何を考えているかわからない存在の恐ろしさ - 彼がゾンビになってるのに、誰も気づいてくれない -

ルーン文字セミナーの話の続きはいったいどうなったんだ!?

とか

北海道の地震と停電はどうなんだ!?

とか

いやそんなことよりも、地震によりシュールストレミング体験会が中止になってしまったという、俺の人生を揺るがしかねない事件についてとか、

いろいろと溜まってはいるんだけれども。

ちょっと俺の感覚が新鮮なうちに書いておきたいものがあるので、それらはもう少し後にさせていただきたく。

それに地震については、俺自身にはそんなに言うべきことはないかなと思うしね。

あ、でも、東北や熊本など、震災被害を乗り越えてきた/つつあるSNSの友人たちからのアドバイスや激励は俺を心から救い、また今後の俺の血肉になるものだったので、そこはもう感謝しかないね!どうもありがとう。頑張っていこうぜ。

 

それで、今回の話は―

トラウマを抱えた女性は "意外と" 多いのではないか?

と思った話。

なんの話だ?と思われるかもしれないが…。

つまるところデートレイプの話である。

デートDVだとか、夫婦間レイプだとか、そういう話だ。

重たいな…!まるで重力が変動しているかのような重さだぜ…!

 

身近な女性たちの話を聞いていると、 "意外なほどに" 多くの女性がデートレイプの被害にあっていることがわかった。

それで、「もしかするとこれは、俺が男性だから "意外に" 思うだけなのであって、実は女性は結構な割合でデートDV等の被害を受けまくっているのではないか?」と思ったわけだよ。

"意外に"などと思っていること自体が、男性と女性で深刻な溝になっているのでは?

 

で、そうなると、

「どこからがデートDVなのか問題」

にぶち当たってくる。

ここがとても難しいところで、ここを雑に扱ってしまうと

「なんだ、トラウマ(笑)かよ。俺が毎日部長から受けているパワハラに比べたら、お前のトラウマ(笑)は犬用のブラシで猫を梳るくらいの話だぜ…!」みたいにモラハラと苦労自慢の悪魔合体の話になったり、

「あれもDV!これもDV!ヤツは生きているだけで破壊と殺戮をまき散らす恐るべき存在…!」みたいに話が魔王的に広がりすぎて収拾がつかなくなったりする。

そういうわけで、まずは「何がデートレイプなのか問題」に関して、加害側と被害側の溝を埋めていくことが必要なんじゃないかと思うんだよね。

 

何がデートレイプなのか問題

デートレイプや夫婦間レイプなど、「カップルであれば普通にやる行為なんだけど、タイミングやお互いの認識がズレていると普通に暴力になる行為」はとても難しい問題だ。

「彼女を愛する気持ちが高まりすぎて、ベッドに入った際、衝動のままに襲ってしまった」

というのは、割と多くの男性たちに心当たりがありそうな気がする。例えば、人生初めてのセックスのときとかにね。これは童貞あるあるの一つであり、つまるところ全男性に可能性がある話だ。童貞あるあると笑っているけれど、これは童貞という属性によって弱められているだけで、普通に重たい話。

…まぁ、童貞ゆえに襲い掛かってもその後どうするかわからなくて意気消沈する、というオチがついてこそやわらぐ話なのでそんなに危険視されてはいないけれどもね。

あ、「可能性がある」だけで、「当然そんなことをしない男性」もたくさんいるからそこは間違えないように頼む!

しっかりした男性はちゃんといるからね。この日記はその前提で読んでくれ!

 

で、この「何がデートレイプなのか問題」の溝を埋めるために、

・男性はなぜ襲うか

・女性はなにがトラウマになるのか

の両面から考えてみたいと思う。もちろん「男性は加害側である」みたいな極論からは距離を置くとして。

…こういう但し書きは結構面倒だな!

 

俺たちはその蛮族ムーブを自覚しているか?

男性側、加害側の思考は割と単純だ。

だからこそ問題はこじれるんだけれども。

男性側の見方を書くと、こんな感じになる。

 萌えた!

 襲った!

 スッキリした。

この地獄の蛮族ムーブが男性視点でのデートレイプの構造だと思う。

 

以前、こんな話を聞いたことがある。

「彼女が正座をしてアイロンがけをしている後ろ姿が最高に萌えたので、その場で押し倒してセックスした」

これは…男性視点で言えば、「わかる」話だ。残念ながらな!

彼女が正座をしてアイロンがけをしている後ろ姿に最高に萌えるという気持ちは普遍的なものだ。しかしだからと言って蛮族ムーブをする理由にはならない。

この背景には、「彼女は俺を愛してくれているから、強引に迫っても許してくれる/愛してくれる」という確信/過信がある。それゆえにこのような蛮族ムーブに至るのではなかろうか。

この「彼女は俺を好きだ」という甘えがあるから、「付き合っているときは誠実なのに、いざ結婚すると横暴になる」ってことも起きるのだろうと思う。

「俺のことを愛してくれる女性が好き」

というタイプの男性は気を付けてほしい。そういう男性は、甘えから横暴になりやすい。おまけに別れるときにもめやすい。「相手は自分に依存しているのだ」という勘違いが甘えの源泉になっているので、「そうじゃない」と否定されることに耐えられなかったりするのだ。相手との関係でなく、自分にしか興味がいかないので、容易に相手の人格を攻撃してしまう。

ちょっと話はそれたけど。

 

親しい人が「よくわからないもの」に変貌する恐怖

 男性が何の気なしに蛮族ムーブですっきりしたその時、女性側被害側はまるでホラー映画のごとき恐怖に侵されている。

冷静に考えてみよう。

先のアイロンがけをしていた女性の場合を考えると、

「何もしていないのにいきなり後ろから襲い掛かられ、『なんで?どうして?』と問う間もなく一方的に行為をされた」

ということになる。

これはホラーである。

愛する男性が突如何かにとりつかれたように暴力的になり、理由がわからぬまま蹂躙される。

この理不尽。

プレデターに襲われた方がまだマシだぞ!

プレデターには少なくともちゃんと理由があるからな…!

プレデターよりもゾンビに近い恐怖と言える。

ゾンビ、怖いでしょう…?

いまいちこの恐怖にピンとこない人のために、ゾンビ映画で例えると「愛する人が突如変貌する怖さ、恐ろしさ」が理解できると思う。

 

「ジョニー!早くそいつをぶちのめすんだ!」

「何をいっているんだトニー!」

「何を躊躇しているんだジョニー!そいつはもうただのゾンビだ!」

「俺にはできない…彼はジェームズ、俺を助けてくれたジェームズ・オルブライト*1なんだぜ!?」

「馬鹿を言うな!そいつはもう俺たちが愛したジェームズじゃないんだぞ!」

「…できない!俺にはできない!」

「クソ!どけるんだジョニー!俺がやる! …ゆるせよジェームズ…今助けてやるからな…!」

「よすんだトニー!」

「あばよジェームズ!永遠にグッドナイトだ…な、なに!ぐわあああああああ!」

「ト、トニーーーーー!」

「ジョニー…お前は逃げるんだ…ここから西に無事な人間たちが集まるキャンプがある…そこまで逃げて生き延びるんだ…」

 そしてキャンプにたどり着いたジョニーはゾンビハンターとして覚醒し、ゾンビ狩りを開始するも、ゾンビと化したトニーとの劇的な邂逅を果たして次のシーズンに引っ張るというシナリオだ。

大体脳の中で映像化していただけたと思う。

要するに女性側の視点はこういうことだ。

愛する人がゾンビと化し、突如襲い掛かってる恐怖。

彼はもう優しいジェームズではなくなってしまった。

姿かたちは変わらなくても、コミュニケーションが取れず、何を考えているのかわからない。そんな恐ろしいものに変化してしまった。

そして自分はその存在に対して無力なのである。

 

これが蛮族ムーブに対する女性側の視点である。

正直めっちゃ怖いぞ!

 

彼氏がゾンビになったら、そりゃトラウマになるだろう

こと男女の関係については、トラウマを軽視する人がかなり多い。

デートレイプや夫婦間レイプをうったえても、「でも気持ちよかったんだろ(笑)」とか「夫婦ならセックスするのが当たり前だろ」みたいな恐ろしい言葉が投げかけられる。

これをゾンビで考えるとどれほどありえないことを言ってるのかわかると思う。

ゾンビに襲われた恐怖を伝えているのに、

「お前の恋人だろ。黙って食われて死ねよ」

とまるでサイコパスな返答をされるようなものだ。

ゾンビから逃れて駆け込んだ警察署でこんな返答をされたら、

「結局ゾンビ映画で一番怖いのは人間」

といういつものパターンになってしまう。

いや、いつものパターンだからこそ普遍的なのかもしれない。

現実的に、デートレイプや夫婦間レイプに苦しむ女性の多くがこういう体験をしているだろうから。

 

俺たちは自覚なしにゾンビと化してはいないだろうか?

 かたや「愛の暴走」

 かたや「ゾンビの襲撃」

「何がデートレイプか問題」には、常にこの認識の齟齬が付きまとう。

 

相手の立場や感情を完全に理解することはできないけれど、

このすれ違いの悲劇を防ぐためには、時折でもいいから

「俺はゾンビ化してはいないだろうか?」

と自問していく姿勢が必要になるだろう。

そして、パートナーにもゾンビ化の危険性を伝え、話し合い、ゾンビパンデミックになる前に食い止める方策を探していく必要が出てくる。

 

「お前はゾンビ化因子を持っているからこっちに近づくんじゃねーよ」

というのは真の解決ではない。

ゾンビはいかに隔離しても、必ず漏れ出して人類を脅かすのがゾンビ映画の定番だ。

だから、抑え込むのではなく、ゾンビの兆候をいち早く発見し、「いかん、ちょっとゾンビ化しかけてたわ!」と気軽に話せるような社会を目指すべきだと思う。

社会の最小単位である家族、夫婦、恋人の間でゾンビ対策をしていく。

それが豊かな人間社会を生み出すチカラになるのではないだろうか…!

 

 

 

まぁつまり具体的に言えば…

 

彼女や奥さんに萌えたからってすぐに蛮族ムーブに走るな!ゾンビになるな!

 

とりあえずキスして反応を見よう!

 

という話になるんだけどさ。

キスは重要だぜ。

キス最強。

カエルも王子様に戻るんだぜ。

もっとキスしていってもいいんじゃないか。

ゾンビ化を防ぐために。

 

俺も…人間として生を全うしたいからな…!

*1:このジェームズ・オルブライトはフィクションです。実在のジェームズ・オルブライトとは無関係です。

ルーン文字のセミナーに行ってきた① - 何よりも重いもの -

ルーン文字

これほどオトコノコのココロをくすぐる言葉があるだろうか?

いや男の子ででなくとも、心にときめくものはあるはずだ。

魔術とか神話とか星座とか鉱石とか天使とか悪魔とか、そういう妖しげなモノに心を躍らせていたかつての少年少女になら、この感覚はわかっていただけると思う。

 

俺もかつての少年として…ルーン文字ははずせないな!

しかし、この現代の人生の舞台にルーン文字が登場することはあまりない。

というかほぼない。

絶無だぞ!

中学生のころ、ラテン語などに興味をもってそれらしい本を読み漁った(理解できる範囲でだけど)時にルーン文字に触れた後、現代社会の若者として生きていった俺の脳の中にルーン文字は存在しなかった。

いやまぁ、ゲームとか、ファンタジー小説とかにはあったけど!

具体的にはDiabloIIとか。あれはハマったよな…!

 

そんな俺の人生にも、ついにルーン文字が再登場するときがやってきた。

つまるところノールビンドニングを始めたからだ。北欧の文化に触れるということは、すなわちルーン文字との再会に他ならない。

懐かしい友に出会う気持ちで…とか、あんまり書くとアレだけれども。

 

とにかく!

ノールビンドニングを始めるにつれ、「これはやはりルーン文字をきちんと知らなければならないぞ!」という思いが強くなっていた。先日作ったタールハルパにも何かしらルーン文字を刻みたくなってきたしな!

そんな矢先のこと。 

いつもニットカフェでお世話になっているpresseさんにルーン文字セミナーが開催されるという情報を教えていただいた…!

 

 

 

 

というわけで、若干光には及ばなかったものの、その場で電話をかけて予約をすることに成功した!

というか、電話口では講師の先生(スウェーデンの人だ!)に俺の正確な名前を伝えられず、改めてメールをしたのだけれども。

やぁ、実際、異なる文化圏の人の名前を聞いただけで正確に覚えるって無理だしな!そんなところからすでに「これは異文化だぜ…!」とワクワクし始めた。これだよ!文化を学ぶということは!

そうだろう!?

 

 

そして8月25日。

俺は車で当別町に向かう。

北海道の当別町と言えば、ロイズのチョコレート工場があるところで有名。すべてのロイズのチョコレートはここで生産されている。

そして地味だけれども、明治維新の後に、仙台藩が初めて入植した地でもある。生粋の札幌市民の多くは会津藩仙台藩の子孫なことが多いね。札幌の「白石区」の「白石」は、仙台藩片倉家の居城・白石城からとられているよ。

北海道に歴史無しとか言う人がいるけれど、そこに住む人にはきちんと歴史があるものなのだ。

 

f:id:yajul_q:20180827170334j:plain

そんな歴史ある当別町だけれども…。

スウェーデンヒルズに入った瞬間からもうそこは日本ではなかった!

見てみろよこの景色を…!

台風が通った後なので、著しく天気が悪いけれども。

いやもう、本当に全部こんな感じでね!街路樹はすべてカエデ。建物も統一されているし。

本気でここに住みたくなるよ…!

もう空きはないけどさ!

f:id:yajul_q:20180827170412j:plain

しかもほら!

交流センターには…木工房がある!

ガラス工芸館もあるよ…!実際にここで作業もできるみたいだよ…!

俺…ここに住みたいよ!?

なんなら、家をイチから自力で建てるところからでも…!

 

f:id:yajul_q:20180827170347j:plain

織り機とか、

f:id:yajul_q:20180827170351j:plain

超ナイスなベンチとか!

何かもう、俺の好むすべてがここにありそうな気がしてくるな!

あとは木工房やガラス工芸館で作られたと思しき作品もあったし。

全く素晴らしいね!

 

そんな魅惑の交流センターに後ろ髪をひかれつつも、今回の目的であるルーン文字セミナーの会場へ向かう。

参加費はまさかの500円!

f:id:yajul_q:20180827170402j:plain

たった500円でこの陣容だぜ…?

講師を務めてくれるのは、職員のペールさん。

スウェーデンの人が直々に北欧神話ルーン文字について教えてくれるなんて、インドで日本神話の講座があるようなものだな!こんな機会はほかにあるまい…!

 

講座のプログラムは

北欧神話の話

ルーン文字

ヴァイキングボードゲーム、「フネヴァタヴル」への挑戦

の3つからなっている。

セミナー開講直後の「世界にはニフルヘイムとムスペルヘイムがあり、その間にはギンヌンガガプが…」と聞いた時点で北欧神話野郎のテンションは青天井になるわけだけれども、ここでその講座のすべてを書き記すと大変なことになるので、「いたく感動した部分」に焦点を絞って書いてみようと思う。

じゃないと書き終わらないしな!

 

北欧神話は「毒」がある

北欧神話での世界の構成、成り立ち、事件のあらましを聞いていくと、いろんなところで「毒」の話が挿入されているのに気づいた。

北欧神話で「毒」といえば?

マニアな人たちはすでに回答をいくつか持っているかもしれないが。

まず、北欧神話は世界の成り立ちからして毒が関わっている。

霧の国ニフルヘイムと炎の国ムスペルヘイムの衝突で「エイトル」という恐るべき毒が誕生する。そしてその雫から、原初の巨人であるエミールが生まれる。

ちなみにペールさんはエミールのことを「イミル」に近い発音をされておりました。

生の発音が聞けるのが最高でね!

この、毒から生まれた巨人をオーディンらが倒して、俺たちの世界が生まれるという神話だ。日本神話で言うオオゲツヒメの話みたいなもので。ハイヌウェレ型神話かもね。

で、俺たち人間界は、この巨人のまつげから生まれた。

ま、まつげ!?

なぜまつげ…と思ったんだけど、これはつまり「囲い」ということらしい。

まつげが柵となり、柱となって人間界とそれ以外を分けたのだそうだ。

そう考えてみると、まつげは目の門番ともいえるかもしれない。まつげが開くことによって、目が生み出されるという考えもできようか。

…もうすでにだいぶ長くなってきたが、まだ序の口である。すまん。

 

それで、エイトルという毒はこの一回きりに出てくるものではなく、神話の何か所かに「神をも殺す必殺の毒」という設定で出てくる。

例えば、ロキが受ける罰も、「頭に絶え間なくエイトルを注ぎ続けられる」ものだし、

俺たちの雷神トールがラグナロクで大地の蛇ヨルムンガンドを倒したのち、このエイトルを受けて9歩後ろに下がった末に絶命している。

北欧神話ラグナロクという、神々の死で終わる神話なのは(あるいはだからこそ)、このエイトルという毒が根幹にあるからなのかもしれない。

 

アース神族ヴァン神族

北欧神話のといえば、この二つの神の系統。

アスガルズに住むアース神族と、ヴァナヘイムに住むヴァン神族の二つの系統の神が存在する。

アース神族で有名なのは、主神オーディン、雷神トール。

ヴァン神族で有名なのは、フレイとフレイヤの兄妹。フレイヤは金曜日の「Friday」の元ネタだ。金曜日はフレイヤの日である。

っていうか、曜日は土日月以外は北欧神話の神が元だ。

Tuesday : 軍神テュールの日

Wednesday : 戦士の神オーディンの日

Thursday : 雷神トールの日

Friday : 魔術の女神フレイヤの日

「なんで曜日のスペルってこんなに覚えにくいんだよ」と中学時代に思った人も多いと思う。俺もだ!

しかしそれは北欧神話が元なので、仕方ないところではある。

で、この二つの神の系統については興味ある人は調べてもらうとして…

 

やはり発音だよね!

ペールさんはアース神族のことを「アーサー」と呼び、ヴァン神族のことを「ワーン」のような発音で言っていた!

もうこれだけで満足だな!

なるほど現地の人はそう呼ぶのだな!

 

雷神トールの発音が凄かった

いやま、結局は発音だよ!

知識は本で補完できるが、発音、こればかりはライブで聞いてみなければわからない!

今回のセミナーで一番感動したのが、この「トール」の発音かも!

普通に「とーる」って発音するんじゃないんだよ!

「ト」をめっちゃ強く発音するの!

で、「ル」はちょっと巻き舌気味!

ちょっとやってみるといいよ!思いっきり「ト」を強く。気分が高揚するから!

これは完全に言霊だね。トールの名前聞いてるだけで勇ましい気分になってくるんだよ!

これは、現代でも人気ある神様なのは理解できる。言霊が半端では無いもの。

もうこのトールの発音聞けただけで俺は満足したね…!

ゲームの真・女神転生IIIの影響でトールが一番好きなんだけど、さらに好きな理由が増えたぜ…!

 

無機物にすら愛される至高のイケメン

バルドルとかいう世界神話史上最強の性格イケメン。

「この世のあらゆるものに愛された」とかさすがに無茶な設定じゃないか…?

とか書いている俺もきっとバルドルを愛することになるのだろうけれども!

あぁ、愛する自信はあるね!

なんせ、バルドルはそこらに落ちている石とか、水とか、多分空気にも愛された最強のイケメンだからな…。

勝てる気がしない。

いや勝つ気もないけど。

しかし、そんなイケメン設定を盛り込まれると、「どこかにバグはないか?」と探り始めるのがロキという男である。

「みんなに愛されているから誰もバルドルを傷つけない。だから彼は不死」

という設定に穴を見つけようと躍起になる男、それがロキである。

なんでそんなことするんだよ!やめろよ!

と思うかもしれないが、それをやるのがロキである。

どうしようもないやつだな!

しかしそれがロキである。

 

結果として、ロキは

まだ若かったので「バルドルを傷つけない」という約束をしなかった「ヤドリギ」でバルドルを殺すことに成功する。

世界最初のハッカーはロキかもしれない。

 

ここまでは、北欧神話を少し調べればわかることなのだが、

そのあとにペールさんがちょっと言った一言が、俺に衝撃を与えたわけだよ。

 

ヴァイキングにとっての約束の重さ

ヴァイキングは約束を大切にするので、若い人には『あんまり約束をしないほうがいい』と教えるんです」

つまり、ヤドリギが「若すぎたから約束をしなかった」というのは、そういうことだったらしいのである!

神話が先か、ヴァイキングの信条が先かはわからないけれど、

ヴァイキングにとって、約束をするというのは極めて重い契約であったから、至らなさから約束を破りがちな若者には『約束(契約)をするにはまだ早い』と教育していた。

ということになるわけだよ!

これは凄い気づきだと思うんだよ!

ヴァイキングたちは約束を果たすために文字通り命をかけていて、

嘘をつく、だます、忘れる、空約束をするというのを何よりも嫌ったということだ。

これは、契約や約束を軽く考えがちな現代の俺たちと相当に異なる価値観じゃなかろうか。

この価値観がひいてはの契約文化に引き継がれているような気がする。

「約束を守れ」

という極めて重たいルールがありに

「だから、守れない約束はするな」

という教訓があり

「若者はみだりに約束なんてするんじゃない」

と教育する。

これってものすごいことじゃないだろうか。

 

ちょっと話が飛躍するかもしれないけど、

現代の北欧の国々の教育が優れているのは、根底に上記のようなマインドがあるからじゃないかな?

まず達成すべき目標があって、

その目標の意味するところを伝えて、

最初は達成は出来ないものだと理解している。

根性論や精神論だと「とにかく達成しろ!」で終わる話を、かみ砕いて最初の一歩の話から始める。

こういう違いが、やがて巨大な差異になっていくのかもしれない。

…さすがに話を大きくしすぎたような気もするけど、俺の中で何か、大きな納得がいった瞬間だった。

 

ペールさんの何気ない一言で、何か俺の脳の中が開けた気がする。

本当に素晴らしい気づきだった。

 

そしてあまりにも長くなりすぎたので、ルーン文字についてやフネヴァタヴルについては次の日記で書こうと思う!

 

 

 

 

あ、契約といえば、チャペルウェディングなんかで神父さんに

「病めるときも健やかなるときも愛することを誓いますか?」

って聞かれるアレ。

アレは、神父さんに誓っているわけじゃないからね!

もちろん、新婦さんでもないよ!

あれは…天上におわす神様に誓っているのだよ…!

だからね。

ヴァイキング的な重さで考えると…

恐ろしく重い契約を交わしたことになるのだ…!

文字通りの、「死が二人を分かつまで」の契約なんである。

破ったら?

ヴァイキング的には…

死を持って償わねばならんな!!はっはは!

キリスト教の神様もめっちゃくちゃ怖い神様だからね!

嘘は許されないよ!

だから、カトリック教会では「離婚」は存在しない。

だって、「神に誓った」のだから。

「やっぱなし!」はない。

だから、カトリックでは離婚ではなく「契約は無効だった」「そもそも契約が成立していなかった」てことになる。

チャペルウェディングで「神に誓った」人は…

生涯をかけてその約定を果たすよう、よき夫婦になるよう、努力をしてほしい!

ヤハウェの神との契約だ…!

 

 

あと、イスラム教圏で「姦通をした人」が石打で処刑される話が時々あるけど…

姦通というのは「神に対して嘘をついた」「神を騙した」ことだと考えれば、「なぜそこまでするのか?」が理解できると思う。

もちろん、あんな残酷なことはやめてほしいけど、「神への誓約」というのはそこまで重いものだ、と理解する手掛かりにはなると思う。

いや本当に、やめてほしいけどね。

でも、約束というのは、契約というのは、そういう恐ろしく重いものだったんだよね。

木工 - ノールビンドニングのセーターを作るために避けて通れないあのお方 -

f:id:yajul_q:20180806182521j:plain

タールハルパを作ったよ!

「3弦だからヨウヒッコじゃない?」と思われるかもしれないけれど。

いろいろ調べると、3弦でもタールハルパと表記しているところがおおくって、両者の違いがちょっと判らなくなってきている。詳しい人は解説をしてほしい!

とりあえず、この記事ではこれはタールハルパであるということにしてご覧ください。

さて、タールハルパ。

「タール」というのは英語のtallで、大きいという意味。

「ハルパ」は英語で言えばharpで、楽器のハープのこと。

でかいハープ。

ひねりなし!

綴りはtalharpaとか、taglharpaとか、tagelharpaとか、揺れはあるけど。

バイオリンのご先祖様で、ハープからバイオリンに至る進化の途中で現れた楽器といえると思う。音色はまさにケルト。聞けばすぐに思い当たる人も多いと思う。あの響きはいいよね。

 

それでなぜこんなマイナーな楽器を作ろうとしたのかというと…。

原因はやはりノールビンドニングにある。

恐るべきはノールビンドニングだな!

完全に人生が変わった感があるね…!

この半年、ノールビンドニングでセーターを作り続ける中で、どうしても避けて通れないものがあった。

ノールビンドニングでセーターを作ろうと志すすべての人の前に現れるあの男性が。

俺の脳の中に常にいたわけだよ。

この人。

f:id:yajul_q:20180806184135j:plain

(画像はこちらより)

 

これは…

 

勝てない!

 

タールハルパ奏者のPer Runbergさん。この方、割とルックスが劇的に変わるんだけど、大体ノールビンドニングのセーターを着てタールハルパを構えているのですぐにわかる。

少ない情報を求めて「nalbinding sweater」とかで検索すると必ずキミの前に現れる。ノールビンドニングのお姉さんと並んで俺の心の師匠とも言えるかもしれない。すごい。このセーターの編み方をこないだ先生に教えてもらったけど、作り方はともかくとしてここまでキマる自信がない。すごい。

 

そういうわけで…

「このお方が持っている楽器はどういうものなんだろう…?」という疑問が沸き上がるのは自然なことだと思う!

…だよな?

で、楽器について調べてみると…

「木工なら俺にもいけるかもしれないな…?」と創作意欲が湧き上がるのもまた自然なことと思う!

…だよね?

 

作りたい。作れそう。材料もある。道具もそろってる場所がある。セーターも作った。目標となるあのお方の姿もネット上に燦然と輝いている。

 

…やるしかないな!

 

しかも今は平成も終わりゆく21世紀。

21世紀人の俺たちは…新たなる神・ゴッゴルの恩寵により、Youtubeという現代のアレキサンドリア大図書館をその手の中にしている。

…要するに、「多分誰かがタールハルパの作り方を動画にしてるだろう!」

っていうすっごい怠惰なアレである。

すまない。

でやっぱりあるんだよ!

凄いな!


How To Build a DIY 2-String Tagelharpa / Talharpe / Jouhikko

21世紀人で良かった…!

「とりあえずざっくり作る」というDIY精神はやはり海外こそ本場。

本当にざっくり作っていて、しかもちゃんと鳴っている。

というかこの作者さんの演奏好きすぎて困る!

もっと聞かせてくれ!

 

作り方としては、

切って、穴あけて、重ねて接着して、蓋閉めて、弦張って、おしまい!

見事なDIY精神。

別にそんなきれいに作る必要はない!とにかくやってみろ!やってみればいいよ!

という熱い何かを感じる。

 

そういうわけで、やってきた。

f:id:yajul_q:20180806185951j:plain

寸法をざっくり決めて、材料を切る。

一番長い部材で70cm、膨らんでるところは40cm、幅は16cmで作ってるよ。

f:id:yajul_q:20180806190134j:plain

一番苦労したのが、中空を作るために、板の中身を削った時。

動画みたいに、くりぬいて蓋をする方式にすればよかったー!と後悔してもすでに遅し。

俺は…やるしかないのだ…!

横挽き盤の回転ノコの上に板をかぶせて削るという荒業を敢行した。

危ないから一人でやっちゃだめだよ!

f:id:yajul_q:20180806190352j:plain

削った表板、中抜きした中板、裏蓋。

f:id:yajul_q:20180806190435j:plain

重ね合わせると、こうなる。

ここまででおよそ5時間。

…結構かかってるな!

この段階で芸術の森の木工房の使用時間が過ぎてしまったので、ひとまず撤収!

ここまでできれば、あとは自宅で何とかできるかなーと。

f:id:yajul_q:20180806190628j:plain

弦を張るためのペグをつける場所を、ノミで削っていく。

地味…ッ!

しかし木工やってる感はある。

しかし、下手…ッ!

これでは…あのお方に届かない…!

というか週末で完成しねぇ!

ヤバいぜ!

というわけで、木工の師匠に連絡。

 

俺 「師匠…力をお貸しください…!」

師匠「うちに来ればいいよ」

俺 「今すぐ行きます!」

午前6時である。

 

午前6時30分、師匠の工房にスズメとともに到着。

師匠、工房の掃除中。

大体師匠は朝5時には工房にいる。

なぜそんな朝早いのかというと、師匠曰く「午後になるともうやる気ないから」ということらしい。

いやこれは俺もそうだな!

午後になるともう、なんか、エネルギーなくなるじゃない?13時くらいから夕食をどう素晴らしいものにするか考え始めるよね?

というわけで、朝7時。

遅くなったけれど、師匠と木工開始。

f:id:yajul_q:20180806191245j:plain

 

俺 「ざっくり作ったんですよ、ざっくり!とりあえず鳴ればいいなと思って!」

あははと笑いながら差し出すと、師匠、おもむろにカンナを手に小端を削っていく。

蘇る木材。

仕上げ不足の端とともに、「ざっくり感」すらも削り取られていく。

あれ、これ…俺…もっと荒々しい感じのだったのに…凄いプロっぽくなってるよ…?

f:id:yajul_q:20180806191533j:plain

すでにプロの楽器職人の趣が漂う。

木彫とか…入れたほうがいいのかな…。

ここまでくると、「俺が作った!」とかあんまり言えない感じになってきたぞ!

f:id:yajul_q:20180806191655j:plain

乾くのを待っている間に、ほかの部材を作る。

右のはゼブラウッド。師匠のゴミ箱から発掘。俺が形を作り、師匠が仕上げる。

なんかちょっと、いやだいぶ申し訳ない感じになってきてないか!?

仕上がりは目をみはるばかりだけれども!

これで無塗装なんだぜ…?

この艶よ…!実物はもっとすごいんだよ。

f:id:yajul_q:20180806191900j:plain

もう9割完成というところで、師匠が家族の買い物に出かけたので(いやもうほんとすんません)、あとの仕上げと塗装は俺がやることに。

 

…ほぼ、俺は何もしてないな!?

企画・俺

ほかだいたい全部・師匠

というくらいになっているが!

f:id:yajul_q:20180806192109j:plain

 

完成の喜びは変わらないな…!

 

弦は手芸用のナイロン糸。

ナイロン糸は強い。鋼鉄よりも強い恐るべき繊維。だからナイロン糸でもOK。

慣れたらちゃんとした弦に代えるけど!とりあえずはね!

 

それで…弾いてみたら!

 

しずかちゃんのギターの音がする…!

 

ギリギリギリ…!

 

おぉ、これは…外国の人が虫の声を聴くとこんな感じに聞こえるのだろうか?

不快ッ!

ちゃんとチューニング勉強せにゃ!

でも、何か、いけそうな、気がする!

 

単純に、楽器作りって楽しい。

もちろん難しいけれど、最初からうまくなんていかないけど。

出来上がったらどうなるだろう?そのためにどうすればいいだろう?

ワクワクしながら考えて、手を動かす時間は得難いものだね。

だいたい師匠の作だけどな!

はっはは!

サンキュー師匠!

 

それで、楽器製作を通じて学んだことがもう一つある。

これが、俺には最も衝撃的な知見だったかもしれん…。

それは…。

数多くの日本人の精神を破壊せしめて来た…あの恐るべき作品…

ドグラマグラじゃないぞ。

 

 

耳をすませば」の…天沢聖司くんの!

リアリティが上がってしまったということだよ…!

 

おぉ、俺はなんという地獄の蓋を…!

つまりね。

あのお方、天沢聖司くんの「非現実性」のうちの一つ、「バイオリン職人になるための修行をしている」という点が!

「わりと現実的かもね」

と思えるようになってしまったことだ!

つまり…!

 

天沢聖司は実在する!

f:id:yajul_q:20180806193426j:plain

 

天沢聖司くんの非現実性は、

・「理想のおじいちゃん」を極めた人物を祖父に持つ

・「理想の初恋」を極めた出会いをする

・「理想のおっさん」が周りにいる(おじいちゃんの知り合いの音楽好きの人ら)

・バイオリン職人を夢見て実際に作っている

・自転車

・視聴者を殺しにかかってくる

・かっこいい

・お前…さすがに文学少女に先んじて本を読みまくりながらバイオリン作ってって…お前…

・完璧超人

・どうでもいいけどキン肉マンの続編が面白いからキン肉マン世代は読もうぜ

 

これらの恐ろしい属性のうち、結構大きなウェイトを占める

「楽器職人を目指してイタリア留学を目論む」というある種の人生の究極系である部分が、

「うん、できるよね」

 

ってなっちゃった!

じゃああれか!

他の部分も、割と実は現実的だったってことにならないか!?

なるなぁ!?

っていうか一つ一つの要素を見れば、割と当てはまる人結構いるな!?

おぉ、神よ…気づいてしまった俺を、いらぬ知恵を身に着けてしまった俺を、元に戻してくれ!

エデンに帰りたい!

天沢聖司くんをファンタジーの世界の住人だと、そう、信じていたあの頃に…。

 

それにしても、聖司くんばっかりが超人じゃないのがあれの恐ろしいところだよ。

雫もさ、すごいぜ?ネプチューンマンレベルだぞ。

みんな、雫の超人性を知らなさすぎるよ。

マグネットパワー全開だぞ。

雫の両親だよ。問題は。

お父さんは図書館の司書だろう?

この時点で危険な雰囲気が漂ってこないか…?

図書館の司書!

「できることなら就きたい職業ベスト3」の一角だぞ!俺調べだが。

理想!

究極!

図書館で働いて生きていきたい!

そんな全国8230万の叫びが聞こえてこないか…?

俺は聞こえるね!

そしてお母さん!

大学院生だぜ…?

43歳。めっちゃきれい。

その年齢で大学院にいけるって、これも、非常に危険な…理想と究極の人生だぞ!

俺も…学び直したい!

大学院行きたい!

学びたくなったときに学びたい!

そんな全国の俺が、全世界にいると思われる俺の叫びが、耳をすまさなくとも聞こえると思う。

 

恐るべきは雫の両親!

むしろ残虐超人。

 

俺はもう…立ち上がれないところまで来てしまったかもしれん…。

心にベアクローを受けてしまったよ…。

 

モンゴル行ってマスク作らないとダメだな。

木工で。

信念を杖に セーターを海に

 

 

――先日、ニットカフェにて――

 

俺「(セーターを作りながら)先生、これ、ヴァイキング的には水通しするときは塩を加えるわけですよね?洗いながら、塩を」

北村先生「海です!」

俺「えっ」

北村先生「海水です!」

俺「ええっ(あれ、ネタじゃ…)」

北村先生「海水につけるんですよ!」

 

――――――――――――――――

 

f:id:yajul_q:20180728190611j:plain

サ マ ー シ ー ズ ン 到 来 !

夏といえば海と花火と夏祭り。

浜辺でスイカ割りをやって砂を噛んだ記憶は今も俺の脳の中に輝いている。

思いだすだけで体温が下がる素晴らしい思い出だな!

ここは北海道は石狩市厚田区の望来(もうらい、と読む)の海水浴場。

ここの何が良いかって、それはもう、あの崖だね!

海といえば崖。

崖あらずして海にあらず。いや海だけどさ。

しかも川の河口もあって、「俺が望む海」はここに存在したか!っていう感じ。

 

しかし今日の俺は、夏休みに田舎にやってきた子と地元の子とのひと夏の思い出的な最高のシチュエーションを妄想するためにここに来たわけではない。

俺が求めているのは…

この海岸の、逆側である。

f:id:yajul_q:20180728192731j:plain

流 木 シ ー ズ ン 到 来 !

…というわけでもないんだけどな!

とにかく、一人もくもくと作業をする場所を…求めていたわけだよ。

 

こいつのためにな…!

f:id:yajul_q:20180728192929j:plain

本当にもう、やるからね?

海で!

海水で!

セーターを!

洗う!

この段階でもまだ、大変な迷いが俺の脳の中を駆け巡る!

やっぱりあれって先生一流のネタだったんじゃ?

俺は踊らされている哀れなピエロに過ぎないのでは?

海岸を歩く間も答えは出ない。

タライと洗濯版、そして季節外れのセーターを抱えて砂浜を歩く、むくつけきヒゲ男…。

非常に危険だ。

「ヒゲ男が海水浴場でセーターを洗う事案」として地元の方々に脅威を与えかねない。

ヴァイキング的に素早く洗い、紳士的にこの場を立ち去るべきだとテトラポットウミネコも言っている。

 

…よし!

f:id:yajul_q:20180728194408j:plain

ヒゲ男が海水浴場でセーターをはためかせる事案が発生。

白いワンピースの少女なら許されるが、セーターのヒゲ男は許されない。

それが日本の夏である。

 

 

f:id:yajul_q:20180728194556j:plain

や っ ち ま っ た … !

 

もはや後戻りはできない。

ゆっくりと海面に沈みゆくセーターを見て、なんとも言えない感慨が沸き上がる。そして同時に覚悟も決まった!

 

俺は上り続けるだけだからな…!この果てしないノールビンドニング坂をよ…!

 

 

f:id:yajul_q:20180728194831j:plain

 

「ママ あそこにいるだんせいは こんなところで なぜおせんたくをしているの?」

「マナちゃん…あれは洗濯ではないのよ…きっとセーターの水通しをしているんだわ…」

「それじゃあ あまりじろじろみては しつれいなのかしら?」

「いいえ違うわマナちゃん…よく見ておくのよ…あのヒゲ男の末路を…。ノールビンドニングに手を出してしまった人はみんなああなるということを…。心に刻みつけておくのよ…。『本当に海水で水通しをしたら面白いんじゃないか』とか思って実際やってみたら思いのほか楽しくなっちゃって人目も気にせずあのように一人ヒゲを生やして流木に腰かけてセーターをこする哀れなヒゲ男性の心の闇を…」

「じんせいはむじょうね ママ」

 

f:id:yajul_q:20180728195857j:plain

正直…

 

すごくたのしかった…!

 

そりゃあ、まぁ!

「俺は何をやっているんだ…?」と人生の無常を感じたことも一瞬あったが!

崖、河口、流木とテンションの上がる環境のなせるわざか、不思議と水通しに集中できた。

そして、水を含んだウールのセーターの異常な重さを実感もした!

…これ着たまま海に落ちたら大変なことになるんじゃないか…?

ヴァイキングたちはそれをものともしないタフネスを備えていたのか?

海の民族とセーターといえば、「どざえもんになっても身元がわかるように」という話が有名だけど、それにもいろんがあるらしいしね。真実はわからないが、水を含んだセーターはガチということだけはわかった!

腕全体や、流木を使ってねじり絞りながらセーターのふぇるてぃんぐを進めていく。

やってる途中に穴を見つけたりして、それを見なかったことにしたりして。

 

f:id:yajul_q:20180728201054j:plain

そしてある程度出来上がったのがこちら!

心なしかみっしり感が増した気がする!

水を含んでいるのでなかなかしっとりと涼しい。風も通すし。

案外海でニットってのも悪くないのかもしれない。めちゃ重いけど。

 

f:id:yajul_q:20180728202625j:plain

そしてあとは、持って帰って仕上げにもう一度洗って、こんな感じに干しておいた!

ある程度水が抜けたらきちんと吊っておこう。どのくらい伸びるのかな。

セーターを作るのは始めだから、どうなるか楽しみだよ!

 

 

で!

 

肝心の!

 

「海水で水通しをしたセーターはどうなのか」

 

磯の香りが…しみついておる!

現時点での俺に言えるのは、まだこれだけだ!

今後、乾いてからどうなるのか。

…不安がないといえばうそに…なるな!

 

平安貴族みたいにお香を焚きしめようかな…。

 

 

2018.7.30 追記

多分、「海水でセーターの水通しをしよう」という人はいないと思うんだけど…

海水で洗ったあと、海水浴場の水洗い場でちゃんと塩抜きはしているからね!

それでも残る潮の香り、侮りがたし。

 

 

 

マツバラヒロコ先生にお会いしたこと。ノールビンドニングでセーターを作り上げたこと。

前回参加できなかったので、ちょっと久しぶりのニットカフェ。

さすがに…そろそろノールビンドニングのセーターを完成させなければならない時期に来ているので…(なんせ取り掛かってもう7か月だぜ)前夜に結構頑張って、一応の完成を見た!

やー、長かった!

元旦の休みを利用して、オシャレなカフェでドヤ顔で袖を縫い始めて7ヵ月。

な、ななかげつ!

すでにセーターのシーズンは終わり、灼熱の太陽が物理的に俺たちの身を焦がし始めているわけだけれども。熱さにはみんな気を付けてね。死なないでね。

ともかく。

終えた!

ノールビンドニング一周年である9月5日を前に完成することができたのは、ひとえに北村先生のテキトーなご指導(誉め言葉だからね!)と、ニットカフェを開催してくれたpresseさんのおかげだと思う。

いやもう本当に。

なんたって、ノールビンドニングのセーターは…相当な根気を要するからね!

これからノールビンドニングでセーターを作ろうとするすべての人に熱く語り掛けたい。

「大丈夫!そこ、第一の挫折ポイントだから!」

「あぁ、そのあたりで第二の挫折するよね!」

「だんだん面倒になってきちゃうよね!」

「来シーズンに希望を託そうぜ…」

「いっそそのままスヌードに直しちゃっても誰も君を責めたりしない…!」

いやもうね!

大変だよ!

セーターづくりっていうのはね!

今までの俺は、

「セーター作ったんだよ!」という言葉に対して

「おぉ、すごいね!」

と、いうのが精いっぱいだったが…。

今の俺なら言うことができる…!

「おぉ、そなたこそは真の勇者…。大変な偉業を成し遂げられましたね…!」

気分はドラクエの隠された祠あたりにいるジジイである。

本当にね。

大変だよね。

しかし完成したときの喜びは、その苦労を確かに報いてくれるので!

頑張ってほしい。

もし、ノールビンドニングでセーターを作ろうという人がいたら。

途中で挫折したって誰も責めないことと、

ここに一人、確かに、その挑戦を応援する男がいることを覚えておいてほしい。

いや、覚えなくて全然いいんだけど。

 

それで。

何とか完成直前まで仕上げてニットカフェに行こうとしたその時に。

連絡が入りまして。

「今日のニットカフェは、北村師匠と共著のマツバラヒロコ先生がいらっしゃるそうで。経典をもっていけばサインいただけますよー」

おお。

おお!

…おおおっ!

 

…いや待て!

あれ。

マツバラ先生来るの8月じゃなかったっけ!?

「8月にマツバラ先生いらっしゃるから、8月を目標にいろいろ作ろう。靴とか」

という計画だったんだけど!

セーターに7ヵ月かかってる時点でその計画は破綻しまくってるけどな!

しかしこれは!

 

…すげぇ緊張する…。

 

今日か!

よりによって!

まだあんま痩せてないのに!

いやそれはどうでもいいが!

どうでもよくないな!

1口につき100回噛むダイエット始めてるんだけど、これ結構いいよ!

 

しかしこれはまたとない好機。

というか多分、二度はない気がする。

っていうか、よく考えてみれば、北村師匠に気軽に質問できる今の環境が相当に恵まれすぎているんじゃないか。

あ!そういえば!

北村師匠にサインもらってないな!

著者の先生を目の前にして!

そういう発想が浮かばなかった!

まずい!

なんかいろいろと、浮足立っているが!

とりあえず!

ゆこう。

ゆこう。

そういうことになったわけだよ。

 

f:id:yajul_q:20180726190735j:plain

それで!

マツバラ先生にお会いすることができまして。

一緒に写真も撮っていただいて、サインもいただいて。ひつじかわいい。

北村師匠にもいただいて。師匠…なんでパンダなんすか…?

 

一緒に写った写真はお見せできないけれども。主に俺のダイエットの関係で。ええ。

おそらく、マツバラ先生と北村師匠のお二人に同時にお会いするという機会は今後もほぼないと思われるので、浮足立ちながらも大変貴重な時間をもらいましたね!

もうちょっと痩せていたかったよねー。1か月でそんな変わるものでもないけどさ。

頑張ろうぜ…俺よ…。

 

f:id:yajul_q:20180726190758j:plain

それで、これが完成したセーター!

…ボケてるけど。

襟の部分はかなり苦戦して何度も何度も切っては縫って、切っては縫いなおしての連続で、とても苦労した。なぜ苦労したかというと、最初に身頃と袖の大きさをテキトーに始めてしまったのが原因。身頃と袖をちゃんと決めれば、こんな苦労はしなくてよかったと思う。

けど、こういう失敗をリカバーできるのがヴァイキング的なノールビンドニングの魅力なのかもしれないね。

裾にちょっとアクセントが欲しくて、

「三つ編み付けたいんですけど…」

と言ってみたら、

「重くなるから、たぶんすんごい伸びちゃいますよ」

と言われ、断念。

とりあえず三つ編み、という貧しいセンスから脱却しなければならないな…!

 

f:id:yajul_q:20180726190811j:plain

これが切ったり縫ったりしてる最中の襟。

見づらいけど、内側に不要な部分がごっそりたまってるのがわかると思う。

 

セーターを作ってる最中は挫折に次ぐ挫折…というか、

「なんかいまいち、やる気が出ない…」

という怠惰な気持ちが一番厄介だったかな。

何だろう、やり始めればスイスイ進むんだけど、こう、いまいち、やる気のスイッチが入りにくいんだよ!

なぜなんだ!

…作業が地味すぎるからなのだろうか。

うーん。

今回は、その作業の地味さを打ち消すべく、毛糸をつなぐたびに針を替えて何とか怠惰ムーブを乗り越えた。その過程で、どういう針が使いやすいのかが自分の中でかなり情報が溜まった感があるね。これからの針作りに活かせたらなーと思う。

針のポイントとしては、

 ・針先が鋭すぎるとダメ

 ・穴は可能な限り大きく

が大事かなぁ。

…当たり前なことを言っているけれども!

結構、ミリ単位の違いがか使い勝手に相当影響すると思う。

俺の好みは、ちょっと厚め長め針先太めのテンションの上がる材質、ということが分かった。

…言葉にすると全然深みが感じられないけれども!

使っていると、微妙な違いが気になってくるものだよ!

 

f:id:yajul_q:20180726190839j:plain

そしてこちら、北村師匠がブドウの枝から作った針。

師匠、2か月前に手首を骨折されたんだけど、その影響で

「手首にあまり負担のかからない長い針」の実用性に気づかれたとか。

 

…俺の長い針趣味にも多少の理解を示してくれましたね!

そう、長い針は手首結構楽なんだよ!

言われて気づいたけど!

ハッハハ!

 

そういうわけで、ブドウの枝ももらったのでこれで針をまた作るよ!ちょっと太めの奴。

にしても、この枝ッ!っていう感が半端ない針はいいね。原始の鼓動を感じるよね…!

あと、骨とかね。

NHKスペシャル?で、ネアンデルタール人が骨で針を作っていたという映像があったらしいんだけど、そういう、こう、ね、太古の息吹を感じるものはいいよね。

(誰か録画してない…?)

 

 

f:id:yajul_q:20180726191003j:plain

で、こちら!

北村師匠の!

毛糸つなぎ機!

俺のがっかりつなぎ機よりも洗練され、しかも確実につながる驚異の技術なわけだよ!

羊毛フェルトの針。

これでちくちくとやると…瞬時に毛糸がつながるという…

がっかりつなぎ機のがっかり具合が大変なことに…。

あんな…ひどい…!

 

この羊毛フェルトの針なら、

手でごしごし(火が出るように)やることができないくらい短い糸先でも、きちんとつなぐことができる。

確かに、毛糸は羊毛だし、用途に合っている!(アクリルでもいけるらしい)

すげぇ…!

盲点だったぜ…!

俺は…火が出るようにこすり合わせることしか頭になかった…!

「革なら火が出るほどにこすれるのでは?」

「ほかに火が出るくらい熱くできるものはなんだ?」

とか、ひたすら「いかにして火を出すか」を考えていたからね…!

なんという呪縛…!

火属性はダメだな!

 

この産業革命に地味に結構なショックをうけていたんだけど、ことはそれに終わらなかった。

 

f:id:yajul_q:20180726195713j:plain

これこそ…

毛糸ちぎり機!

黒曜石!

オブシダン!

シンプル。

そしてすっごいちぎれる。

あんま力もいらないし。

巻きつけたりする必要もないし。

毛糸ちぎり機…。

安らかに眠ってくれ…。

 

しかもね。

このオブシダン毛糸ちぎり機、その圧倒的な存在感のほかに、素晴らしいストーリーがあるわけだよ。

北村師匠がカムチャッカ(だったっけ?)にお仕事で行ったとき、師匠が持って行った図鑑を現地の方に譲った際に、お返しにともらったものなのだそうだよ!

しかも、カムチャッカ(だったよね?)では、黒曜石は「先祖の霊を呼ぶもの」(だ、だったっけ?)という特別な意味を持つそうで。

すごい。

フレーバーテキスト*1までついているレアアイテムじゃないか!

俺の毛糸ちぎり機…。

 

R.I.P…!

 

 

*1:RPGとか、カードゲームとかで、アイテムについているちょっとしたストーリーや説明書きのこと

木を削ってスプーンを作る - そして男は海岸をめざす -

f:id:yajul_q:20180718114657j:plain

三連休初日の7月14日、ついに念願の木工教室に行ってみた!

札幌の芸術の森で、月に2~3回開催されている木工自由製作教室。

木工自由制作教室(7月) 【自由制作】 | 札幌芸術の森

これに参加することを待ち望んでいたというわけさ…!

芸術の森では、陶芸、織物、木工、ガラス工芸など一通りのクラフトができる設備がそろっていて、各施設は格安で借りることができる。

ただ、全くの初心者だとか、工芸設備を使い慣れていないうちはいきなり施設を借りても何をどうすればいいのかわからない状態になってしまうので、まずは何かしらのワークショップに参加して、設備の使い方を知ってから設備を借りたほうがいいように思った。

実際、俺も以前芸術の森の木工房を借りて作業をしたことがあるんだけど、

「な、何をしていいのかわからない…!」

という状態になったので、何事にも慣れとレクチャーは必要なものだと思う。

木工に比較的慣れている俺でも、

 ・これは使っていいの?許可が必要なの?

 ・グラインダーはどこで使えばいいの?

 ・ドアは閉めればいいの?開けとけばいいの?

みたいな、まるで新入社員のころを思い出すようなぎこちなさに襲われ、まるで何も作業が進展しなかったことがあった。

なんせ、板に穴開けただけで終わったからね…!

借りる意味ないな!

 

なので、まずは、ちゃんと教えてもらうことが必要!

道具の使い方をわかっていたとしても、ちゃんと一度教えてもらって確認をしてからやるべきだと思ったんだよね。

こう、俺は仕事もなんでもそうなんだけど、

「どこまで自分の判断でやっていいのか?」

「全体像はどうなのか?」

っていうのを自分の中で落とし込めないと、一気に無能になってしまう人間なのでね!

それこそ、ドアの開け閉めレベルのあたりから悩んでしまうんだよ。

だから初見で無能と判断されがちなのが悩み。

その辺ソツなくできる人にはあこがれるなぁ。

 

 

さて、今回、木工自由製作教室で教えてもらったのは…

冒頭の画像にもあるように、木のスプーン作り!

木材の男として…木のスプーンは避けて通れない道なんじゃないかと…思ったわけだよ。

それに、今まではなんだかんだで彫刻刀や切り出し小刀の使い方は習ったことがなかったし。

これを機会に、俺も彫れる男になるべきじゃないのか、ということで。

彫れる男に…!

他意はない!

すまない。

 

それで、目指したのは平たくて丸く大きいスープスプーン。

何となくオシャレに見えるあれ。

あれを作る。

 

まずは木工専門員の先生の教えに従い、俺の理想とするスープスプーンの姿を、厚紙に描き出す…!

これが…俺の求めるスプーンのイデア…!

とか暑苦しく描いてみても、あくまでもそれは型紙。

そんなにすごい姿になるわけもない。

ただ円に棒がくっついているだけの細長い前方後円墳である。

しかし前方後円墳には無限のロマンがあることを信じて、その型紙を木の板に写し取り、糸鋸盤で切り取る!

 f:id:yajul_q:20180718114723j:plain

できた!

が!

俺は…

糸鋸盤が下手だ!

ここにきて己の糸鋸盤適正のなさに若干絶望する。

すごい。下手っぴだ…。

しかしまぁ、「それは削って矯正すればいいよ」ということで、さっそくメインであるスプーンの丸いところを彫刻刀で彫っていく。

yajul35歳。初めての彫刻刀。

いやさすがに小学生の時は使ったけど。

趣味として木工を始めてからは初めてなんだよね。

大体は機械のパワーと鋸という力業で何とかしてきたのが俺の木工だったからな…!

木工はパワー。

しかしそれももう過去のものにしなければならないのかもしれない。

 

糸鋸で切り取った後、さっそく彫刻刀で彫ろうと作業台の上に置いて、彫刻刀を構える俺に…

先生「yajulさん、ちょっと変なやり方で彫ってみましょうか?」

俺 「?」

先生「こう、彫ります」

俺 「こう?」

 

f:id:yajul_q:20180718114834j:plain

まさかの…

彫刻刀を逆手に持ち、彫るものを左手に持って空中で彫る!

(軍手だと滑るので、皮手袋がいいらしい。もちろん素手でもいいんだけど、ケガには本当に気を付けて。子供には絶対やらせちゃダメ

俺 「机に置いて、固定して彫るんじゃないんですか!?」

先生「それでももちろんいいですよ。でも僕は、海岸とか、河原とかで自由に彫るのが好きなので…

俺 「それで。それでやりたいです。それがいいです。是非それで…!」

 

海岸や河原で木彫り

 

圧倒的な、あまりに圧倒的な破壊力…!

これよ。

これを求めて、俺はこの日にここへ来たのかもしれん…!

ノールビンドニングもそうだけど、自由な場所でやりたいようにやれるっていうのは魅力的だよね。

なにかこう、つながるものがあるね。

設備を使って見事に仕上げる、というのももちろん素晴らしいけど、粗があるのも素敵だと俺は思うわけだよ。

先生いわく、「yajulさん、木工はね、彫刻刀と切り出し小刀があればできるんですよ!」

まさにその通りだと思ったね!

 

ちなみにというか当然だけど、このやり方は危険が伴う。

でも一応、逆手で根元を握っているから、切っ先がズレたとしても、握り手が引っかかって深くは刺さることはないのだとか。

でも、何度も言うけど、このやり方は本当に気を付けてね!

推奨はしないよ!

 f:id:yajul_q:20180718114804j:plain

中身をある程度くりぬけたら、次は切り出し小刀で形を取っていく。

すごい。

彫り物っぽくなってる。

っていうか、木工台を上から撮るだけでオシャレな絵になるのって素晴らしい。

 

f:id:yajul_q:20180718114746j:plain

スプーンの中の仕上げは最後に。

すごいボケてるけど。

木工台が主役だから仕方ないね…!

ちなみに今回使った彫刻刀は一種類だけ。

15mmの丸型。これ一本でスプーンなら自由自在に作れるらしい。

買う。

買うぞ。

そして彫刻刀や小刀の選び方、手入れの仕方も教えてもらった。

そんな木工教室が10時から16時で1500円…!

これは大変にお勧めするよ。

今回は俺はスプーンを作りたかったのだけど、他にも作りたいものがあれば自由に作ってOK。自由木工教室だからね。

材料と、「これを作りたい」という熱い情熱があれば他には何もいらない。

…と思う。

まぁさすがに大きすぎるものは無理だけど。あと、参加人数の多寡によっても異なるけど。

「木工やってみたいけど、何からやればいいのか、何ができるのかわからないしなー

という人には最適かもしれないよ!

とりあえず、木のスプーンを作ってみるといいよ…!

ジャムスプーンでも、なんでも。

やってみさえすれば、出来上がるものはあるからね…!

 

 

f:id:yajul_q:20180718114854j:plain

それで、家に帰って胡桃オイルを塗り終えたのがこちら。

胡桃の木で作ったスプーンだし、胡桃オイルが一番合うよね。

胡桃オイルがなければ、無塩ミックスナッツとかに入ってる胡桃をガーゼでくるんで、トンカチとかでつぶしてオイルを出せばOK。

それもなければオリーブオイルで大丈夫だ!

f:id:yajul_q:20180718114939j:plain

 

ちなみに、一緒に写っているのは「江別やきもの市」の戦利品。

いやぁ、今年も素晴らしい焼き物が多くてね!

特にこの真ん中のおちょこがね!

一目ぼれだったね!

 

f:id:yajul_q:20180718114910j:plain

あんまりお酒は飲まないんだけど、中国茶はよく飲むから、小ぶりの茶碗を探していたんだよね。

こういう華やかな茶碗ってなかなかなくてね!

その性善説はブラックリスト方式

最近…とみに"性善説"、"性悪説"という言葉が苦手だ。

その言葉を聞くだけで「うぉっ…!来たか!」と身構えるほどに。

恐るべきは人の言の葉。

繰り出される言葉に潜む真の意味に、太古の昔に言語を獲得して以来俺たちは翻弄され続けている。

 

「yajulくんは性善説性悪説?」

 

という何気ない一言が、さながら「すべからく」が如く、俺をじりじりと苦しめるわけだよ…!

「すべからく」という文字を目にした瞬間、「ぶ、文末は…ちゃんと『べし』で受けてくれるよな…?」と不安に駆られてしまう。恐る恐る文を読み進めていく。たのむ。うまく受けてくれ…。もはや文の意味は頭に残らない。まるでスポーツ観戦のように。歓喜の瞬間と絶望の未来を天秤に乗せる。

そして最後に「べし」で受けてくれたその時は!

もう抱きしめてキスの嵐を浴びせたいくらいになるよね!

俺が言うとキモいが。すまない。

 

しかしとにかく、「その言葉が登場すると文意そっちのけで『正しいか否か』が気になってしまう」という恐ろしい言葉の中に、「性善説性悪説」はある。

他には「的を射る/得る」とか。個人的には「的を得る」は全然OKと思ってるけど。

 

yajul.hatenablog.com

 

言葉は変化していくものだし、その時々で使いやすくカスタマイズされていくべきとも思うけど、しかしその己の理想の中にやはり頑固な部分がどうしてもあって、「いやいや!」とか「別にいいだろ」とか、脳の中で論争が巻き起こるのがどうにも、こう、MPが減る感じが凄いする。

 

それで性善説性悪説

 

あぁ、もう、おぉ、俺の脳の中が!

 

性善説性悪説も誤解の多い言葉だ。

 性善説=世の中の人の本質は善だよ!信じればちゃんとわかってくれるよ!

 性悪説=世の中の人の本質は悪だよ!そんな簡単に信じちゃいけないよ!

 という感じ。

実際、確かに、文字を見たらそんな感じがする。

君は天真爛漫か?クールか?

というようなライトな意味で使う場面が多いと思う。

しかし、この二つの言説が登場した文脈を踏まえると、意味が結構変わってくる。

 

まず、性善説孟子。五十歩百歩の逸話で有名な人。

性善説の人」と解説されると、なんかすごくふわっとして朗らかな人の好いおっちゃんのような気がしてくるが、その実態は戦国のバトル野郎である。いや別に直接バトルしたわけじゃないんだけど。

中華全国を回って王侯貴族に「お前さぁ…」と説教して回るという弁論ガチ勢。めちゃ面倒くさい。五十歩百歩の話にしても、「あんたは戦争が大好きみたいだから戦争で例えてやるけどな?」という前置きで語られた逸話である。

で、性善説が語られた文脈は、「(王様に対して)お前さぁ…」っていうオーラを全身にたぎらせながら

「人間の本性は本来善なわけ。でも今は荒廃してるだろ?なんでそんな風になってるんだ?つまりそれは…あんたの政治がダメだからってことになるよなぁ?」

「環境と教育が大事なんだよ

っていうのが性善説

つまり、別に人間の本性とは何かを語りたいんじゃなくて、「あんたの政治がダメだからだろ」を言うためのレトリックであったわけ。儒教というのは本質的に「上流階級の修身のための思想」であるので、この性善説もまさにその文脈で使われている。

 

次に性悪説荀子

性悪説の人」となると、ものすごい陰険そうな小男が思い浮かぶが、先の孟子と同様にイメージはかなり違う。

荀子はその当時、紀元前300年くらいの人物にしては傑出した科学的思考の持ち主だった。アリストテレス級の超現実派の頭脳である。

「夜になって家の中でギシギシ音がするのは、湿気によって木材が収縮するからだ。幽霊なんてものはない」

とか

「飢饉が天罰だなんてことはない。豊作の時にきちんと蓄え、余裕があるときに治水をして農場を整備すれば飢饉にならない」

という、

「はい、そうですね先生」

と答えるしかない明快さで論を推し進めていくタイプの人物だ。儒教らしくない言説がそこら中にちりばめられている荀子は、のちの「法家」と呼ばれる一派の萌芽ともなった。マンガ「キングダム」にも登場する李斯のお師匠さんだよ。

性悪説の文脈というのは、怜悧な論理性たゆたう荀子が鋭いまなざしで

「人間の本性は悪だ。だから教育によって本性を正さねばならない。学び続けることでしか良い人間は形作られない」

「環境と教育が大事なのだよ」

っていうのが性悪説

 

…あれっ?

 

そう、実は二人とも、同じことを言っている!

違うのはただ視点だけ。

孟子は支配者に向かって言っている。「ちゃんと学べる環境整えないとだめだろ」

荀子は個人に向かって言っている。「しっかり学ばないといけません」

 

だから、

 

「yajulくんは性善説?」

「いいえ、人間(は本性を克服できること)を信じているので、性悪説です!」

 

「yajulくんは性悪説?」

「いいえ、人間は(おかれた環境によって悲しくも)悪い存在になってしまうものですから、性善説です!」

 

みたいなことも言えてしまう。

 

 

わぁ!めんどうくさい!

 

そういうわけで、「いわゆる性善説」「いわゆる性悪説」を話題にしたい場合は、

 ブラックリスト方式

 ホワイトリスト方式

って言い替えちゃえばいいと思う!

 

つまり、

「人間は本当は善の存在と信じてる。だからどんな人とも真摯に付き合いたいよ。でも酷い人はブラックリストにいれて、付き合わないようにするよ」という「いわゆる性善説」が「ブラックリスト方式」。

「基本的に他人を信用しない。信じられる人だけをホワイトリストにいれて、その人たちと優先的に付き合うよ」という「いわゆる性悪説」が「ホワイトリスト方式」。

 

これで行こう!

いや、ま、俺はそうしようという感じで。

性善説性悪説?」

と聞かれたら、

「俺はブラックリスト方式ですねー」と答えることにしようと思う!

やっぱり、なんかこう、言葉の誤用とかを指摘するのもなんか嫌だしさ。

 

俺も多分、いろんなことを間違っているのだから、あんまり、鬼の首とったように指摘したりは、したくないよな。