…!

 

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後は、ここを

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ホットボンドでくっつけて、

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背表紙の中に通して、テキトーに結んで、

 

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 完 成 !

 

心の中の魔と、貧乏神と、溢れる知性(のなさ)が俺を苦しめたが…

最終的にはそれなりの形になってよかったー!

ノートは作れる!

ということが分かったのが何よりの収穫だね!

 

これで「自分の最適なノート」を求めてゾンビのごとく文具屋さんを徘徊することもなくなったってわけだ!

そのうちにハードカバーとか、作ってみたいよね。

 

今回のノートもどんどんカスタマイズしていこうと思っているよ!

魔には気を付けつつね…!

 

ということで!

ノート、みんなも作ってみてはいかがでしょう!

俺の説明よりも、動画のお姉さんを参考にするといいと思うよ…!

 

 

 

万年筆 Penbbs 308/266 Autumn を手にした

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ペン字を始めて約2か月、ひどい子供文字からそれなりのモノになってきたなと感慨深く自身の成長を振り返るとそこに沸き起こるのは物欲である。

やっぱり、いい道具が…ほしくなってくるよね!

プログラムを志すならキーボードにこだわりたくなるし、

筋肉に己の夢を賭けるならプロテインだし、

ウォーキングが習慣になったらそれなりの靴が欲しくなったりするだろう。

あぁ、俺もだ!

 

そういうわけで、万年筆を買ったのですよ。

 

初めての万年筆と言うわけではなく、これで6本目かな。(安いやつとかを除けば)

子供のころからずっと万年筆が欲しくて、親に「大学入学が決まったら、万年筆を買ってくれるものじゃないか…?」と謎の要求をして以来、人生の半分を万年筆とともに過ごしている。

 

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俺が今持っている万年筆はこの6本。今回届いたやつも含めて!

右から、

CROSS ATX F(細字)

Lamy Safari EF(極細字)とM(中字)

Pilot μ90 F(細字)

Pilot CustomHeritage912 FA(フォルカンという特殊ペン先)

PENBBS 308 Autumn F(細字)

 

で、今回見事手にしたのが最後の、PENBBSの万年筆ですよ!

軸が美しくてね…!

それまでの万年筆を見るとわかる通り、そんなに派手なペンは持ってなかったんだけど、

「やっぱり軸が美しい万年筆も欲しいよね…」

と日夜ネットをめぐりつつ、イタリーの「レオナルド」というブランドの万年筆を見たりして「ホゥ…」ってなってたわけなのだけれども。

しかし!

やっぱ派手な万年筆は高いのよ!

2万、4万は平気でしてしまう。

正直なところ、ペンに1万以上出すのはちょっとどうかと思う。

…いや、俺も2万円のペン持ってるけれども!その書き味に心底惚れているけれどもさ!

でも一般的に言って…ペンに1万以上は…ちょっとアレだろう!?

5千円ならいけるが!

…この俺の感覚もだいぶ侵されている気がするけれども。

 

で、やっぱり2万とかは出せないよね。

いかに美しくて、それが熱烈に欲しいと思っていても。

というところで発見したのが、このPEBBSと言うブランド。

ここは中国・上海を拠点にしているメーカーで、2005年に始まった非常に若いメーカーだ。

この辺の話は疎いんだけど…もともとは、PENBBSという名前の通り、中華圏の万年筆愛好家が集うネット掲示板があって(http://penbbs.com/forum.php)、そこが万年筆を作り始めた…みたいな経緯なのだろうか。正直わからないけれども!

でも、いろいろと調べる限り、軸が美しいし、値段の割にしっかりした作りらしいし(だいたい5千円で買える)、海外SNSなどを見てもなかなか評判がいいということで、これは買ってしまおう!となったわけだよ。

 

日本で手に入れるなら、たぶんEtsyの公式ショップを利用するのが手っ取り早いと思う。amazonで出してる業者は1万超えの値段に設定していたりするので。

Etsyのショップはここ。

www.etsy.com

見てるだけでテンションが上がってくるだろう…?

中華圏や韓国ではメジャーな存在になりつつあるらしく、インスタとか見てみるといっぱい写真が上がっているね!

instagram.comPennPENBBSの万年筆で「風の谷のナウシカ」の中国語のセリフを書いている人もいるぞ…!

かっこいいな!

そして上手すぎるな…。

 

 

というわけで、今回俺が手にしたPENBBSの万年筆、308Autumnをレビューしてみようと思う!

万年筆のレビューとか初めてだし、俺は金ペンはフォルカンしか持ってないので、他と比較してどうなのか、とかはあてにならないので注意してくれ!

 

箱、パッケージ

 

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箱。

蓋がマグネットで留められている。

赤と黒が素敵だ。

中にはペン袋に入った万年筆が入っている。

あ、俺はこれ中古で手に入れたから、新品はこうじゃないかもしれない。

 

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ペン袋の留め紐の先端には、螺鈿的な光沢をもつチャームがついている。

多分これプラスチックじゃないと思うんだよね。重みがプラスチックのそれじゃない。

もしかすると貝だったりするのだろうか?

その辺は詳しくはないけれど、安っぽい感じじゃない。

布の内側もベルベットのような素材が使われていて、ペンに優しそう。

 

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で、これ!

マーブル模様のアクリルで作られた万年筆!

素晴らしいね…!Autumnの名の通り秋の色をしている。

黄色、オレンジ、茶色、緑のグラデーションがとても美しい。

それに持った感じもとっても軽い。インクをフルに入れても21g。

中国の万年筆は重いイメージあったけど、これは逆に軽くてびっくり。

 

ペン先、ペン軸

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ペン先はスチール。今回は細字。

キャップについているクリップは剣のような形でかっこいい。

中華圏の万年筆は露骨に他のメーカーのコピー仕様なものがあって敬遠していたけど、これは独自のデザイン…だと思う!自信はないが!少なくとも、万年筆のメジャーメーカーの物とは違う。はず。

この辺も結構、信頼感生まれてくるよね。

もともと万年筆愛好家のBBSだったからなのか、露骨なパクリはないのかもしれないね。

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特徴的なのがペンポイントかな。

ちょっと上向きについている。

美工筆とかパイロットのウェーバリーとまでは行かないけど、ちょっとだけそれっぽい感じに。

ただ、ペンの傾きで線の太さが変わるわけではない。なのでウェーバリー寄り。

あ、ペン先のフィンが曲がってるのは俺がニブを引き抜いたときにやっちゃったものなので、不良品ではないので…!

 

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コンバーターは付属してる。なんの変哲もないコンバーターだけど、軸にOリングがはまっていて、これのおかげで軸を元に戻すときにしっかり締まる感がある。万一コンバーターからインクが漏れても大丈夫なように、かな。これがあるメーカーはほとんどないと思うので、これは新しいメーカーならではかもしれない。

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Autumn(秋)ということで、インクはパイロット色彩雫シリーズの「秋桜」を!

まさにこのための万年筆と言っても過言ではないはず…!

秋の色のインクにぴったりだね。

一応注意点として、インクを吸うと首軸にうっすらインクが透けるので、青系のインクだと雰囲気がちょっと変わるかも。

気になる人は、軸の色に合わせたインクを使うといいと思う。

とりあえず、俺はこの万年筆で青や黒系は使わないと決めた!

 

 

総合すると、非常に俺の好みのドストライクと言うか、単純にすげー!美しい!ヒャホー!な万年筆なので、もはや何も言うことはないのだけれども…。

キャップを軸の後ろにはめるとき、かなりしっかり押し込まないと筆記中にずれるので、そこが気になるかな。気合い入れて押し込むか、キャップを外したまま筆記するかしないと、なかなかのストレスかもしれない。

まぁ、俺は筆記中にペンを強く握りすぎる癖があるから、それをやめれば快適になるんだろうけどね。

癖を矯正するいい機会ということにしよう!

フォルカン使うようになって筆圧が劇的に改善したしね。これを使ってさらにソフトに万年筆を持つようにしよう。

あと、これは微妙なところだけど、キャップを締めるときのねじの回転音がちょっと大きい。

ええと、回すときの「さしさし…」という音が。

…伝わるかわからないが!回転式キャップの万年筆使ったことある人なら伝わると思う。

パイロットのカスタムシリーズは回転音がほぼないけど、これはする。

ただ、そのうちこなれてきて音はしなくなるような気もしなくもない。それに、そんなところは気にならないので俺は問題ない。でも気になる人はいるかもね。

 

でもまぁ、それら気になる点を圧倒する軸の美しさがすべてを持っていくので、何も心配はないな…!

 

書いてみた

 

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書いてみた!

普通のコクヨのノートに。

字がひどいな…。

俺は本数を持っていないので、そんなに比べることはできないのだが…。

手持ちのパイロットのFニブの万年筆よりも気持ち太いかな?

とはいえ、これは俺がインクフロー改善のために隙間ゲージでちょっと広げた結果なので、あんまりあてにならないと思う。すまない。

でもさすが漢字圏の万年筆だけあって、細いよね。

欧米のブランドの万年筆はアルファベット仕様だからかなり太いし。

これぞ漢字の国の万年筆だな!

 

で、書き味なんだけど…

これがびっくりするくらい良いんだよ…!

サリサリ感、なし!

引っ掛かり、インク途切れ、なし!

筆記音、ほとんどなし!

 

いやー、すごい。

同じ鉄ペンのCROSSのATXパイロットのμ90と比較すると、圧倒的に上と言えてしまうね。

10年間使い続けて育ったはずのμ90よりもすごかったのは驚いたよ!

鉄ペンだからガッチガチなので、ふわっとした感覚がないけど、なんのストレスもなく字が書けるので必要十分!

あ、でも鉄ペンだから、ノート表面の凹凸はそのままダイレクトに指に伝わる感じはするね。そこは鉄ペンだから仕方ないね!

 

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インクの濃淡もはっきり出るし、フォルカンのように紙を選ぶ感じじゃないし、これは俺の中で相当なヒットだぜ!

 

出先でのメモ書き用のμ90

気合い入れてペン字や手紙、熱い言葉を書くためのフォルカン

日記などの長文を書く時の308

  

と分担できるようになってテンションが極めて上がったよね!

本当に綺麗だし!

 

とりあえず、ファーストインプレッションはこんな感じかな。

長く使ってみてどうなるか、楽しみになってきたよ!

久しぶりに買った万年筆、大切に使いたいね!

 

 

ラスボスとしての般若心経

例えば、普段の生活や本、雑誌、ネットの記事などで「すべからく」という単語が登場したとき。

んんっ…と身構える人は結構いるはずだ。

「だ、大丈夫だよな?ちゃんと…やってくれるな…?」と、ドキドキしながら文末を待つときのあの感覚。

 もちろん、揚げ足をとろうというわけじゃない。むしろ身構える俺自身が嫌だ。でもやっぱり、どうしても、んんっ…と身構える俺が脳の中に存在している。

そういったものはほかにいくつかある。

的を得るとか、性悪説とか。(的を得る、は俺は正しいと思うけど)

般若心経もその一つだ。

やや強引な導入だけれども、般若心経について語ってみたいと思う。

とても長い話になるが、気が向いたら俺の話を聞いていってほしい。

 

  •  そもそも、「お経」ってなんだ?
    • ナンマイダーとしてのお経
    • 書物という意味でのお経
    • 悪霊をねじ伏せるホーリーパワーとしてのお経
    • 猿と河童と豚と馬を引き連れて西域を練り歩く偉大な男のお経
    • 翻訳物としてのお経
  • それで、般若心経ってなんだ?
    • 最も短いお経・般若心経
    • オイラーの等式としての般若心経 ~ 短い ≠ わかりやすい ~
    • 大乗仏教の経典としての般若心経
    • 達人のための般若心経
    • 危険な般若心経
    • 破から離に至る般若心経
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そして象形文字に行きつく

易経ルーン文字、そして先日ついに梵字悉曇文字)にまで手を出してしまい、趣味に忙しくて仕事をしている時間がない男になりつつある。

あ、こないだのモノヴィレッジは楽しかったね!

いろいろと勉強にもなったし、これからどんどん出していこうと思っているよ…!

ああいう場では、むしろノールビンドニングの針を無償配布してひたすら布教に努めたほうがいいのかもしれないな…!あとワークショップのスペースもあったから、知名度が大きくなったらワークショップとかもやってみたいなーとか。そういうね。希望をさ…!

 

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さて、今日は、友人の娘さんに「接続詞について教えてほしい…!」と頼られたので…小中高の現国を無勉強で制圧してきた理系の男である俺の沽券にかけて間違った回答はできないと、図書館へ赴いて巨大な辞書でもって接続詞について調べてきた…!

「つまり」は辞書では副詞だけど、授業だとだいたい接続詞として扱われるよね。

すなわち(これは接続詞)、「つまり」の品詞は公的な試験では問われないということだな…!

まぁまぁ、それはそれとして、せっかく巨大な辞書のある図書館に来たのだからと、かねてより調べておきたかった「易経六十四卦」のそれぞれの漢字について、厚い厚い辞書でその語源と詳細な意味を明らかにしようと思い立った!

易経(えききょう)というのは、古代中国で書かれた、人類最古の書の一角をなす経典。細い棒をじゃらじゃらやる「易占」も、この経典を基に占っている。儒教四書五経の中で最上位に位置づけられている重要なもので、俺たちの孔丘先生(孔子)も「これはすごいぜ…」と言ってたし、ライプニッツも「こいつぁすごいぜ…」と言っていたし、現在もハーバードあたりの東洋哲学の授業で「こりゃあすごいぜ…」と言われていると聞く。

まぁとりあえず、「古代中国のすごい意味深な書物」と考えてくれればいいと思う。

こないだの元号改定の時にも少し話題になったよね。明治と大正は易経からってことで。

易経は最古に近い書物だから、易経を出展にしてしまえば今回の令和のように「いや、それには元ネタがるぞ!」とは言われないし、権威もあるので安パイなのである。「易経からとりました」と言えば「おう、なるほど」と無条件で納得してもらえる感じ。

易経というと馴染みがないけど、「八卦」と言えば何となく聞いたことがあるかもしれないね。八卦易経の概念で、その八卦をさらに組み合わせた六十四卦で事物を象る。八卦の「天」と「火」を組み合わせて「天火同人」としてその意味を考える、とかね。

そう、同人誌の「同人」は易経が元なのである。

六十四卦にはそれぞれ漢字が設定されていて、卦と漢字の意味を考えて占いをしたり、人生に役立てたりするというのが易経なんである。

なかなか面白いものだよ。

 

六十四卦の漢字とその順番を覚えやすくした詩がはこちら。作者は朱子学朱熹先生。

乾坤屯蒙需訟師 比小畜兮履泰否
同人大有謙豫隨 蠱臨觀兮噬嗑賁
剝復無妄大畜頤 大過坎離三十備
咸恆遯兮及大壯 晉與明夷家人睽
蹇解損益夬姤萃 升困井革鼎震繼
艮漸歸妹豐旅巽 兌渙節兮中孚至
小過既濟兼未濟 是為下經三十四

な、なんだかよくわからないとはおもうが!

こういう漢字がありますよ、ということで…。

 

六十四個はさすがに時間的に無理だったけど、六十四卦を構成する八卦の漢字をまず調べることにした。

特に、八卦の中で一番よくわからない漢字が「離」だったからね!上の詩だと3行目後半にあるよ。

この「離」は、「火」を表す漢字なんだけど…

普通に考えると「はなれる」という意味なんだけど、易経ではこれを「はなれる」と「くっつく」の両方の意味で解釈している。

「火は何かにくっつくことで存在できるからだ」と説明されているけれど、何か、こう、しっくりこない。

そういうわけで、漢字の語源を解説してくれている圧倒的厚さを誇る漢字辞典「字通」で調べてみると…。

 

な、なるほど!

ページを開いた瞬間、俺の脳の中で「Eureka!」という声がスパークし全裸のアルキメデス先生が疾走。

俺の脳内で躍動するアルキメデス先生がエンドルフィンとドーパミンの波を乗りこなしてイイ笑顔を見せる中、俺は理解した。

なるほどねー!

「離」という漢字は、「トリモチを使って鳥を捕獲する」が語源なんだって!

「离」は鳥のことで(猛禽類の禽もこれが元だ)、それをトリモチでハンティングする様子を表したので…

トリモチで、鳥を「くっつける」

そしてそのあと、収穫のために

トリモチを、鳥から「外す、はなす」

という二つの動作が一体になった漢字なんだよ!

これは凄いでしょう!?

相反する意味だけど、「トリモチで鳥をとる」という語源から考えると、何もおかしくはなかった!

だからこの易経の「離」は、「付」ではないので「くっついたり、はなれたり自在に起こる」という意味があるのだな!ずっとくっついているわけではないし、離れているわけでもない。そして、くっつくのも離れるのもお前の意思と技量次第なんだぜということも暗に示しているということだな…!?

 

いやー、これは感動したよ!

久しぶりに脳内アルキメデス先生が!

この瞬間こそが人生の神秘だよな…!

 

そして、今回本当の意味で「象形文字はすごい」と思い知ったよ。

象形文字って、要するにあれは非常口のマークだとか、トイレの男女のマークだとか、そういうデザイン記号だったんだよな。

いや、知識としてはもちろん知っていたけど、実感として深いところで理解できた気がする。

 

古代のある時代のある場所で、とあるハンターが、

「ここにトリモチの棒置いておくからね!槍とかに使ったらべたべたになるから注意してね!」

と注意喚起するために、棒の置いてある場所に「トリモチを使って鳥をとるイラスト」を描いておいたのかもしれないな…!

そしてそれを見たほかの人たちが、「何となくトリモチっぽく見えるな…これは鳥捕獲用の棒だろう…」みたいに理解してくれたり、したのかもしれないぜ…!

そう考えると…何やら熱い気持ちが生まれてくるじゃないか…!?

彼らの日常が、そして工夫が、現代の俺たちに欠かすべからざるモノとなって生きているわけだよ…!

これこそロマンじゃないか…?

 

太古の昔にも存在した、優れたデザイナーたちに深い敬意を表しながら、今日もあらゆる文字という文字を便利に使っていこうぜ!

縫うように編む北欧のプリミティブな編み物・ノールビンドニング

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ノールビンドニング、聞きなれない発音の言葉ですが、これは「Nål=針」「bindning=結びつける」という北欧の言葉です。

棒針編みや鉤針編みや織りが発達する以前に世界中の地域で行われていた、プリミティブな編み物で、古いものではなんと紀元前6500年の遺跡や、エジプトやペルーの遺跡からも見つかっています。

棒針編みなどの普及で、針を使う編み物は衰退し製法が失われてきましたが、フィンランドスウェーデンでは伝統的な編み物として伝えられてきました。そして1960年代に、北欧の各地・各家庭に伝わるノールビンドニングの技法が研究者によってまとめられ、世に知られるようになりました。

 

ノールビンドニングは古くて新しい編み物といえるかもしれませんね。

ここでは、初心者の方に向けてノールビンドニングとは何か、どう始めるかを書いていこうと思います。

 

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それでも除雪機は走る

あけましておめでとう!

いやぁ、去年は…いろいろ…あったよね!

婚約したり、婚約解消したり…とかね!

人生というのは面白いよね…!

そう思わないとやっていけない部分はあるけど!

 

この激動の人生を…楽しんでいきたいよな…!

 

とりあえず、去年後半全然やれてなかったクラフト活動を再開していこうと思うよ!やるべきことがたくさんある。素晴らしいことだな!エポキシレジンとか買いこんだのに封をあけてないからね。

 

で、さっそくそれらに手を出そうと思ったとたんに体調を崩して寝込んでしまったので、「それならば仕方ない。映画を見よう」とした俺の目に飛び込んできたのが…

 

ファイティング・ダディ 怒りの除雪車

 

そう、

 

ファイティング・ダディ 怒りの除雪車

 

もう一度言おう!

 

ファイティング・ダディ 怒りの除雪車

 

 

怒りの除雪車

 

いわゆる…

「ブチ切れたオッサンがマフィアをボコボコにする」系の映画である。

この時点で「…詳しい話を聞こう」となる人もいると思うけれども、そういう人はいますぐにAmazon Primeへ行って視聴を始めてほしい。後悔はさせない。今度熱く語り合おうぜ。

本編開始直後に除雪車が走り出し、確かな信頼を感じることができるはずだ。

なにせこの映画はノルウェー産。雪に関してはガチ中のガチだ。

北海道民も知らない強力な除雪車が登場するから楽しみにしておくといいぞ!

 

 

近年、この手の「マフィアをボッコボコにする」系の映画は割と侮れない俳優陣なことが多いのだが(デンゼル・ワシントンとかキアヌ・リーブスとかジャッキー・チェンとかね)、このノルウェーの映画ではいったい誰がブチ切れるのか。誰がマフィアを始末するのか。誰が除雪車に乗るのか。そこが気になって夜も眠れないと思う。

 

それは、ステラン・スカルスガルドである。

このお方が登場した瞬間、脳の中にエンヤの「オリノコ・フロウ」が流れ出した人は多いはずだ。

「え?聞こえないけど」という人には、ぜひとも「ドラゴンタトゥーの女」を見てほしい。忘れえぬ体験を保証する!リスベットかわいいし。俺たちのダニエル・クレイグが主演だしな…!オリノコ・フロウが一気に恐ろしい音楽に変貌するぞ!

 


Enya - Orinoco Flow

 

ほかに、「ヒトラー最後の十二日間」でヒトラーを見事に演じたブルーノ・ガンツと、

北欧映画で俺が一番におすすめするシリーズ「特捜部Q」の3作目「特捜部Q Pからのメッセージ」でこれまた強烈な演技で(俺が勝手に)注目しているポール・スヴェーレ・ハーゲンが出演している。

要するに…

素晴らしい役者がそろっているわけだな!

特にポール・スヴェーレ・ハーゲン。

添加物に厳しい麻薬王を大変コミカルに演じていて、終始俺たちを温かい気持ちにさせてくれる。部下にふるまう飲み物は当然100%オーガニックのニンジンジュースだ。ボス自らジューサーにかけてくれるぞ!

しかも後半、このボスの表向きの仕事がさらっと明かされるのだが…その衝撃は大変なものである。

この人、なんで麻薬密売なんてやってるんだろう…。

この人がそんなことをしなければ終始温かい映画で終わったというのに…!(始まりもしないが)

 

この手の映画のフォーマットのように、物語は

 ・事件が起こり、主人公の身内が殺される

 ・主人公が復讐を決意する

 ・マフィアの構成員を一人ずつ始末していく

 ・マフィアが焦り始める

 ・最終決戦

というように進んでいくのだけれど…

この映画の素晴らしさは、この一連の流れの底にある、謎のリズム感にあると思う。

そして特筆すべき演出は…作中に死者が出たとき、その死者の名前と、あだ名と、信仰している宗教のシンボルが画面にでる!

…い、意味が分からないかもしれないが!

そのテロップ挿入のタイミングが、謎のリズム感を生み出しており、何かちょっと楽しくなってくるのである。

ちなみに、会話の中で「あいつは死んだ」という話題が出たらその時にテロップが出る。

このテロップ自体はふざけている感じではないのだけど、出るタイミングや演出の積み重ねが秀逸で

「いまさらかよ!」

「えっ…死んじゃったの!?」

ユダヤ教徒だったのかよ!」

ムスリム一人もいないじゃないか!」

「た、タケシーーーーーーーーーー!」

とか、都度都度盛り上がれること請け合いだ。

これはぜひ実況しながらみんなと見てみたい。凄い。楽しい。この楽しさを共有したい。

こういった演出は、「みんなに話したい」という欲求を抱かせるSNS時代特有の演出かもしれないね。

 

そしてこの映画は

 スカルスガルドが除雪する

 マフィア構成員を始末する

 テロップがでる

 遺体処理

 荘厳なコーラス

前半はこの流れが繰り返される。

そう。

荘厳なコーラスは欠かせない。

アーーーーーアーーーアーーーアアアーーーーー

というコーラスに乗せて、マフィアの遺体が川に打ち捨てられていくのである。

これが何とも言えない味わいを醸し出している。

無常を感じる。

 

そして、あまりにも濃すぎる登場人物たち。

格の違い(?)を見せつけるロス帰りの警官、冬のノルウェーを思いっきり楽しむセルビアンマフィア、許されぬ愛に準じる者、車内で気持ちよく歌うマフィア、隙あらば中央党に勧誘する近所の男…

すべての登場人物が魅力的に描かれており、「あぁ、もうずっとこいつらを見ていたい!」と思えるほどだ。お気に入りはセルビアンマフィア。かわいい。

また、すべてを描くのでなく、におわせる演出が駆使されているのも個人的に好きだ。いろんなことを人に話したくなる。本当に好きな映画だ。

 

しかし…そんなキャラクターたちの中でも、主人公であるスカルスガルドだけは別だ。

彼だけは、そのような楽しげな雰囲気とは無縁の存在だ。

そう、この作品はどうあがいても復讐譚なのである。

彼は除雪をし、ターゲットを探し出し、復讐を果たしていく。

最終的な結末は、結局のところ人の死でなければ終わらないのである。

しかしそれでも、彼は除雪をする。

息子が殺されても、除雪をする。

彼が除雪をしなければ車は走れないからだ。

 

作中で、彼が除雪について何かをいうことはない。ただ淡々と除雪をしていく。除雪とは何かを語るのは、意外にもマフィアの構成員たちである。

そして、俺たちが期待するような、除雪車を使った派手な復讐というのは実はあんまりない。いや見てみたかったけどな!

 

この映画において、除雪というのは「それでも生活は続く」ことを示していると思っている。

人が死んでも、銃撃戦が起きても、何がおきたって、除雪車は走る。

強力な除雪車が雪をかき分けて走るように、俺たちも日々の戦いをしなければならないのかもしれない。途中でどんな辛いイベントがあっても。

 

それでも、除雪車は走り、俺たちの生活は続いていくのだろう。毎日を生きるために。

 

 

 

 

 

…と、生意気にもキレイにまとめたところで…!

ここからが大事なところですよ!

やはり、ノルウェー、北欧の映画だからな…!

映画の中のインテリアとかがもう超絶に美しいわけだよ!

目を見張るほどに!

そして、除雪機…!

さらに、ラストで登場する…とある重機!

もう、たまらないな!

一時停止の雨あられだぜ!

そして!

これ!

 

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マフィアのボスの奥さんが持っている、手袋!

素敵だ…!

ほんの一瞬映るだけなんだけどね。

で、この素敵なミトンはいったいどのような編み物なのか…

気になったわけだよ!

これ系のミトンは、何かどこかで見たことがある!

しかし今の俺では、「見たことがある」というレベルでしかわからない。

というわけで、Twitterで呟いてみたところ…

 

 

 

フォロワーさんが知ってた!

すごいな!ありがとう!

セルブーミトンですって!

ノルウェー伝統のミトン!

これはあれか、オトコノコたちが一瞬映った銃器の名前をすぐに言い当てる見たいな能力なのだろうか。

俺も修行をせねばならないな…!

 

この画像のシーンは、Twitter出も書いた通り、マフィアのボスが元奥さんに対して

「流行りの手袋を付けていても無駄だ…!」

といわれたときに一瞬映ったもの。

つまり、「俺と結婚していた時は好き放題金を使えたのに、今はみじめな暮らしをしているな。流行りの手袋を付けて見せて取り繕っても無駄」みたいなことを言っているシーンなんだと思う。

そして、その時に「デンマーク人のくせに」とボスは元奥さんを罵倒する。

これは、「デンマーク人が嫌われている」という定番(なのかなぁ)のネタだけではなく、デンマーク人のお前がノルウェーの手袋をしても、ノルウェー人にはなれない」みたいなことを言っているのかもしれない。

もちろん差別的な表現だけど、ミトン一つで二人の関係をあらわしたのは凄いことなんじゃないだろうか。

実際、映画の冒頭で「あんたはいい意味での移民だよ」というな会話があって、人種差別、移民差別は明確に存在すると示されているしね。

こういう隠された意図、演出に気づく瞬間が、作品を鑑賞する醍醐味なのかもしれないな。

編み物は…確実に俺の人生を豊かにしているぜ…!

 

 

あ、ちなみに面白かった小ネタとして…

ノルウェーでも、太巻きは「フトマキ」と発音するみたいですよ!

太巻き恵方巻見たいなアレ!

なんでこの映画で太巻きなんていう単語が出たのかって?

見てみてのお楽しみだ!

 

タケシ…安らかに眠ってくれ…!

 

クリスマスは、パンとワインと

クリスマス。

そう、季節はまさにメリークリスマス!

大人にとっては楽しくも忙しい時期であり、

子供にとっては「サンタは果たして実在するかどうか」「目で確認できないものは存在しないといいきれるのかどうか」という形而上学に初めて触れる、人生で最も大事な時期でもある…!

そう、安易に「サンタはいない」などといえるものではない…!

「サンタはいるのか否か」という問いを通じて、子供たちは大自然の、そして人生の神秘を目の当たりにし、今後の人生が唯物論に傾くのか、それとも神秘を神秘として受け止めることができるのかが決まる大いなる時期なのだ。

世のお父さんお母さん、おじいちゃんおばあちゃんは…世界の成り立ちを子供に伝える神秘の代行者としてのミッションを果たすことができたのか!?

ぜひとも頑張ってほしいところだぜ…!

 

さてそれで、俺。

俺はこのクリスマスという神秘にどう立ち向かうのか!

急に小さい話になったが…!

あちこちで書いたかもしれないけど、俺はこのクリスマスイブは毎年一人でパン一個とワインだけ飲んで過ごすことにしている。もう10年、そのような過ごし方をしている。

しかし今年は…違った!

今年は、クリスマスを共に過ごせる存在が…

俺の食卓に来てくれたわけだよ!

パン、ワイン、そしてドリル

パン

ワイン

そしてドリル

何もおかしいところはない。

133Nのパワーを誇るインパクトドライバーの超威力でコルクに栓抜きを垂直に打ち込み…

そして最後に手で抜栓するッ

な、なにッ!?

結局最後は手で抜くのか!?

俺はてっきり、ドリルのパワーでそのまま抜くのかと…ッ!

いやま、しかし、抜きやすいのは事実。

そして絵面が大変笑えるのも事実。

ドリルで抜栓

「コルクにねじ込むのが苦手な人ってそんなに多くないよな…?問題なのは抜くときだよな…?」

という根本的な問題に目をつむれば、極めて優秀なツールである。

これで一人のクリスマスも楽しく過ごせるよ!やったね!

 

…ネタに走るのに2000円はちょっと痛かったかなぁという問題にも俺は目を瞑るが!

あぁ、俺は瞑るね!

人間は…いつだって盲目さ…俺も…恋という名の…

 

いや、まぁよ!

 

それで、クリスマスになぜパン一個とワインで過ごすことになったのか。

 

せっかくだし、少し俺の話を聞いていってほしい。

 

今からおよそ10年前、俺が27歳くらいのころ。

俺は当時東京に住んでいて(ときわ荘のすぐそば)、朝8時から夜11時くらいまで仕事をしていた。

俺はプライベートがしっかりしてないと仕事もダメなタイプだから、当然、凄い消耗していった。それに、そこまでやって何か得られるものがあったかというとそうではなかったし。往々にしてそうだけれどね。

俺は北海道の出身だから、東京に冬はなかった。

秋が長く続き、いつの間にか梅の花が咲いている。東京はそんな場所だった。梅の花が見られたのは嬉しかったけれど、何か欠落したものを感じていた。雪の降る匂いを感じられなかったのは寂しかった。あ、豆腐売りとか屋台に遭遇したのは最高だったけどね!素晴らしかった。

長い秋も半ばになったある日、珍しく定時で帰ることができた。定時は…何時だっただろうか。17時?18時?19時?とにかく、早かった。お店が開いている時間だ。ご飯を食べることもできるし、買い物だってできる。素晴らしい時間。

最終のバスに乗れないことが度々あったので、俺は自転車で通勤していた。電車の3駅分。雪がないのでいつでも自転車で走ることができる。東京は素晴らしい世界だ。

その日は早い時間に上がれたし、自転車で疾走するのはやめて、押して歩くことにした。

東京は広いが俺の世界はとても狭い。

今まで知らなかったお店、場所、オブジェ、道、建物がたくさんあった。

あぁ、もっと早く気づいていればなぁとぼんやりと思った。

少し道の横にそれるだけで、無限の世界が広がっていたというのに。

あぁ、俺は何も見ていなかったんだな。こんなになんでもあるのに。

それで、いつもは通らない道を通ろうと考えた。

道に迷ってもいいな、と思った。迷うのは楽しい。

路地を通り、いくつかの橋を渡り、墓場をやり過ごしてもうまいこと迷うことができなかったその時、

クリスマスだなぁと理解した。

クリスマスだよ。クリスマスイブ。12月24日だ。だから早く帰れたのかもしれないな。

もちろんわかってはいたけれど。

しかし、このときは実感も何もあったものじゃない。疲れ果てていたし。長いアドベントの最終日という感覚だった。春分秋分と同じように、なんとなく過ぎているもの。明後日にはお正月が始まる。そういうものだ。

でも唐突に理解した、あぁ、クリスマスが来る。クリスマスが終わる。

クリスマス、クリスマス、世間はクリスマスだが、俺は、今何のために歩いているのだ?

急に家に帰りたくなって全力疾走した。多分道はあっている。このままではまずい。クリスマスだぞ?

そしてしばらく走ると、教会の前に出た。カトリックの。 俺がイメージする教会とは全然違う、堅牢な建物だった。掲示板の前に止まり、様子をうかがってみる。どうやら、まさにクリスマスイブのミサの前だったらしい。

ここで俺は考えた。

道に迷うこともできずに狭い世界から出られない俺にも、門戸は開かれているのだろうか?

そもそも、部外者の俺が入ってもいいのか?

大丈夫なのか?

それとなく入り口に近づいてみる。誰でも入れる、参加できるという知識はあったけれど、実際に行動に移すのは別の話だ。逡巡しながらも、多分俺はここに入るだろうな、と確信していた。

 

『誰でもご自由にお入りください』

俺は入る。

受け付けなどは特になかった。入り口に誰もいない。

『ご自由にお座りください』

俺は座る。

相当早かったらしい。俺のほかに座っている人はいない。

『ご自由にお持ちください』

ミサの進行と、聖歌の歌詞が書いている。

時間まで俺は待つ。

徐々に人が増えてきて、すごく緊張する。

俺は…やっぱりここにいたらまずいんじゃないか…?

とりあえず最後尾の端に座ったけれども…

バレるんじゃないか…?

そんな気持ちがした。何もやましいことはないのだが。

時間になり、席はおおよそ埋まった。

ミサが始まる寸前に、俺の隣にスーツを着た、颯爽としたお姉さんが座った。

当然ながらこのお姉さんとは何もない。何かあっても困る。

進行と歌詞が書いた紙を渡しただけだ。でもなぜか妙に覚えている。

ミサは厳粛に進んだけれど、やはり俺の中で場違い感はぬぐいきれなかった。

それは異教徒感ということではなく、それもあったかもしれないけど、結局のところ、「あぁ、こんなにみんなが真剣に祈っている場所に、フワフワしてるだけの俺はふさわしくないんだろうなぁ」という人生についての場違い感である。

俺は、適合していない。社会にも、自分自身にも。

ミサをぼんやりと眺めていて、自分の人生、存在を肯定してくれる存在がある、というのはとても勇気を得られるものだよな、あぁ、そうだな、と思った。

そしてキリスト教は、「人間の一番重い罰をイエスが贖ってくれたから、あとはもう死ぬほどの罰などありはしない。ただ悔い改めるのみだ」という熱い宗教なんだな、と理解した。

俺は信徒ではないけれど、今でもイエス・キリストその人とそのロジックには尊敬しかない。

この後一般の人も参加できる簡単な立食パーティがあったんだけど、さすがにそこまで参加するわけにもいかないから、足早にその場を去った。ほかの人が聖堂から出ないうちに、ひっそりとその場を後にしようとした。

速足で聖堂を出て入り口を抜け、ドアに手をかけたとき、立食パーティの準備をしていた女性が駆けてきて、俺の手にパンを一個、握らせてくれた。

「メリークリスマス!」

俺は立ち止まることができず(立ち止まったらいろいろあふれるような気がした)、

歩きながらパンを持った手を挙げて

「ありがとうございます、メリークリスマス!」

そういってそのまま自転車に乗り、手に持ったパンを見て涙を流しながら家に向かった。

途中で安いワインを買い、人生で最高のパンを食べてクリスマスを過ごした。

パンをもらって家に帰って食べて寝るまでが一瞬のことのような気がして、今でもそのあたりは曖昧にしか思いだせない。最高のパンだったことは間違いないけれど、どんなパンだったのかはおぼろげなままだ。

しかし、パンは覚えている。

彼女の声も覚えている。

あの人に対して言うように、メリークリスマス、と誰に対しても言っていきたいと思う。

今も、またこれからも。

 

 

メリークリスマス!